ダブルバトルする人このゆびと〜まれ
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体とする
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをそれぞれHABCDSと表記
- ポケモン名やタイプ、持ち物に一部略称を使用
- ダメ計にはトレーナー天国様のものを使用
はじめに
ダイマックスの登場により、ダブルバトルの戦術は大きく変わった。「ダイマエース+サポート」の並びで1体ずつ倒していく戦術が環境のほとんどであり、互いが誰をダイマックスさせるのかを見極めつつ臨機応変な立ち回りが要求され、バトルを難化させている。
そんな中、サポート技として信頼を寄せられているのがこの指とまれ系統の技である。その使い手として、現環境においては非常にハイスペックなポケモンが揃っているが、今回はその中でも少し異質な性能を持ったウルガモスを紹介する。
このポケモンの強み
- 怒りの粉
現環境では、特に初手対面では「アタッカー+サポート」もしくは「ギミック始動+サポート」という並びが一般的である。つまり殴ってくる相手は1体だけの場合が多い上に、相手がダイマックスを切ると必然的に単体攻撃しか飛んで来なくなる。またかつて主流だった猫騙し展開は、怯みを無効化するダイマックスの登場により数を減らした。そのため、怒りの粉(この指止まれ)は現環境においてほぼ確実に横のポケモンを守れる唯一の技と言っても過言ではない。
ただしこの指とまれとは違い怒りの粉は相手依存の変化技であり、草タイプや防塵ゴーグルには通用しないという難点もある。
- 高い攻撃性能
C135S100と現環境においてはかなり高水準の数値を持っており、この火力と速度から範囲技の熱風を打つことができる。また暴風を習得するため、必要に応じてダイマックスエースとして運用ができる。
さらに注目すべきなのは、現環境に跋扈する草タイプゴリランダー
フシギバナ
ナットレイや鋼タイプ
ジュラルドン
ジバコイル
ドリュウズ(砂なし)など対し軒並み有利を取れることである。つまり展開サポートをしつつ、裏の草、鋼が苦手なエースポケモンの露払いが可能である。
またこれによって怒りの粉の弱点である草タイプ無効は無視できる。
他の攻撃的なこの指要員であるトゲキッス
イエッサン♀とはこの点において明確に差異がある。
- 範囲デバフ技
現在物理偏重な環境とはいえ、強力な特殊アタッカーは多々存在する。このポケモンはそれらのほとんどに上から虫の抵抗を打つことができる。相手によってはこれを連打しているだけで試合が終わる。
またダイマックスを切った場合も、ダイワームが同様に相手2体へのCダウンなためデバッファーとしての性能を常に保つことができる。
これも他のこの指要員にはない強み。
- クソみたいな耐性
褒めてます()
弱点3軽減6と書くとそこそこ優秀そうに見えるが、その実3タイプともに各試合1回は使われるほど超メジャータイプである。しかしこれはこの指要員としてはメリットでもあり、アタッカーとしても優秀なこのポケモンを優先して狙う相手が多い、つまり怒りの粉を打たずとも勝手に攻撃を吸い取れるのである。
またダイジェットを強烈に誘うが、そこにトリルを刺せば一気にこちらが有利を取れる。
これらの特徴によりどんな相手に選出したとしてもほぼ腐ることがなくなる。いくらかパーティは選ぶが、フィットしさえすれば圧倒的な汎用性で構築の起点になれる。
採用理由
ここまでの内容より、
- この指とまれ要員
- 鋼、草タイプ対策
- 対特殊デバッファー
以上の理由で採用が可能である。
持ち物
- 防塵ゴーグル
フシギバナ
モロバレルには怒りの粉が効かないため催眠を吸い寄せることはできないが、シンプルにアタッカーとしてこの2体を縛っているためよく狙われる。また始動役のサイチェンで粉技を受けつつ、
ウルガモスで殴って倒すといった動きができるようになりオススメ。
- 気合のタスキ
詳しくは後述のダメ計を見ればわかるが、物理方面はペラペラであり、特に範囲技の岩雪崩で落とされてしまうのがつらい。またアタッカーとして最低限の働きができるようになるため有用。
なおこの指要員ではあるが、そこまで耐久を必要としないポケモンなため回復系は候補入りしない。また弱点がどれもメジャーなため半減実も除外。
特性
炎の体で確定。虫の知らせは発動が限定的である上に、虫技の威力しか上がらないため候補外。
技構成
- 確定技
怒りの粉
この指とまれとほぼ同じだが、くさタイプ、防塵ゴーグル持ちには効かない。
虫の抵抗
仮想敵 特殊アタッカー全般
タイプ以外はバークアウトと全く同じ性能だが、虫タイプはクソなため弱保に引っかかりづらいという強みもある。
熱風
仮想敵 ゴリランダー
フシギバナ
ドリュウズ
ジュラルドンetc.
