はじめに
どうもこんにちは。むちころ犬と申します。
シリーズ8から伝説組が解禁される事で環境がまたガラリと変わる事が予想されますが、その中で筆者が(個人的に)注目しているポケモンであるソルガレオを今回考察していこうと思います。
それではよろしくお願い致します。
ソルガレオの性質
まずはじめに、ソルガレオの基本的なスペックを纏めます。
1、伝説共通の高い種族値
無振りでH振りメタグロスとほぼ同じ物理耐久を持ち、Aの数値も彼方とほぼ同等、種族値に目立った穴もなく、専用技の性質上対面で有利を取れるミミッキュに対して1だけ勝るSと、安定したスペックの高さを持ちます。
2、『闘』に縛られない『鋼』タイプ
耐性に優れる鋼タイプでありながら、複合により鋼の弱点を一つ消せているのが特徴です。
『鋼』というだけでも、シリーズ8でトップメタになる事が予想されるザシアン(王)やムゲンダイナゼルネアスバドレックス(はくば)に対し、一致技を半減以下に出来る点は大きく評価出来ます。
特にザシアン(王)に関しては、『超』複合により「インファイト」が等倍になる事がとても重要です。
3、豊富なサブウェポンによる高いアタッカー性能
専用の鋼技である「メテオドライブ」を始め、「フレアドライブ」や「インファイト」、「ワイルドボルト」に「じしん」等、伝説らしく多種多様なタイプの高威力技を備えます。
種族値やクリアボディの上位特性であるメタルプロテクトを含め、アタッカーとしての簡潔なイメージは強化版メタグロスといった具合です。
ネクロズマ(日食)との違い、差別化点
ソルガレオの相互互換にあたるポケモンとしてネクロズマ(日食)が上げられます。タイプや種族値傾向に類似点のある二者ですが、ネクロズマ(日食)とソルガレオを比較した時の互いの明確な利点は以下のようになります。
ソルガレオの利点
1、Sが20高い
2、高威力の炎、電気、格闘の物理サブウェポンを持つ
3、「メタルプロテクト」により能力低下を起こさない
ネクロズマ(日食)の利点
1、Aが20高い
2、強力な抜き性能を得られる「りゅうのまい」を持つ
3、「プリズムアーマー」による強引な居座り性能
耐久指数的には両者無振りの場合ソルガレオ≧ネクロズマ(日食)となります。(ソルガレオは高HPによって耐久を担保しているため、命の玉を持つ場合はネクロズマ(日食)の方がやや耐久が上になる場面があります)
適正としては、居座る事を前提に「じゃくてんほけん」による高い突破力を活かしたい場合や、積みエースとして全抜きを目指したい場合はネクロズマ(日食)に軍配が上がります。
対して、ソルガレオは広く弱点をつける技範囲と、97あるSを活かしたカイオーガやミミッキュランドロス(霊獣)へのタイマン性能等、物理アタッカーとしての汎用性で勝ります。
採用理由と役割
優秀な耐性を活かした汎用物理アタッカーとしての採用となります。
暴力的な数値と優秀な耐性があるため、対面構築、サイクル構築のどちらにも一定の適正があります。
ネクロズマ(日食)との差別化点としても上げたように、フルアタをベースとした広範囲への撃ち分け能力がソルガレオの魅力です。
禁止伝説が1体までという制約の中でこの型のソルガレオを選ぶ利点は以下の3点になります。
1、DM込みでザシアン(王)ムゲンダイナカイオーガゼルネアスバドレックス(はくば)に対して対面有利となる
メジャー化が予想される上記のポケモンに対して、DM同士による打ち合いまでを想定すると基本的には有利です。
特にカイオーガ対面で両者が同時にDMを切った場合、ダイサンダーの存在とSの関係上ソルガレオに軍配が上がるのはネクロズマ(日食)にはないポイントです。
2、スカーフメタモンによる圧力を受けにくい
「上昇したステータスをそのままコピーする」という性質的に、ザシアン(王)やゼルネアス等の積みエースはスカーフメタモンを繰り出されると逆にこちらのパーティが崩壊する危険があります。
