はじめに
こんにちは。
禁止伝説のポケモンが使えるシリーズ8が始まり、Twitterなどを見ているとジガルデ(50%)ジガルデを使ってみたいという声が散見されました。私は「竜王戦予選2020」の頃からジガルデを使用しており、ある程度の知見はあると思っていますので、現在使っている調整を紹介しようと考えた次第です。
よろしくお願いします。
注意
- 初投稿です。至らぬ点も多いかと思いますが何卒ご容赦ください。
- ポケモンは全て理想個体であるものとします。
- 本論はシリーズ8ルール(いわゆる竜王戦ルール)を想定しています。
- 疑問点や不備などありましたらコメントで指摘して頂けるとありがたいです。
ジガルデの特徴
ここではジガルデ(50%)ジガルデの基本性能、強みや弱みについて述べていきます。
強み
1.高い耐久力
2.「サウザンアロー」の性能による技スぺ圧縮
3.「スワームチェンジ」の仕様
4.高いメタモンメタモン耐性
5.麻痺による上振れ
弱み
1.「とぐろをまく」を積んでいないときの火力の低さ
2.「のろい」や「ふきとばし」に弱いこと
3.対面からでは多くの伝説ポケモンに打ち負けてしまうこと
ジガルデ(50%)ジガルデの強みを簡単にまとめると、「起点に出来る範囲の広さ」です。
順に解説していきます。
1.高い耐久力
ジガルデ(50%フォルム)の種族値は108-100-121-81-95-95、ジガルデ(パーフェクトフォルム)の種族値は216-100-121-91-95-85となっています。
特にジガルデ(パーフェクトフォルム)の耐久力は凄まじく、特化させるとB方面は特化クレベースクレベースを遥かに凌ぎ、D方面も特化レジアイスレジアイス以上とどちらも高水準の数値を持っています。
2.「サウザンアロー」の性能による技スぺ圧縮
「サウザンアロー」の基本的な仕様はこのようになっています。
1.威力90、命中100の物理地面技
2.地面にいないポケモンに対しても命中し、撃ち落とす状態にする。
3.ひこうタイプに対して当てた場合、もう一方のタイプに関わらず等倍のダメージとなる。(撃ち落とした後はタイプ相性通りのダメージとなる)。
4.とくせい「ふゆう」やもちもの「ふうせん」のポケモンに当てた場合、タイプ相性通りのダメージとなる。
5.そらをとぶ状態の相手にも当たり、技を中断させる
もともと通りの良いじめんタイプの技でありながらひこうタイプにも当たるため、技はこれ一つで十分です。「へびにらみ」の通らないでんきタイプへの打点になるのも評価点です。
また、ダイマックスした際にダイアースで特殊耐久を上げられるのも耐久寄りのジガルデとは相性が良いです。ダイマックス状態ではじめん無効のポケモンには無力ですが、事前に相手を撃ち落とす状態にしていればそのままダイアースを当てることができます。
3.「スワームチェンジ」の仕様
ターン終了時、ジガルデのHPが50%以下(黄色or赤ゲージ)のとき発動し、パーフェクトフォルムにフォルムチェンジします。
ジガルデはフォルムチェンジによってHP種族値が変化する唯一のポケモンですが、フォルムチェンジによって増えた種族値分のHPはHP実数値にそのまま加算されます(lv50の場合だと108増えることになります)。
誤解されがちですが、このHP加算は回復ではなく種族値そのものの変化なのでジガルデがダイマックス時をしていても加算されるHPの割合は変わりません(lv50の場合だとダイマックス中はHP最大値が216増えるので、HP実数値も今の値から216増えることになります)。
HPが満タンの状態で変身することは出来ませんが、フォルムチェンジさえすれば50%フォルムのときに受けたダメージも併せて実質的にパーフェクトフォルムの耐久力を持っているポケモンと言えます。
また、途中でHPが増えるという性質の利点として、「みがわり」や「のろい」、「ステルスロック」などの定数ダメージを他のポケモンよりも抑えられることが挙げられます。
特に「みがわり」は残飯を持っていれば6回連続で撃つことが出来、麻痺待ちの成功率は他のポケモンより高くなります。
注意事項として、「スワームチェンジ」が発動するのはターン終了時の処理がすべて終わった後のタイミングなので、相手の技を受けてHPが25%以下になった際、回復してから「みがわり」を貼るといったことは出来ません。
4.高いメタモンメタモン耐性
