はじめに
エースバーンが環境を乗っ取りゴリラとわいわいしながらインテレオンが寂しく部屋の隅でうずくまっている今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私はアッキヌオーが厨ポケになるポテンシャルを持ってるなとひしひしと感じております。
さてポケ徹様には日ごろからとてもお世話になっており、それに対する感謝として少しでもサービスに還元できればと思い筆を(キーボードです)取った次第です。
以前usumにて別のツイッターアカウントでハガネZギルガルドを投稿したことがあり、その際には幸いなことに高評価をいただいたのですが、ポケモンの腕も鈍っており考察も不十分な点があるかとは思いますので、その際にはコメントにて指摘してくださると喜ばしいです。
さて前置きはこの程度にしておきまして、注意書きを書きたいと思います。
注意書き
まずこのパッチラゴンは従来のエース型のはりきりパッチラゴンとは大きく異なる、仮想敵を絞った奇襲兼補完の役割をするポケモンです。コメントの際には、その点を考慮した指摘をお願いします。
次にこの育成論を書きながら思っていることですが、この育成論はFCロトムに親を〇された人向けのものになっていると思います。注意してください。
これ以降この育成論において、
- こうげき=A、HP=H などの調べればすぐにわかる程度の俗称を用います。
- あるステータスに努力値を252振った状態をぶっぱ、努力値を252に加えて性格補正をかけた状態を特化と表記します。
- ダメージ計算においてトレーナー天国様の剣盾対応ダメージ計算機を使用します。
- 以降常体を用います。
採用に至った経緯(長いので読み飛ばしてもらっても結構です)
- これまでのパッチラゴン
剣盾発売当時から注目を集めていたのはウオノラゴンであった。
特性頑丈顎とタイプ一致エラがみの先制時威力170を生かして当初は厨ポケの一角を形成していた。しかしその後、環境に電気技を無効化する地面タイプがカバルドンやドリュウズくらいしかいなかったことからより高い火力を出すことができるパッチラゴンへと世間の注目は移り変わっていった。
パッチラゴンの特性はりきりは命中不安定になることから以前はハイリスクハイリターンな特性として知られていたがそのリスクをダイマックスでゼロにすることができたからである。そうしてこのパッチラゴンは圧倒的火力をたたき出す物理ダイマックスエースとしての地位を確立した。
- 迫りくる環境の変化と徐々に現れるパッチラゴンへの対抗策
このパッチラゴンをはじめとしてドラパルトやドリュウズ、ミミッキュが物理エースとしての地位を確立していった結果、環境は物理環境になった。
そうなると今度は、高速で鬼火を扱えるドラパルトが鬼火を打ち始め、HBに分厚く振ったヒートロトム、ウォッシュロトムが猛威を振るい始める。
パッチラゴンはでんげきくちばしを上から押し付けるためにこだわりスカーフを持ったり、ダイマックスを前提としていのちのたまを持つことが多かったが、それらは鬼火で機能を停止させられてしまう。たしかにはりきりとでんげきくちばしのコンビは非常に強力ではあるが、実はこのポケモンのA種族値は100しかない。そこまでS種族値が高くないことから意地っ張りにする余裕がないとなると、鬼火を食らった場合の火力はそこまで高くない。
また、環境に新たに参入したポリゴン2の影響も大きい。ポリゴン2自体には受けきれない火力をパッチラゴンは出すことができるものの、ダイマックスしていた場合ターンを枯らされたり、していない場合にはでんげきくちばしの命中不安に頼らないと崩しきるのが難しい。
他にも、物理アタッカーを強引に突破するタスキカウンター型のポケモンもちらほらと増え始めている。実際にこちらのスカーフを警戒したエースバーンがカウンターを打ってきたこともあった。
このように、最近では相手に物理エースをなんとしても止めようとするポケモンが多く見られ始めている。
まだまだはりきりパッチラゴンが強いことは使用率が証明しているが、それらはエース運用を前提とした場合の話であり、また現在の環境を考えると場合によっては別のエースを運用した方がいいという状況が十分に考えられるのも事実である。(ラム龍舞ドラパルトや珠エースバーンなど)