『フルアタは数値受けに弱い』という弱点は、裏を返せば『サイクルで相手メタモンを止めやすい(選出を縛られない)』とも言えます。
3、腐りにくい
シリーズ8ではかなり重要になってきます。
強力な数値を持つ伝説をコンスタントに選出出来るかどうかは、勝率にそのまま直結する要素になり得ます。「メタルプロテクト」により威嚇無効、克つ幅広い範囲に打点を持ちながら、運用はそれらと耐性、数値を活かしたシンプルなものなので『選出する余地がない』『事故を起こしかねない(主に相手メタモン)』といった状況にはなりにくいと言えます。
総じて環境へのメタ要素が高い伝説です。
持ち物考察
元のAが137と伝説を相手取るには数値が足りていないので、火力UPアイテムは半ば必須です。
無補正252振りの火力目安
ダイバーン(フレアドライブ)…無振りザシアン(王)乱数1
ダイスチル(メテオドライブ)…H252バドレックス(はくば)確定2(命の珠以上で確定1発)
ダイサンダー(ワイルドボルト)…無振りカイオーガ乱数1
これらを踏まえて持ち物の考察に移ります。
いのちのたま
高HPであるソルガレオとはややアンチシナジーですが、高倍率に加えてDMとの相性もいいため最有力となります。
確定数としては弱点をつけるなら「たつじんのおび」でも問題ない場面も多いですが、相手交代時や等倍での打ち合い想定すると、腐る場面がない「いのちのたま」が汎用性で勝ります。確定欄や本考察はこれをベースとします。
たつじんのおび
倍率や発動条件がある点で「いのちのたま」に劣りますが、ノーリスクであるため耐久を削らずに済むのはメリットです。
自傷ダメージがない事で、特化HA252ネクロズマ(日食)に対して、DM同士の打ち合いの勝率が上がります。(ネクロズマ(日食)の「ダイアース」2発の最大ダメが99%、こちらの「ダイバーン」が晴れ込み確定3発)
こだわりハチマキ
「フレアドライブ」で無振りザシアン(王)が確定1発、「サイコファング」で無振りムゲンダイナが確定1発になります。
DMを切らない場合は候補になりますが、汎用性を損なう場面も多くある事から優先度は低めです。
特性
メタルプロテクト
いかなる手段でも相手に能力を下げられる事がありません。
「いかく」無効によって誤魔化しを受けないため、ランドロス(霊獣)やボーマンダの後出しを許さないのは大きな強みです。
「ダイドラグーン」等のダイマックス技の追加効果も防げます。
性格
ようき
DMで打ち合う場面でカイオーガやランドロス(霊獣)を安全に処理するため、最低でも補正を掛けた上でSに212以上の努力値が必要です。ただ最速でミミッキュを1だけ抜ける絶妙な速度であるため、下手な調整をするより振りきる事をおすすめします。
努力値と調整
A252
S252
H4
Sについては上記の通り、Aについても強化アイテム込みでギリギリの数値であるため、基本は極振りです。
技構成
確定技
メテオドライブ
威力100、命中100と安定した準専用の鋼技。
「かたやぶり」を内蔵しているため、あらゆるミミッキュに対して対面で無類の力を発揮します。
「ばけのかわ」による行動保証を盾に先発から「トリックルーム」を狙ってくる型も多く、シリーズ8ではバドレックス(はくば)と絡めて全抜きを狙う立ち回りも予想されるため、それらの構築に対して単体で強いメタとなります。
フレアドライブ
対鋼、主にザシアン(王)やテッカグヤナットレイに対する有効打になります。
ネクロズマ(日食)が「ねっぷう」しか炎技を持たないため、高いAを活かして特に後者2体に圧力を掛ける事が出来るのはソルガレオ独自の強みです。
ワイルドボルト
主にDMでカイオーガを相手取るために必要となります。命の珠であればH振り程度のカプ・レヒレならダイサンダーで確定1発に出来る威力が出ます。
選択技
サイコファング
一致技ですが弱点を突ける範囲が下記の「じしん」と被り、あちらの方がより広範囲をカバーしているため選択です。
