はじめに
- 本育成論は、悪統一でレートに潜ることを想定して記載をしております。
- 統一パは非常に扱いが難しく、ホーム解禁後の今作においても強力なフェアリータイプが跋扈する環境は、悪統一にとって尚のこと逆風だらけです。そんな困難に、貴方も一緒に挑戦しに来ませんか?そして育成論を投稿しましょう。
注意
- 本論はいわゆる奇形です。
- また、本論は過去作解禁直後のシーズン8以降を想定しています。
- 長いです。
ブラッキーというポケモンについて
- 一般的なブラッキー
悪単タイプのブイズの進化系。
圧倒的な防御・特防種族値は全盛期のクレセリアを彷彿させ、物理アタッカー相手には尚更めっぽう強く、受けだけでなくタイプ一致イカサマによる打点も有しています。
一方で悪単タイプであるため耐性は優秀ではありませんが、単純な数値受けだけでも物理を止める力があり、ギャラドス ドリュウズ等多くのポケモンに刺さります。
あくびによる流し性能も高く、物理特殊多くの型があるトップメタのドラパルトを1体で沈黙させるのも魅力で、シーズン1の初期には使用率ランキングに名を連ねました。
- 現在のブラッキー
しかしながら、それからシーズンが進むにつれてブラッキーは数を減らしていきます。
原因の1つは高火力フェアリーの台頭です。ミミッキュ トゲキッスは言わずもがな、アシレーヌ解禁後は尚のこと数を減らしました。特殊フェアリーには打点がなく、あくびがミストフィールドで無効化されるのも理由です。
他の原因には、エースバーンヤツを始めとする高火力アタッカーの登場があります。単純な物理受けとしてのブラッキーは淘汰され始め、受け出しても確定2発で落ちることも増えました。
とはいえ、ブラッキーコイツは金銀の頃から20年連れ添った私の相棒です。
なんとしてでもパーティの一番上に置きたいじゃないですか!
つよい ポケモン よわい ポケモン
そんなの ひとの かって
ほんとうに つよい トレーナーなら
すきな ポケモンで
かてるように がんばるべき
ならば。
今こそもう一度、ブラッキーがレートに帰る時です。
採用理由
- 受けループ狩り
細かいことは他の育成論で書いているので端折りますが、悪統一でとるべき戦術として私が推しているのが『対面構築』です。
(参考:育成論ソードシールド/870)
どのポケモンを受け出ししても基本的に等倍以上のダメージを受けるため、サイクル戦が苦手なタイプ統一パ。悪統一はそれが顕著で、耐久に優れるバルジーナ バルジーナやブラッキー ブラッキー、耐久振りのガオガエン ガオガエンでもフェアリーの一貫を切ることはできませんし、前述の高火力アタッカー相手には確定2発をとられてしまいます。
ヤミラミヤミラミ抜きでは格闘の一貫が極めて強いことも問題です。
そこで前述のサザンドラ サザンドラの回では、初手ダイマで数的有利を取る&相手にダイマを強制させ、返しのタスキメタバキザンで相手ダイマを倒すことをコンセプトとした対面型を提案しております。
さて、そんな中悪統一が苦手とするものに『受けループ戦術』があります。
今更説明するでもないドヒドイデ ヌオー アーマーガア ナットレイ カビゴン サニーゴ(ガラル) などを始めとして、過去作が解禁された今はラッキー ハピナス エアームド ポリゴン2 などの強力な受けポケモンが登場しました。
悪統一パにおいてはタイプ一致技の最大打点が低く(かみくだく・あくのはどう等)、またポケモンの種族値が基本的に物理に寄っている(メジャーな特殊はサザンドラゾロアーク程度)ことや、悪・電気の組み合わせがモルペコ モルペコしかいないことからドヒドイデ を投げられるケースが極めて多く、そうでなくともポリゴン2で詰まされることが増えました。
パーティコンセプトを対面構築で戦う以上、どうしても重くなってしまう受けループ。
これを『くろいまなざしブラッキー』でキャッチし、TODに持っていきます。
- くろいまなざしについて
まずは技の仕様についてざっくり解説を。
・PP5
・優先度0
・交代封じ技
・ゴーストタイプは交代可
・とんボルターンで交代可、ふきとばし等されても解除される