今回の育成論においてあえてはりきりの物理型にしないのは後述する対象ポケモンに対する遂行力を高め、ダイマックスを消費せずとも1-1交換+αを狙うことができるようにするためである。また、タイトルにも書いてある通り、相手が物理エース型を前提として立ち回るところを裏をかいて奇襲するということができるのも特殊型にした際の可能性を広げてくれる点だ。
- ロトムについて
ロトムというポケモンは多くのFCを持ち、その多くにおけるタイプの優秀さと補助技の強さからいつの時代も一定の使用率を誇るポケモンである。水+電気、炎+電気、草+電気などの技範囲は相手に対して有利な読み合いを押し付けるのに十分な広さを有し、またおにび、でんじは、みがわりをはじめとするそれらの読み合いを補助する技も多く持ち合わせているのが特徴である。
そのため、選出していると、バランスよく選出したつもりが相手のFCロトムが重いという状況が頻発する。最近ではHBおにび搭載型のウォッシュロトムやヒートロトム、そしてわるだくみからダイジェット展開に優れるスピンロトムが台頭してきており、それらに対して一匹のポケモンで答えを出すのは非常に難しい。
それらのFCロトムに対して一度に役割を持てるポケモンとして今回のパッチラゴンにたどり着いたという経緯がある。
長々と述べてきたが、今回の採用理由は簡潔に言うと
"多くのFCロトムに対して一度に役割を持つことができ、なおかつエース物理型の運用を想定して相手が立ち回り隙が生まれやすいためそこからサイクルの崩しを狙っていけるポテンシャルがあるから"
である。
- 新技メテオビームの習得とその有用性
メテオビームという、DLCにおいて追加された新技はゴッドバードに近い技で、
- 威力120
- 命中90
- 1ターン目にCを1段階上昇させ、2ターン目に攻撃する
という仕様を持つ岩タイプの技。
覚えるポケモンはあまり多くないが、インパクトが強くご存じの方も多いだろう。
この技を覚えるポケモンでパッチラゴンよりも高い火力を出せるのはピクシー、スターミー、ルナトーン、オーベム、セキタンザンのみであるが、彼らは今回の役割対象の目玉となる、ウォッシュロトム、ヒートロトム、カットロトムに対する後投げ性能が違うことと、タイプや種族値バランスが大きく違うため、差別化の必要はないと考える。もし必要があればコメ欄にて。
このメテオビームによってパッチラゴンは、おにびを搭載したHBのヒートロトムに何もさせず葬り去ることができる。もし相手がおにびを打ってこようものならほぼノーダメで一匹突破できるという爆発的アドバンテージを得ることができる。
また、初ターンにCを上げる判定の都合、実質タイプ一致で打つことができるのも大きな魅力である。もちろんCの数値が高いわけではないため、等倍で一撃で沈めるというはりきりパッチラゴンのような芸当ができるわけではないが、炎技読みで威嚇を入れに来たギャラドスに致命的なダメージを与えたり、てっぺきをつんだアーマーガアを起点に火力を上げられるなど、物理型を前提とした相手の立ち回りによってアドバンテージを生み出しやすい技でもある。
また、岩技を半減する鋼タイプに対しては炎技、炎技を半減する炎に対して岩が刺さるなど、パッチラゴン自体のウエポンとの相性にも優れる。
そしてもう一つこの技について肯定できるポイントが、現在の対面構築環境である。そもそも今作で追加された要素であるダイマックスというのが完全にサイクル戦を否定しているものであるため、現在の対戦ではサイクルを意識していても結果的に対面構築的な立ち回りを強いられるというのが実情となっている。そのためせっかくメテオビームでCを上げたのに引かざるを得ないという状況が、過去作に比べると発生しにくくなっている。
またそもそも攻撃しながらステータスを上げられるダイナックルやダイジェットが猛威を振るっている時点で、それをダイマックスさせずに使うことができるこの技が強いのは明らかであろう。
さらに付け加えるなら、先ほど述べたようにパッチラゴンに対してはおにびやてっぺきなどをはじめとする補助技で機能停止に追い込もうとする立ち回りを相手が多々してくるため、それらの隙をつくようにメテオビームを打てるという点で、実質的な行動保証がついているのも非常に大きいところである。
最後に、最大のポイントとして、Cを一段階上げることで炎技の打点を他のちくでん物理パッチラゴンよりも出すことができるという点を挙げておく。
