はじめに
シーズン9に入ったため、タイトルを少し変更しました。
どうもこんにちわ。むちころ犬と申します。
前回のハチマキ型ウーラオス(いちげき)ウーラオス(一撃)を読んで下さった方々。また御意見、御評価頂いた方々。まず始めにありがとうございました。
今回も著者が今期ランクマッチにて愛用しているポケモン、だっしゅつボタン型オンバーンオンバーンを考察していきたいと思います。
前回のハチマキ型ウーラオス(いちげき)ウーラオスの裏選出にあたる先発アタッカーとなります。
不遇不遇と言われて来ましたが、十分一線で戦えるポテンシャルを持っています。
ただ、「おみとおし」で得る情報から相手の技構成、努力値配分を推測するため、先のウーラオス(いちげき)とは違い、ある程度対戦に慣れた人向けのポケモンとなります。やること自体は簡単ですが。
採用理由と役割
- 選出画面ではどちらの型か判別出来きず対策がとりにくいウーラオス(いちげき)ウーラオス、半減でも強引に突破されかねないゴリランダーに対し、共通して苦手とする特殊飛行技で先制出来ます。
- 特性「おみとおし」に「だっしゅつパック」と「りゅうせいぐん」を合わせる事で、相手の行動を高い精度で予測しつつ、それなりの負荷を与えて安定して一回サイクルを回す事が可能です。
- ダイマックス技として非常に優秀な「ダイジェット」「ダイドラグーン」を高い素早さから一致で使えるため、中盤以降相手エースのストッパーとして機能します
- 「ちょうはつ」を搭載する事で、遂行速度の遅い耐久型や厄介なサポート型のポケモンに釘を刺します。
以上4点が主な採用理由となります。
ドラパルトとの違い 差別化
よく比較される特殊型ドラパルトドラパルトとの差別化ですが、
- 対ウーラオス(一撃)、ゴリランダー性能
- 「ちょうはつ」の有無
- 「おみとおし」による事故率の低下
この3つで容易に差別化出来ます。
特に現環境では対ウーラオス性能の高さは特筆に値します。かつてのメガリザードンのように選出画面にて型の判断が出来ないため、ドラパルトで起こりうる「連撃の型を想定したつもりが一撃だった」または「倒せると思ったらスカーフだった」という事故が起こりません。
(一応ドラパルトドラパルト側も命の珠を持てば、対面にて「りゅうせいぐん」でスカーフ以外の一撃の型に確定を取れますが、その場合持ち物の差異でこの型のオンバーンとは競合しません)
対ゴリランダーに関しても、相手側に有効打がほぼない事から、一致弱点で一方的に有利を取れます。
その他「だっしゅつパック」と相性のいいポケモンサザンドラFC ロトムリザードンウインディエンニュート等とも、「高速での安定した先制りゅうせいぐん」「おみとおしによるオンバーン自身や控えの事故率の低下」で差別化できます。
「安定した"威力偵察"」「ダイジェットストッパー」「挑発による味方の起点補助」等、パーティに応じて役割をコロコロ変えられる対応力の高さがこの型のミソです。
持ち物
だっしゅつパック
今回のコンセプトであるため確定です。
能力低下を起こす大技に「とんぼがえり」の要素を追加出来るステキなアイテムです。(いかくでも帰ります)
オンバーン自身「とんぼがえり」は覚えますが、物理不一致威力70では、相手に対して負荷がほぼ掛かりません。
先発運用時、「おみとおし」による相手の持ち物を確認後、速やかに「りゅうせいぐん」で退場します。
後で詳しく説明しますが、初手はこれが最安定択となる場面が多いです。
「いかく」持ちを初手に置かれると0ターンで帰ってきてしまいますが、相手の道具を確認した上で盤面操作出来きるため不利展開にはなりづらく、むしろ評価点です。
特性
おみとおし
これもコンセプト的に確定です。
相手の道具を特定する事によりスカーフによる奇襲を防いだり、ラム持ちを特定する事で状態異常技の無駄撃ちを防げたり、弱点保険がない事を予め把握したりと、相手によりますが間接的に1ターン得をする事があります。
最近ではエースバーン対策に、まるで地雷のような「ゾロアークの襷カウンター」なんてものまで出始めています。不自然な襷持ちは警戒しましょう。
性格・努力値と調整
