はじめに
こんにちは。ナマコ48と申します。今回で3本目の育成論投稿となります。まだまだ不慣れな点や拙い点があるかと思いますがご容赦ください。また、不明な点やおかしな点、ご意見等あればコメントを頂けると幸いです。
さて今回はホウオウの育成論となります。禁止級伝説が解禁されてからおよそ1か月、ホウオウは禁止級伝説の中では使用率8位に位置し、「あつぞこブーツ」を持たせたサイクル型が主流ですが、今回は所持率3.3%の「じゃくてんほけん」を持たせた型の考察となります。
「じゃくてんほけん」によって、本来不利なポケモン(カイオーガ、特定条件のランドロス(霊獣)等)との相性関係を強引に逆転させ、全抜きを狙っていくことをコンセプトとしています。
- HABCDSなどの略称を用います。その他、検索すればわかる専門用語などを用いる場合があります。
- ダメージ計算は「ダメージ計算SS forポケモン ソード&シールド」様を使わせていただいています。
- ダメージ計算時の相手ポケモンの個体値は31を想定しています。
- この育成論はイグニス様の育成論(育成論ソードシールド/2658)を基本に、いくつかの改良と詳細なダメ計などを加えたフォークとなります。
ホウオウの基礎考察
まずホウオウのタイプ・種族値・特性について考察していこうと思います。
- ホウオウホウオウ
タイプ ほのお・ひこう
種族値 106-130-90-110-154-90
特性 プレッシャー、さいせいりょく(夢特性)
攻撃面では、ほのお技はやや通りが悪いですが、「ダイバーン」によって天候を晴れにすることで火力に補正を掛けることができ、タイプ一致で第8世代最強技「ダイジェット」を打つことができます。なおかつ、サブウェポンの「じしん」を組み合わせた3タイプを半減以下で受けられるポケモンは使用率TOP150の中ではヒートロトムウォッシュロトムだけです。以上のことより、全抜きDMアタッカーとしての適性がとても高いといえます。
防御面では、ほのお・ひこうは4倍弱点が1つ(いわ)、2倍弱点が2つ (でんき・みず)に対し、半減4つ(かくとう・フェアリー・はがね・ほのお)、4分の1が2つ(くさ・むし)、無効が1つ(じめん)となっており、少ない弱点と4倍弱点の存在から、一見「じゃくてんほけん」とはかみ合わないように思えます。しかし、後述の高い耐久種族値によって、意表を突いた全抜きが可能となります。
種族値に関しては、まず圧倒的なD種族値が目を引きます。D種族値154という値はツボツボレジアイスに次いで第3位です。この特殊耐久の高さは無振りでもDMを切れば雨下おくびょうカイオーガの「しおふき」を確定耐えし、特殊技であれば4倍弱点のいわ技であってもC252ムゲンダイナのC+1「メテオビーム」を高乱数で耐えるほどです。
また、A種族値も130あります。わかりやすいポケモンではウーラオス(れんげき)と同じ値であり、ある程度努力値を振ることで抜きエースとしては申し分ない火力を出すことができます。
Sは90族であり、カイオーガディアルガレシラム等の禁止級と同速で、全体としては中速に位置します。しかし、S90という値は最速なら「ダイジェット」を1回積むことで161族と同速になり、最速ザシアン(王)を抜くことができる絶妙なラインです。
反面、HとBはそこそこ止まりで、特にいわタイプの物理技には滅法弱いという弱点がありますが、物理いわ技には「がんせきふうじ」という低火力の技があり、他に「いわなだれ」や「ストーンエッジ」が使えても「がんせきふうじ」を採用している場合が多々あります(ランドロス(霊獣)ドリュウズガブリアス等)。本論のホウオウはこれらの不一致「がんせきふうじ」媒体の「ダイロック」を耐えて全抜き体制を取ることができる調整となっています。
特性は「プレッシャー」「さいせいりょく」の2種類があります。今回の持ち物「じゃくてんほけん」とはどちらも相性が良いとはいいがたいですが、初手DMとして暴れたあと一旦手持ちに引くことで耐久力を安全に回復し、対特殊アタッカーに役割を持つことができる「さいせいりょく」を推奨します。
他の持ち物との差別化
ホウオウの他の持ち物には、所持率TOPの「あつぞこブーツ」、「いのちのたま」、「とつげきチョッキ」があります。
「あつぞこブーツ」を持ったサイクル型や「とつげきチョッキ」を持った受け型と本論で扱う「じゃくてんほけん」アタッカー型は根本的な使い方が異なるため、差別化の必要はないかと思います。
「いのちのたま」アタッカー型と比較した場合、初速の火力では「いのちのたま」に劣りますが、珠ダメージを気にせず戦えることや、対策として選出されるであろうカイオーガ、アタッカー型サンダー等に有利に立ち回れる点が優れていると考えます。