メテオビームを覚えるポケモンの中では火力を出しやすく、技範囲との相性も良く、ヒートロトムへの遂行技にもなり得ることから、この技は今回の型では絶対の確定技とする。というより、この技がない特殊パッチラゴンは奇襲にすらならない火力しか出すことができない。
- まとめ
つまるところ、物理に対して対策を講じる人が増えてきたため、物理型であるという相手の思い込みを利用して、新技メテオビームを使って積みながら相手を削り、負荷をかけていこう、そしてこのムーブが成立するのはパッチラゴンしかいないというのが採用理由である。
同じようなことができるポケモンとして、ヌメルゴンや特殊ドラパルト、サザンドラなどの特殊ドラゴンが存在するが、彼らはそもそもロトム対策の筆頭になり得るポケモンたちだと広く認知されているため、相手もロトムなどとは別に対策用ポケモンを選出してくる可能性がある。しかしこのパッチラゴンの場合、相手が対策として出してきたロトムのおにびを実質的に無効化してアドバンテージをとることができるため、相手の思考を覆す動きができる。一概に特殊ドラゴン勢よりも優秀と評価することはできないが、使い手の動き次第で対策されたそれらのポケモンより高いポテンシャルを発揮するのは間違いないだろう。
差別化
ここまでの採用経緯で十分に差別化は行ってきたつもりではあるが、念のためここで別途項を作っておく。
- ロトムのウエポンを半減できるドラゴンをはじめとした特殊アタッカー
特殊アタッカーに対して突っ張るようなロトムは大抵とつげきチョッキであり、こちらの火力を減衰させられやすい。また、こちらがこの型のパッチラゴンを採用するとバランス的にエースは物理アタッカーになるため、相手から見ると物理偏重に見える。そのようなパーティーに対して選出されるロトムがチョッキである確率はあまり高くないため、こちらの方がより仕事を遂行しやすい。また、これは相手の立ち回り次第でもあるが、おにびを誘うことでアドバンテージをとることで対策された特殊アタッカー以上の働きをすることもあるためその点において採用する価値があると思われる。
- ちくでんを採用したサイクル志向の物理パッチラゴン
このサイトにも育成論が投稿されているものであり(育成論ソードシールド/767 育成論ソードシールド/471 など)、最も差別化が悩ましいところでもある。しかしここで注目したいのはこちらが完全な特殊型であるということである。どちらの育成論も非常によく考察されており役割遂行のための耐久調整をはじめとした調整を行っているが、どちらにおいても、Sにある程度振ったロトムにおにびを打たれた場合サイクル中で相手にかけられる負担が大きく減ってしまうというデメリットがあげられる。また、ヒートロトムとの対面において有効打ががんせきふうじしかなく(エッジで倒したいのならはりきりダイマックスでよい)、HBに厚い場合は2-3耐えされてしまうことがある。おにびを打たれたらなおさら確定数は落ちる。当然ヒートロトム側からも明確な有効打はないわけだが、おにびを食らった場合に相手の後続の起点になりかねず、また流すことができても倒すことができないため結局負担をかけられないという状況が発生していしまう。
一方こちらはHB振りのヒートロトムに対してメテオビームでほぼ確定一発、仮にDに振っていても後続の先制技やこちらのほうでんの圏内に入れることができる。そのため相手が突っ張ってきた場合のリターンがこちらの方が圧倒的に高い。
ただし元の火力故におにびを想定しなければ物理型の方がいいのは間違いないが、それならはりきりでよくないか?となってしまう。
そのような理由で、この型はちくでん物理型パッチラゴン以上にロトムに対する遂行力をあげたものと見てもらえればよい。むしろロトムを見る必要がないならはりきりで構わないだろうというのが個人的見解である。
- ほかのメテオビームが使えるポケモン
タイプやロトムへの遂行力、そもそもの種族値などにおいて差別化するべきポケモンが見当たらなかったので省略。
持ち物
メテオビームの使用を考慮すればわかる通り、パワフルハーブ一択である。
メテオビームを打ってしまえば持ち物がなくなるため、地面技を搭載していないゴリランダーに対面で勝つことができる。叩き落とすに強い(叩き落とされた場合は非常にまずいことになる)のは評価できる点でもある。
