初めましての方は初めまして。そうで無い方はお久しぶりです。
冠の雪原環境、いかがお過ごしでしょうか。準伝説の解禁に伴い、環境は相変わらずどころか過去最大風速の暴風雨が吹きすさんでいます。サンダーだのランドロス(霊獣)だのに痛い目に遭わされている方も多くおられることでしょう。私はなんとなくぼけーっとシーズン13の使用率ランキングを眺めていた時、ふと思いました。
こいつらマニューラで見れるんじゃね?
今回は冠の雪原環境におけるマニューラの育成論です。
そもそも、マニューラマニューラとは?
第二世代で初登場したのがニューラ。当時から悪×氷複合は専用タイプでしたが、当時は物理・特殊の分類がタイプごとに決まっており、当時の悪、氷は両方とも特殊技として扱われていたので、特攻種族値35のニューラは残念な子でした。折角ライバルの手持ちに抜擢されたんですが。
それから時を経て第四世代。正確には第三世代末期に先行発表された第四世代のポケモンの1体としてマニューラは初登場しました。映画にも登場し、また第四世代で物理・特殊の分類が技ごとに設定されたので、ようやく高い攻撃を活用することが可能となり、高速アタッカーとして一定の立ち位置を獲得しました。
更に時が経て現在。周囲のインフレに伴い、マニューラの攻撃・素早さの種族値は然程突き抜けたものとは言えず、初登場以来の問題点である技の威力不足もなかなか解消されないまま、メジャーともマイナーとも言い難い立ち位置を行ったり来たりしていました。
が、鎧の孤島にて念願の一致(実質)高威力技トリプルアクセルを獲得。火力不足が大幅に解消されただけでなく、連続技ということでタスキ、がんじょう等を貫通して相手を突破することが可能になりました。
採用理由
氷物理アタッカーとしての採用枠になります。悪技は相変わらずの威力不足であり、最大火力は威力80のじごくづきです。素早さで差別化は出来ているといえど、上位環境に悪が刺さる相手は少なく、ウーラオス(いちげき)等のより優秀なアタッカーが存在するのもありマニューラを優先して採用する理由が薄いです。
一方、氷アタッカーとして見ると同タイプ最速の素早さを誇るだけでなく、火力面でも上位に食い込んできます。流石にヒヒダルマ(ガラル)には負けますが、素でエースバーンやアーゴヨンを抜けるのはマニューラの優位点であり、またトリプルアクセルもあちらは習得しません。
持ち物、性格・努力値
きあいのタスキで確定とします。
環境上位に存在する多くのポケモンを仮想敵として設定するので、広範囲に対して行動機会を増やせるタスキを採用します。一部の相手への確定数をずらせるいのちのたまも候補にはあがりますが、環境上位に存在する相手を幅広く対面することが目的である以上、こちらの方が合致しているでしょう。
性格・努力値と調整
ようきで確定です。最速を捨てるとエースバーン、アーゴヨン等に上を取られます。努力値もぶっぱで安定。AS252を確定枠としておきましょう。残りの端数をHに入れるとHPが偶数となります。ステルスロックを食らうとどの道タスキが潰され、ほぼ確定1発を取られてしまいますが一応Dに入れておきましょう。正直、ここについてはカウンターを採用しない限りどうでもいいです。
カウンターはエースバーン意識になります。4振りダイマックスエースバーンをカウンター+こおりのつぶてで確定で落とすには、Hに12振る必要があります。この場合は攻撃を削り、H12A244S252を推奨しておきます。主な仮想敵への確定数は変わること無く、同族マニューラ対決で相手が最速でも勝機が発生します。
特性
基本はプレッシャーです。効果自体はマニューラと相性が良いとは言い難いですが、登場時にアナウンスが出るので同じくアナウンスが出る特性との対面時、スカーフか否かを確認でき、後続による起点化を計算に入れられるようになります。
もう一つの特性であるわるいてぐせは
1:直接攻撃を受けて(この時点でダイマックス相手には無効です)
2:生き残り(連続技に無力です)
3:アイテムを持っておらず(タスキ発動が必須です)
4:相手がアイテムに依存する戦術である
という、それはいつだレベルの条件を満たさなければ活躍できません。カウンターが有名なことから発動機会は更に減少、発動したらしたでこだわりアイテムやいのちのたまを奪って自滅に繋がるケースすらあり、実用性・安定感双方において優先すべき理由が少ないです。スカーフウオノラゴンを余程強く意識するなら。正直ナットレイ辺りを受け出しさせた方が確実に安定します。
技構成
- 確定技
トリプルアクセル
タスキを貫通して多くの相手に確定を取れる氷技。ただし一発ごとに命中判定があり、全弾命中の確率は72.9%と少々不安は残ります。
こおりのつぶて
先制技。絶妙に火力が足りない点をカバーしてくれます。
- 優先技
あなをほる
ダイマックスターンの消費の他、ダイアースにして地面弱点の相手に有効打を入れることが出来ます。ウツロイドをダイマックス込みで確定1発。トリプルアクセルが半減以下に抑えられる相手に有効な場合が多く、優先度は高いです。
ローキック
素早さを低下させる格闘技。連打することで、ダイジェットエースに起点にされなくなります。
- 選択技
ねこだまし
先制+ひるみ。ダイマックスされると無効。このマニューラの仮想敵である採用率の高い相手はダイマックスエースが多く、優先度は低いです。
じごくづき
悪技最大火力ですが、撃ちたい相手はメタグロスぐらいです。
ちょうはつ
耐久型に広く突き刺さる変化技。速いので上から使いやすいです。
カウンター