技を外す確率より火傷にする確率の方が高い運ゲー技。
- 選択技(優先度順)
暴風
仮想敵ゴリランダー
ウーラオス(れんげき)
エースバーンetc.
ダイジェットの種。基本的に草タイプには熱風を打つべき。
この技が真価を発揮するのは雨状態の時であり、横の水タイプエースが苦手な草タイプに必中でぶちこみ、さらに3割で混乱させるという壊れ技に化ける。これにより、炎タイプながら水ダイマエースや雨構築にも組み込める。
守る
安心と信頼の縛り解除技。さほど使わないがあるとやはり便利。
糸を吐く
範囲S操作技。2段階下げられるため実質追い風解除。相手の裏まで効果は及ばないが、中速・鈍足エースをトリル無しで使う場合などにも使える。
オーバーヒート
仮想敵 ゴリランダー
フシギバナ
ドリュウズ
ジュラルドンetc.
最大打点。特にH252チョッキゴリランダーを高乱数で落とせる点が高評価。ただし熱風で確2取れているので、味方の
バンギラス等が縛られたくない場合に。
他の炎技の採用価値はない。
虫のさざめき
仮想敵バンギラス
イエッサン♀
フーディン
虫タイプはクソなので欲しい場面は一度もなかった。ダイワームで無振りバンギラスがちょうど確定。
調整
臆病
努力値 H4/B12/C252/D4/S236
実数値 H161/A-/B87/C187/D126/S165
H-B 鉢巻ウーラオス(れんげき)の水流連打を最高乱数以外で1発耐え、16n+1
C 特化
D 余り
S 11n、最速ウーラオス抜き
サポーターとしてはBが低すぎるが、ダイジェット環境かつ雪崩環境である今、Bに特化したところで結局一撃で倒されてしまう。そのため物理方面は必要があればタスキに頼り、特殊やタイプ有利を取れるポケモンの上から行動できるようにした。
なおこのポケモンを最速にするメリットはないと考える。そもそも最速98〜100族は環境にリザードン
キュウコンしかおらず、振り切ったところで同速対決、しかも勝ててもさほど有利にはならないためである。S操作役、特にトリラーと並ぶことが多いこのポケモンには、Sに振り切るよりもトリル下で確実に先手を取れる方が強い。
耐久面はウーラオス(れんげき)の陽気鉢巻までの1発目の水流連打を耐えられるようにすることで、炎の体の試行回数を2回に増やす。約50%で火傷にして機能停止させられるため強力。BDを全てHに回してH20振りでも同じダメージ割合にできるが、こちらの方が努力値効率が良い。
とはいいつつも余りを振り分けだだけ
相性の良い味方、構築
草・鋼タイプが苦手なエース、特にフェアリータイプのポケモンとの縦の並びに優れている。
ニンフィア
鋼が苦手なトリルエース。ダイマ適性も低くはないが、スキンハイボで2体一気に削るのがシンプルながら強力。
アシレーヌ
草が苦手な中速エース。雨下でウルガモス自身と並んでも強い。
バンギラス
ゴリラが重い他、弱点のフェアリーはほとんどが特殊であるため虫の抵抗が刺さる。またガモスがバンギの弱点のうち4つを半減できるため、横の相性も良い。
アーマーガア
苦手なバンドリの牽制。自身がエースになれる。
横に並べるポケモンとしては、
ウルガモスのアタッカー性能を引き上げる追い風要員
エルフーン
ファイアロー
などがオススメ。
またこの指要員は1パーティにつき1枠というきまりはない。特に、攻撃性能の高いトゲキッス
イエッサン♀や強力な催眠技を持つ
モロバレルなどはパーティによっては十分に候補入りする。
苦手な相手
大人気音ゲー
2体とも岩雪崩を持っているため、怒りの粉が意をなさない。特にドリュの雪崩でガモスを処理され、ダイマバンギで隣を吹き飛ばされるとほぼゲームエンドなため、選出しないのが無難。
