アローラ!(第七世代の亡霊)皆さんお久しぶりです、しもべ1号です。前回のアシレーヌアシレーヌの育成論では閲覧・高評価ありがとうございました。
さて、2021年2月より剣盾ランクマッチ シリーズ8が始まりましたが、なんとそのルールは禁止伝説を一匹まで使えるというもので、これにより環境は激変、ランクマッチでは天変地異が起こり神々や伝説のドラゴンが争うようになりました。僕自身も色々な伝説ポケモンを使ってみてシングルバトルでマスターランクに到達することは出来ましたが、未開拓の環境であることもあり満足いく順位には中々到達できませんでした…。
そこで息抜きにダブルバトルを始めてみたところ、想像以上に面白く、その中で大きな可能性を感じるポケモンを見つけたので筆をとった次第です。
というわけで、今回はマラカッチマラカッチの育成論になります。
- 本育成論では、以降H(HP),A(攻撃),B(防御),C(特攻),D(特防),S(すばやさ)といった略語を使用します。
- 本育成論はダブルバトル(シリーズ8)のものになります。予めご了承ください。
- まず前提としてこのマラカッチはグラードングラードンと組ませることを想定しています。
マラカッチというポケモンについて
マラカッチマラカッチとは第五世代で登場したすごくかわいいくさタイプのポケモンです。
種族値は
H 75 A 86 B 67 C 106 D 67 S 60
という配分になっており、特攻がやや高いこと以外にはお世辞にも高いとは言えない種族値です。
通常特性は「ちょすい」「ようりょくそ」、隠れ特性に「よびみず」を持っています。
……さて、皆さんはマラカッチというポケモンが相手のPTにいたとき何をしてくるかわかるでしょうか?
「ようりょくそ」を使ったサポート?「よびみず」でのみずタイプメタ?
今回は、伝説環境になりグラードングラードンが解禁されたことで新たな役割を得た、「ようりょくそ」晴れパサポート型を紹介します。もう劣化ドレディアとは言わせない
役割と差別化・採用理由
このマラカッチの主な役割は、
- 草技による相手のみずタイプへの打点確保
- 「いやなおと」による疑似的な味方の火力上昇
- 「わたほうし」による疑似的な味方の素早さ上昇
となります。
細かい説明の前に、晴れパにおいて主に使われる他のサポートポケモンを簡単に紹介します。少し長いのでB↓S↑でもう待ちきれないよ、という方は飛ばして、どうぞ。
- フシギバナフシギバナ
s80 (ようりょくそ発動時、最速レジエレキあたりより速くなれる)
草毒炎地という技範囲
ねむりごなによる強力なサポート
ダブルバトルにおけるトップメタのため、ぼうじんゴーグル・エレキorミストフィールド・高耐久による受けなど対策されやすい
c110/c90
あまえる・ちからをすいとるにより相手のA↓を狙える
おさきにどうぞ、かふんだんご、ねむりごなによるサポートが可能
s50 (ようりょくそ発動時、ギリギリ最速ザシアン(王)が抜ける程度)
技の選択肢こそ多いが、一度に採用できる数には限りがあるため器用貧乏になりがち
- ナッシーナッシー
c125
リフレクター・ひかりのかべによる耐久力上昇
ねむりごなによるサポート
s55 (ようりょくそ発動時、最速s1↑90族と同値)
弱点となるタイプが多すぎて、いまいち場持ちが悪い
- ダーテングダーテング
s80
草悪炎氷飛超霊格の広い技範囲
ねこだましが使用可能
いやなおと・こごえるかぜによるサポート
アタッカーにしてはc90のためやや火力が低く、サポートにしても性能が中途半端になりがち
c100/c110
s60/s50
はたきおとす・ねむりごな・がむしゃら・くすぐるなど、優秀なサポート技を多数覚える
高めの物理耐久
マラカッチをさらに下回る特防
技スペースの確保がきつい
- ドレディアドレディア
c110 s90 (葉緑素発動時、準速でもs1↑エースバーンまで抜ける)
あまえる・ひかりのかべによる味方の耐久力上昇が可能
おさきにどうぞ、かふんだんご、ねむりごななどによるサポート
コータスドレディアという並びの認知度上昇に伴い、やることがバレバレで読まれやすい
- エルフーンエルフーン
特性いたずらごころにより天候に依存せず安定した行動が可能
多くの技を習得するため、型が読まれにくい
・おいかぜ・わたほうしによるs操作
・あまえる・ひかりのかべによる味方の耐久力上昇
