はじめに
初めまして、今回初投稿になります。
誤字脱字や至らない点がありましたらコメントお願いします。
育成論に入る前に以下の点について説明しておきます。
- 内容を出来るだけ分かりやすく簡潔にするため、非公式の単語、略称を使用しています。
- ダメージ計算は理想個体を想定しています。また、計算は「ポケマネ」さんのアプリ内のダメージ計算機を利用しています。
(20/11/12 コメントを反映して技を追加)
(20/11/13 持ち物候補に「タラプのみ」を追加、それに伴った努力値の調整案2を追加)
第8世代のボルトロス(霊獣)の考察
冠の雪原が実装され、ついにボルトロス(霊獣)を含めた準伝説のポケモン達が第8世代の環境にやってくることができました。
しかし、第8世代ではめざめるパワーが没収され、これによって多くのポケモンの技範囲が狭まってしまいました。
ボルトロス(霊獣)もサブウェポンの氷技を奪われた上に、同タイプのサンダーと違って優秀な飛行特殊技も貰えなかった為、単純な攻撃面は絶対、相対共に明確な弱体化をしたと言えるでしょう。
しかしながら、めざめるパワーの没収はボルトロス(霊獣)にとって悪いことばかりではありません。
特性:『ちくでん』を利用した電気受けの役目を遂行する際に、めざめるパワーで不意を突かれなくなったとも取れ、より確実に電気受けとしての役割を遂行することが出来るようになりました。
更に新たに『かいでんぱ』を習得し、その性質に磨きがかかったと言えます。
採用理由
タイトルにある通り、『かいでんぱ』と『ちくでん』を利用して電気タイプ及び特殊アタッカーを起点にしていき、悪巧みを積んで圧力をかけていきます。
補完枠以上に様々な要素を兼ね備えることが出来るのが、このボルトロス(霊獣)の強みです。
対電気の補完枠として投入しつつも役割は広く、高いCSと『わるだくみ』で自分がそのまま積みエースにも化ける為非常に腐りにくいです。
ボルトロス(化身)との差別化について
「補助技を利用して相手を起点にしていくのならボルトロス(化身)の方が適任では?」と思われるかもしれません。
しかし、『ちくでん』による対電気性能の強さで補完枠としての優秀さはこちらが一歩リードします。
そして何より、ファイヤー(ガラル)に対して『かいでんぱ』を打ち込んでいけるかどうかが、最大の差別点と言えるでしょう。この点は立ち回りの項目で後述します。
持ち物
オボンのみ
『かいでんぱ』と合わせて複数回攻撃を耐えていく、というシチュエーションを作っていくためにオボンのみにしています。
食べ残しよりも、比較的パーティで取り合いになりにくいのもポイントのひとつ。
ボルトロス(霊獣)は基本的に回復手段は持ち物頼りになるので、その点でも貴重な存在。
タラプのみ
『ダイジェット』に対するストッパー要因としての性質を強めるならこちら。
オボンのみでは『ダイジェット』からの等倍ダイマックス技の2連発に対応出来ない為倒されるケースが多いですが、こちらであれば『ダイジェット』を受けながら特防を上昇させる為、受けきることが出来ます。
一方で総合耐久は落ちるため、等倍ダイマックス連打や物理技にやや弱くなります。
『ちくでん』のおかげで電気を受けてサイクルを回すことに関してはタラプのみは消費せず、居座るとなれば『かいでんぱ』との相乗効果が取れるので汎用性はそこまで落ちません。
じゃくてんほけん
『かいでんぱ』で腐らせた弱点技を敢えて受け、悪巧みと合わせて無双を狙えます。
補完枠としての投入がこの育成論のコンセプトでもあるので、候補止まりとしておきます。
性格・努力値と調整
調整案1(オボンのみ)
性格:おくびょう
努力値:H-236 D-20 S252
実数値:H-184 B-90 C-165 D-103 S-168
H-オボンの回復効率を考慮して4n
D-特化命の球ファイヤー(ガラル)のダイアーク確定2発
S-最速
とにかく上からかいでんぱを当てていきたいのでこの調整になります。
激戦区の100族付近に役割対象が多いため最速にしました。
調整案2(タラプのみ採用)
性格:おくびょう
努力値:H-164 B-4 C-84 D-4 S252
実数値:H-175 B-91 C-176 D-101 S-168
H-16n-1