他のポケモンとの差別化
他の「じゃくてんほけん」型の禁止級伝説との差別化を考えてみます。
環境上位ではネクロズマ(日食)バドレックス(はくば)ゼクロムディアルガ等が「じゃくてんほけん」型としてはメジャーです。
これらのポケモンとの大きな差別化点はSを上げる手段にあると考えています。
ディアルガはそもそもSを上げる手段がなく、ネクロズマ(日食)ゼクロムには「りゅうのまい」、バドレックス(はくば)には「こうそくいどう」がありますが「じゃくてんほけん」を警戒される、やけどに弱い、積むための隙が必要などの弱点があります。
それに対しホウオウはタイプ一致で「ダイジェット」を無理なく打つことができ、ほのおタイプであるためやけどの心配もありません。この点で差別化ができていると判断しました。
性格・努力値と調整
- 性格
先述のS+1でザシアン(王)抜きのためようきで確定とします。
- 努力値振り
確定欄の振り方はこちらになります。
A180-B76-S252
・Aは「じゃくてんほけん」が発動しなくてもある程度高く保ちたいため、余りをすべて振っています。
・BはA252振りランドロス(霊獣)の「ダイロック(がんせきふうじ)」+砂ダメージを3回確定耐えに調整しています。
・SラインはS+1ザシアン(王)抜きまで落とす(S188振り)ことも考えましたが、S90族は激戦区であり、S+1でも最速スカーフカイオーガに確実に抜かれてしまうのは好ましくないと考え、最速としています。
技構成
- 確定欄
せいなるほのお
ほのおタイプ 威力100(DM時130) 命中95 50%の確率で相手をやけど状態にする
こおり状態でも使用でき、こおり状態が治る
タイプ一致技であり、準専用技でもあります。威力・追加効果共に優秀です。あえて外す理由もなく、確定技とします。
ブレイブバード
ひこうタイプ 威力120(DM時140) 命中100 与えたダメージの33%を自分も受ける
タイプ一致技であり、相性非考慮の場合の最大打点です。「ダイジェット」の媒体としても最大火力となります。ただし反動が大きいため、どうしてもという場合には他の飛行技との交換も考えられるかもしれませんが、火力が不足しがちなので基本はこれ。本論では確定技としています。
じしん
じめんタイプ 威力100(DM時130) 命中100
先述の通り、ほのお・飛行タイプの技と組みあわせればほとんどのポケモンに等倍以上が取れます。また、「ダイアース」として打つことで、削られてからも特殊等倍程度なら受け流せる超耐久が手に入ります。確定技とします。
- 選択技
じこさいせい
ノーマルタイプ 変化技 HPを最大値の半分回復する
回復技兼「ダイウォール」媒体です。本論のホウオウは相手のDMターンを枯らすことができればほぼ止まらなくなるため、「ダイウォール」を使う機会が非常に多くなります(先述のB振りのため、先述と同条件のポケモンなら「ストーンエッジ」も耐えられる)。また、対特殊であれば、D無振りでも回復込みで受けが成立する場合が多々あるため、推奨技とします。
おにび
ほのおタイプ 変化技 命中85 相手をやけど状態にする
ダイウォール媒体として使えます。せいなるほのおの50%やけどが信頼できない方に。パーティに組み合わせるポケモン次第では十分候補に入ると思います。
アイアンヘッド
はがねタイプ 威力80(DM時130) 命中100 30%の確率で相手をひるませる
「ダイスチル」として打つことでいわタイプの弱点を突きながら物理耐久を上げられます。が、変化技を採用しない場合は「とつげきチョッキ」型を考慮したほうが良いかもしれません。
ギガドレイン
くさタイプ 威力75 命中100 相手に与えたダメージの半分HPが回復する
受けとして選出されやすいヌオーへの打点になるとともに耐久を回復させる効果もあります。が、変化技を採用しない場合(ry
立ち回り例
想定としては先発初手DM、もしくはある程度場を整えてからの抜きエースとしての起用が主になります。
呼びやすいカイオーガは先発で出てくることが多いので先発が比較的向いていると考えています。ただし、カバルドンラグラージ等の「あくび」「ステルスロック」を持ったポケモンが先発で予想される場合は先発に「ちょうはつ」持ちを起用するなどの工夫が必要です。
立ち回りとしては、繰り出して即DMが基本になります。相手がステルスロックをまかない場合はDMが切れた後に引いてサイクル戦に持ち込むこともできます。DMが切れた後のホウオウの役割対象は一致わざが等倍になる特殊アタッカー全般となります
被ダメージ計算
特殊方面
雨下C252カイオーガ
