こんばんは、きtちぇn【きっちん】と申します。どうぞ、よしなに。お初にお目にかかります。
あらすじ
時は嵐吹き荒れる第8世代、ダイマックスという新要素の中でもその追加効果から、ダイジェットなる多くのポケモンが使用できる高火力飛行技が流行り、文字通り風当たりの強い草タイプ達でしたが、それでも、メガ進化の廃止、苦手ポケモンの環境離脱(ゲーム未登場)などの様々な変化の中で草タイプは、ダイジェットを含めてもかつて無いほどに対戦環境における冷遇の緩んだ暖かな時期を迎えていました。(の、割には誰も使ってなかったのは草も草でメンバーが揃ってなかったからだけど…)そんな平和な時代も、エースバーンウサギとゴリランダーゴリラ(正確にはゴリランダーゴリラが流行ったことによるゴリランダーゴリラ対策)によって突拍子もなく滅ぼされ、ケッペンもビックリなほどの酷い時代がやって来ました…。今まではドラゴン対策の氷や、鋼対策の炎が草タイプにも刺さってしまうという芸人さながらのお笑い境遇でしたが、ゴリランダーゴリラのせいで草タイプのために対策処置をとられる時代になってしまったのです。マリルリヌメルゴン特性∶草食とかもはや草タイプにはどうすることもできません…。こうして、また草タイプのつらいつらい時代が幕を開けたのでした。めでたし、めでたし。
草タイプはネタ。そう思っている方は…さすがにそう多くないかと思います。草タイプは得意苦手のはっきりしているタイプでして、苦手タイプがいつも話題に持ち出されますが、草タイプが得意とするタイプは弱点を突きにくいようなタイプが多く、しっかり役割を作ってあげれば安定して活躍を見せてくれる種族です。私はそんな草タイプを主に使って戦っていますが、最近は『普通のパーティの中における草タイプの活かし方』を研究しています。そこで今回、私が今最も注目している、草タイプの起点能力について触れていこうと思います。耐久があり、特性∶おみとおしにより多様な型を使い分けられるポケモンが好まれる時代で型判別に長けたパンプジン(普通)パンプジンや、特性∶いたずら心と、豊富な変化技で、起点から耐久、相手を嵌める型まで多くの戦術を用いて敵を掻き乱せるエルフーンエルフーン、そして高い素早さと蛇にらみによる安定の素早さ操作、そこからの高い起点能力と無振りからでも油断した相手に差し込める火力を両立させる、唯一無二の能力を持つジャローダジャローダ。他にもねばねばネットによる素早さ操作と自ら晴らせ特性∶ようりょくそを発動することにより、他の追随を許さない素早さから様々な技で起点を遂行する、襷込みで晴れ起点のスペシャリストハハコモリハハコモリ、という具合に草タイプの起点はそれぞれ、ただの起点で終わらない逸材達が多く揃っています。御託はここまで。今回は、そんな草タイプの起点作りの新型、カットロトムカットロトムの紹介です。全力で書かせていただくので、最後まで見て戴ければ幸いです。また、育成論の不備、不足の項がございましたら、低評価またはコメントにて教えてくださいますと、大変助かります。紹介する型は、耐久型のロトムというものから発想を得ましたが自分で考えた型なのでオリジナルとさせていただきます。また、私が参考にいたしております資料はポケモンWiki様ですが、当育成論における記載や情報の誤りは、私の認識違いの可能性があるため、すべて私が責任を負うものとします。以下、お楽しみくださいませ。
ロトム ヒートロトム フロストロトム カットロトム
カットロトム スピンロトム ウォッシュロトム ロトム
採用理由と役割
採用理由はもちろん草タイプだからです。というのは型を構築する段階の話で、パーティに組み込む上での採用理由はロトムの器用な立ち回り、豊富な変化技の中で特性∶型破りのドリュウズに強いポケモンであるからです。スピンロトムスピンロトムでは岩石封じで押さえられてしまう点で、ドリュウズに有利とは言い切れません。ドリュウズが減ってはきている状況ですが、物理耐久にここまで振れば、多くの物理アタッカーの相手をできます。パーティの草タイプ枠の必要性については前述の通りですが、このロトムは草タイプの技、リーフストームを採用していません。これは草タイプの技範囲としては薄くなってしまいます。なので今回のロトムとしては受けとして草タイプの耐性を活かすに限りますね。