B-特化ランドロス(霊獣)の『いわなだれ』耐え
C-C2段階アップダイアーク(130)で、4振りランドロス(霊獣)を確定1発
D-特化ファイヤー(ガラル)の『ダイジェット』→『ダイアーク』2連発耐え
S-最速
タラプのみを採用して耐えていく場合、耐久面の努力値をある程度Cに回すことが可能です。
その分をCに回すことで、呼びやすいランドロス(霊獣)への乱数がズレることは大きな利点と言えるでしょう。
「ダイジェットで抜かれる以上、素早さよりも耐久面を重視する」などこれ以外にもカスタマイズ性は多岐に渡りますが長くなるのでこの2つに留めます。
技構成
(ダメージ計算は調整案1の方を掲載しています)
下記を見てもらえれば分かりますが、Cに努力値を割いていない為、素のままでは特筆した火力はありません。
加えて有効範囲を広げるのにも難儀するため、候補技は「攻撃技1つ、補助技1つ」か「補助技2つ」になります。
確定技
- かいでんぱ
新規習得。命中させた相手のCを2段階下げます。
育成論の軸となる技なので確定。
- 10まんボルト
メインウェポン。
威力、命中共に安定しています。
H252カプ・レヒレ 64.45-75.7% 確定2発
H252テッカグヤ 68.6-82.4% 確定2発
H252ドヒドイデ 66.2-80.3% 乱数1発(87.5%)
無振り連撃ウーラオス(いちげき) 120.0-141.7% 確定1発
無振りエースバーン 56.8-67.7% 確定2発
無振りキングドラ 48.7-58.0% 乱数2発(93.8%)
無振りファイヤー(ガラル) 70.3-84.8% 確定2発
H252サンダー 38.6-46.2% 確定3発
ダイサンダー(130)
H252メタグロス 58.3-69.5% 確定2発
H252クレセリア 35.7-42.3% 確定3発
H252ギルガルド(シールド) 45.5-53.9% 乱数2発(69.5%)
候補技(攻撃技)
めざめるパワー氷のような、ボルトロス(霊獣)の相性補完にピッタリと言える技がないため、パーティ構成や仮想敵をどれに定めるかで選ぶ形になります。
- あくのはどう
タイプや特性で無効化されることがなく、電気との組み合わせは非常に一貫性が高い。
半減出来るポケモンはカプ・ブルルエルフーンマシェード カプ・コケコデデンネ ジャラランガ サザンドラ ビリジオン ダーテング モルペコと非常に少ない、役割対象のコケコに通りが悪いのはややネックか。
ダイマックスを切らざるを得ない場面でもダイアークで崩していくことが可能なため、汎用性を求めるならこれだろう。
怯みの追加効果も優秀。
H252メタグロス 48.1%-57.8% 乱数2発(92.6%)
H252輝石サニーゴ(ガラル) 33.5-40.7% 確定3発
無振りフリーザー(ガラル) 50.9-60.6% 確定2発
ダイアーク(130)
H252クレセリア 47.6-56.4% 確定2発(Dダウン込)
H252ギルガルド(シールド) 61.1-71.% 確定2発
C2段階アップ
H4ランドロス(霊獣) 97.6-115.2% 乱数1発(87.5%)
- サイコキネシス
威力、命中共に安定し、かつ地面に半減されない。
フシギバナアーゴヨン対策に。
追加効果もなかなか美味しい。
H252フシギバナ 50.3-59.9% 確定2発
無振りアーゴヨン 82.4-97.3% 確定2発
H4ガブリアス 29.3-34.8% 乱数3発(8.8%)
H252ランドロス(霊獣) 28.6-34.2% 乱数3発(1.9%)
無振りレジエレキ 51.6-61.3% 確定2発
D4カプ・コケコ 41.4-49.0% 確定3発
ダイサイコ
H252フシギバナ 89.0-105% 乱数1発(31.3%)
D4カプ・コケコ 58.6-69.0% 確定2発
- ヘドロウェーブ
役割対象になるカプ系によく刺さる。
サイコキネシスよりも威力が少し高いが、地面に半減される。
D4カプ・コケコ 85.5-100.3% 乱数1発(6.3%)
H252カプ・テテフ 60.7-71.7% 確定2発
H252カプ・ブルル 140.8-168.3% 確定1発
- ヘドロばくだん
追加効果を取るならこっち。
しかし、仮想敵への乱数がズレる。
D4カプ・コケコ 81.4%-96.6% 確定2発