おくびょう
H8
C252
D4
S244
H…奇数調整(H4だけでも達成可)
C…初手「りゅうせいぐん」の負荷上昇、また試合後半では「ダイジェット」「ダイドラグーン」によるストッパーも兼ねるため、火力は可能な限り高めます。
D…ダウンロード対策
S…ほぼ真下に準足スカーフ75族(パッチラゴンウオノラゴン)がいるためこの配分ですが、ようき個体も多く、「おみとおし」でスカーフを見抜いても無対策で攻めるのは得策でないため、少し落としても問題はないです。その場合でもインテレオンインテレオンらと並び、エースバーンエースバーンを抜けるS120相当は欲しいところ。
注…ダウンロード対策を取らないなら、余った努力値をHBDに4づつ振り分ければ、実数値でBが1上がります。逆にB以外は何処に振っても実数値は変わりません。(本論ではH8となっています)
オンバーン自体が環境で殆ど見かけないためミラーになる事はほぼありませんが、HS252余りDとする事で努力値の無駄をなくし、かつダウンロード対策をする事も可能です。
技構成
確定技
りゅうせいぐん
だっしゅつぱっくを発動させる技。
初動の安定性を追求したこの型にとっては、この命中90%こそが最大の敵かもしれません。
ですが、タイプ一致威力195の疑似ボルトチェンジは伊達ではなく、有利対面、不利対面、交換読み全てに一貫して撃っていけます。
ただ妖に無効化されるため、ミミッキュやトゲキッスマリルリ等の無償降臨には気をつけなくてはいけません。
今作の対戦において非常によく起こる「交換すると思うけど、万が一ダイマックスで居座られると困るし、だからって引き濃厚な場面でこっちがダイマックスきるのも嫌だなぁ」という悩みも1秒で解決出来ます。
以下準確定技
ぼうふう
ダイジェットとして仕様する場面が多いため、ダイマックス時に威力が140まで上がるこちらの方が若干優先度は高めです。
通常仕様する場面でも強化アイテムなしC97の「エアスラッシュ」では明らかなな火力不足を感じる場面が多いため、命中70%は気になりますが確定欄は此方に。
エアスラッシュ
火力不足が深刻ですが高命中です。
三割のひるみを考慮すれば、結果的に総合ダメージがぼうふうを越える事もあります。
が、試行回数を稼げる耐久はありません。
かえんほうしゃ
竜、飛が通らない鋼に対する打点になります。
ダイバーンで仕様する事が多いので誤差の範囲ではありますが、ねっぷうと比較して通常使用時に唯一の命中率100%技になるためこちらを推奨します。
ちょうはつ
補助技の筆頭候補です。
初手対面したカバルドンカバルドンのステロ展開を止めたり、ギャラドスギャラドス等厄介な相手の積み技を止めたりと用途は多いです。
散り際に「ちょうはつ」を撃って落ちるだけでも、後続が積む下準備を整える事が可能です。
ほとんどの相手に上から撃てるため、持っておくと戦略の幅が広がります。
基本は「りゅうせいぐん」「飛行技」「かえんほうしゃ」「ちょうはつ」となりますが、一応以下選択技です。
アタッカーを兼ねているため、入れ換える場合は「ちょうはつ」で。
いかりのまえば
現HPの半分のダメージを与えます。
C振りのアタッカー型との相性は良くありませんが、特殊受けとして出て来やすいハピナスハピナスに対して負荷を掛けられる技がこれか「きあいだま」くらいしかないため、一応記載します。
みがわり
高速アタッカーが持つと様子見や状態異常対策など何かと便利な技ですが、「りゅうせいぐん」によって安全な様子見を行える事や、それ以外では「ちょうはつ」の方が用途が広いため優先度は低めです。
ただ、エースバーンエースバーンの「ふいうち」をかわしながら攻撃出来る場面があるため、必要箇所がない訳ではありません。
まもる
おみとおしによってスカーフが事前に判別出来るため、それに対する備えとして。
相手の技の判別後に入れ換えが出来るようになるため事故率は更に低下しますが、1枠割いてまでやる事かは人次第です。
ダイマックスの時間稼ぎにも一応利用出来ます。
他にも
ばくおんぱ
つきのひかり
など珍しい技を覚えますが、今回の型との親和性はないため候補外とします。
立ち回り考察
