前置き
- お互いに理想個体を想定します。
- ダメージ計算はトレーナー天国様のツールをお借りしました。
- HABCDS(HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さ)、EF(エレキフィールド)、PF(サイコフィールド)、DM(ダイマックス)等の略語を用います。
- 考察は常体で行います。
カプ・コケコの概要と今世代について
種族値:70-115-85-95-75-130
特性:エレキフィールド
7世代にて初登場。S130と、EFによる電気技の威力補強が特徴。
当初はZワザや+EFによる火力としぜんのいかりによる崩し性能、両壁等の補助技、S130による腐りにくさが買われメジャーであった。
しかし今世代は
- 1.EFの倍率低下によるAT性能の低下・火力の低さ(1.5→1.3)
→H252マリルリを確定1にできなくなった。
- 2.Z没収による崩し性能低下
- 3.ダイジェット等の登場による起点にされやすさ
- 4.DMとの相性がそこまで良くない:ダイフェアリーはEFを上書きするため技の扱いどころが難しい。
電気技等威力底上げになるが、素の種族値の関係上ダイサンダーの指数はガブリアスの特化げきりんを少しだけ上回る程度。これだけ見るとギャラドス(ダイジェット:34515)等のATの指数と互角以上だが、ダイナックル・ダイアシッド・天候変更等、単体火力を底上げするDM技がほぼなく、電気技以外の技の火力は低水準。また火力指数が他と並べるというのも特性あってのことで、じしんかじょうを持つギャラドス、サンパワーを持つリザードン等の強特性と比較すると差をつけられ、見劣りする。
特化ランドロス(霊獣)のダイアースで確定落ちする耐久や、ダイスチル以外対面性能を上げるDM技が少ない点含め、全抜き・DM同士の打ち合いには向かない、単体性能の底上げ・ダイジェット等から相性が悪いわけでもないが、切っても他のメジャーなエースより爆発力には欠ける。
と、前作のような運用は難しい。また高速電気、壁要員としてはレジエレキの存在も大きく独自性を見出しにくくなった。
その一方で
- A.H252ウォッシュロトムをほぼ確2にする電気技と妖の範囲
- B.EFによる眠り耐性付与
- C.S130によるダイジェット等を度外視した際の行動保障
- D.(2つの交代技による対面操作)
等は健在であり、そこが今世代のカプ・コケコの活路といえよう。
コンセプト
- 初手(対面)性能の高さ
- 高速でんじはによる起点回避・裏のダイジェット等の起点作成
- 対面操作性能、(体力が温存できた場合)フィニッシャー、ストッパー性能
強み
- 襷+130+EFでんき技
H252ウォッシュロトム程度の中耐久を高乱2にする火力、襷による行動保障、S130で高い対面性能を持つ。
また電気の無効の竜・地面・草に対してはマジカルシャイン(採用時のみ、特定の地面はくさむすび、数値受け等はしぜんのいかり)が刺さる。
現環境で使用率が高(くなると思われる)ポケモンでS130を上回るのは、ドラパルトダルマモードヒヒダルマ(ガラル)レジエレキくらいであり、レジエレキ以外やスカーフ持ちにはでんじはが刺さる。
- でんじはによる起点回避・裏のDMの起点作り
これにより前述したダイジェット等への耐性を強化できる。使用した所、トゲキッスボーマンダカイリューラティオスアーゴヨンなどは飛行技と弱保で削れた状態から起点にするケースが多かった。
麻痺付与で起点回避をしつつ、後続での処理を容易にする。
行動不能の勝ち筋を残せる点、10まんボルトの削り込みで裏のダイジェットの起点作成も可能な点も魅力
ダイサンダーを使わずともPT全体に眠り耐性を付与できる為、一部の起点ポケの簡易的対策になる。
ただし、カプ・コケコ単体では、ブラッキー(とくさむすび搭載時の水4倍)以外は突破困難、あくまで「あくびループ」の対策であり、ポケモンそのものの対策にならない点は留意したい。
- 対面操作技:とんぼがえり・ボルトチェンジ(採用時)
高威力の電気を恐れ地面や特殊受けを出されやすい、これを読んで水・飛行等を合わせられれば爆アドである。
