こんにちは、イワヘンジンと申します。今回で3回目の育成論投稿となります
今回の育成論では「HP=H」「攻撃=A」などの非公式の略称を用いており、個体値は全て理想個体とします。また、文字数削減のために「ダイマックス=DM」と表記させていただきます
ルームサービスは救えない
私は前回、ルームサービス型バシャーモという育成論を投稿しました(詳細はフォーク元をご確認ください)
奇抜な発想を評価してくださった方もいましたが、あまりの実用性の無さに非常に厳しい意見を多く頂きました。何とかしてルームサービスを用いた実用的な型は作れないのか、と必死に考えました。その結果が以下の通りです
・あまのじゃく最速カラマネロに持たせて、トリル最終ターンに着地させよう
→トリル切れた後に最速ドラパルトを抜けない
・マジシャンクレッフィに持たせて、自分でトリル展開してアタッカーにしよう
→クレッフィ自体、アタッカーとしての性能が足りない。積み技搭載するなら、特性はいたずらごころの方がいい。いたずらごころにするなら起点型の方がいい
・特性かるわざで敢えて後攻を取ろう
→優先度0かつ後攻で威力上がる技はしっぺがえししかない
・デメリット無しの持ち物では、なげつける最大威力の100となることを生かそう(デメリットありならくろいてっきゅうが130)
→かたいいしの方がまだ持たせるメリットがある(岩技1.2倍)
中速帯のポケモンをトリルアタッカーにさせるにしても、くろいてっきゅうとの比較となります
【メリット】
・飛行タイプや特性ふゆうが消えない
・トリック、はたきおとすetc…でSを戻されない
・アクロバットの威力2倍
・どろぼう、わるいてぐせetc…持ち物が無くなると使える技/特性が生きる
【デメリット】
・Sを下げる倍率で劣る
・飛行タイプや特性ふゆうがフィールドの恩恵を受けられない
倍率で劣るのが何よりも痛く、何をするにしても「くろいてっきゅうで良くないか?」となってしまいました
その中で絞りに絞り出したのが、「たんじゅんバトン」戦術です
特性たんじゅんのポケモンにルームサービスを持たせて、トリル→バトンで持ち物を縛らずに中速帯のポケモンをトリルアタッカーにさせるのが狙いでした
しかし、それができるのがココロモリしかおらず、耐久に振っても一撃で倒される可能性が高いです
また、相手からの能力ダウンも2倍になってしまうこと、BもDも積まずにバトンするのでバトン先への負担が大きいことetc…問題点も多々あります
恐らく「たんじゅんバトン」が現状ルームサービスを最も生かせる戦術だと思いますが、実用性は低いです
以上の考察より、世界で一番ルームサービスの活用方法を考えたであろう私が導き出した結論は
- 現状、全く活用方法が無い
- 中速帯のポケモンをわざわざトリルアタッカーにさせるなら
最遅HAきもったまムーランド
持ち物:くろいてっきゅう
技:かたきうち、とっておき
トリル要員を自主退場させて、このムーランドで上から威力140技を連発するのが一番強いと思います
- 活用方法を生む為の提案
- Sの下がり幅を1段階ではなく2段階にする(くろいてっきゅうと同じ倍率にする)
- どろぼうの威力を上げる(はたきおとすは[威力65/ダイアーク120]なのに、発動条件限られてるどろぼうは何故[威力60/ダイアーク110]なんですか…涙)
- ダイジェットの威力はそのままでアクロバットの威力を60にする(ノーリスクで実質ブレイブバードが打てるというメリットを作りつつ、ダイジェットの威力という差別点は残す)
株ポケさん!私のこの提案いかがでしょうか!!!(そもそも株ポケさんの目につかない)
それでも私は間違っていない
不本意ながら、ルームサービスを活用させることは私にはできませんでした。しかし、「トリックルーム+特性かそく」というアイデア自体に間違いは無い。私はそう信じました