・すりかえによる持ち物の押し付け
・アンコール・ちょうはつによる相手の補助技の妨害
・がむしゃらによる強引な削り
他多数逆に何ができねぇんだよこいつ…
特性の効果で悪タイプに対し補助技が効かないほか、サイコフィールドによって行動が大きく制限される
- チェリムチェリム
特性フラワーギフトによる味方の攻撃・特防上昇
草炎妖虫の技範囲
かふんだんごによる味方の回復が可能
s85族で特別低い数値ではないが、素早さを補う手段がなく立ち回りが苦しくなりやすい
これらのポケモンとマラカッチを比較した際の利点としては、
- 「いやなおと」による物理火力の補強と「わたほうし」による素早さ補強の両立が可能
- 両方の技が能力を2段階下降させる技のため、技スペースを抑えつつ十分な役割遂行が出来る。
- これらの技を晴れ下で実質素早さ246から繰り出すことができる
が挙げられ、これらを全て合わせ持つのはマラカッチマラカッチのみです。(間違っていたらごめんなさい。)
これらの特徴によりグラードンとの相性が特に良く、相手のBを下げることで確一の範囲を大きく増やし、中途半端な素早さを補うことができます。
持ち物
低すぎる耐久を補い行動回数を確保するため、きあいのタスキで確定です。
バコウのみやオッカのみなどの半減実も無くはないですが、マラカッチの耐久だとせいぜいタイプ不一致技を耐えるのが精一杯のため、素直にタスキを持たせた方が良いと思います。
のどスプレーも一瞬考えましたが……まぁタスキで良いでしょう。
性格・努力値と調整
- おくびょう H0 A0 B0 C252 D4 S252
- 実数値 H150 A× B87 C158 D88 S252
- 調整意図
C……出来るだけ負荷を与えるために全振り
無振り連撃ウーラオス(いちげき)がギガドレインで乱数1発(75%)
S……かなりギリギリのため特化
晴れ下でS1↑最速ウーラオス(いちげき)まで抜ける
D……どこに振っても大して変わらないのでDL対策に
マラカッチの耐久で多少耐久に振ったところでメジャーな攻撃を耐えるわけではないので、CS全振りです。
特性
グラードンを軸にした晴れパにおいて、高い素早さからサポートするためにようりょくそで確定です。
技構成
確定技
- ギガドレイン
威力75 命中100の与えたダメージの半分を回復する追加効果をもつくさタイプの攻撃技です。この追加効果によりねこだましなどで削れたHPを回復し、タスキを復活させることができます。
この枠はリーフストームやエナジーボールでも良いですが、前者は2発目以降の威力ダウンにより置物になる危険性、後者はマラカッチのCだと威力上昇の恩恵を実感しにくいと思ったので確定技はこちらにしています。正直好みです。
- いやなおと
命中85の相手のぼうぎょを2段階下げる技です。この2段階下げるというのが重要で、これによりグラードンの攻撃力を大きく底上げし、詳しくは後述しますがたとえ相手がDMした伝説のポケモンであろうとも容易く粉砕します。
- わたほうし
命中100の相手2体のすばやさを2段階下げる技です。相手2体、S2↓により疑似的なおいかぜとして使え、味方のすばやさを大きく補います。
おいかぜと違い、相手のすばやさを何度でも下げることができるため、ダイジェットを複数回使ってこちらの上を取ろうとする動きを許しません。
なお、粉技なのでくさタイプやぼうじんゴーグルにより無効化されます。
選択技
- ニードルガード
基本性能はまもると同じですが、それに加え接触攻撃してきた相手に最大HPの1/8のダメージを与える効果があります。タスキを削ろうとねこだましを打ってきた相手を逆に削ったり、補助技を嫌った相手の攻撃を透かしたりそれなりに使う機会はあります。
ただ、この型だといやなおととわたほうしさえ使えれば最低限の役割遂行はできるので選択技にしています。
- ウェザーボール
威力50 命中100のノーマルタイプの特殊技です。天候が変わっていると威力は100まで上昇し、各天候に合わせたタイプに変化します。
この技があるとフシギバナゴリランダーエルフーンなどのグラードンではやや厳しいくさタイプに対し有効打を得られます。
ニードルガードと選択で。
- その他
てだすけ
おさきにどうぞ
どちらも強力な技ですが、いやなおとやわたほうしで十分ですね。そもそもこれらの技を採用するのであればドレディアでいい…よくない?