ただし、耐久・耐性的にサイクル向けでない為、交換読み、もしくはギャラドスボーマンダなど低リスクでの繰り出しが可能ながら、制圧力の高いポケモンを通す運用をする際打つこととなる。
総括
総じて、高速中火力と襷による殴り合い性能とでんじは+対面操作技による、その対応範囲と初手性能の高さが魅力である。
高火力電気技+広範囲+EFによる眠り耐性付与を両立できるポケモンは存在しないため、差別化は不要とする。
あえて、レジエレキと比較するのであれば、マジシャによる竜・地面への打点、EFによるねむり耐性付与、Bの差によるvsミミッキュ等に対しての耐性等がある。
構成
努力値:B4 C252 S252(S↑A↓)
実数値:145-121-106-147-95-200
特性:エレキフィールド※1
持ち物:きあいのタスキ
※1.飛行に適応されない点に注意。
構成意図
- 持ち物
コンセプト上必須。耐久は物理は並みかそれ以下、特殊は紙と低水準。DM相手にでんじは+一撃を与えたり、高火力や抜群相手への打ち合いを考えると必要となる。
- 努力値
耐久を襷に一任しており、Sはレイスポスと同速、火力不足な為、ぶっぱで確定。
D耐久は物理に比べて低く、振る利点を見いだせない。よって残りはB4振り、先制技に対する耐性が高まる、ミミッキュの球ようきじゃれつく+かげうちの乱数が37.5%から25.0%になるなど。
- 性格
S上昇時、エースバーンアーゴヨンに上から電磁波を打てるS上昇ものでおくびょうで確定、とんぼがえり採用時も先制技等への耐性の関係上耐久が欲しくなる点(D下降補正の場合、アシレーヌの特化ムーンフォース+アクアジェットが確定)、とんぼの削りは襷潰し・耐久調整潰し程度のものでほぼ裏の確定数に影響しない点から耐久は削らない。
技構成
10まんボルト/マジカルシャイン/でんじは/選択(とんぼがえり・くさむすび・ボルトチェンジ/しぜんのいかり)
※2.()内は火力指数
- 10まんボルト(19845*1.3=25798):威力・命共に安定した一致技、EF込みでのメインウェポン。火力は耐久指数19300程度(≒H212振りウォッシュロトム)を確定2にできる程度。
ワイルドボルトは襷との相性、かみなりはDM運用でない関係上命中不安のリスクが大きすぎる為候補外。
仮想敵:等倍以上で通る相手全般、水、飛行
H252ウォッシュロトム:48.4~57.9%(96.8%)
H4ミミッキュ:59.5~70.9%
H252チョッキアシレーヌ:52.4~62.0%
H252メタグロス:47.0~56.1%(80.0%)
D4カプ・テテフ:39.3~46.2%(PF後攻展開でEF非考慮)
- マジカルシャイン(19845*1.3=17640):電気の通らない地面・竜・草等への打点
一貫性は高いが、指数は特化サザンドラのりゅうせいぐんの0.46倍と非常に低いため、メインウェポンたり得ない点は留意したい、仮想敵を崩すには交換読みが必要
仮想敵:竜(ドラパルトボーマンダガブリアスアーゴヨン等)、地面(ランドロス(霊獣)マンムー等)、電気パッチラゴンカットロトムボルトロス(霊獣)
サザンドラオーロンゲブラッキー等)
D4ドラパルト:84.6~100.6%(6.2%)
D4ランドロス(霊獣):40.8~48.1%
H252カットロトム:33.1~40.1%
D4アーゴヨン:49.3~58.2%(98.0%)
H252ブラッキー:44.5~53.4%
- でんじは:コンセプト、襷と合わせダイジェットや積み技の起点回避、ダイジェッターの起点作成を行う。火力が高くなくDMに競り負ける関係上、起点回避・作成という役割で疑似的に対応範囲を広げられる。
似た技にエレキネットがある、ラム等の影響を受けず、削りを加えられる。レジエレキ等も刺さるし、削り・対面性能という観点ではこちらが勝る。
一方で、襷消費後使用する際のS下降の倍率の低さ(相性のいい味方にボーマンダを挙げたが、ビーストブースト込みで抜けないなど)でダイジェッターのサポート・全抜き阻止には不安が残る点、効果が永続的でない為削り残した状態で交代されるリスクが大きい点から、起点回避・作成の手段としてはでんじはの方が優秀に思える。
