はじめに
うしにくと申します。
最近数多く投稿されているカウンターでウサギ対策と名乗るものに対し、初手の偶発対面や死に出しでしか意味をなさないカウンターが本当に対策足り得るのか疑問に感じたので私の使用しているウサギ対策をメインとしたセキタンザンを紹介します。
諸注意
- 非公式の用語や略語を使用することがあります。
- 一部常体も使用します。
- ダメージ計算はあくまでも指標として載せるので相手をするべきではないポケモンも載せることがあります。
型のコンセプトと採用理由
この型の最大の目的としては、エースバーンがリベロによるタイプ変化で対策が難しいのであれば、意図的に炎技を誘い受けじょうききかん発動で上を取り対策するということになります。
また、独特の耐性により強力なダイマエースであるトゲキッスにも強く出ることができます。
火力は不足気味ですが、そこをキョダイマックス技のキョダイフンセキによる継続ダメージで補うことによりフンセキを防がれない限り突破が可能となります。
固有タイプと固有特性で専用キョダイ技を持つ上、使用率トップの二大巨頭に対しある程度安定して受け出して処理を行えるポケモンもいないので特に他のポケモンと差別化は必要ないでしょう。この型の運用真似できるポケモンいないだろうし
物理と特殊の比較
差別化は必要ないと言ったものの悲しいことに種族値の都合上自身の物理型と特殊型の比較をしなければならないという現実が待っています。
- 比較1 メインウェポン
まずはメインウェポンとして採用することができるであろう技を比較します。
物理型 ロックブラスト、がんせきふうじ、いわなだれ、ストーンエッジ、ほのおのパンチ、フレアドライブ
特殊型 げんしのちから、メテオビーム、かえんほうしゃ、だいもんじ、もえつきる、オーバーヒート
端的に言えばメインウェポンは物理型だと岩タイプ、特殊型だと炎タイプの側面が強くなります。
- 比較2 サブウェポンの技範囲
次にサブウェポンで使える技のタイプを比較します。(ボディプレスは計算式の都合で除外)
物理型 地面、鋼
特殊型 地面、水、草
技範囲としては特殊のほうが広く見えますが、草技はソーラービームであるため大きな差は無いです。しかし、炎の耐性と鋼技を活かして対フェアリーをしようとすると素の鈍足ゆえに炎タイプとしては扱いづらくなる困ったやつです。
- 総括
コンセプトで仮想敵で挙げた2匹だけ見るとD方面に厚く、チョッキ持ちなども存在することから物理型のほうが良く見えます。
しかし、じょうききかん発動後に全抜きが狙える場合などで火力不足がたたっていかくで簡単に止まり、メインを両方半減する相手に有効な技を使えるため全体的に見れば特殊型のほうが扱いやすいと言えます。
特殊型の技範囲はメジャーないかくもち全てに弱点をつけることなども考慮し、今回は特殊型で考察を行います。もちろん、型の運用としては本論の考察そのままで物理型で考えても(与ダメは多少変わりますが)あまり問題はありません。そもそもパワージェムさえ覚えればこんなことする必要などなかったというのに
特性
じょうききかんで確定です。これでないと採用理由を満たせません。
性格・努力値
ひかえめ、H172 C252 S84
火力が足りないためひかえめC極振り。
Sはじょうききかん発動後最速スカーフヒヒダルマ(ガラル)抜き。
余りは耐久を効率よく上げるHに振っています。(都合よく16n-1にもなります)
エースバーンさえ抜ければ十分と思われるかもしれませんが、ヒヒダルマやドリュウズのようにスカーフ持ちの多い有利な相手がいるためここまで振っています。
持ち物
この型の運用で上手く機能してくれる持ち物として以下の2つが候補となります。
かたいいし
後述の運用で上手く行くケースの場合効果を発揮。一般的な珠持ちASエースバーンが炎タイプ時の場合、げんしのちからキョダイフンセキで珠ダメと継続ダメージと合わせて次のターンで突破が可能となります。
無条件で火力上昇につながり扱いやすいため確定欄はこちら。
いのちのたまも考慮しましたが、元の火力が低く最大の仮想敵である2匹の確定数が動かない上、上手くじょうききかんを発動できなかった場合珠ダメが重くのしかかるため候補外としています。