H252カプ・テテフ 47.5-56.5 乱数2発(84.4%)
- きあいだま
ポリゴン2やマンムードリュウズに。
呼ぶポケモンに刺さるが命中不安、肝心のランドロス(霊獣)には半減される。
H252輝石ポリゴン2 45.8-54.2% 乱数2発(45.3%)
無振りマンムー 85.7 -101.4% 乱数1発(6.3%)
H252チョッキドリュウズ 54.4-64.5% 確定2発
- くさむすび
同じく呼びやすい水地面枠に。
ダイマックス相手には無効化されること、接触技であることに注意。
H252ラグラージ 87.0-104.3% 乱数1発(25.0%)
H252トリトドン 67.9-80.7% 確定2発
H252カバルドン 75.3-89.3% 確定2発
ダイソウゲン(130)
H252ラグラージ 141.8-168.1% 確定1発
H252トリトドン 145.0-172.5% 確定1発
- ボルトチェンジ・とんぼがえり
『かいでんぱ』からの動きとしては悪くは無いですが、呼ぶ地面に無効化されることが多いです。
とんぼがえりなら動きを再現することだけは出来ますが、接触技故にデメリットの方が多く目立ちます。
候補技(補助技)
- わるだくみ
ボルトロス(霊獣)の強みを活かすならコレ。技範囲の狭さを積みで強引に解決します。
レジエレキが悠長に壁を張ってきたら、積みまくって無双体勢を整えてやりましょう。
汎用性を確保するならほぼ確定技です。
- みがわり
強みと弱みがはっきりしているため、身代わりを残せるタイミングはとても掴みやすいです。ダイマックス枯らしにも使えるので、撹乱に特化するなら一考の余地あり。
- ちょうはつ
『かいでんぱ』と組み合わせて、特殊アタッカーを腐らせていく動きをするなら有用です。
耐久型は特殊アタッカーが多いので、これで起点化しやすいのもポイント。
- でんじは
ストッパーとしては有用ですが、『ボルトチェンジ』同様に呼ぶ地面に無効化されるのがネックです。『くさむすび』『わるだくみ』のどちらかが無いと逆に起点にされる恐れもあるので優先度は低め。
「交代際に積まれてもコイツで止める」という運用に特化するなら。
立ち回り
でんきタイプや特殊アタッカーに対して繰り出し、『かいでんぱ』を使って無力化していくのがメインになります。
でんきタイプであればほぼ確実に無力化出来ますし、仮に特殊アタッカーに交代際に積まれたとしても、『かいでんぱ』を使って腐らせつつボルトロス(霊獣)をクッションにして起点化してしまう、なんて芸当も可能です。
具体的な一例として、交代際にファイヤー(ガラル)に『わるだくみ』を積まれたとします。
しかし、こちらの方が素早いので『かいでんぱ』で『わるだくみ』を相殺しながら受けに行けるのです。
仮にダイマックスを切って『ダイアーク』を連打しに来たとしても、
ボルトロス(霊獣)の『かいでんぱ』
ファイヤー(ガラル)『ダイアーク』
ダメージ 118-141
↓
ボルトロス(霊獣)の『かいでんぱ』
ファイヤー(ガラル)の『ダイアーク』
ダメージ 90-106
となり、オボンボルトロス(霊獣)のHP(184+46=230)に対して総ダメージは208-247 と、最低2回、大抵の場合3回受けて後続に繋げることが出来るのです。
命の珠を持っていても一撃は耐えるので、最低2回の仕事は守ってくれます。
「ダイマックスを使わず」
「積んだ特殊エースを」
「ダイマックスを使わせながら」
「弱体化させて起点に出来る」
ここまでの好条件を作り出せるポケモンはそうそう居ません。
ましてや「電気受け」「積みエースにスイッチ可」の要素も兼ね備えているのはボルトロス(霊獣)だけと言っていいでしょう。特にボルトロス(化身)は悪戯心が仇となり、ファイヤー(ガラル)に補助技を通せません。
※補足
実戦を繰り返すと、多くのダイジェット持ち特殊アタッカーは対面から『ダイジェット』→『等倍ダイマックス技』という動きで上から仕留めにかかってくる事が多い印象を受けました。
この場合オボンが発動せず、積みの相殺止まりで倒されてしまいます。
タラプのみを採用すればこの流れに対しても2発受けきることが可能で、『かいでんぱ』を入れつつ3発目まできっちりクッションとしての役目を全うしてくれます。