こうして頑固で諦めの悪い私により作り出されたのが五刀流バシャーモです。今回はこの型を紹介したいと思います
五刀流とは
今回のバシャーモが持っている5本の刀は以下の通りです
- 物理アタッカー
- 特殊アタッカー
- トリルエース
- 抜きエース
- DMエース
トリル要員を退場させて、場に出てすぐDMを切ってトリルエースとして暴れ、特性かそくによりトリルが切れた後は抜きエースとして暴れる。そんなロマン溢れる両刀アタッカーを目指しました
トリル要員のサポートと戦術
真っ先に思いつくのが壁展開ですが、両壁も張るのはトリル要員への負担が大きく、戦術として安定しません。そこで、マヒ・ねむり対策としてしんぴのまもりを採用することにしました
そうなったことで戦術の全体像が見えてきます
バシャーモはトリルが残り3ターンor2ターンという状況で場に出ることとなります
S調整
最低でも2ターン、場合によってはDMターン全てをトリル下で過ごすことを考え、今回はSを低めに調整しました
±0(実数値86)
→無振り66族と同速
+1(実数値129)
→準速77族と同速
→最速66族と同速
+2(実数値172)
→準速120族と同速(準速エースバーン抜き)
→最速105族と同速
+3(実数値215)
→準速160族抜き
→最速142族抜き(ドラパルト)
→準速スカーフ91族抜き
→最速スカーフ78族抜き
+4(実数値258)
→準速200族抜き
→最速200族は抜けない
→準速スカーフ120族と同速
→最速スカーフ105族と同速
”できるだけ”トリル下で「環境の中心となるS80~119族」の上を取れるようにしつつ、DMが切れた後に最速ドラパルトを抜けるようにしています
この時点でS個体値22かつ性格補正S↓が確定となります
特性/持ち物/性格/個体値/努力値
- 特性
かそく
- 持ち物
いのちのたま
【他の候補】
・じゃくてんほけん
→発動すれば一番火力が出る
→警戒されやすい
・たつじんのおび
→見えない「じゃくてんほけん」の圧力をかけつつ、火力も上げられる
→弱点を突けないと火力が出ない
今回は安定して高火力を出せる「いのちのたま」を採用しましたが、正直好みによります。他の2つも全然アリです
- 性格
れいせい(C↑S↓)
Aはダイナックルで補えるので、Aより種族値が10低いCを性格補正で強化します
- 個体値
31-31-31-31-31-22
- 努力値
C252
→Cを上げる手段がタイプ不一致のダイアシッドしか無く、採用する技スペースの余裕も無いので、Cは最大まで振ります
H28
→珠ダメ最小となる(10n-1)と砂ダメ最小となる(16n-1)を両方満たす「HP実数値159」となるように調整しました
D4
→この時点で残りをAに全振りしても、ポリゴン2への確定数が変わらないので、ダウンロード調整をしました
A220
→残った努力値は226ありますが、221以上振っても実数値は変わりません
技構成
- ソーラービーム
弱点を突いてくる水/地面タイプへの打点となります。DM技として打てばグラスフィールドを展開でき、じしんの被ダメージを半減できるので、守りにも使えます。個人的には必須だと思います
- ブラストバーン
- インファイト
共にタイプ一致技としての採用です。「複合タイプの両刀型」という強みを生かす為にも、物理/特殊に分けることを推奨します。フレアドライブ/きあいだまという構成もアリです
- ストーンエッジ
炎・草・格闘を半減で受けられるポケモン全てに等倍以上で通りますし、弱点を突いてくる飛行タイプへの打点にもなります。DM技として打てば、砂ダメで相手のタスキを潰せるのも優秀です
【他の候補】
- ブレイブバード
ダイジェットでS調整できるのがメリットですが、弱点を突けるタイプが炎技と被っている(草・虫)のがデメリットです。今回はトリルが切れたあとのS関係よりも、アタッカー性能を重視して採用を見送りました