威力150しおふきorダイストリーム 163.5~193.3% 確定1発 (DM時 81.7~96.6% 確定2発)
こんげんのはどう 120.4〜143.6% 確定1発 (DM時 60.2〜71.8% 確定2発)
かみなり 54.1~64.0% 確定2発 (DM時 27.0~32.0% 確定4発)
雨下C252珠カイオーガ
威力150しおふきorダイストリーム 212.0〜251.3% 確定1発 (DM時 106.3~125.6% 確定1発)
こんげんのはどう 156.3~186.7% 確定1発 (DM時 78.1~93.3% 確定2発)
カイオーガの59.1%を占めるスカーフ型には有利に立ち回ることができます。いのちのたま以上の火力補正アイテム持ちにはDMを切られると負け、切られない場合、「こんげんのはどう」なら勝ち、「しおふき」の場合は同速勝負に勝てば勝ちとなります。
C252サンダー
ダイジェット(ぼうふう) 44.7〜53.0 乱数2発(24.6%) (DM時 22.3~26.5% 乱数4発 (14.5%))
ダイサンダー(10まんボルト) 83.9~99.4% 確定2発 (DM時 41.9~49.7% 確定3発)
10まんボルト 57.4~69.6% 確定2発 (DM時 28.7~34.8% 乱数3発(5.7%))
ボルトチェンジ 46.4~54.1% 乱数2発(47.2%) (DM時 23.2~27.0% 乱数4発(47.8%))
ザシアン(王)ムゲンダイナと組み合わせてDMを切る型や、耐久型、火力補正型など多様な型のあるサンダーですが、「ダイジェット」から入るのが最も安定します。
C252ムゲンダイナ
ダイマックスほう 35.3~41.9% 確定3発
C+1メテオビーム 170.1〜201.1% 確定1発 (DM時 85.0~100.5% 乱数1発(6.2%))
対面からなら「ダイジェット」から入って勝つことができます。特殊方面に無振りでも特殊いわ技はこのラインまで耐えられます。
C172ウツロイド
C+1メテオビーム 218.7~258.5% 確定1発 (DM時 109.3〜129.2% 確定1発)
流石にタイプ一致だと耐えられませんが、先に「ダイジェット」を積んでおけば「じしん or ダイアース」で確定1発です。
C特化ラプラス
キョダイセンリツ(ぜったいれいど) 35.3~41.9% 確定3発 (DM時 17.6~20.9% 乱数5発(4.6%))
ダイストリーム(うたかたのアリア) 70.7~83.9% 確定2発 (DM時 35.3~41.9% 確定3発)
雨下ダイストリーム 106.0~125.9% 確定1発 (DM時 53.0~62.9% 確定2発)
ラプラスに対しては「ダイバーン」から入ります。「じゃくてんほけん」が発動することで壁を実質無効化しつつ「ダイジェット」を積み、「ダイバーン」で晴れを残して突破できれば裏に多いザシアン(王)は確定1発です。
物理方面
A252ランドロス(霊獣)
がんせきふうじ 83.9~99.4% 確定2発 (DM時 41.9~49.7% 確定3発)
ストーンエッジ 137.0~163.5% 確定1発 (DM時 68.5~81.7% 確定2発)
ダイロック(がんせきふうじ) 150.2~179.0% 確定1発 (DM時 75.1~89.5% 確定2発)
ダイロック(ストーンエッジ) 176.7~209.9% 確定1発 (DM時 88.3~104.9% 乱数1発(31.2%))
DMを切ることで非特化ランドロス(霊獣)の「ダイロック(がんせきふうじ)」+砂ダメ3回確定耐えの調整です。A種族値がランドロス(霊獣)より低いガブリアスドリュウズも非特化なら耐えます。
A特化バンギラス
ストーンエッジ 212.1~251.9% 確定1発 (DM時 106.0~125.9%)
流石にタイプ一致は耐えられません。やけど、壁等のサポート込みなら受けて「ダイアース」で倒すことができます。
A+1 A252ザシアン(王)
きょじゅうざん 43.0~51.3% 乱数2発(5.4%)
ワイルドボルト 103.8~122.6% 確定1発 (DM時 51.9~61.3% 確定2発)
対ザシアン(王)はタイプ相性上有利ですが、「ワイルドボルト」がある場合(採用率35.2%)、DMなしでは勝てません。しかし、先に展開し「ダイジェット」を積むことで上を取って倒すことができるようになります。
A252水悪ウーラオス(れんげき)
あんこくきょうだ 56.9~67.9% 確定2発 (DM時 28.4~33.9% 乱数3発 0.8%)
すいりゅうれんだ 109.3~132.5% 確定1発 (DM時 54.6~66.2% 確定2発)