性格・努力値と調整
まず、このポケモンはメテオビームを打ってもなお、火力が足りない。そのため、性格は
ひかえめ
以外にありえず、努力値もCに252は確定である。
また、最近増えているS4振りのロトムを意識してそれを抜ける
Sに100振りも準確定である。当初は意識していなかったがこの数値は麻痺した最速ドラパルト抜き調整スカーフポケモンをちょうど抜ける値でもあり、ほうでんを採用した場合はこの調整が生きることもある。
耐久面は、H92、B4振りによってダイマックス時にダイマックスしたマリルリのダイフェアリーを耐えることができる。これは本来確実に役割を遂行できるマリルリに対する対面性能を確保するためではあるが、このポケモンでダイマックスを切ることはあまりないため、他の候補を探しているところでもある。
あまりはDに振る。
特性については、はりきりは意味をなさないためなし。
夢特性は解禁されていないためちくでんのみである。
一見電気技が1/4のこのポケモンでは腐っているように見えるが、役割対象であるロトムの安易なボルトチェンジを許さず有利対面に持ち込めるという点は大きく評価できるポイントで、このポケモンでロトムを見る必然性の一つになっている。いくらタイマンでロトムに強くても後投げしたらボルトチェンジで逃げられましたではなんの意味もない。そのためちくでんはこの型においては非常に強力な特性となっている。
追加効果の回復というのも補完枠であるこの型にぴったりとフィットしている。またその回復量が1/4であることからちょうどみがわりを一回貼れる回復量でもあり、確定欄の技構成にする場合には技との相性も良好という非常に便利な特性である。
- まとめ
性格;ひかえめ
努力値;
H92...身代わり最大効率
B4...ダイマックス特化マリルリのダイフェアリーをダイマックス時確定耐え
C252...特化
D60...あまり
S100...4振りロトム抜き
特性;ちくでん
技構成
- 確定技
- メテオビーム
散々語り散らした通り確定技。積み技兼削り技。
- 選択技
下に行くほど優先度は低め
- ほうでんor10まんボルトorライジングボルト
メインとなる電気技。ほうでんでは多々火力不足になる場面が見られたが、かといって10万ボルトで大きく確定数の変わる相手もいなかったため追加効果の美味しさを優先してほうでんを推奨。
ダイマックスをする場合や味方にエレキメイカー持ちがいる場合はライジングボルトでもよいが、この型が補完向きであるという都合上、あまり推奨されない。
- かえんほうしゃorだいもんじ
サブウエポンの炎技。鋼タイプをはじめとする物理受けやゴリランダーなどに対する有効打。メテオビームから展開することでジバコイルを落とすことができるため、ほしい火力はかえんほうしゃで十分だと思われる。また、だいもんじの場合ははりきりパッチラゴン以上のリスクを背負うことになりかねないので注意。なお耐久に振ったゴリランダーを意識する場合はだいもんじが推奨される。
- みがわり
確定欄はこちらを採用。パッチラゴンの身代わりは読まれにくく、相手の引きを読んで打つと刺さることが多くある。身代わりが残ると安全にメテオビームを打てるのもこの型と相性が良い。他にもロトムのおにびに合わせるなどの使い道がある(ロトムに対してはこちらがSで上をとっている保証はないが、突っ張ってくるものはHBである印象が強い)。また、ダイマックスを切らざるを得ない際にダイウォールとして使うことで相手のダイマックスターンを枯らすこともできるため幅広い立ち回りをすることができる。
- りゅうせいぐんorりゅうのはどう
ドラゴン技。ただし上記二つに比べると優先度は低い。等倍での最高打点を出すことはでき有用なのは間違いないが、抜群をつけるドラゴンタイプより遅いことが大半であるため打つ機会は少なめだと思われる。採用するならりゅうせいぐんだろう。
だいちのちから
ジバコイルに対する最大打点。炎技でも十分事足りるが、ダイマックスする場合には低めのDを補うことにつながるため役に立つこともある。パーティー単位で必要なら採用価値あり。
でんじはorちょうはつ
補助技。このポケモンの役割がそもそも補完であるため、十分採用価値はある。ただし技スぺがかなりかつかつな都合で入れにくいのもまた事実。