DM時に「メテオドライブ」と並ぶ最高打点になり、更にPF展開から等倍でのごり押しが出来るため、それらを重視するならこちらを選択してください。
通常時での無振りムゲンダイナへも、こちらなら乱数1発が取れます。
壁の破壊も優秀です。
じしん
毒に対する遂行に加えて、通常時の対鋼に置いて「フレアドライブ」の反動を受けたくない場合の安定択として機能します。
「ダイアース」によるD上昇も強力です。
インファイト
対バンギラスポリゴン2等への最高打点になります。
A252@命の珠で特化ポリゴン2がぴったり確定2発になりますが、欠点として、死に出しされた相手スカーフメタモンの即DM→「ダイナックル」連打をこちらが別ポケモンの後出しで止める事が難しくなります。
ストーンエッジ
サンダーホウオウへの有効打ですが、これがあってもサンダーに関しては有利とは言えず、DMを切るなら「ダイサイコ」と確定数が変わらない場合もあります。ホウオウの使用率が環境上位に来ない限り優先度は低めです。
立ち回り例
汎用的なアタッカーであり特定のコンボへの依存もないため立ち回りの自由度は比較的高めですが、伝説を相手取る場合はHPが満タン近く必要になる場面があるため、ソルガレオにそれらを一任する場合は先発や後攻蜻蛉、不要になった味方の切り捨て等で場に出す事も視野に入れて下さい。
具体的には
1、ソルガレオに伝説の仮想敵(ザシアン(王)(ムゲンダイナ)等)を一任させる場合→対面構築よりの並び
2、控えでもそれら伝説の仮想敵にある程度役割を持てる場合(例、相手ムゲンダイナ入りパーティに対して、自パーティにバンギラスがいる等)→サイクル構築よりの並び
といった目安を持っておくといいかと思います。
与ダメージ計算
「いのちのたま」で計算
メテオドライブ(ダイスチル)
無振りミミッキュ…216%〜254%(278%〜333%)
H252バンギラス…103%〜121%(136%〜159%)
H252ゼルネアス…104%〜123%(135%〜161%)
H252バドレックス(はくば)…79%〜94%(103%〜121%)
無振りランドロス(霊獣)…77%〜91%(101%〜119%)
無振りカイリュー(マルチスケイル)…73%〜87%(48%〜57%)
無振りウーラオス(いちげき)(一撃)…67%〜79%(87%〜102%)
無振りガブリアス…66%〜78%(86%〜102%)
フレアドライブ(ダイバーン)
無振りザシアン(王)…98%〜117%(115%〜137%)
H252ネクロズマ(日食)(プリズムアーマー)…55%〜66%(65%〜77%)二発目(98%〜115%)
H252テッカグヤ…89%〜106%(103%〜123%)
H252メタグロス…79%〜95%(93%〜110%)
特化ナットレイ…124%〜146%(144%〜170%)
ワイルドボルト(ダイサンダー)
H252カイオーガ…74%〜88%(107%〜126%)
H252カプ・レヒレ…71%〜84%(101%〜120%)
特化(カプ・レヒレ)…51%〜62%(75%〜90%)
サイコファング(ダイサイコ)
無振りムゲンダイナ…95%〜114%(147%〜174%)
無振りサンダー…69%〜81%(104%〜123%)
特化ドヒドイデ…69%〜81%(105%〜124%)
じしん
無振りムゲンダイナ…75%〜89%(98%〜116%)
無振りザシアン(王)…83%〜98%(107%〜128%)
特化ドヒドイデ…55%〜64%(69%〜83%)
被ダメージ計算
A252ザシアン(王)A↑
きょじゅうざん…35%〜41%
インファイト…56%〜66%
かみくだく…75%〜89%
C252ムゲンダイナ@いのちのたま
ダイマックスほう…31%〜37%
かえんほうしゃ…76%〜90%
C252カイオーガ
雨下最大しおふき…111%〜131%
対面で勝つためにはDMが必須です。