シリーズ8では他のシリーズよりメタモンの使用率が高く、特に積み技を使用するポケモンは相手のメタモンによる切り返しを防ぐ方法を考えておく必要があります。しかしジガルデの場合、「サウザンアロー」をこちらの「みがわり」が耐えるためメタモンが出てきても逆に起点にすることが出来ます。こちらの積み技は「とぐろをまく」で攻撃と防御を同時に上げられるため、これはこちらの積み回数に依りません。ジガルデはメタモンに強いポケモンであると言えます。
5.麻痺による上振れ
「へびにらみ」は相手の素早さを下げて上から耐久を上げるために使うことが多いですが、運次第で本来無理な相手を起点に出来てしまったり、「みがわり」を残して突破してしまったりということが往々にして起こり得ます。
特に対戦の試行回数を稼ぎやすいランクバトルでは大事な要素だと思いこの点も触れさせていただきました。
次に、弱みについても解説します。
1.「とぐろをまく」を積んでいないときの火力の低さ
ジガルデが攻撃種族値が100しかなく、技威力も低いため瞬間火力はどうしても低くなってしまいます。特に、不意を突かれて大きなダメージを負ってしまい十分に「とぐろをまく」を積めていないときや、特性「てんねん」のヌオーなどへのダメージは期待できません。
2.「のろい」や「ふきとばし」に弱いこと
長く場に居座るポケモンなので「のろい」を持ったミミッキュミミッキュや「ふきとばし」を持ったカバルドンカバルドンなどには注意が必要です。
3.対面からでは多くの伝説ポケモンに打ち負けてしまうこと
使用率の高いザシアン(王)ザシアン、イベルタルイベルタルやムゲンダイナムゲンダイナなどに打ち負けてしまいます。一方、麻痺を入れていたり「みがわり」を残せた状態での対面なら逆に打ち勝てるスペックはあるので、裏のポケモンでうまくカバーすることが大切です。
持ち物
長く場に居座るポケモンであること、身代わりと相性が良いことなどから「たべのこし」で確定です。
「ねむる」や「りゅうのまい」を採用する型では違う道具も選択肢に入ってくると思います。
性格・努力値と調整
性格
わんぱく
努力値
H204-A4-B52-C*-D68-S180
実数値
H209-A121-B162-C*-D124-S138(50%フォルム時)
H317-A121-B162-C*-D124-S128(パーフェクトフォルム時)
H…50%フォルム時16n+1、「みがわり」がラッキーの「ちきゅうなげ」耐え
A…端数
B…パーフェクトフォルム時、特化鉢巻ゴリランダーゴリランダーの「はたきおとす」を「みがわり」が確定耐え
D…50%フォルム時、無振りテッカグヤテッカグヤの「エアスラッシュ」を「みがわり」が最高乱数以外耐え
S…50%フォルム時、準速ゴリランダーゴリランダー+1
ジガルデはその戦い方から取り巻きが受け寄りのポケモンになりやすく、「はたきおとす」が一貫しやすいためゴリランダーゴリランダーをかなり意識して「わんぱく」です。環境に存在するゴリランダーゴリランダーはほとんどが意地っ張りAS襷orグラスシード、意地っ張りHA鉢巻あたりに落ち着いており、これらをまとめて対面から起点にすることが出来るようにしています。
HPについてはどちらのフォルムのときに16n+1にすべきかは諸説ありますが、ジガルデを受けに来るヌオーヌオーとの対面でTOD勝負になったときの勝率を上げるために50%フォルムのときの効率を優先しました。
技構成
サウザンアロー/とぐろをまく/へびにらみ/みがわり
これでほぼ確定だと思います。「ねむる」や「りゅうのまい」を採用する型もありますが構築単位での変更が必要となると思うのでここでは扱いません。
立ち回り例
初手に投げることが多いです。
起点づくりのラグラージラグラージやレジエレキレジエレキ、ランドロス(霊獣)ランドロス、初手に出てきやすいエースバーンエースバーン、ゴリランダーゴリランダーなどを起点にすることが出来ます。
ジガルデ(50%)ジガルデが対面で負けてしまうポケモン(例えばザシアン(王)ザシアンなど)でも、麻痺か「みがわり」があれば逆に勝つことが出来るポケモンも多いので、それらを一度裏に流せるようなポケモンを採用すると良いです。
与ダメージ計算
サウザンアロー
無振りザシアン(王)…55.0~65.8%
無振りイベルタル…26.8~31.8%
H252ムゲンダイナ…43.7~51.8%
H252ネクロズマ(日食)…30.8~37.2%
無振りエースバーン…85.1~100.6%
無振りサンダー…35.1~42.4%
無振りサンダー(抜群時)…70.3~84.8%