じゃくてんほけん
運用時に様子見でダイジェットから入られた場合に有効。エースバーンがダイジェット後にダイナックルを使用するケースが多かったため、その際に半減されてもフンセキのダメージの底上げになります。
しかし、保険が発動するケースはじょうききかんの発動に失敗した状態であるため抜き性能はなく、エースバーンを確実に突破するには膝読みのまもるを決める必要があります。
ちなみにエースバーンが珠持ちである場合はダイバーンを発動直後にヒットさせた場合ダイマが切れるころには珠ダメで倒せます。
対エースバーンだけで考えればどちらも一長一短ですが、仮想敵のトゲキッスのはどうだん採用率が低く保険の発動するケースがピンポイントなのでかたいいしを推奨します。
技構成
- 確定技
げんしのちからorメテオビーム
メインウェポン兼フンセキの素なので必須。基本キョダイ運用ではあるがキョダイが切れた後などを考慮すると威力が低くてもげんしのちからのほうが扱いやすい。
ただ、かたいいしメテオフンセキだとフンセキの継続込みでASエースバーンをそのターンで仕留めることができ、後続へ大きな負荷を与え続けることができるというメリットがある。
最終的にはキョダイ時の瞬間火力を取るか非ダイマ時の安定性を取るかの好みとなる。(確定欄はげんしのちから)
なお、フンセキの継続ダメージは場に与える効果で交代やセキタンザンの存在には影響しないが岩タイプには効果がないため注意。
かえんほうしゃ
メインウェポン。メインウェポンとしての用途以外にトゲキッスの弱点保険を警戒する時に様子見として使える。
だいもんじにすることで乱数の動く相手もいることはいるが動かない相手も多いため安定性を重視するほうが良いと考えられる。
まもる
ダイウォール用なら他の補助技で良いと思われるかもしれないが、この技の真価は双方ダイマが切れたときウサギの膝を潰せること。
ダイウォールの用途としてはフンセキのダメージとダイマターンを稼ぐことである。
- 選択肢
主にメインウェポンである確定技が通らない相手に使用するサブウェポン。火力にはあまり期待できないので使用には注意が必要。
だいちのちからorねっさのだいち
主にバンギラスパッチラゴンドラミドロ用。火力か追加効果どちらを選ぶかはお好みで。
ソーラービーム
一致技を両方通さない水地面や岩地面対策。ダイマ時で撃てば地震への(気休めではあるが)ケアになり、ダイバーンで晴れにすることもできるためダイマ後もある程度使える。
これを採用する場合はメテオビームは採用できなくなるので構成には注意。また、天候にも気を付ける必要がある。確定欄はこれ。
ねっとう
ソーラービームの仮想敵から水地面を除いた感じになる。ソラビと比較して天候などに左右されないため安定性で勝り、タイプやダイマ技でのセキタンザン自身の相性で劣る。
運用・立ち回り
基本的にはコンセプトに書いた通り、炎技を相手に撃たせそれに受けだすことでじょうききかんを発動しフンセキで蹴散らすという運用となります。以下にいくつかの例で受け出した際の詳しい運用を説明します。(いずれも相手は普通のアタッカー想定)
CASE1 相手が狙い通り炎技を使った
じょうききかんが発動するのでSの上下が逆転し次のターン上を取れるようになるためキョダイフンセキで攻撃。メテオビーム採用時はこのターンで相手は落ちるがげんしのちからの場合はエスバの行動やHP残量によって次のターンの行動が変わる。
ダイナックルされた場合はそのまま倒す、ダイジェットされた場合継続ダメージで落ちそうならダイウォール、無理そうなら攻撃。とびひざダイナックル一発くらいならダイマすれば耐えるのでHPに余裕を持たせると後続の処理も楽になる。
CASE2 相手の読みが一枚上手でウサギの全抜きを見越してダイジェットを使われた
下から動くことになるため一見不利となるが処理自体は可能である。次ターンダイウォールで耐える。次ターンもおそらく高確率でダイナックルが来るが半減でも構わずフンセキで攻撃する。素の火力の都合上変に等倍を狙うよりフンセキで継続ダメージを狙ったほうが結果的にダメージが大きくなる。
