はじめに
皆様どうもカプ・サイシンと申します。
以前より私の育成論を読んで頂いている方はご無沙汰しております。
久々の投稿となりますが宜しくお願いします。
コメントでのご質問、アドバイス等よろしくお願いします。
辛口コメントも大歓迎です。カプサイシンだけに
注意点
- この育成論は非公式の用語を使用しています。他の育成論でも使用されている程度のものです。
- 本文ではダイマックスをDMと略します。
- この育成論は次項目より常体を使用します。
- この育成論のポケモンは全て6Vとしています。
- ダメージ計算はVS SWSHのダメージ計算機を使用しています。
- 本育成論はシリーズ8、つまり禁止級伝説が使用される環境を考慮しておらず、5 月からのシリーズ9以降を想定しております。本育成論は投稿者がシリーズ7およびカジュアルで運用した上での考察となります。
- 本育成論のヤドキング(ガラル)は一般的に周知された型の一つであり、テンプレ補完として投稿しております。
コンセプト
HD振りととつげきチョッキ(以下チョッキ)により、特殊耐久を極限まで高めたヤドキング(ガラル)である。
タイプ的に相性の良い特殊フェアリーはもちろん、幅広い特殊アタッカーに対して数値受けが成立する。
チョッキの仕様上補助技が使えないが、特性さいせいりょくにより、引くだけで回復できる為、サイクル戦における特殊受けとして機能する。
受けループなど受け寄りのサイクルパでの活躍が期待でき、高い特殊耐久+さいせいりょくによる回復で特殊アタッカーを止めつつ、広い技範囲を活かして対面相手や交代先に負荷をかけていくのが主な仕事となる。
なお持ち物がとつげきチョッキのヤドキング(ガラル)は既に投稿されている(というか私が投稿した)がHC振りのアタッカー仕様であり、本育成論とは運用法が異なる為、別の育成論として投稿する。
差別化
まずはラッキーハピナスなど、他の特殊受けとの差別化点だが特性のさいせいりょくが挙げられる。
チョッキはその仕様上じこさいせいなどの高速回復技を搭載できないが、ヤドキング(ガラル)はさいせいりょくにより引っ込めるだけで1/3と比較的大きい回復ができる手段があるため、補助技を搭載せずとも特殊受けとして機能させることが出来る。
特に受けループなどのサイクル構築においては、チョッキによる高い特殊耐久を確保しつつ回復出来る為機能しやすい。
不利対面で逃げながら回復出来る為、サイクル戦において回復にターンを必要とせず、隙が生じにくいのが特徴である。
但し、逆に言うと引っ込める以外に回復手段が無いため、相手が居座ってDMなどでゴリ押してくるケースは比較的苦手としており、こちらもDMを切らないと対応しきれない為、一概に優位点とは言えない点は把握しておく必要がある。
また、さいせいりょくによる回復手段はチョッキバンギラスやヌメルゴンなど、チョッキにより高い特殊耐久を確保したポケモンとの差別化要素にもなっており、さいせいりょくによる回復により、数回の受け出しや、撃ち合いで無理やり倒した場合などのダメージ蓄積をケアできる為、サイクルに参加させやすい。
特性さいせいりょくで特殊耐久が比較的高いポケモンとしてドヒドイデランクルスが挙げられる。双方とも本育成論のヤドキング(ガラル)のようにチョッキにより特殊耐久を確保しつつ回復が出来る。これらの差別化点についても記載する。
ドヒドイデは攻撃性能で差別化出来る。そもそもドヒドイデ自体A種族値63、C種族値53と低い為、殴る事には向いておらず、補助技ありきのポケモンである為、チョッキとは相性が悪い。
ヤドキング(ガラル)はC種族値110と比較的高く、無振りでもそれなりにある火力と広い技範囲がある為、攻撃技だけでも機能する。
ランクルスは技範囲で差別化出来る、ヤドキング(ガラル)はカプ・レヒレなどのフェアリーに有効な毒、ナットレイテッカグヤなどの鋼に有効な炎、後出しされ易いランドロス(霊獣)に有効な氷など技のバリエーションが非常に豊富であり、パーティー事情によりカスタマイズもしやすい。
以上の点から特性さいせいりょくのチョッキ持ちとしてはヤドキング(ガラル)が最も優れていると考える。
性格、努力値
なまいき H244 A4 B4 C4 D252
上記はサブウェポンとしてじしんを採用している場合である、本育成論は以降この構成前提で進める。
Hは実数値奇数かつさいせいりょく考慮の3nに調整、次に特殊耐久確保の為D特化としている。