先発としての起用になります。
相手パーティに「いかく」持ちがいても選出をためらう必要はありませんが、そのポケモンに対して有利なポケモンを必ず控えに置いてください(例ギャラドス→ジバコイル等)初手偶発対面した場合、「おみとおし」によって型を把握した上で対策ポケモンと入れ換えれますので、道具を消費しますが、絶対的有利状況から勝負がスタートします。
先発から相手の持ち物確認後、基本的には初手「りゅうせいぐん」で構いません。
有利対面、または五分対面の場合、相手が引かなければ対面に対して強い負荷が掛かり、交代すればそれを確認後有利サイクルを維持できます。
不利対面の場合は対面拒否から多少のダメージを与えつつ、持ち物を特定して1サイクル回せます。
妖タイプに通らない事が唯一弱点ですが、それ以外なら先制出来る限り此方がリスクを背負う事がほぼありません。(当たれば)
カバルドンやルガルガン(まひる)(黄昏)等のステロ要員など、補助技が読める場合では「ちょうはつ」から入るといいかと思います。
一度引っ込めた後は、多耐性をいかした受け出しや、死に出しから相手ダイマのストッパーとする等、状況に応じて対応して下さい。
与ダメージ計算
(小数点以下は四捨五入)
りゅうせいぐん(ダイドラグーン)
無振りエースバーンエースバーン…72%〜88%(80%〜95%)
無振りゴリランダーゴリランダー…69%〜82%(74%〜88%)
無振りウーラオス(いちげき)ウーラオス…77%〜93%(84%〜99%)
無振りパッチラゴンパッチラゴン…147%〜175%(158%〜187%)
無振りウオノラゴンウオノラゴン…132%〜158%(143%〜168%)
無振りドリュウズドリュウズ…36%〜41%(38〜43%)
無振りギャラドスギャラドス…56%〜64%(58%〜69%)
無振りラプラスラプラス…47%〜57%(50%〜59%)
無振りヒヒダルマヒヒダルマ81%〜96%(87%〜103%)
H252FCロトムロトム… 55%〜66%(59%〜71%)
H252輝石ポリゴン2ポリゴン2…33%〜40%
H252カバルドンカバルドン… 55%〜66%
無振りハピナスハピナス…21%〜25%
ハピナスは流石に異次元ですが、アタッカー相手には全体的にそこそこまとまったダメージを見込めます。
「とんほがえり」だと考えれば十分過ぎる威力です。
ぼうふう(ダイジェット)
等倍ダイドラグーンも同様のダメージとなります。
無振りエースバーンエースバーン…63%〜74%(80%〜95%)
無振りゴリランダーゴリランダー…117%〜141%(149%〜176%)
無振りウーラオス(いちげき)ウーラオス…138%〜178%(168%〜199%)
無振りギャラドスギャラドス…46%〜55%(58%〜69%)
H252マリルリマリルリ…45%〜54%(57%〜67%)
無振りトゲキッストゲキッス…43%〜51%(54%〜64%)
かえんほうしゃ(ダイバーン)
H252ナットレイナットレイ…84%〜99%(119%〜141%)
H252アーマーガアアーマーガア…48〜57%(68%〜81%)
H252エアームドエアームド…65%〜78%(94%〜111%)
無振りドリュウズドリュウズ…65%〜77%(93%〜110%)
H252ジバコイルジバコイル…52%〜62% (76%〜86%)
ダメージを見ていただければ分かりますが、等倍で受けを強引に突破出来る火力はありません。
あくまで高速を生かした相手エースへの切り返しにダイマックスを切って下さい。
被ダメージ計算
耐性を活かして受け出さないと、等倍ではアタッカーの攻撃はほぼ確定2〜1発になってしまいます。
特化命の珠ゴリランダーゴリランダー
GFウッドハンマー…34%〜40%
はたきおとす…39%〜46%(だっしゅつパック消費時)
GFグラススライダー… 20%〜24%
A252ウーラオス(いちげき)ウーラオス
すいりゅうれんだ…39%〜45%(3発込み)
あんこくきょうだ…78%〜92%(命の珠で確定1)
インファイト…39%〜46%
A252命の珠エースバーンエースバーン