物理技に対して倍のダメージで反撃。読まれやすく、読まれた場合のリスクが大きいのが難点。
与ダメージ計算
B補正HBサンダー
トリプルアクセル:15.2~18.2%→27.4~33.5%→40.6~48.7%
全て最低乱数という逆ミラクルが起きても83.2%。こおりのつぶてで突破出来ます。アッキのみは全て攻撃後に発動するので、トリプルアクセルの確定数には影響なし。
無補正無振りサンダー
トリプルアクセル:23~29%→44.8~54.5%→69~81.2%
3発ヒットで確定、2発以上ヒットすれば続くこおりのつぶてで確定。ダイマックスされても3発ヒットしていれば続くつぶてで乱数に持ち込めます。
B補正HBランドロス(霊獣)
トリプルアクセル:18.3~24.4%→32.6~42.8%→51~63.2%
計算はいかく込み。3発ヒットで確定、2発ヒットしているなら続くこおりのつぶてで乱数。ダイマックスされると3発ヒットからこおりのつぶてでも落としきれませんが、S無振りだとダイジェットされても上を取れます。
無補正無振りランドロス(霊獣)
トリプルアクセル:31.7~39%→60.9~73.1%→87.8~104.8%
同じくいかく込み。2発で乱数、3発なら確定。ダイマックスされても乱数に持ち込め、取りこぼしてもダイロックを食らってなければ続くつぶてで落とせます。
無補正無振りミミッキュ
トリプルアクセル:(ばけのかわ)→30.7~36.9%→44.6~53.8%
3発当たれば次のこおりのつぶてで落とせます。舞ってきたら無償突破のチャンス。
無補正H振りミミッキュ
トリプルアクセル:(ばけのかわ)→24.6~29.6%→35.8~43.2%
3発当たれば次のこおりのつぶてで乱数。やはり舞ってきたら無償突破のチャンス。舞わずに殴ってきたら乱数次第で打ち負けますが、起点にはされずS無振り相手なら後続で問題無く落とせるでしょう。
無補正無振りウツロイド
トリプルアクセル:16.3~19.5%→31.5~38%→47.2~55.9%
3発ヒットで乱数。続くこおりのつぶてで確定です。
ダイアース(あなをほる):271.7~321.7%(確定1発)
ダイマックスされるとトリプルアクセルを耐えられるので、ダイアースしておく方が確実。
無補正無振りエースバーン
ダイアース(あなをほる):114.8~135.4%(確定1発)
ダイマックスされると確定2発、返しのダイジェット→ダイナックルが基本無理です。ダイマックスするよりも、ローキックでダイジェットを相殺しつつあなをほるで時間を稼いだ方が確実。
無補正H252カイリュー
トリプルアクセル:18.1~22.2%→68.6~84.8%→103~123.2%
1発目はマルチスケイル込み。2発ヒットから乱数、3発ヒットで確定。1発止まりでも続くこおりのつぶてで乱数に持ち込むことは可能。3発ヒットならダイマックスされても続くこおりのつぶてで確定になります。
無補正無振りアーゴヨン
トリプルアクセル:29.7~36.4%→56.7~68.9%→85.1~101.3%
3発ヒットで確定、2発時点で低乱数なので、1発でも命中するとこおりのつぶてで低乱数に持ち込めます。ダイマックスされても3発ヒットで低乱数、続くこおりのつぶてで確定。
無補正無振りファイヤー(ガラル)
トリプルアクセル:21.8~26.6%→43.6~52.1%→65.4~77.5%
3発ヒットで確定。ダイマックスされても3発ヒット+こおりのつぶてで乱数に入ります。
無補正H252ファイヤー(ガラル)
トリプルアクセル:18.2~22.3%→36.5~43.6%→54.8~64.9%
やはり3発ヒットなら確定。ダイマックスされると確定数をずらされますが、続くこおりのつぶてまで最低乱数を引かされても7割前後削れます。S無振り相手なら先手を取れるのでトリプルアクセル連打でも可。
無補正H252ヒードラン
ダイアース(あなをほる):137.3~161.6%(確定1発)
ダイマックスで確定2発。ふうせんの場合はローキックから入っておきましょう。
被ダメージ計算
タスキでダイロック以外は確定2発、と計算しておきましょう。基本的にトリプルアクセル→こおりのつぶてでほぼ全ての仮想敵を乱数に落とし込むので、被ダメージはほとんど計算する必然性がありませんでした。
無補正252振り珠ドラパルト
ドラゴンアロー:51.7~62%×2(確定1発)
上からタスキを貫通されるので、ダイマックスを消費しなければ勝てません。ダイマックス+ダイアイスなら相手がダイマックスした場合でも、あられ、珠ダメージ込みで高乱数で落とせます。
苦手なポケモン
バンギラスダイマックスされると突破不能。ダイアイスで天候を上書きしてもダイロックで確定1発です。
ナットレイ有効打が無く、てつのトゲで反撃を食らいます。挑発を搭載しておけば起点にされるのは回避できます。
カプ・レヒレ有功打がありません。
環境上位の相手は有利不利がはっきりした2択が多く、引くべきか突っ張るべきかの判断はしやすいです。
最後に
冠の雪原環境において、マニューラが役割対象に出来る相手は数多く存在しますが、ほとんどの相手がトリプルアクセルのヒット数に依存するので、『役割対象は広いが不安定』というポケモンになってしまいます。とはいえ、環境に蔓延る多くの相手を72.9%で突破、有利対面と出来ることもまた事実。これらのポケモンを相手取る時、選出や構成に悩んだらマニューラを採用してみるのは如何でしょうか?
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