ボルトチェンジ使いで、ロトムが地面タイプの受け出しを抑止できるのは、相手の脳裏によぎるリーフストームの存在と、地面タイプに対する耐性のお陰であり、それを踏まえれば地面タイプの呼びづらさは電気タイプ随一です。
作戦
基本的には先発です。物理アタッカーに下から鬼火を撒いて、オボン込みで2発目を耐えながら祟り目で削ったり、後続にボルトチェンジします。相手が特殊アタッカーでも最低限の仕事ができるように、ひかりのかべを仕込んであります。あまり長く居座ることを想定していませんし、ボルトチェンジで戻しても素早さを振っていないため2サイクル目での仕事はあまり望めません。ボルトチェンジは後攻で打って、早めに、そして安全に後続のエースを着地させるための手段だというのを理解しておいていただければそれなりに使える技になると思います。その際、相手方にリーフストームの存在を常に意識させるため、地面タイプを呼びづらいのもボルトチェンジ使いの中での強みです。ただ、地面タイプが出てくるときは出てきます。そういうものなので、そこでボルトチェンジを押さずに読めるか、というのがこのポケモンを使うにおける最難関なポイントでしょう。その点を強く意識した別案も考えました(後述します)が、このままの型が私の結論です。
持ち物
オボンの実
他の案としては、リーフストームと一緒に脱出パックを採用する方法もあります。要は地面タイプに強いボルトチェンジを打てる型です。くるくる回す型ではありませんし、役割のほとんど無い2サイクル目にして、削れた状態からでもリーフストームの火力を出せるのは、相手が積みアタッカーでない限り利点となり得ます。(先発→鬼火や壁を貼ってリーフストームで退場→2サイクル目でもリーフストームなどの高火力を出せる)十分有用に思えますが、耐性的にも不安なカットロトムが、弱点まで想定して役割をこなすには、耐久が心許ありません。より仕事を確実にするために、オボンの実を持ち物として採用しました。混乱の実とは耐久ラインが合わないので、そちらも不採用です。やけどにして、2発目をギリギリで受けられるようになり、そこで乱数で耐えて木の実を発動し、長く居座る、というのは今回のロトムにおいて重要ではなく、むしろ確実に二回耐える方が求められます。確実というのが今回のキーワードですね。
性格・努力値と調整
防御の耐久ラインに余裕があるわけではないので、防御特化といたします。素早さを下げる意味は特に無いので、
性格ずぶとい(A↓・B↑)H·B:252 C:4
Hの実数値は157であり、4n+1です。たまたまですけど。
代替案としては4をCに振るかDに振るか程度でしょう。えー、Cに振った理由まで言うんですか?それは…
技構成
案1
・たたりめ
・鬼火
・ボルトチェンジ
・ひかりのかべ
ボルトチェンジをリーフストームと脱出パックで再現する(どちらも想定する使用回数は一回だけのため、ならば攻撃性能の高いリーフストームの採用も一考の価値があるが、ロトム自身の耐久力を考え、無茶をするより仕事を全うすることを優先した、と先述した)案の他にも、持ち物はオボンの実が最適として、ひかりのかべをリーフストームに代えて、役割範囲を絞る別案も、地面タイプに役割を持ちつつ、ボルトチェンジで退く手段も残すという点で有効であります。敢えて元案を推させていただきますと、役割を絞った上で期待できる仕事量と、役割を軽く特殊アタッカーにまで広げた時の総合的な仕事量を考えると、ひかりのかべが最適だと考えました。いづれにせよ、たたりめがあるため、ボルトチェンジのワンウェポンになって有利対面をキープできないということは起こらないのが優秀です。