使いたいのなら物理型で補完よりにした型に採用するとよいだろう。
立ち回りと詳細な役割対象
主な役割対象は、
ヒートロトム、ウォッシュロトム、カットロトム、スピンロトム、ナットレイ、ジバコイル、エアームド、ギャラドス、ドヒドイデ
などである。一見物理はりきりパッチラゴンでも見れる相手に見えるが、おにび持ちのHBのヒートロトム、ウォッシュロトムを考慮するとそれらを見られるという点が異なる。
もちろん相手がとつげきチョッキを持っていると突破できないもしくは致命的なダメージをもらうことになりかねないが、こちらのパッチラゴンに対して突っ張る場合はおにびHBベースであることが多く、チョッキなどの場合は有効打がないため引かれる場合がほとんどであるため考慮する必要はあまりない。ただし引かれる場合の引き先はある程度考慮する必要があるが、それらは一定の読みの力を必要とするので注意。ほかにも、メガネの場合にはウォッシュロトムに押し切られてしまうことがあるためその点は要注意。メガネだとわかった場合にはダイマックスを切ることも考える必要がある。
またほかにも、地面技がなければゴリランダー、ダイマックスを切ればマリルリやアシレーヌなども見ることは不可能ではない。
上記の役割対象を見ていただければわかる通り、この型はほぼ完全なロトムメタであり、ロトムが選出されない状況では腐りかねないという側面がある。この役割対象の狭さははりきりパッチラゴンに大きく劣る点ではあるが、採用理由のところで述べた通り、この型は多くのロトムをほぼ一匹で見られることに意義があるため、それだけで十分であるとする。
また、役割対象自体は上記のみということにはなってしまうが、それらのポケモンを突破した際にCが上がっていれば、後続のポケモンに十分な負荷を与えられる可能性が高いため、一匹突破した際のアドバンテージは大きい。
立ち回りについては、メテオビームを使うタイミング、ダイマックスの是非、相手の思考の読みなど多くの要素を綺麗に扱うことができないとポテンシャルを発揮できないため、決して簡単に扱えるポケモンではない。
また、先述した通り、役割対象がいない状況では簡単に腐ってしまうため、選出時によくよく考える必要があるポケモンでもある。とはいえ、元のタイプが優秀なためにサイクルを回しながら削られ役を担うということもできないことはない。
また、選出して仮想敵が存在してさえいれば、その奇襲性能が相まってきちんと役割をこなしてくれるポテンシャルを備えている。ちなみに相手が物理型だと思った隙をつくとそのまま三タテコースに乗っかってしまうことも稀にだがある。
- 追記: 対パッチラゴンとしての性能
このパッチラゴンは、はりきりの耐久に振っていないパッチラゴンをりゅうせいぐんで沈めることが出来る。ただしほぼ全ての場合においてこちらの方が遅いため、上からげきりんで沈められてしまう。
ただし、でんげきくちばしを透かしつつ回復したり、こだわっているはりきりを相手に引き読みの技を強引に突っ張って受けるなどすれば決して役割が持てない訳では無い。特に、でんげきくちばしを回復に利用できるのは非常に有用なため、透かしクッション要因として選出することは十分に考えられる。よって、試合によっては対パッチラゴン用に運用するのはありだろう。
また、2020/09から始まるシーズンにおいては如何にパッチラゴンを対策するかがかなり重要になってくるため、その枠にこいつを入れてみるのも悪くは無いかもしれない。
与ダメージ計算
主に役割対象に対するダメージ計算を載せる。ダイマックス対象にはダメージを半減させればよいのであえて載せることはしない。特定のステータスが上がっている場合は以下のように表記する。
こうげきが二段階上昇=A2up
- メテオビーム
H252ヒートロトムスピンロトム...99.4-117.2%
H252ウォッシュロトムカットロトム...49.7-58.6%
H4ギャラドス...95.9-113.5%
H252ナットレイ...19.9-23.8%
H252アーマーガア...45.9-54.1%
H252ゴリランダー...52.7-62.3%
H4トゲキッス...90.7-106.8%
H4ドラパルト...62.8-74.4%
H252ポリゴン2...29.7-35.4%
