挨拶
はじめまして、鉄クズと申します。当論を閲覧いただき、ありがとうございます。メジャーマイナーを問わず、動かしてみて面白いと思った型をゆるくご紹介できたらと思います。以後よろしくお願いいたします。
始めに
このギギギアルの役目は、先発でトリックルームを貼ることに加え、相手の先鋒または交代先に攻撃を加えつつ退場することです。削りを入れることで、化けの皮を剥がすのはもちろんのこと、後続のダイナックルやダイアシッドでの積みを安定させます。特に、物理型だと勘違いしてリフレクターしようとするオーロンゲや、フレアドライブを撃ってくるヒヒダルマなどはこの子だけでも対処できます。ただし、元が不器用な分できないことも多いため、パーティー構成の段階でこの子を採用する意義があるかどうかは吟味してください。タイトルの撤退光線は誤字ではありません。ギャグです。
- 注意点
この育成論では、HABCDSなどのポケモン用語表記を用います。わからない言葉はなるべく各人で調べていただくようお願いいたします。また、表記間違いや単語の誤用などありましたら、ご指摘いただけると幸いです。
- 使用した計算ツール
ダメージ計算SS様
トリパについて
技「トリックルーム」を用いることで、5ターンの間足が遅いポケモンから動ける状態にして、鈍足アタッカーで詰めていくパーティーです。素早いポケモンやダイジェットで積もうとするポケモンが多い環境でも一定の強さを誇っている、ある種メタ的な構成と言えます。5ターンしか持続しない効果を効率よく活かすために、この技を搭載しているサポートポケモンはいわゆる「自主退場技」を持つことが多いです。
ギギギアルギギギアルとは
はがねタイプ単体、夢特性でクリアボディを持つポケモンです。種族値は60-100-115-70-85-90(合計520)と高めに見えますが無駄が多く、アタッカーとして見ると専用技のギアソーサーは命中不安で、ギアチェンジで積もうともはがね技の通りにくさ・自身の技範囲の狭さに悩まされます。しかし、今作では大きな競合相手のメタグロスメタグロスが登場しなかったこと、てっていこうせんという技を習得したことで大きな個性を得ました。
※追記メタグロスが追加コンテンツに出現することが決定しており、火力・耐久・トリル後の素早さで劣るこの型は、残念ながら立場が厳しくなることが予想されます。差別化できる点としてボルトチェンジがあるものの、あちらには大爆発や光の壁、そして非常に豊富なサブウエポンがあります。似た立ち回りができる強力なライバルとなるのは間違いないでしょう。ギアソーサーの運用・ゴーストタイプへの役割などを考慮しつつ再度考察を深め、随時対応を行いたいと思います。
メタグロスはトリルを習得しませんでした。良かったねギギギアル。あちらはステロ撒きや従来通りのアタッカーとして、それなりの活躍を見せているようです。ギギギアルとは役割が明確に異なるため、差別化は不要と判断しました。
特性
この型でプラスやマイナスにする意味は皆無です。消去法でクリアボディ一択。フェアリーやエスパーのサブウエポンに多いマジカルフレイムによるCダウンを防ぐなどの役割があります。
持ち物
使用ターンは後攻になってしまうトリックルームを確実に貼るために、気合いのタスキでほぼ確定とします。どうしてもちょうはつを嫌うならメンタルハーブも良いのかもしれませんが、それで落とされては最低限の仕事もできません。
個体値について&努力値振り
Sが逆転するトリパのポケモンであるため、S下降補正の性格及び個体値逆Vは前提とします。耐久はタイプ込みで見ると元々足りておらず、持ち物のタスキで行動保証を得られるため、性格れいせい(C↑S↓)のHC極振りで問題ないと思います。イカサマのダメージはさほど変わりませんが、オーロンゲを多少意識したいため、なるべく攻撃も逆Vが望ましいです。
技の構成&ダメ計
てっていこうせん/ボルトチェンジ/トリックルーム/選択 となります。
・トリックルーム
この型の要であり、確定とします。なお、輝石ギギアルはこの技を覚えません。
・てっていこうせん