余りについて筆者はABCそれぞれ4振っている。A4振りにする事でH252ヒードランをたべのこし回復量込でもじしん確定2、H84ウツロイド(C172振り想定)がじしん確定1となるメリットがある(ただしC172振りウツロイドはH4 B76振りが多く、調整は活きにくい)。
基本的に余りは好みの問題なので、無駄振りでなければどこに振っても運用に大きな問題はない。
なお性格はS下降補正のなまいきであるが、他の能力値を落とす事が出来ない為、やむを得ずS下降補正としているだけであり、S個体値は0(最遅)ではなく高いほうが望ましい、目安としては無振りナットレイを抜ける22以上となる。
理想個体は6Vとする。
なお、じしんを採用せず、攻撃技を特殊のみにする場合は以下のようになる。
おだやか H244 C12 D252
特性
さいせいりょく一択とする、受け寄りの構築において回復手段の有無は使い勝手に直結する。
持ち物
とつげきチョッキで確定とする、補助技が使えないが、攻撃技だけで役割を遂行できるだけの火力と範囲を持ち、さいせいりょくによる回復手段がある為、特殊受けとして機能する。
技
確定技(2枠)
ヘドロばくだん
メインウェポンである、カプ・レヒレなどの特殊フェアリーに強く、打点となる。
また、受けよりのサイクルにとって、毒のスリップは貴重なダメージソースになり得る為、追加効果確率の高いこちらがヘドロウェーブより優先されると考える。
かえんほうしゃ
ヤドキング(ガラル)自体鋼を呼びやすいため、刺さる炎技は必要である。毒技を見て受け出しされ易いナットレイテッカグヤ辺りの打点となる。
だいもんじも選択肢になり得るが、命中率と長期戦になった場合のPPを考慮するとかえんほうしゃのほうが良いと考える。
- 選択肢(2枠)
れいとうビーム
呼びやすいランドロス(霊獣)に刺さる為、優先度は高い。他にもサンダーや特殊ボーマンダの打点となり得る。
サイコショック
タイプ一致のエスパー技である。エスパー技を撃つ対象としてはウツロイドアーゴヨン辺りの毒タイプとなる。Bの低いウツロイドへの刺さりが良く、有効打になり得るが、DMするとDで受けられる為、ウツロイド辺りへの通りは悪くなる。また、HB振りが多いドヒドイデに対しては回復が追いつくため有効打になり得ない。
サイコキネシス
ドヒドイデを意識する場合はこちらを採用する。とはいえくろいヘドロの回復込で高乱数2なので回復で粘られて長期戦になる可能性がある事は念頭に置く必要がある。
エスパー技を撃ちたい他の相手に対してはサイコショックの方が通る、または事足りる場合が多い。
みらいよち
サイクル戦において、相手の引いた際にでも仕込んでおくことで相手の交代を抑制したりするなどの効果が期待できる。威力120と高く、相手への負担も大きい。
じしん
主にウツロイドヒードランへの打点となる。
特にウツロイドに対してはサイコショックよりもダメージが出る上、DMしても物理技で攻められるため、DMでの撃ち合いにも強くなる。
但しA種族値65と低く、等倍はおろか2倍弱点をついても大した負荷はかけられないので4倍ピンポイントになりがちとなる。
- 候補外とその理由
ヤドキング(ガラル)単体で考えた場合、上記確定技、候補技を抜いてまでメリットを感じなかった技を記載する、構築単位で特定のポケモンの対策をしたい場合は採用の余地がある。
なみのり
水技を撃つ対象としてはヒードランピンポイントになりがちとなる、そのヒードランに対してはじしんの方がダメージが出る。HDヒードランが一定数いる点、ウツロイドにも刺さる点を考慮すると、じしんを差し置いてまでいる技ではないと判断し候補外とした。
ねっとうに関してはやけどが後続へのサポートになり得るが、なみのりと同様に抜群を取れる範囲を狭めることになる為、メリットは薄いと考える。
パワージェム
この技を覚えるのは珍しいが、撃つ対象がいない、強いて言うならリザードンウルガモスなどの4倍勢だが環境的に多い訳でもなく、抜群を取れる範囲を狭めるデメリットの方が大きいと判断し候補外とした。
くさむすび
カバルドンラグラージなどにはダメージが出るが、双方一撃で落とせない為、あくび→ステロの展開を防げない。
ラプラス辺りへの有効打になり得るが、耐久無振りでも2耐えされ、先にぜったいれいどが当たる可能性が高い点、じゃくてんほけん持ちが一定数いる点、DMされると無効化される為、こちらもDMを切らないと撃ち合いできない点から機能しにくい。
以上の点から搭載しても活きる場面が少ないと判断し、候補外とした。