かみなりパンチ 48.6~57.4% 乱数2発(90.6%) (DM時 24.3~28.7% 乱数4発(98.2%))
等倍・一致2倍弱点の耐久ラインはこのくらいという目安に。ウーラオス(れんげき)はタスキカウンター型もいますが、水ウーラオス(いちげき)なら「ダイバーン」から入ってカウンターケアしつつすいりゅうれんだの威力を下げられます。
与ダメージ計算
※()は弱保込みのダメージです。
- ダイジェット(ブレイブバード)
H4カイオーガ 70.4~83.5% 確定2発 (140.3~165.9% 確定1発)
DM H4カイオーガ 35.2~41.7% 確定3発 (70.4~83.5% 確定2発)
H4サンダー 39.1~46.3% 確定3発 (77.7~92.1% 確定2発)
HB特化サンダー 23.3~27.4% 乱数4発(72.9%) (46.1~54.8% 乱数2発(60.5%))
H4ムゲンダイナ 54.6~65.2% 確定2発 (110.1~130.5% 確定1発)
HB特化ムゲンダイナ 34.4〜41.2% 確定3発 (69.2~81.7% 確定2発)
B252ラプラス 50.2~60.0% 確定2発 (100.9~119.0% 確定1発)
DM B252ラプラス 25.1~30.0% 確定4発 (50.4~59.5% 確定2発)
※壁ありの場合はダメージが半分になります。
威嚇込みH4ランドロス(霊獣) 50.9~60.0% 確定2発 (112.7~133.3% 確定1発)
威嚇込みDM H4ランドロス(霊獣) 25.4~30% 確定4発 (50.0~59.0% 確定2発)
※ランドロス(霊獣)が最速なら初速では抜かれているので「じゃくてんほけん」が発動し突破できます。
H4ウーラオス(れんげき) 129.5~153.4% 確定1発
H4ザシアン(王) 30.3~35.7% 乱数3発(30.0%)
※みがわりを壊せます。
HB特化ヌオー 46.0~53.9% 乱数2発(46.4%)
※受け出しからなら突破の可能性がありますが、死に出しや初手対面では突破は難しいです。
- ダイバーン(せいなるほのお)
H4ザシアン(王) 111.9~133.3% 確定1発
※せいなるほのお 86.9~103.5% 乱数1発(25.0%)
H4サンダー 72.8~86.7% 確定2発 (146.9~173.4% 確定1発)
DM H4サンダー 36.4~43.3% 確定3発 (72.5~85.8% 確定2発)
HB特化サンダー 42.6~50.7% 乱数2発(2.3%) (85.7~101.0% 乱数1発(6.2%))
DM HB特化サンダー 21.3~25.3%(乱数4発(0.1%)) (42.8~50.5% 乱数2発 1.9%)
B252ラプラス 46.8~55.6% 乱数2発 (93.6~110.2% 62.5%)
DM B252ラプラス 23.4~27.8% 乱数4発 (46.8~55.1% 乱数2発)
- ダイアース(じしん)
H252バンギラス 63.7~75.3% 確定2発 (125.6~148.7% 確定1発)
DM H252バンギラス 31.8~37.6% 乱数3発(90.8%) (62.8~74.3% 確定2発)
H4ウツロイド 273.9~323.9% 確定1発 (136.9~161.9% 確定1発)
相性の良い味方
相手の「ステルスロック」対策に「ちょうはつ」を持ちつつ壁を貼れるポケモン(オーロンゲカプ・コケコ等)、ホウオウが苦手とするポケモンに強いポケモン(ウーラオス(いちげき)等)、相手のDMターンを枯らしに行けるポケモン(ヌオードヒドイデミミッキュ等)と相性が良いと考えています。私はちょうはつ鬼火レイスポスと組み合わせてバンギラスを誘い、やけどしたバンギラスをホウオウの起点にしたりして使っています。
このポケモンの対策
高火力のタイプ一致物理いわ技は耐えきれずに不利を取るほか、削られてからは先制技・高速スカーフ持ちに縛られやすくなります。ポケモン単位でいえば、てんねんヌオーは対面から突破できず受けきられますし、ネクロズマ(日食)には明確に不利で、「ロックブラスト」を持っている場合は突破され、「あさのひざし・りゅうのまい」型には起点にされてしまいます。
おわりに
拙い育成論でしたが、最後までご覧いただきありがとうございました。ホウオウはスペックの割に開拓が進んでいないポケモンなので、「じゃくてんほけん」が活きる場面は多いと思います。
他の振り方や調整、必要だと思われるダメージ計算などの意見やリクエスト、質問などがあればぜひコメント欄にお願いいたします。
ありがとうございました。