威力140、命中90の大技で、使用時に自分の体力を最大体力の半分削ります。この技あっての型なので、こちらも確定とします。外しても体力は削れるので、最低限の役目は守ってくれます。以下に基本的なダメージ計算を。
オーロンゲHBオーロンゲ 107.9〜128.7% 確定1発
マンムーHAマンムー 122.5〜144.7% 確定1発
ヒヒダルマ(ガラル)ASヒヒダルマ 156.9〜185.6% 確定1発
ヒヒダルマ(ガラル)ASヒヒダルマ(ダイマックス) 78.4〜92.8%
ドラパルトASドラパルト 67.8〜80.4%
バンギラスHAバンギラス(砂嵐) 56.0〜67.6%
バンギラスHD特化バンギラス(砂嵐) 41.5〜50.2%
モスノウHCモスノウ 54.8〜64.9%
カバルドンHBカバルドン 53.0〜62.7%
ドリュウズASドリュウズ 33.8〜39.7%
カビゴンHAカビゴン 30.7〜36.3%
ヒートロトムウォッシュロトムCSヒート・ウォッシュロトム 16.6〜19.0%
・ボルトチェンジ
非常に便利な交代技です。差別化のためにも採用必須と考えます。ただし火力が低く、撃つ対象は限られます。地面タイプを持たない水タイプや、はがねが1/4に抑えられる相手、あるいは化けの皮を確実に剥がしたい時などに撃ちます。また、弱点保険を持っている場合が多く、ギギギアルの火力では倒しきれないバンギラスに対しても例外的に安定択となります。
ギャラドスASギャラドス 70.1〜84.2%
ドヒドイデHBドヒドイデ 28.0〜34.3%
ミロカロスHBミロカロス 24.7〜28.7%
リザードンCSリザードン 44.1〜53.2%
アーマーガアHBアーマーガア 51.7〜61.4% 確定2発、食べ残し込みで高乱数2発
バンギラスHAバンギラス(砂嵐) 9.6〜11.5%
バンギラスHD特化バンギラス(砂嵐) 7.2〜8.6%
ウォッシュロトムCSウォッシュロトム 22.2〜26.9%
ヒートロトムCSヒートロトム 11.1〜13.4%
…ご覧の通り、ロトムはどちらにしても重いです。選出を縛るか、ギギギアル以外のトリックルーム要員で対応することを推奨します。
次いで、以下に選択技の選択肢を挙げていきます。
・でんじは
後述のかみなりの命中70%が怖く、後続での突破に託したい人にはこれです。個人的にはかみなりより使いやすいのでオススメしたいのですが、効かない相手が多く、トリックルームとの相性もいまいちです。
・かみなり
てっていこうせんが半減され、ボルトチェンジでは若干威力が足りない…という時に撃つ技です。とは言っても、ほぼギャラドスのピンポイントメタになります。
ギャラドスASギャラドス 109.9〜130.9% 確定1発
ドヒドイデHBドヒドイデ 43.3〜52.2% 低乱数2発、くろいヘドロ込みで確定3発
アーマーガアHBアーマーガア 51.7〜61.4% 確定2発、食べ残し込みで高乱数2発
リザードンCSリザードン 68.8〜81.8%
・パワージェム
唐突に配られた岩タイプの技です。命中安定なのは嬉しいですが、少々威力不足であり、こちらもほとんどリザードンのピンポイントメタとなります。
リザードンCSリザードン 101.2〜119.4% 確定1発
リザードンCSリザードン(ダイマックス) 50.6〜59.7%
マルヤクデASマルヤクデ 84.0〜100% 超低乱数1発
ヒートロトムCSヒートロトム 52.3〜61.9% 確定2発
デンチュラCSデンチュラ 69.8〜82.1% 確定2発
クワガノンHCクワガノン 46.7〜55.4% 中乱数2発
☆ギアソーサー
名無し様にご意見をいただいた技です。2回攻撃の物理技であり、使用する場合はAC極振りとなります。トリックルーム持ちのミミッキュや、オーロンゲをはじめとする壁役の光の壁を強く意識する場合に一考の価値があります。ほとんど対面に出て来ませんが、モスノウへの対策にもなります。火力さえ足りればタスキを貫通するのも魅力的です。反面、イカサマはかなり痛くなること、命中が低くそれなりに外すことには注意が必要です。以下にダメ計を載せますが、リフレクターは考慮していないものとします。