立ち回り
基本的には特殊アタッカーへの受け出しを想定している、元々種族値的に高水準な特殊耐久に特化し、チョッキで更に強化している為、等倍以下であれば受けが成立するケースは多い。
以下に目安となりそうな具体例を何点か挙げる。
- C特化珠サンダーの10まんボルトがさいせいりょくによる回復圏内
- C252ウツロイドのC1段階アップメテオビーム+ダイロック+すなあらしダメージをDM無しで確定耐え
- C特化ヒードランのだいちのちからがさいせいりょくによる回復圏内
など特殊技に関しては非常に硬い。この硬さにさいせいりょくによる回復が入るため、
等倍以下(場合によっては不一致抜群)に受け出し→攻撃→不利対面で引っ込めるという単純な動きを繰り返すだけでも、こちらのHPはほとんど減らず、相手にダメージを蓄積させる事ができるケースは多い。
フルアタかつ技のバリエーションが豊富な為、技範囲は自然と広くなり、ウツロイドサンダーカプ・レヒレなど多くの環境トップクラスの特殊アタッカーに対して抜群を取れる。その為、Cにほぼ降っていないが、一撃で落とすまではいかなくとも、サイクル戦におけるダメージ蓄積や、高い特殊耐久を活かした撃ち合いを制する程度の火力は確保出来ている。
また、抜群をつける範囲が広い為、ランドロス(霊獣)やナットレイなど受け出しが想定される相手に対しても交代読みで大きな負担をかけることが可能である。
とはいえ火力が微妙に足りない場合があるのは事実である。例えばH252サンダーに対してれいとうビームで半分削れない為、はねやすめで粘られる場合がある。
その為、相手によっては弱点をつく前にヘドロばくだんを連打し、どく状態にしてから本格的に攻めるといったプレイングも考えられる。
また、当然だがフルアタの為、受けループ対策として搭載されるちょうはつで止まらない。
特に受けループが苦手になりがちな、ちょうはつヒードランに強く出せるのは強みの1つである。
さいせいりょくがある為、チョッキによる高い特殊耐久を確保しつつ引っ込めるだけで回復出来るのは大きなメリットであるが、逆に言うと引っ込めないと回復できない為、役割対象が相手であってもDMなどでのゴリ押しを凌ぎきれず、DMを切らざるを得ない場合がある事は念頭に置いておく必要がある。
相性の良い味方
- バンギラスバンギラス
筆者はHDステロ型を使用している。ファイヤー(ガラル)などのヤドキング(ガラル)が苦手とする特殊悪、ゴーストやめいそう積みからアシストパワーで押してくる相手に強い。こいつとヤドキング(ガラル)2体でほとんどの特殊アタッカーには対応できる。双方地面が弱点だが、地面技を使う特殊アタッカーは少なく、筆者が思いつくのはだいちのちからヒードランくらいであり、前述のようにヤドキング(ガラル)で対応できる。
ステロをまくことでボルトチェンジサンダーにも対応できる為、オススメである。
- エアームドエアームド
物理アタッカーを幅広く見る事ができ、特にランドロス(霊獣)などの地面タイプに受け出しが効く。エースバーン、ハチマキウーラオス(いちげき)辺りが厳しいので他で対策が必要となる。
(参考 sia様のオボンエアームド育成論ソードシールド/2814)
- マッシブーンマッシブーン
HBに振ることでヤドキング(ガラル)が苦手とするウーラオス(いちげき)(いちげき)をハチマキ持ちであってもほぼ完封できる。
ゴツゴツメットを持たせればれんげきも行ける。
但し1割程度いるつばめがえし(ダイジェット)持ちには勝てない。
苦手な相手
- 積みポケ
特にラティアスなど高い耐久と回復技を盾に居座ってくる相手には弱い、ヤドキング(ガラル)は鈍足であり、めいそうなどを先積みされる為半分削れない耐久を確保されると打つ手が無くなるため、起点にされる。
但しカプ・レヒレは基本的に回復技を持たず、めいそうを積まれても毒技でゴリ押しできるケースが多い。
- ラプラスラプラス
攻撃技は相手がDMしていても余裕で受けられるが、ぜったいれいどなどの一撃技を防ぐ術がなく試行回数を稼がれる。オーロラベールを貼られていなかったとしても有効打がなく、迅速に落とせない為、こちらが先に落とされるケースがほとんどである。
ダメージ計算
- 与ダメ
ヘドロばくだん
※ダイアシッドも同威力
カプ・レヒレH252
50.8〜61.8% 確定2
サンダーH252
30.9〜37.0% 乱数3(79.73%)
ラプラス無振り
28.2〜34.1% 乱数3(2.7%)