・脱出ボタン、脱出パックでも交代可
・バトンでは引き継げない(8世代からの仕様変更)
・みがわりは貫通できない
・まもる、ダイウォールを貫通する
つまり、例えばドヒドイデ ならどくどくを打たれた後のトーチカやまもるを無視して、くろいまなざしでキャッチできるということです。
仮想敵
- 物理受けをしてくる特殊アタッカー寄りのポケモン
ドヒドイデ ラッキー ハピナス ポリゴン2 など
悪統一がパーティとして重くなりがちなこれらに刺さります。いわゆるピンポイント採用。
ロトム系統やジバコイルはボルチェンが、ラプラスは絶対零度があるため刺さりにくいです。
一方ダイマラプラスに対しては、後投げからバークアウトで起点作成ができます。
差別化(くろまな可能な悪ポケモンとの比較)
- ヤミラミ ヤミラミ
純粋な数値による耐性で差別化します。
ヤミラミは瞑想・鬼火による両受けを可能とし、自己再生・くろいまなざし・トリック・アンコール等、強力な補助技をいずれも先制で打つことができます。
しかし、種族値自体は全く高くないため、素の耐久で受けることができない技をもらうと立て直しができません。例えば、ポリゴン2やハピナスなどは特攻が比較的高く、突如ダイマックス技を連打されると崩壊します。
- キリキザン キリキザン
特殊への耐性、ボディプレス耐性で差別化します。
対物理としては鉄壁を積める点が高評価ではあるものの、呼ぶドヒドイデといった特殊攻撃をしてくる物理受けに対して有効打がありません。
とはいえ、無振りドヒドイデ等を相手とするなら慎重HD振りでみがわりが確定で残る他、PP枯らしの特性プレッシャー等他に見ない型もあるため一考の余地はあり。
※2020/07/21 コメントにてご指摘頂戴したため追記
キリキザンも本論のブラッキーと同様な型でTODを仕掛けることができます。技構成は、くろまな・バークアウト・ねむる・選択技(金属音、挑発など)です。
悪鋼という優秀な固有タイプを持ち、通常ブラッキーがバークアウトで処理しきれないエルフーン やピクシー、アブリボンといったフェアリーもキャッチできるメリットがあります。
ここで具体的な差別化になりますが、今回起点にしたい受けループポケモンのうち、キリキザンは火炎放射や大文字を搭載していることの多いラッキー ハピナスを苦手とし、熱湯を連打したがるドヒドイデを得意とします。また、炎打点のないポリゴン2に対してはポケモンの相性としてめっぽう強いです。
これらのメリットデメリットとして、例えばラッキー ハピナスは打点があれば引かないためキャッチしやすい点が、ポリゴン2は打点がないので裏に交換されやすいという点が挙げられます。
一方ブラッキーの場合、耐性による有利不利が少ないことから比較的相手が突っ張ってきやすいという面があり、それすなわちTODへの道筋を引きやすいことがキリキザンとの差別化点となります。
また、仮想敵からの弱点技を受けにくく、ダメージ的に安定してキャッチできる点もブラッキーの評価点です。
これ以上書くとキリキザンの育成論を始めかねないので省略しますが、本論のTODブラッキーとTODキリキザンは仮想敵が異なると私は考えています。
勿論バークアウトによる特殊受けループ狩りをキリキザンも行うことが出来ますが、くろいまなざし&鉄壁を搭載し、格闘打点のない物理受け狩りをすることも可能です。
総合すると、今回はタイプ統一パとして呼びやすいポケモンに対し、キリキザンよりもブラッキーが刺さっているため採用したということです。
それはそれとして、現在のカウンターミラーコート環境において、メタルバーストという稀有な技を持つキリキザンから繰り出されるTOD技は非常に刺さりが良いと思います。
本論をご観覧の皆様も、TODキリキザンの有用性を是非とも模索してほしいとお願いしつつ、ここでの差別化を終わります。
構成
- 特性 せいしんりょく
シンクロと選択です。
シンクロの利点として、例えばヌオー相手にどくどく、ポリゴン2やハピナスには麻痺、ドヒドイデに熱湯火傷が入るメリットがあります。
ポリゴン2 ラッキー ハピナス対面だと麻痺によって眠れない、凍らせて動けないことが負け筋ですので、向こうも麻痺すれば行動回数を稼ぐことが出来ます。