サーナイトCSサーナイト 141.6〜169.4% 確定1発
マホイップHDマホイップ 104.6〜125.5% 確定1発
モスノウHCモスノウ 122〜144.6% 確定1発
ミミッキュASミミッキュ(皮有り) 85.5〜99.2%
ミミッキュHAミミッキュ(皮有り) 72.8〜84.0%
ブリムオンHBブリムオン 73.1〜87.8%
オーロンゲHBオーロンゲ 67.3〜83.1%
それ以外の技について多少記載します。
・しめつける
型のコンセプトから若干外れるため、不採用とします。これを使用して交代する余裕があるのであれば、てっていこうせんを2回撃った方が間違いなく強力です。
・いやなおと、きんぞくおん
耐久力を下げるため実質削りを入れていると言えなくもないですが、素直に攻撃技でダメージを与えた方が良いです。有効な場面が少ないため、技名を挙げるにとどめます。
こちら側の被ダメージも最低限、タスキを潰されやすい相手に絞って考察しておきます。
ドラパルトASドラパルト ドラゴンアロー 21.5〜25.1%
ミミッキュASミミッキュ@命の珠 シャドークロー 32.9〜39.5%
かげうち(19.7〜23.3%)込みでも耐えられます。
パルシェンASスキルリンクパルシェン つららばり 23.9〜26.9%
同じく、からをやぶる使用後 つららばり 44.9〜53.8%
ウッウCSウッウ なみのり 40.1〜47.3%
ギルガルド(シールド)ACギルガルド@命の珠 聖なる剣 82.6〜98.2%
かげうち(28.1〜33.5%)込みでは耐えられません。
運用方法
- まず相手のパーティーに対してトリックルームが必要か、先発で何を出してくるかを予想します。ギギギアルは技範囲が極端に狭く、ロトムなどを相手にすると撹乱されて逆にペースを掴まれる恐れがあります。トリックルームするだけなら他に多くの役割をこなせるポケモンがいるため、はがねやでんきの通りがある程度良い場合に選出しましょう。
- 先発で繰り出し、トリックルームを貼ります。タスキがあり、連続技も多くはタイプで半減できるので、恐れずにいきましょう。相手がオーロンゲの場合のみ、ちょうはつ・トリックの搭載率が高く、HB振りかつ光の壁がなければてっていこうせん一発で倒すことができるので、トリックルームよりこうせんの優先度が高いです。交代されると困りますが、それでも積極的に狙いましょう。
- トリックルームを貼ることができたら、てっていこうせんまたはボルトチェンジで退場します。トリックルームはターン数が限られており、後続にテンポロスなく繋げるポケモンは貴重です。うまくいけばてっていこうせんで相手が一体落ちますが、無理に狙わず、削りを入れて退場することを優先しましょう。
- 後続のアタッカーで抜いていきます。どのポケモンを使うかはご自由に。
ギギギアルである理由・他のポケモンとの差別化
ギギギアルを採用する理由として、てっていこうせんとトリックルームの両立が挙げられます。この技の習得によって、大きな削りと能動的な退場が可能となりました。同様のことができるポケモンにドータクン、てっていこうせんを大爆発で代用可能なネンドール・ルナトーン・ソルロック・パンプジンがいますが、ボルトチェンジを併用可能なのはギギギアルだけなので差別化は容易です。てっていこうせんは2回撃てる可能性があり、やけどしても威力が落ちず、無効にされるタイプがないという点でも大爆発に勝ります。
最後に
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。初めての投稿なので説明の順序や読みやすいレイアウトの作り方などわかりませんが、適宜修正を加えていきたいと思います。
ギギギアルは当初ネタのつもりで使っていたのですが、意外にも選出率・先発の突破率が高く、これは使いやすいと感じたので投稿させていただきました。ギギギアルにしかできない型を作り出せたのではないかと思います。
この型の説明は以上となります。当論にご意見やご質問があれば、コメント欄にてお願いいたします。わかる範囲で答えさせていただきますし、わからないことも一緒に考察させていただく所存です。それでは。