案2(脱出パック持ち)
・たたりめ
・鬼火
・リーフストーム
・ひかりのかべ
案3
・たたりめ
・鬼火
・ボルトチェンジ
・リーフストーム
ここまであまりリーフストームを推してきませんでしたが、カットロトムと言えど地面タイプに退かれないということはありません。最初こそ相手も警戒するかもしれませんが、こちらがリーフストームを見せなければ、相手が強気な交換をしてくることもあるでしょうし、この型では実際そうした時に後手に回ってしまいます。その打開策として、リーフストームを採用するのはありかと思います。ただ、鬼火+3ウェポンにするならば、もっとCに振った方が強くなると思うので、それはまた別の型とします。パーティ単位で合っている型を使うと良いでしょう。
被ダメージ計算
ドリュウズドリュウズ陽気Aぶっぱ 持ち物なし
地震→38,9~46,5%
やけど撒けば余裕ですね。仮にハチマキ、またダイマックスでも耐えられるラインです。交換が予想できますね。
バンギラスバンギラス意地A特化 持ち物なし
ダイストーンエッジ→55,4~65,6%
ダイほのおのパンチ→73,9~87,9%
おそらくバンギラスの最高打点。オボンとやけどで仕事はこなせる程度ですね。上を取られていれば後攻でボルトチェンジできますし、上をとっていれば、鬼火を当てられればさらに余裕で受けられます。有利対面ですね。この先何かが起こって特殊型が流行るかも知れませんが、そうでもないのに特殊技を使っていたら、その人は天才かYouTuberなので、そんときはお陀仏です。諦めましょう。
エースバーンエースバーン陽気Aぶっぱ 命の珠
かえんボール→109,6~129,3%
ダイとびはねる→74,5~87,9%
ロトムっ!逃げて!めっちゃ逃げて!!この対面は無理でござんす。相手が油断してダイジェットしてくれば、まだ余裕がありますね。耐久無振りのカットロトムはダイジェットで飛ばせるので。しかし反撃の電気技を考えれば押しづらいとは思います。とにかく、退き先は用意しておきましょう。ちなみに、エースバーンが珠を持っていなかったとしてもロトムへのダメージはかえんボールで~99,4%です。…^^。
ゴリランダーゴリランダー意地A特化 鉢巻(グラスフィールド)
ウッドハンマー→46,5~55,4%
キョダイウッドハンマ→42,0~49,7%
とんぼ返り →57,3~67,5%
ゴリランダーの最高打点がこの程度でしょう。ゴリランダーは十分見れます。鉢巻ウッドハンマーで半減をごり押すような野蛮ですので、初手でこの対面を誘えれば、キョダイマックスさえも潰せるチャンスとなるでしょう。ただ、受け出しはできませんね。
パッチラゴンパッチラゴン陽気Aぶっぱ 鉢巻(特性∶はりきり)
ダイドラグーン→65,6~78,3%
げきりん →70,7~84,1%
パッチラゴンの最高打点。等倍タイプ一致特性込みでこのダメージであるので、ここからなんとなくガラルの高火力達のダメージをイメージできますでしょうか。
ミミッキュミミッキュ陽気Aぶっぱ 命の珠
A2↑じゃれつく→69,4~82,2%
実際は剣舞をつまれている間に鬼火を入れられるので、もっと余裕があります。しかし、こちらのスカーフトリックを相手が読むのであれば(初手対面であるし)、ミミッキュが剣舞しないことも考えられます。交代もあり得る場面です。
ドラパルトドラパルト陽気Aぶっぱ
ドラゴンアロ→17,8~21,7% (×2)
とんぼ返り →34,4~40,8%
一応物理型のドラパルト、最高打点。
マンムーマンムー陽気Aぶっぱ
つららおとし→65,0~77,7%
つららばり →20,4~24,2%
意地A特化
つららおとし→70,1~84,1%
つららばり →20,4~26,8%
いづれまた環境で出会うであろう、マンムー。鉢巻であればひとたまりもない。鉢巻でなければ勝てるので、一回安全に退いて様子を見ることをおすすめします。