H252エアームド...63.4-75.0%
H252ジバコイル...25.4-29.9%
H252ドヒドイデ...38.9-45.9%
H252ラプラス...71.7-85.2%
H252アシレーヌ...39.0-46.0%
H4D1upウルガモス...131.7-156.%
- ほうでん(C1up)
通常時のダメージは2/3倍。
また、タイプ一致補正込みでメテオビームと同じ威力であるため、倍率が変わらない相手のダメージ計算は省略する。
H252ウォッシュロトムスピンロトム...33.1-40.1%
りゅうせいぐんを採用することでウォッシュロトム確実に突破しやすくなる。絶対に見たいという場合は採用推奨。
H252アーマーガア...61.5-73.2%
H252ドヒドイデ...77.7-93.0%
H4ウーラオス(れんげき)...139.8-164.8%
Cが上がっていないと中乱数の一発。
H252マリルリ...64.7-76.3%
H252アシレーヌ...78.1-93.0%
- かえんほうしゃ(C1up)
H252カットロトム...73.9-87.9%
H252ナットレイ...121.5-143.6%
H252ジバコイル...76.8-90.4%
H252ゴリランダー...79.2-93.7%
H252ギルガルド(シールド)...55.1-65.9%
追記
- りゅうせいぐん
無振りはりきりパッチラゴン...143.0-170.9%
- メテオビーム
無振りはりきりパッチラゴン...66.0-78.1%
被ダメージ計算
C特化ヒートロトムオーバーヒート&C特化カットロトムリーフストーム
...36.2~42.9%
C特化ウォッシュロトムハイドロポンプ...30.5-36.2%
C特化ヒートロトムカットロトムウォッシュロトムあくのはどう
...29.9-35.6%
サブウエポンとして採用されるあくのはどうだが正直大して入らないため、役割遂行に影響があるとしたらメガネ持ちの場合のみ。
C36スピンロトムダイジェット...27.1-32.2%
C36スピンロトムダイアーク...36.7~43.5%
わるだくみされているのをどうしてもストッピングしたい場合はダイマックスからダイロックで確定二発を取りに行く必要がある。ロトムの中では比較的異質な存在ではあるものの、一応見ることはできる(ただしダイマックスを切ってまで見る必要があるかという点はいささか微妙ではある)。
A252ギャラドスじしん...68.9~81.4%
不一致抜群で落ちるほどやわくはないが、龍舞は負け筋(さすがにパッチラに対して龍舞してくるやつはいないと思うが...)ダイアースは35%ほどの乱数勝負になる。
B2upB特化ナットレイボディプレス...68.9〜81.4%
てっぺきを一回積んだ程度のナットレイなら崩すことが可能。ちなみにはりきりいのちのたま物理型パッチラゴンではダイマックスを切ってもなお確定一発をとれないため、ここは大きな差別化点でもある。
B2upB特化アーマーガアボディプレス...59.3-70.1%
物理受けアーマーガアははりきりパッチラゴンでは確定一発がとれず、命中不安定のため外しててっぺきをつまれるとしんどくなってしまう。それを避けるためにダイマックスを切るとそれはそれで相手の思うツボである。こちらに対する役割の安定感も特殊パッチラゴンの可能性を示してくれる。
A特化ゴリランダー10まんばりき...79.1~93.8%
ゴリランダーは初手で対面することが多いが、初手ダイマックスを決められ、かつ地面技を搭載しているとあっさりと殺されてしまうので注意。上をとっていれば勝てるがとっていないと勝てないという非常に微妙なポケモン。ゴリラを重く見るならもっとSに振るのはあり。
A特化ゴリランダーはたきおとす(ハーブ消費後)...27.7〜32.8%
先にメテオビームを打てれば非常においしい展開になるが...。
C特化アシレーヌムーンフォース...122.0~143.5%
A特化マリルリじゃれつく...115.2~136.7%
このような水フェアリー系を強引にでも突破したい場合ははりきりパッチラゴンの採用をお勧めする。
A252ハチマキウーラオス(いちげき)すいりゅうれんだ...50.7-60.9%
A252ウーラオス(いちげき)インファイト...71.2-83.6%