「積んでからダイマックスで暴走する」という典型的な流れをする特殊アタッカーで、最もゴリ押し性能が高いと思いファイヤー(ガラル)をピックアップしました。
ボルトロス(霊獣)に対して高火力な有効打を持たないポケモンであれば軒並み『かいでんぱ』でダイマックスごと無力化していくことが可能です。
被ダメージ計算
特殊ダメージ
- C2段階ダウン込で計算
特化カプ・レヒレ
『れいとうビーム』29.3-34.8% 乱数3発(7.5%)
特化珠カプ・コケコ
『マジカルシャイン』25.5-30.4 確定4発
『ダイフェアリー(130)』40.8 -48.9% 確定3発
特化珠フィールドカプ・テテフ
『サイコキネシス』 45.1-53.8% 乱数2発(37.5%)
『ダイサイコ』65.8-78.3% 確定2発
特化デンジュモク
『はかいこうせん』37.5-43.5% 確定3発
特化珠{ロトム(ウォッシュ)}
『ハイドロポンプ』30.7-44.6% 確定3発
特化テッカグヤ
『だいもんじ』19.4-22.8% 乱数4発以上
- 調整案2で『ダイジェット』受けをした場合
特化ファイヤー(ガラル)
『ダイジェット(130)』 37.1-44.0%
『ダイアーク(130)』46.9-54.4% (タラプ込)
特化サンダー
『ダイジェット(140)』43.4-51.4%
『ダイバーン(130)』36.0-42.9% (タラプ込)
特化トゲキッス
『ダイジェット(130)』42.3-49.7%
『ダイフェアリー(130)』53.1-62.3%『タラプ込』
物理ダメージ
特化ランドロス(霊獣)
『いわなだれ』73.9-88.0% 確定2発
『ストーンエッジ』127.2-151.1% 確定1発
A252ガブリアス
『げきりん』 62.5-73.9% 確定2発
『ストーンエッジ』82.6-97.8% 確定2発
特化珠ウーラオス(いちげき)
『すいりゅうれんだ』 34.8-40.8% 確定2発(急所、オボン込)
『あんこくきょうだ』 72.3-84.8% 確定2発
無振りレジエレキ
『だいばくはつ』54.3-64.3% 確定2発
ほぼH全振り&オボンによって、物理でもそこそこ耐えます。
苦手なポケモン
上から岩技等を撃ち込まれると、こちらが積む前に倒されます。特殊型が少なく『かいでんぱ』が有効に機能しないのも痛いところ。
しかし、地面技自体は牽制できるので後続を吟味することが大事になります。
こちらより素早く、高火力技を持っている特殊アタッカー。
ビーストブーストの存在もあり、クッション受けすること自体が裏目に出やすいです。
アーゴヨンは脱出パック持ちが非常に多く、『りゅうせいぐん』を一方的に浴びせられた後に逃げられたり、『かいでんぱ』を当てて無力化させる動きを取りにくいです。
ウツロイドに至っては、パワフルハーブ『メテオビーム』で『かいでんぱ』を当てる隙も無く一撃で落とされてしまいます。
2匹交代読み『かいでんぱ』を当てることが出来ればそれなりに妨害は出来ますが、対面した場合は基本的に勝てない相手とみて引いた方が良いでしょう。
- 交代際にダイマックス技でゴリ押される
とは言っても、特化珠ファイヤー(ガラル)のダイアークまで耐えてくれるので、それ以上となると「抜群技を撃たれる」か「既に起点を作られて準備をされている」状態なので、こいつを繰り出す場面としては少々ミスマッチなシチュエーションなのかもしれないです。
相性のいい味方
ウツロイドアーゴヨンに強く出られること、『おにび』『ステルスロック』の存在が流しや起点化を行うこの型と相性が良いです。ヒードランへの安易な格闘、地面技もボルトロス(霊獣)が牽制できます。
呼びやすい地面タイプを対処してくれる一方で、2匹に一貫する電気技をボルトロス(霊獣)が補完できます。
他にも、風船、浮遊、飛行タイプを絡めたいわゆる「浮いてる鋼」と言われるポケモン達とは相性補完が取りやすいです。
終わりに
いかがだったでしょうか?
冠の雪原実装前以上に、『ダイジェット』の流行や電気の一貫性に悩まされ、そこを埋める補完枠としてボルトロス(霊獣)はきっと重宝されるのではと思います。
新規習得した『かいでんぱ』を使ったこの型でボルトロス(霊獣)がパーティの潤滑剤として機能して貰えれば嬉しいと思います。