- かみなりパンチ
飛行タイプに弱点を突けること、ダイサンダーで催眠対策ができることがメリットですが、しんぴのまもりのサポートがあるので採用を見送りました。カバルドンラグラージなど地面タイプのあくび使いがいるのもネックです
この型/戦術のメリット
- 最低でもDM中は相手のトリックルームで切り返されない
バシャーモがトリル残り2ターンで場に出て、トリルが切れた後=DMラストターンにトリックルームを打たれて、DMが終わった後に切り返される可能性はあります
- 両刀型なので相手のいかくに屈しない
- 相手のダイジェットを抑制できる
Sの関係次第では、相手はトリル下でダイジェットを打つと2連続でバシャーモに上から動かれてしまう場面があります。そういう場面では一撃で倒す、あるいはDMバシャーモの攻撃を二発耐える自信が無いとダイジェットを打つのは難しいと思います
- しんぴのまもりによってDM中はマヒ・ねむりが無効となる
特性すりぬけ持ちからの状態異常は防げないので注意しましょう
「トリックルーム+特性かそく」という性質上、トリル要員の死に出しが必須である、相手のSに依存してしまうというデメリットはありますが、それに見合うだけのメリットがあると私は思っています
おすすめのトリル要員
一番安定感があるのはブリムオンです。簡単に紹介します
持ち物:きあいのタスキ
特性:マジックミラー
性格:なまいき(D↑S↓)
個体値:31-0-31-31-31-0
努力値:H212 B228 D68
技構成
⑴トリックルーム
⑵しんぴのまもり
⑶ミストバースト
⑷自由枠
他にも「トリックルーム→しんぴのまもり→自主退場」ができるポケモンはいるので、選出画面で読まれないことを優先したい方は自分で探してみてください
このポケモンの対策
- 等倍以下で受けれて、タイプ一致で弱点を突ける
ニドクインニドキングヤドラン(ガラル)ヤドキング(ガラル)サンダー(ガラル)キングドラサーナイトラティアスラティオスガブリアスユクシーエムリットアグノムクレセリアランドロス(霊獣)ドヒドイデカプ・テテフブリムオンウオノラゴン
- すてゼリフ
- こうこうのしっぽトリック
ダメージ計算
説明が長くなってしまったので、最低限のダメージ計算だけ記載しておきます
【与ダメージ】
ダイナックル
HB特化ポリゴン2
A+0 54.2~65.1%
A+1 78.6~94.8%
A+2 105.7~126.0%
ダイロック
H4振りカイリュー(マルチスケイル無し)
112.0~132.3%
じゃくてんほけんをケアして別の技でマルチスケイルを削ることができます(DMは考慮外)
ダイバーン
アッキの実ミミッキュ(H228 D4振り想定)
98.1~116.4%
HP1/16回復(グラスフィールドなど)が1回入ってても、ばけのかわが剥がれたミミッキュは確定1発で倒せます
ダイソウゲン
HB特化D4振りカプ・レヒレ
91.0~108.5%、乱数1発(56.3%)
【被ダメージ】
※全てDM時を想定しています
ランドロス(霊獣)A特化じしん
グラスフィールド
有→42.1~50.9%、乱数2発(2.7%)
無→84.9~100.6%、乱数1発(6.3%)
カプ・テテフC特化サイコキネシス
サイコフィールド
無→70.4~83.6%
有→91.2~108.2%、乱数1発(50.0%)
カプ・テテフも居座りを読むなら、ダイソウゲンから入って、フィールドの書き換えによって被ダメージを抑えることをおすすめします
あとがき
やはり「トリックルーム+特性かそく」というのは相手のSに依存してしまい、クセの強い戦術ではありますが、かそくDMアタッカーの弱点を潰せるというメリットはあると思います
トリル要員のサポート内容・Sの調整・持ち物・努力値振り・技構成でいくらでもアレンジができるので、是非自分好みにアレンジして使ってみてください