ギャラドスギャラドス陽気Aぶっぱ
ダイとびはねる→48,4~57,3%
爆発的有利対面ですね。さすがにギャラドスは引いてくるはずです。
特殊
ドラパルトドラパルト臆病Cぶっぱ こだわり眼鏡
流星群 →44,6~53,5%
大文字 →94,3~112,1%
ダイ流星群→48,4~57,3%
ダイ大文字→65,0~76,4%
眼鏡大文字は受けれません。火炎放射だと~93,0%で、壁なら貼れます。選出に依りますが、他に役割がいるでしょうし、ロトムを温存してもいい対面かと思われます。
サザンドラサザンドラ臆病Cぶっぱ こだわり眼鏡
大文字→109,6~129,9%
ダイ大文字→93,0~110,8%
他の技は載せてませんが、確定一発はさすがに役割対象外ですね。メガネを持ち得て、大文字のような高火力で弱点をついてくるのは素直に引いときましょう。一撃耐えたところで、何もできません。そんな対面が生まれやすそうならばロトムの選出も見直すべきかも知れませんね。
トゲキッストゲキッス臆病Cぶっぱ
ダイ大文字→73,9~87,9%
トゲキッス程度の火力ならば、と言っても壁込みで2発は耐えられません。さらにこちらに火力が無いのを良いことに積まれてしまっては一貫の終わりです。ボルトチェンジが安定択でしょうね。
与ダメージ計算
ゴリランダーゴリランダーH4振り やけど状態
たたりめ→39,2%~46,6%
ドラパルトドラパルトH4振り やけど状態
たたりめ→79,3~93,9%
ドリュウズドリュウズH4振り やけど状態
たたりめ→39,2~46,2%
トリトドントリトドン穏やかHD特化
リーフストーム→117,4~139,4%
与えるダメージはこんなものです。とても控えめですね。あまり多くは載せません、おそらく一番の役割対象ゴリランダーと、効果抜群で入る並耐久のドラパルトを載せてみました。それから当初の役割範囲からドリュウズと、リーフストーム採用の参考として、トリトドンのダメージ計算ものせました。
相性の良い味方
炎タイプに対して大きく隙を見せるので、そういった相手にあとだしできるポケモンがいいですね。特性が貰い火だったり、岩や水タイプが言いかと。同じ電気タイプでランターンランターンや、控えるだけで相手の炎技を抑止するセキタンザンセキタンザンがオススメですね。そして、補完の他にも、ロトムが起点を作ったあとに無双するためのエースも必要です。ロトムは短い時間で、特殊の壁か、物理アタッカーにやけどを撒きます。なので、相手が交代したり、落ちた火力で攻めてくる時にこちらが一気に積んで試合を詰めるのが理想です。そこでこちらのエースにはそこそこ耐久があり、高速の積み技を持っているポケモンが望まれます。具体的にはトゲキッスなど、あの辺りです。もちろん厨ポケでなくとも該当するポケモンはたくさんいるので、好きなポケモンとロトムがマッチすれば、使ってみるのも良いかも知れません。
あとがき
草タイプの起点、どうでしたでしょうか。一部の学会では、ロトムが草タイプとして認められていなかったりします。私はパーティに一匹は草枠を入れるべきだとは思いますが、そこがロトムだと、肉ばかりの弁当の野菜枠がブロッコリーだった、みたいな気分ですよね(ちょっと何ry)
いかがだったでしょうか、今回の型はジャローダ、パンプジン、エルフーン、ハハコモリなどの有名な草タイプ起点作りとは、また違った動きができることかと思います。ただ、このロトムを動かすに当たっては、相手の型を考えたり、交換などを読んだりする動きが必要になると思うので、その点上級者向けかも知れません。構築も、ロトム起点軸ともうひとつの選出軸を作っておくと良いことかと思います。完璧で、革新的で、最強な戦術とはならないかもしれませんが、これからも草タイプの戦い方を研究していこうと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。お疲れ様でございました。さよなら(゜_゜)