立ち回り例
- 選出
基本的にはグラードンと一緒に初手で出して、数的有利を取りに行きます。
相手の構築がカイオーガトルネロス(化身)といった初手から出すと危険なPTの場合は、後発から出すか裏選出に切り替えましょう。
- 立ち回り
- 相手のどちらかがグラードンより速く、グラードンの攻撃で一撃で倒せるポケモン、またはグラードンの上から致命傷を与えられるポケモン(ザシアン(王)エースバーンリザードンなど)が場にいるときにはわたほうし
- どちらもグラードンより遅い場合や、グラードンがほぼ確実に動けて優先的に倒す必要があるポケモン(イベルタルバドレックス(はくば)など)が場にいるときにはいやなおと
を主に使っていきます。状況に合わせ、適宜変えていきましょう。
与ダメージ計算
- ここではマラカッチの攻撃技に加え、いくつかグラードンのダメージ計算も載せています。
- グラードンの性格はいじっぱり(A↑C↓)、調整はA252 S252振り、持ち物は「いのちのたま」、技はだんがいのつるぎ・ヒートスタンプ(ほのおのパンチ)・いわなだれを想定します。皆さんが使う際には仮想敵に合わせて適宜調整してください。
- DMの表記はダイマックスしたポケモン・技を表しています。
- ダメージ計算にはスマホアプリ「SWSH」を使用しています。
マラカッチギガドレイン
無振り連撃ウーラオス(いちげき)
96.0~114.2%(乱数1発 75%)
H252カプ・レヒレ
50.8~61.0%(確定2発)
マラカッチウェザーボール(晴れ)
グラードンだんがいのつるぎ(ダブル補正あり)
無振りザシアン(王)
130.5~153.8%(確定1発)
H252ディアルガ
101.9~120.7%(確定1発)
↑いやなおとを入れればDMされても確定1発です。
HB特化ガオガエン
通常 94.0~111.8%(乱数1発 68.7%)
A1↓時 62.8%~74.7%(確定2発)
HB特化イエッサン♀
64.4~77.4%(確定2発)
グラードンヒートスタンプ or ほのおのパンチ(晴れ)
DM H252バドレックス(はくば)
DM 60.3~71.4%(確定2発 B2↓で確定1発)
HB特化クレセリア
DM 49.7~59.0%(乱数2発 99.6% B2↓で93.7%の乱数1発)
グラードンいわなだれ(ダブル補正あり)
H252ホウオウ
105.1~124.4%(確定1発)
↑いやなおとを入れればDMされても確定1発です。
B252イベルタル
通常 41.2~49.2%(確定3発)
DM 95.5~113.9%(乱数1発 75%)
↑いやなおとを入れればDMされても75%の乱数1発です。
また、現環境にB252振りと同等かそれ以上に物理耐久に厚くしたイベルタルはほとんどいない(ずぶとい 1.2%)ため、ほぼ間違いなく倒せると思います。
被ダメージ計算
計算する必要ある?