特化ネクロズマ(日食)
メテオドライブ…24%〜28%
じしん…64%〜76%
ダイアース84%〜99%
特化バドレックス(はくば)
ブリザードランス…33%〜38%
10まんばりき…64%〜76%
ダイアース…87%〜103%
安定して勝つにはDMが必要となります。
A252ランドロス(霊獣)
じしん…83%〜91%
ダイアース…108%〜127%
こちらがDMを切った上で「ダイスチル」を打てば、ダメージレースに勝てます。
A252ミミッキュいのちのたま
シャドークロー…55%〜66%
かげうち…31%〜38%
A252ゴリランダーいのちのたま
グラススライダー…22%〜26%
10まんばりき…63%〜77%
A252カイリュー
じしん…53%〜64%
苦手なポケモン
ベースがフルアタであるため、基本的にクレセリアポリゴン2カバルドン等弱点を突けない数値受けを苦手とします。
鋼タイプの宿命としてエースバーンにも勝てませんが、ランドロス(霊獣)に関しては「メタルプロテクト」による威嚇無効に加え、上から「ダイスチル」を打てるため意外にもこちらがDMを切れば相手がDMをしてもダメージレースはソルガレオが有利になります。
対伝説では、型を問わずイベルタルやグラードンには対面ではまず勝てません。
特にイベルタルは選出画面では型の判別事態が困難であるため、自パーティには最低でも2体以上はイベルタルに対面である程度役割を持てるポケモンを投入して下さい。(バンギラスやトリル型ミミッキュ、輝石ラッキー、ハピナス、スカーフメタモン等)
相性の良い味方
バンギラスバンギラス
地面が弱点として一貫していますが、イベルタルに対して比較的安定した後出し性能があります。
鋼タイプであるソルガレオに砂のダメージがないのは嬉しいところです。
カバルドンカバルドン
バンギラスと「すなおこし」が被りますが、こちらは対エースバーンやランドロス(化身)に役割を持てる上、『ソルガレオをコピーしたメタモン』に対して確実なストッパーになります。「なまける」は必須です。
ラッキーラッキー
DMイベルタルの「ダイアーク」に対して受け出し、回復連打で3ターン粘る事が可能です。(相手が特殊主体である事が前提。「おだやか」D252で命の珠持ちイベルタルの「ダイアーク」→「ダイアーク(無振りふいうち)」を高乱数耐え)
非DMに「ちょうはつ」を受けるリスクからバンギラス程安定しませんが、控えにカバルドンを置いた上でサイクルでイベルタル対策をするとなると、最早このポケモンくらいしかまともな受けが出来ません。
こちらがDM未使用であるなら、相手DM消費後にソルガレオの「ダイサンダー」で確定1発が取れます。
ウーラオス(いちげき)ウーラオス一撃@こだわりハチマキ
ソルガレオが苦手とする数値受け全般に対して高い圧力となります。確定急所技である「あんこくきょうだ」のおかげで、両者物理アタッカーでありながら威嚇に対して強い(ランドロス(霊獣)の後出し抑制)組み合わせとなります。
補完としてみても相性はいい部類ですが、イベルタルが非常に重くなるため、イベルタル入りのパーティに関しては同時選出は厳しいです。
パーティ編成一例 解説
ソルガレオを起点に、全体的に汎用性を重視した構築の一例です。
対イベルタルを想定し、対面で有利を取れるカプ・コケコと後出しから時間稼ぎが出来る可能性が高いラッキーを同時採用し、選出に幅を持たせています。相手の伝説に合わせて対面構築、サイクル構築の両方にシフト出来る体を取っています。
比較的バランスよく極端に苦手なパーティも少ない構築ですが、ウオノラゴンとゴリランダーがやや重い事、アタッカーが全てフルアタになるため、「ダイウォール」による時間稼ぎがしにくい事が懸念点です。
おわりに
以上となります。
個人的にネクロズマ(日食)よりソルガレオが好きなもので、レートが始まる前に今回このような考察をさせて頂きました。
少しでも魅力が伝われば嬉しく思います。