フンセキの直後に相手のダイマが切れるためここで再びダイウォールをすることで膝が折れる。ダイマ枯らしで飛び跳ねたら次ターンに普通に殴れば突破できる。仮にこれで耐えられたとしてもダイウォールの元がまもるなので結局膝が折れる。という流れとなりCASE1よりは難しいが目的の達成は可能となるケースが多い。
CASE3 相手の読みが超すごくダイナックルされた
今のところ筆者は経験なしだが負けパターン。一応膝ナックル1回は確定で耐えるがおとなしく諦めるしかない。ダイウォールで相手の能力上昇を1段階分食い止めるよりは後続にダイマ残したほうがいいかもしれない。
後述するポケモンのようにダイナックル初手で撃たれにくいポケモンを対面させることでCASE1.2に持ち込みやすくするのがポイント。
ウサギに比べると圧倒的に楽である。弱点保険の採用率が高め(執筆時18.5%ほどだが2位である)なのでダイマしたターンにフンセキをしないように気を付ける程度。ダイバーン→フンセキと行動して倒すのがベスト。
ウサギと違って特殊型がほとんどなのでダイナックルされても能力上昇も恩恵がなく火力も低い。強いて言えば繰り出し時わるだくみされてそのままダイマせずに交代で逃げられるのが困る。
他にはニンフィアなどの水を含まない妖が安定して受け出せる。タイプ相性としては他の炎タイプにも出せそうに見えるがリザードンにはねっさのだいち、ヒートロトムにはでんじはやボルチェンといった受けるとまずい技を持った相手が多いので基本的にはエースバーントゲキッス対策を主軸にして運用するのがポイント。
相性のいいポケモン
主に初手対面した場合に行動を誘いやすくすることができると考えられるポケモンを述べる。(全て運用したわけではないため机上論が混ざる)
- ハッサムハッサム
実際に筆者が運用した組み合わせ。初手対面でウサギがダイマしても返しのダブルウイングを恐れているのかダイナックルをいきなり撃たれることはなく基本カキュウ、たまにダイジェットなのでうまく炎技を誘える公算は高い。
他にもドラパルト対面でおにびやだいもんじを誘うなど炎技を誘えるケースが多く、じょうききかんのトリガーにしやすい。
実際に運用した相方育成論ソードシールド/1611
特性で行動保証を得ているポケモン。特にエースバーンと初手対面できた場合ジバコは弱点保険を警戒され、後者2体は行動すると何らかの仕事をされるということからダイナックルの可能性を減らしカキュウを誘いやすくなる。
ダメージ計算
与ダメ
相手は非ダイマ想定。持ち物はかたいいしで計算。
げんしのちから
D4エースバーン
78.7~94.2%
H4トゲキッス
78.7~94.2%
げんしフンセキ
D4エースバーン
144.5~171.6%
H4トゲキッス
100.6~119.3%
メテオフンセキ
D4エースバーン
185.8~218.1%
H4トゲキッス
126.7~150.3%
かえんほうしゃ
H252ニンフィア
25.2~29.7%
D4ドリュウズ
91.9~110.3%
かえんほうしゃダイバーン
D4エースバーン(炎等倍タイプ)
71.6~85.2%
H4トゲキッス
49.1~58.4%
ねっさのだいち
だいちのちからはだいたい1.3倍となる
D4パッチラゴン
52.1~61.8%
ソーラービーム
H252ドサイドンハードロック込み
118.9~140.5%
ダイソウゲンでも確定数は変わらない
ねっとう
H252ドサイドンハードロック込み
79.7~94.6%
被ダメ
指定がない場合相手の持ち物無し、こちらは非ダイマ想定。
A252いのちのたまエースバーンのひざナックル
83.1〜98.1%
C252トゲキッスのエアスラジェット
27.5~32.9%
C特化ニンフィアのスキンハイパーボイス
23.7~28.0%
C特化リザードンのねっさのだいち
83.1~98.6%
終わりに
ここまでお読みくださりありがとうございます。
お世辞にも扱いやすいとは言い切れず絶対に決まるとは限りませんが、決まれば使用率の2トップを処理しつつフンセキの効果で相手の場を荒らし続けることができるので強力なキョダイマックスです。
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