かえんボール…46%〜54%
とびひざげり…50%〜59%
後出し不能です
A252ドリュウズドリュウズ
いわなだれ… 66%〜78%
アイアンヘッド…52%〜62%
A252ギャラドスギャラドス
たきのぼり…25%〜30%
とびはねる…53%〜63%
ダイジェット…81%〜96%(命の珠で確定1)
特化ウオノラゴンウオノラゴン
エラがみ… 71%〜82%
特化FCロトムロトム
10万ボルト… 45%〜53%
ボルトチェンジ34%〜41%
オーバーヒート32%〜37%
無振りカバルドンカバルドン
がんせきふうじ…38%〜45%
目安としては、等倍で特化125族の一致120技までは、物理、特殊共に耐える事が出来ます。
相性の良い味方
鋼タイプとオンバーンオンバーンはお互いの弱点を完全に補える関係にあるため、これを含むポケモンは基本的に相性は良好です。
内、特筆して相性のいいポケモンを紹介します。
ジバコイルジバコイル(アナライズ)
単体性能の高い特殊アタッカー。
一度きりですが、所謂「とんボルチェン」に近い立ち回りを、両者高水準の火力から放つ事が出来ます。
B特化なら苦手なハピナスにも対抗できる点もポイントです。
耐久に優れるジバコイルが後攻でボルトチェンジする事でオンバーンの後出し時の被弾をなくし、ダイマックスをより効率良く使える事もあります。
ドリュウズドリュウズ
型破り型、すなかき型共に相性は抜群です。
弱点の保管に加え、オンバーンの散り際ちょうはつ→ドリュウズの剣舞→ダイロック→砂嵐で全抜き体勢に持ち込む事も可能です。
所謂バンドリ構築にオンバーンを加えると、バンドリの共通弱点である闘、地、水全てに耐性がある事から、補完面でかつてのバンドリマンダを再現出来ます。
また全員がダイマ、非ダイマ両方で活躍出来るポケモンなので、必要に応じてダイマックスを切り替えられるという汎用性の高さも利点です。
立ち回り注意点、活躍させるポイント
何気に本育成論で一番大切な部分がここになります。
まず徹底して意識しないといけないポイントは、このポケモンはパーティの潤滑油である=メインではないという点です。
高い素早さ以外火力も耐久も並程度しかないため、アタッカーをこのポケモンに頼りきるとアッサリ特殊受けで止まりますし、また簡単に過労死も起こします。
活躍出来るかどうかは、残り2体のポケモンのポテンシャルに掛かっていると言っても過言はありません。これが本当に重要です
簡潔にまとめると「バンドリのように元から強い組み合わせや、個々が強い廚ポケ同士の中に投入する事で、その2体がより円滑に機能するよ」って事になりますね。
オンバーンが先行1ターン目で稼ぐ各種アドバンテージを維持し、そのまま逃げ切れるだけの力を持つポケモンと組む事が何より大切です。
当然ですが、このオンバーンの強みを生かそうとするほど、周りが廚ポケでガチガチに固まります。
「器用万能」だと感じるか「器用貧乏」だと感じるかの境目はここです。
最後に使用感としては、ランクマッチ使用率上位のポケモンの中で、素の速さがオンバーン以上の相手がドラパルトしかほぼ存在しないため、感覚的にはほとんど同型のドラパルトを使っている感じでした。
同型も立ち回り自体は同じで開幕「りゅうせいぐん」が安定なのですが、
- 「おみとおし」の存在
- 環境で幅を効かせているウーラオス(いちげき)ゴリランダーエースバーンに選出を縛られない
- 結局ドラパルトを使っても、相手ドラパルトとの初手対面では突っ張れない
等の理由で、事この型に限ってはオンバーンの方が遥かに使い安い印象です。
住み分けは十分出来ているので、オンバーン固有の強みに興味がある方は是非使ってみて下さい
おわりに
以上となります。
登場当初から強烈なライバルに囲まれ、なかなか活躍の場に悩まされてきたオンバーンオンバーンですが、ライバル不参加のままミミッキュが減少し、更にウーラオス(いちげき)が追加された現環境こそ最も輝くチャンスなのではと考えています。「同時選出の残り2体が強いだけ」は禁句です。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。