- ダイマックス技や弱点のタイプの技だと、ほぼ間違いなくタスキ発動までもっていかれます。
- 高火力の半減でうけられる技で、およそ4~6割削れます。
- 相手のねこだましは、およそ15~25%ほど入ります。
基本的に上記の3つ覚えておけば十分ですが、一応いくつか被ダメージ計算を載せておきます。
物理
無振りガオガエン
ねこだまし 16.0~19.3%
フレアドライブ 140.0~165.3%
補正ありA252ゴリランダー
ねこだまし 22.6~27.3%
GF下グラススライダー 38.0~45.3%
A252ウーラオス(いちげき)
インファイト 94.6~112.0%(乱数1発 68.7%)
特殊
無振りポリゴン2
トライアタック 44.0~52.0%
れいとうビーム 65.3~77.3%
C252レジエレキ
10まんボルト 44.0~52.0%
エレキネット(ダブル補正あり) 20.0~24.0%
補正ありC252カイオーガ
HP満タン雨下しおふき(ダブル補正あり) 80.0~94.0%
相性の良い味方
- グラードングラードン
シリーズ8で突如解禁された伝説のポケモン。このポケモンの解禁により晴れパは物理アタッカーの天候始動役を手に入れることができました。
コータスキュウコンとは違い天候による恩恵を直接受けることは少ないですが、その圧倒的な攻撃力で相手を粉砕し、マラカッチのサポートを受けることでさらに攻撃性能を高め大概の相手を一撃で屠ることができます。
- リザードンリザードン
いやなおとによるサポートは受けられませんが、わたほうしで相手のすばやさを下げることで晴れ下での強力な攻撃を通しやすくなります。
苦手なポケモン
- カイオーガカイオーガ
グラードンと永遠のライバルである伝説のポケモン。こいつを残されているとマラカッチの強さの源である天候を変えられ、どれほど有利な展開であっても一瞬で形勢逆転されてしまいます。
対策としては、グラードンマラカッチを初手に出さず、出来るだけ相手のカイオーガより後に展開して天候を晴れにするようにしましょう。
- ソルガレオソルガレオ
特性によりマラカッチの補助技が効かない上に、グラードンより速いことから先にダイスチルでBを上げられグラードンのダイアースを弱点保険のエサにされます。
対策としては、あえてソルガレオを放置して隣の倒せるポケモンから倒していき終盤で巻き返したり、おにびやリフレクターなどでソルガレオから受けるダメージを減らすといった対応で何とか凌ぎましょう。
- フシギバナフシギバナ
くさタイプなのでわたほうしが効かず、グラードンマラカッチの上から草・毒技やねむりごなを打たれます。
対策としては、グラードンがまもる・マラカッチがウェザーボールを選択してフシギバナを倒す、マラカッチをこのゆびとまれ・サイドチェンジなどが使えるポケモンに入れ替え、グラードンを守りながらフシギバナを倒すといったところでしょうか。
- ゴリランダーゴリランダー
A特化GFグラススライダーでグラードンが80%前後削られ、マラカッチに対してもニードルガードを採用するとゴリランダーの突破が、ウェザーボールを採用するとねこだましがきつくなります。
ある程度ダメージを受けることを覚悟の上で、DMを切ったりリザードンガオガエンなどの炎タイプに素交替したりするのが1番被害を抑えられるかもしれません。
おわりに
いかがだったでしょうか?
僕自身は2/19の時点で、このポケモンを使用してマスターランク2500位前後をキープできておりグラードンマラカッチ軸の構築に大きな可能性を感じていますが、ダブルバトルの経験値が根本的に不足しているため未だ満足のいくPTを作れていません。この育成論を読んでぜひマラカッチを使ってみたいという人が増えたら幸いです。そしてマラカッチ晴れパと相性の良いポケモンを教えてください…。
ランクマッチのルールが大きく変わったことで今までとは全く異なる対戦環境になり、ポケモン対戦のモチベが上がった人もいれば、逆にモチベが下がってしまった人もいると思います。
もし、この育成論を読んだあなたが今のシングルバトルに疲れ果ててしまっているのであれば、ぜひ息抜きにでもダブルバトルを始めてみませんか?
そしてこの機会に、今までとは全く違う・今しか出来ない「グラードン新しい晴れパマラカッチ」をよろしければ手にとってみてください。
ここまでの長文を読んでいただき、誠にありがとうございました。
- 間違いやわかりにくい箇所がございましたら、コメント欄にてお知らせください。
- よろしければ、評価・ご指摘をお願いします。