コンセプトでは起点回避・作成に重きを置いている為、現段階ではでんじはを優先させるが、環境が未確定なのもあるので今後の環境・考察の進み具合次第で電磁波との選択制も検討する。
- とんぼがえり/ボルトチェンジ(8470/13377*1.3=20065):くさむすびと選択、地面・草、数値受けに対する対応技、ミミッキュの皮潰しや裏に引き先がいる場合自身の体力を温存したい場合にも役立つ。
地面等から逃げる事を目的として採用する場合交換のリスクが薄い引き先と組ませた上で打つこと。
対面不利な地面と初手カバルドンラグラージに対する削りを意識するならとんぼがえり、単純火力とゴツゴツメットを意識するならボルトチェンジとなる。
- くさむすび:一部の地面を意識する場合。
マンムーカバルドンドサイドン等にはこちらの方が有効である。また草4倍のあくび要員の遂行技にもなりうる。
ただし、砂嵐や先制技で撃ち負けるケースの方が多い、またDMで踏み倒されるリスクがとても大きい。
- しぜんのいかり:数値受け・地面・草等全般に刺さる。崩しの手段として最適で、でんじはと合わせ裏のダイジェット・じしんかじょうの起点にしたり、どうしようもない相手に一矢報いることが可能となる。
難点は命中不安なのと、くさむすびと違い地面を削り切れないこと。
コンセプトを満たす関係上、この論ではこれで確定とするが、他、ステロ撒き・再生技の使用を抑制するちょうはつや、電磁波と合わせ起点作りと回避に特化した壁等も候補に入らなくもないため各自の判断次第で入れ替えてほしい。
被ダメ
物理耐久指数:15370 特殊耐久指数:13775
ようきミミッキュの球じゃれつく+かげうち:62.0~73,7%+27.5~33.1%
A252ボーマンダメタグロスのじしん:92.4~108.9%
特化ハッサムのバレットパンチ:45.5~53.7%
特化アシレーヌのムーンフォース:75.1~8.6%
特化カプ・テテフのサイコキネシス:95.8~113.7%(75.0%)
C特化カットロトムのリーフストーム:91.7~108.2%(50.0%)
運用
対面構築における初手AT、また重いポケがいる場合電磁波によるストッパーとして選出
広範囲とS130、でんじはのお陰で低速からスカーフ持ちまで対応範囲が広く腐りにくいが、火力の関係上地面等を崩す場合襷込みでも交換読みが求められるのに注意。
DMは襷との相性、ダイフェアリーによりEFを潰す危険性、耐久と火力の関係による打ち合いの弱さから基本的に切ることはない。
- 1.低速かつ電気が通る相手:上から2発殴りタイマンを制す、その後削りを入れて退場するか、でんじはを打ち裏の対面・DMによる起点を円滑に進めさせる。
- 2.高速AT、ダイジェット・スカーフが予想される場面(ドラパルトボーマンダヒヒダルマ(ガラル)等):電磁波→攻撃技で裏のダイジェット等の起点にする、または単独突破。その後は1に同じ。
- 3.地面が見える場合:交換読みマジカルシャインや蜻蛉による対面操作、くさむすびで負荷をかける。
- 4.あくび持ち:ブラッキー等単独突破可能な相手は上から2発殴る、そうでない場合は水・草等縛れる裏にとんぼで引く。
※相方一例
襷で対応範囲を拡張したとはいえ、数値受けやナットレイゴリランダー等打点のない高耐久は未だに不利対面である。そこを補いつつ、でんじはを活かせる制圧力の高いDMポケを主軸とした構築にするのが望ましい。
- ボーマンダ:いかく+りゅうせいぐんにより、ランドロス(霊獣)ゴリランダー}等に強い。ダイジェット+高火力両刀で高い対面性能と制圧力。S100ででんじはから、S上昇アーゴヨン等の高速ATを縛りやすい。
- アーマーガア:ボーマンダ同様苦手な地面や草に強い、じゃくてんほけん+ダイジェットや、タラプのみ(でんじは→上からの羽休め)で詰みを狙う。
- UB:アーゴヨンフェローチェ等:でんじは+特性+高火力でカプの起点を存分に活かせる。
- ラプラス:でんじはとの相性はあまりよくないが、零度と高耐久で苦手とする特殊受けや地面に強い、カバルドンや水地面のあくび要員にとんぼでつなげられる。
以上です。