無振りミミッキュ…46.9~56.1%
無振りウーラオス(いちげき)…29.1~34.8%
H252ラプラス…25.7~30.8%
一応載せておましたが、実際に「とぐろをまく」を積まずに攻撃するケースは多くありません。対戦中に何回「とぐろをまく」を撃つ必要があるかを確認する目安程度にしてください。
被ダメージ計算
陽気A252ザシアン(王) A+1時
きょじゅうざん…36.9~43.5%
じゃれつく…66.2~78.2%
臆病C252イベルタル
あくのはどう…27.7~33.1%
ダイアーク(あくのはどうベース)…45.4~53.9%
ダイジェット(デスウイングベース)…34.3~40.6%
意地A252ネクロズマ(日食)
メテオドライブ…23.0~27.4%
陽気A252エースバーン 珠
とびひざげり…31.2~37.2% B+1時20.8~24.9%
意地A252ゴリランダー 鉢巻
はたきおとす…20.8~24.6%
グラススライダー(グラスフィールド下)…29.3~34.3% B+1時19.2~23.0%
臆病C252サンダー
ぼうふう…28.3~33.4% D+1時18.9~22.7%
ダイジェット(ぼうふうベース)…35.3~41.9%
陽気A252ウーラオス(いちげき)
あんこくきょうだ…23.9~28.7%
陽気A252ランドロス(霊獣)
じしん…21.7~25.8%
※ジガルデ(50%)時
主に「みがわり」に関係しそうなダメージ計算を乗せておきます。
意地A252ゴリランダー
はたきおとす…21.5~25.3%
グラススライダー(グラスフィールド下)…29.1~34.9% B+1時20.0~23.4%
陽気A252ランドロス(霊獣)
じしん…33.0~39.2% B+1時22.0~26.3%
無振りテッカグヤ
エアスラッシュ…20.5~24.8%
ヘビーボンバー…16.2~20.0%
無振りラグラージ
クイックターン…13.3~16.2%
B252ナットレイ
ボディプレス…18.1~21.5%
苦手なポケモン
伝説枠
ゼルネアス
ゼルネアスを受けられて汎用性の高いポケモンはほとんどいません。
ゼクロム、ブラックキュレム
特性「テラボルテージ」を持っているので「りゅうのまい」を積めば「てんねん」や「ふしぎなまもり」でも止められません。
一般枠
ミミッキュ(「のろい」所持)
特に「いたみわけ」を持っている場合は対処が難しいです。
カバルドン(「ふきとばし」所持)
「ふきとばし」を持っているカバルドンは「なまける」を持っていないことが多いので裏の「やどりぎのたね」などで削ってから展開しましょう。
ウーラオス(いちげき)(鉢巻)
受け構築の宿命ですが、鉢巻「あんこくきょうだ」を受けるのは難しいです。
ラプラス
ジガルデが対面不利で、「ぜったいれいど」や「ほろびのうた」+「うずしお」など受けを崩す手段が豊富です。
ヌオー
特性「てんねん」でジガルデが完全に受けきられてしまい、残数不利だとそのままTODに持ち込まれてしまいます。
相性の良い味方
ヌオー
ザシアンを受けられる数少ないポケモンです。急所の試行回数を減らすために「ゴツゴツメット」がおすすめです。
ラッキー
特殊アタッカーを広く相手でき、「でんじは」とジガルデの相性が良いです。「いやしのねがい」でパーフェクトフォルムのジガルデのHPを全回復させることもできます。
バンギラス
イベルタルやバドレックス(こくばじょうのすがた)にタイプ上強いです。イベルタルに関しては「きあいだま」があるので「とつげきチョッキ」や「まもる」を採用するなど工夫が必要です。
テッカグヤ
タイプ的にも補完が取れており、ヌオーや「ふきとばし」を持っているカバルドンを「やどりぎのタネ」で流すことが出来ます。
ヌケニン
ゼルネアスを止めることが出来ますが、「いわなだれ」を持っていたりカバルドンなどと組んでいることもあるので注意が必要です。「ステルスロック」や「まきびし」対策の「あつぞこブーツ」を持つことが多いです。
カプ・ブルル
ウーラオスにタイプ上有利で後出しできるポケモンです。ジガルデと「れいとうパンチ」が一貫していることは留意しておく必要がありますが、グラスフィールドとジガルデの相性も良いです。
クレベース
「オボンのみ」必須ですがゼクロム、ブラックキュレムをなんとか誤魔化せるポケモンです。
おわりに
ジガルデ構築は1試合1試合に時間がかかってしまいますが、使っていて楽しいポケモンです。本論でジガルデの魅力を少しでも伝えられたなら幸いです。