バンギピン採用の場合は割となんとかなるので、この2体が並んだときだけ要注意。
- 不意の防塵ゴーグル持ち
使用率上位のアタッカーの中で特に注意が必要なのはエースバーン
ドラパルト
リザードン
ギャラドスあたり。持ち物の最有力候補が珠であるポケモンがパーティとの兼ね合いで他に珠を譲った場合、適当に持たせるプレーヤーが一定数いる。とはいえ基本的には
ウルガモスに打点を持つポケモンばかりであり、怒りの粉がなくてもウキウキで殴ってくれるためあまり問題はない。
晴れサンパワーリザードンレベルの火力になると隣が危ない。
立ち回り
- 相手がエース+サポートの並びの場合
1. 相手に猫騙しなし
怒りの粉を使いつつ横でギミック。即退場して裏に繋ぐ。最も基本的な動き。
相手が特殊エースの場合、虫の抵抗でも横のポケモンを保護できるが、追い風等で先制されることも多いためよほどのことがない限り脳死怒りの粉で十分。
2. 相手に猫騙しあり
かなりしんどい。ギミック要員に守るを入れる、ウルガモスにダイマックスをきって相手を1体落とす、相手が特殊エースの場合は虫の抵抗を打つなどが有効。
- 相手がアタッカー×2の場合
一番危険なのは、トリラーと並んだときに相手に先制でウルガモスが倒され、仕事前のトリラーに直接攻撃が入ったり挑発を入れられることである。特に注意すべきは挑発持ち
ゴリランダーと封印持ち
イエッサン。
なおイエッサン♀
ブリムオンのように特殊アタッカーが並んでいる場合は虫の抵抗連打が安定。
- 相手に
ウルガモスが有利を取れるポケモンがいる場合
横のポケモンの耐久力と役割によって変わる。例えば横が追い風ならこの指を捨てて殴りに行って良いが、トリラーが弱点を突かれるなど耐久が足りていない場合は涙を飲んでこの指。
ちなみに晴れていればダブル熱風でフシギバナを倒せる。
これらは全て先発想定の解説だが、裏に置いて普通にアタッカーとして使っても強い。例えば相手のゴリラが後発で出てくるのが読めているときや、弱保ダイマエースの盤面を作った後、継続して耐久、火力の補助が欲しい時などに有効。
ダメ計
それぞれダメージの目安として分かりやすいもののみを記載する。これ以外は適宜推測、計算して頂きたい。
性格補正込み252振りを"特化"と表記
- 与ダメ
熱風
H252ゴリランダー 81.2〜95.7%、確2
晴れ下H252フシギバナ 100.5〜119.8%、確1
ドリュウズ 95.1〜113.5%、高乱1
ジュラルドン 74.5〜87.6%、確2
H4トゲキッス 34.2〜41.0%、確3
虫の抵抗
H252イエッサン♀ 35.0〜41.8%、確3
フーディン 51.9〜64.1%、確2
よわww
暴風ウーラオス 110.9〜131.4%、確1
ドラパルト 50.3〜59.5%、確2
- 被ダメ
特化トゲキッスエアスラ 79.5〜94.4%、確2
珠エースバーン飛び跳ねる 150.3〜179.5%、確1
ドリュウズダブル補正岩雪崩 111.8〜134.2%、確1
ドラパルトドラゴンアロー 35.4〜41.6%、確3
晴れ下木炭特化コータス噴火 84.5〜100.6%、超低乱1(1ダメージでも入れれば確定耐え)
珠特化ブリムオンフィールドワイドフォース
77.6〜91.9%、確2
珠特化ポリゴンZ適応力破壊光線
111.2〜131.7%、確1
弱点を突かれるとひとたまりもないが、特殊の場合は虫の抵抗込みで割と耐えられる。とはいえ過労死枠なので耐えなくとも問題はない。どうしてもという場合はタスキ採用。