はちまきで倒しに出てきた感満載のやつに突っ張るのは推奨しないがそうでない場合は十分倒すことができる相手でもある。
C4ドヒドイデねっとう...9.6〜11.9%
C252トゲキッスマジカルシャイン...89.3~106.2%
珠持ちやひかえめが多いため実質確定一発である。
C特化アナライズメガネジバコイルラスターカノン...50.8~59.9%
半減とは思えない火力。電気技読みでの受けだしは可能。
B2upB特化ジバコイルボディプレス...81.9〜96.6%
てっぺきを積んだジバコイルも突破可能。てっぺきボディプレス型にことごとく強いのはこの型の最大の強みでもある。
A252いのちのたまエースバーンとびひざげり...81.4~97.2%
一応確定で耐えるが返しで一撃で落とすことができないため突っ張るのはよいとは言えない。どうしてもエースバーンが重い場合にはほうでんで麻痺を狙うとよい。
というのが普通の結論になるが、相手からするとスカーフパッチラゴンを警戒するならば一撃で落とされないようにダイマックスを切るか、タスキ型ならカウンターを押すというのが最良の選択肢になる。
それらも考慮するといったんは突っ張るのが正解なのかもしれない...などと考えているが正直結論は出ていない。有効な立ち回りがあればコメ欄にて。
ちなみに自分は他のポケモンでエースバーンにめっちゃ厚くするという対策をしている。
追記
A特化はりきり珠パッチラゴンげきりん...224.8-264.4%
オーバーキルやで…
A特化はりきり珠パッチラゴンつばめがえし...18.6-22.0%
- まとめ
ダメージ計算を見ていただければわかる通り、基本的に火力は不足気味である。
ただし各種ロトムやてっぺきボディプレス型の受けポケモン、タスキカウンター型のポケモンをダイマックスをほぼ切らずに突破できるというのは十分に環境に対する対抗打足り得る存在であると言える。電気技で抜群をとれるフェアリーなどにごり押し戦法を通したい場合はエース運用のはりきりパッチラゴンを採用するとよいだろう。
相性の良い味方
基本的にはバランス的に物理のエースを採用するといいだろう。
エースバーンやラム龍舞ドラパルトなど
ギャラドス…4倍弱点の電気をパッチラゴンが完全無効化できパッチラゴンの苦手な地面技を透かせるという好相性。フリーズドライの一貫に注意。
とはいえ相性の良い特定の味方がいるというより、パーティーを組んでいたり実戦で使っていたりしてヒートロトムカットロトムウォッシュロトムが重いと感じた場合にパーティーへの採用を検討してほしい。
おわりに
以後敬体に戻る。
以上で今回の特殊型パッチラゴンの育成論は終わりです。
実際に運用していると、ウォッシュロトムのおにびをみがわりですかして相手の交代先にメテオビームが刺さって相手のサイクルがこちらのエースを受けれない状態になったり、ヒートロトムに何もさせずにメテオビームで突破したりと、警戒されるようなことはなく十分に活躍できるポテンシャルを感じました。とは言え根本的な火力不足やパワフルハーブとメテオビームという否めない一発屋感による不安定さはまだまだ残っており、今回紹介した仮想敵を重く見ない場合は物理型を採用するとよいのは間違いないところです。最近の物理偏重環境はこれから先もしばらく続くので、それに合わせてこれからも続々と新たな物理受け、物理流しポケモンが開発され、流行っていくでしょう。そうなれば、このパッチラゴンが活躍できる場所はさらに広がっていくんじゃないかと感じております。
また、純粋にこれまでほぼ使われたことのない型で相手を奇襲し、刺さった時の快感は何にも代えがたいものがあります。本当に勝率だけを求めるならはりきりパッチラゴンでいいと思います。でもそれだけでは担えない役割と、面白さがあるからこの育成論を投稿するに至りました。
最後に、このかなり冗長な育成論を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この育成論を見て、ロトム対策に悩んでいた人が一人でも救われたら幸いです。
備考欄
2020/7/10 本育成論を投稿。
2020/7/10 相性の良い味方にギャラドスを追加。
2020/8/26 ダメージ計算の誤植を修正。
2020/8/26 ダメージ計算に対パッチラゴン想定を追記。