一方TOD狙いの場合、ヌオーが毒で倒されてしまい、裏からトゲキッスですべてが崩壊したこともありました(遠い目)。
- 性格 おだやか
- 努力値
努力値:H252-×-B140-C4-D108-S4実数値:H202-A76-B162-C81-D164-S86
努力値:H252-×-B252-C0-D0-S4
実数値:H202-A76-B162-C80-D165-S86
HBぶっぱ、BDダウンロード対策
S:同速意識
今回のブラッキーを使う上で肝になるのが、『いかにして役割対象をキャッチするか』と言う点です。具体例を挙げて説明致します。
こちらの物理ATに対し、相手がポリゴン2 を後投げしたとします。
こちらはポリ2をくろまなでキャッチしたいので、裏からブラッキーを受け出しします。
受け出しの際、トライアタック・放電・冷凍ビームのどれかは分かりませんが、いずれかの攻撃技を撃ってくることでしょう。
その際、ブラッキーに対して『いい感じにほどほどのダメージが入る』ことが理想です。
この『いい感じにほどほどのダメージ』というのは、相手が交換を選択肢から除外する程度のダメージという意味です。お相手の「予想より入ったな、麻痺引くまでトライアタック連打でいいな」といった思考を誘導するくらいが望ましいです。
もしも、おだやかHD特化とした場合、ブラッキーには微々たるダメージしか入りません。
すると特殊受けブラッキーを読んで、ブラッキー交換後のくろまなを撃つターンに、例えばエースバーン やゴリランダー といった高火力物理ATへ引かれてしまうといった問題が発生します。
特殊を受けることは大事なのですが、最終的な目的は『役割対象をキャッチすること』なので、そこを履き違えてはなりません。
※2020/07/26
コメントにてご指摘頂戴したため、努力値振りを修正。
修正前と比較してCが1下がり、Dが1上がった。
バークアウトはダメージを期待しているわけではなく、仮想敵に対する確定数が全く動かないことから、D方面を多少厚くできるこの振り方に変更した。
- 持ち物 カゴのみ
ねむる後の即時起床→バークアウト展開に繋げるために確定。
<選択>
オボンのみ、1/3回復きのみが選択です。
食べ残しはオススメしません。理由としては、逐次回復することは相手の高火力物理ATへの交換を誘発するためです。
- 技構成
確定技
・くろいまなざし
コンセプトのため確定。
特に覚えておくべきなのが、『まもる・ダイウォールを貫通する』ということ。
・バークアウト
相手の受けポケモンのうち、特殊しか打点がないポケモンを完封します。
くろいきりやクリアスモッグ等の解除技がない限り、最終的にはC6段階ダウンの絶望を相手に与えます。
・ねむる
完全回復技。TODにおいてはPPの節約にもなります。
ねがいごととの違いとして、こちらは状態異常も回復するのがポイント。
役割対象ポケモンからのトライアタック、熱湯、どくどくといった、ブラッキーを突破する手段を無効化します。でもこおりだけは勘弁な!!
選択技
・うそなき
D2段階ダウン技。6段階下げれば、バークアウトが普通の攻撃技になります。とはいえ、ブラッキーの火力だと特防お化け達に対して半分弱しか入りません。
しかし、TODを狙う以上少しでも相手の回復技のPPを削りたいので採用。
確定欄はこちら。最大PPは32。
・どろかけ
相手の精神力を削る技。ダメージを与えつつ、命中率を確定で1段階下げます。
ダメージを受けることがなくなるためストレスフリーです。相手の降参や切断率も上がります。最大PPは16。
・いやなおと
後述のウーラオスTODの際に役立つ技。防御を最大まで下げた場合、いかなるポケモンもキョダイイチゲキの前には紙屑同然です。
そして特筆すべきは最大PPが驚異の64。TODのお供です。
※2020/07/21 書き忘れていたので追記。
・ちょうはつ
相手の回復技を封じ、TODを有利にします。
仮想敵に対してほぼほぼ上から撃てるため、自己再生やタマゴうみは勿論、ドヒドイデの黒い霧も封じることができます。最大PPは32.