ウーラオス(いちげき)(共通)無振り
48.0〜56.5% 乱数2(84.76%)
かえんほうしゃ
ナットレイH252
75.1〜88.3% 確定2
テッカグヤH252
36.2〜43.1% 確定3
ドリュウズH4
56.9〜67.7% 確定2
ジバコイルH252
53.1〜67.7% 確定2
ダイバーン(かえんほうしゃ)
ナットレイH252
106.0〜125.9% 確定1
テッカグヤH252
51.9〜61.7% 確定2
れいとうビーム
サンダーH252
41.6〜49.7% 確定3
ランドロス(霊獣)H252
91.8〜108.1% 乱数1(50.0%)
ドラパルトH4
57.3〜68.2% 確定2
ダイアイス(れいとうビーム)
サンダーH252DM
29.9〜35.5% 乱数3(27.31%)
サイコショック
ウツロイドH4 B76
82.1〜98.3% 確定2
アーゴヨンH4
86.4〜102.7% 乱数1(12.5%)
ドヒドイデHB特化
34.3〜42.0% 確定3
ハピナスB252
29.0〜34.5% 乱数3(4.39%)
サイコキネシス
ウツロイドH84
46.1〜55.3% 乱数2(51.95%)
アーゴヨンH4
97.2〜114.8% 乱数1(81.25%)
ドヒドイデH252
53.5〜64.9% 確定2
ダイサイコ(サイコショック、サイコキネシス共通)
ウツロイドH84DM
32.8〜38.9% 乱数3(99.21%)
ドヒドイデH252
76.4〜91.7% 確定2
みらいよち
ウツロイドH84
59.4〜71.7% 確定2
ドヒドイデH252
70.0〜84.0% 確定2
じしん
ウツロイドH4 B76
92.9〜110.2% 乱数1(50.0%)
ウツロイドH84
100.5〜118.9% 確定1
ヒードランH252
54.5〜64.6% 確定2
ジバコイルH252
49.7〜61.0% 乱数2(99.6%)
ダイアース(じしん)
ウツロイドH4B76 DM
59.4〜70.2% 確定2
ヒードランH252DM
34.3〜41.4% 確定3
- 被ダメ
引っ込めると1/3(約33.3%)回復する事を考えるとサイクル戦における硬さが理解できると思われる。
なお非DM状態での記載となる、DM時はHPが200%と考える。
サンダーC特化 いのちのたま
10まんボルト
23.8〜28.8% 乱数4(97.54%)
ぼうふう
29.8〜35.3% 乱数3(24.02%)
ダイジェット(ぼうふう)
37.3〜44.7% 確定3
ウツロイドC252 C1段階アップ
メテオビーム
33.3〜40.2% 確定3
ダイロック(メテオビーム)
39.3〜46.7% 確定3
カプ・レヒレC特化
ハイドロポンプ
19.4〜22.8% 乱数5
ダイストリーム(ハイドロポンプ)
24.3〜28.8% 乱数4(98.72%)
ヒードランC特化
マグマストーム
20.8〜25.3% 乱数4(0.03%)
だいちのちから
25.8〜30.8% 確定4
テッカグヤC特化 C1段階アップ
メテオビーム
22.3〜26.3% 乱数4(10.7%)
ダイジェット(エアスラッシュ)
35.8〜42.2% 確定3
アーゴヨンC252 いのちのたま
りゅうせいぐん
32.8〜38.8% 乱数3(98.02%)
ドラパルトC252 いのちのたま
シャドーボール
34.8〜42.7% 確定3
ラプラスC特化
キョダイセンリツ(ぜったいれいど)
20.8〜25.3% 乱数4(0.03%)
なお、ダメージ計算は必要最小限になるよう精査した上で記載している為、追記要望については基本的に受け付けない、各自で計算をお願いしたい。
但し、筆者の見落としなど明らかな「記載漏れ」については応じる、気づいた際は指摘をお願いしたい。
終わりに
ここまでお読みいただきありがとうございます。
ヤドキング(ガラル)は雪原解禁直後は新登場にも関わらずあまり注目されていませんでしたが、とある方が使用された事により注目され、今ではテンプレの一つとなりました。
実際に使用してみると特殊アタッカー相手に滅法強く、紹介させて頂きたいと考え投稿に至りました。
本育成論投稿時点ではまだシリーズ8であり、カイオーガ、バドレックス(こくば)、イベルタルなど禁止級伝説の特殊アタッカーに苦手な相手が多く、活躍できる場面が限られましたが、次シリーズでは環境が戻り再度活躍できると考えています。
コメントでのご指摘、ご質問等お待ちしております。