運用方法
- 繰り出しのタイミング
こちらが物理ATならポリゴン2 ドヒドイデ、特殊ATならラッキー ハピナスが後投げされます。それに合わせてブラッキーを受け出しし、くろいまなざしでキャッチしたら完了です。
- ブラッキーTOD1
相手の回復が切れるまで、嘘泣き+バークアウトで削っていきます。
気を付けることとして、相手を倒してはいけません。
通常は物理に滅法強いブラッキーですが、変な努力値振りをしているために後続の高火力物理が受からないからです。
時間をたっぷり使い、折を見て眠ります。適度に全快しつつ、PPを温存していきましょう。
残り3分の表示が出たら、ダイマックスを切って相手を倒します。
その後は時間いっぱいまで引っ張りながら、ダイウォールを撃ってTOD完了です。
- ブラッキーTOD2
こちらがダイマックスを使っていた場合、残り3分で高火力のポケモンに交換します。相手はバークアウトによって特攻がズタボロのため、安心して後続のポケモンを出すことができます。あとは時間を限界まで使いつつ、後続のポケモンで最大火力をぶち込み続けます。
相手視点では即交換orダイウォール→ダイマックス技or自己再生等の回復技が勝ち筋となります。どれを選んでも向こうは時すでに遅しですが、相手が交換したポケモンが速度でこちらを上回る場合、やや安定性に欠けます。
- ブラッキー&ウーラオスTOD
ウーラオス(いちげき)の特性ふかしのこぶしやキョダイイチゲキを利用し、相手のまもる・ダイウォールを無視して数的有利によるTODを狙います。
残り3分の表示が出たらウーラオス(いちげき)に即交代し、時間を使いながらキョダイイチゲキやあんこくきょうだを撃てば終了です。
選択技の中で「いやなおと」を選んでいる場合、極めて安定したTODが決まります。
与ダメ
ゴミみたいなダメージなので、参考程度に。
・バークアウト (D6段階下降時)←重要!!
H252D4振り輝石ポリゴン2 30.2~36.4%(乱数3発)
無振り輝石ラッキー 16.9~20.3%(乱数5発)
D252振り輝石ラッキー 13.2~16%(乱数7発)
無振りハピナス 20.3~23.9%(確定5発)
D252振りハピナス 16.6~20%(乱数5発)
H252D4振りドヒドイデ 40.7~48.4%(確定3発)
・ダイアーク
上記の2倍(威力55→110のため)
被ダメ
C252振りアナライズポリゴン2 トライアタック 28.2~33.1%(確定4発)
C252振りポリゴン2(ダウンロード・トレース) トライアタック 21.2~25.7%(乱数4発)
補正有C252振りアナライズポリゴン2 トライアタック 30.1~36.1%(乱数3発)
補正有C252振りハピナス トライアタック 19.3~22.7%(乱数5発)
C4振りドヒドイデ ねっとう 10.3~12.3%(乱数9発)
補正有C252振りアナライズポリゴン2 ダイアタック(トライアタック) 37.6~45%(確定3発)
補正有C252ラプラス ダイアイス(絶対零度) 33.1~40%(乱数3発)
補正有C252ラプラス 雨ダイストリーム(ハイドロポンプ) 53.9~64.3%(確定2発)
その他
- 相性の良い味方
ウーラオス(いちげき)一撃ウーラオスがTODのフィニッシャーとして強いです。
また、仮想敵であるポリゴン2 等を一本釣りできる物理ATもオススメ。
- 注意事項
悪統一におけるブラッキーを活躍させるため、一点にメタを張った構築としております。
したがって、本来ならば勝てるはずのポケモンに勝てなくなったり、有利な相手に不利を取ってしまう問題を抱えています。
ですが、それはパーティで対策すればよい話です。
1体のポケモンで勝つことはできません(エースバーン ミミッキュ君たち聞いてる?)。
よく相手を見て、きっちり相手を嵌めていきましょう。
それが、いぶし銀の戦いができるブラッキーというポケモンです。
最後に
育成論を記載するのは初めてです(3回目)。
コメント等はお手柔らかにお願いします。可能な限り対応します。
また、本ブラッキーの耐久調整は完全ではないと考えています。
より良いご意見・ご指摘をお待ちしております。
編集記録
2020/07/21
・コメントにてキリキザンとの差別化点をご指摘頂戴したので追記。
・選択技に挑発を追加。
2020/07/26
・コメントにて努力値振りについてご指摘頂戴したので追記。
・より良い努力値の振り方が見付かるまで、こちらの案を採用とする。