はじめに
万人に読みやすいよう、なるべく非公式用語は避けていますが、逆にユーザー内で一般化している用語は使用しないと読みづらいと思うのである程度はご容赦ください。
ドラパルトエースバーンが環境の覇者として暴れまわる第8世代。
これらの対策ポケモンになるということで鎧の孤島実装前より大目玉として期待されていたポケモンこそがマリルリ!
既に育成されたという方もかなり多いと思いますが、第8世代仕様の強力な型を発見したので投稿させて頂きます!
ズバリ本論は、今までの世代のマリルリでは決して数の多くなかった最速を徹底解説していきます!
以下常体にて。
採用理由・差別化
マリルリの採用理由は、特性ちからもちによる攻撃力の高さ、エースバーンドラパルトをはじめとした環境トップであるポケモンに強く出られる優秀な7タイプもの耐性である。
マリルリのステータス自体は、すばやさが低くHPが高い耐久寄りであり、最速は決して効率の良い基礎ポイントの使い方では無い。
耐性の多さと併せてHPこうげきに基礎ポイントを割き火力アップアイテムやとつげきチョキを持たせたサイクル重視の役割遂行型。或いはオボンのみなどを持たせタイマン性能に振り切って有利対面でのはらだいこも狙える対面重視型がマリルリの人気の型である。
これらのマリルリは、現環境に確かに刺さっており、十分に活躍できる強い型ではあるが、素早さが遅いが故に耐久ポケモンに上から掠め手を打たれ大体のアタッカーポケモンに先制攻撃を許してしまう。そのため、強い特性と攻撃範囲を持っている割には相手の選出に刺さっていても1:1交換に終わったりと止められやすい。
マリルリは、第8世代の新要素ダイマックスとの相性が非常に良い。はらだいこによる耐久面の不安をHPの倍加で補うことは勿論、積年の悩みのたねであったすばやさをダイジェットで攻撃しつつ能動的に解決することができ、最速であれば1回でリザードンウルガモス100族に丁度先制できる。ダイマックス時のアクアジェットが先制技でなくなる欠点を素早さでカバーできる点も優秀。
また、最速にすることにより、素の状態においてもポリゴン2ラッキーなどの低速帯の耐久ポケモン、すばやさを落としたハッサムウォッシュロトムなど中速帯アタッカーに先制することができ、前世代よりお世話になっている面々に簡単に止められない。
以上のメリットがあり、一度はらだいこやダイジェットを展開できてさえしまえばなかなか手をつけられない圧倒的エース性能の高さが最大のウリ。
逆にエース性能の代わりに犠牲になったデメリットは、こうげきに補正が掛からないため火力が落ちる、耐久に触れなくなるためマリルリの長所である「サイクル性能」「対面性能」が落ちるという2点が目立ったところか。
みず物理ダイジェットとなるとギャラドスの存在があるが、
ギャラドスとマリルリでは耐性が大きく異なり、技範囲もギャラドスくさ・じめんマリルリフェアリー・かくとうといった具合に怖いくらい住み分けができている。
以下、本項のまとめである。
『マリルリの優秀なタイプが環境トップに突き刺さる。』
『ダイジェットによる能動的なすばやさ上昇手段を得たため止まらない。』
『最速のデメリットとしてサイクル性能・対面性能は落ちる。』
『ギャラドスとはしっかりと住み分けができている。』
もちもの
オボンのみ
はらだいこの反動を受けて発動でき、HPを1/4回復。
ダイマックスすれば実質1/2HPが増えるため、余程の理由がなければ一択。
オボンのみに合わせたHP調整は『ステータス』項にて説明する。
フィラのみ・マゴのみ・バンジのみ・イアのみ
HPが1/4以下で発動し、HPを1/3も回復する。いわゆるピンチベリー。
はらだいこターンに攻撃を受けて削れることで反動と合わせて食べられることが多い。
また、はらだいこ時に食べられなくてもダイマックスで1発耐えた際に相手を絶望させられる。
ラムのみ
露骨にはらだいこの為に起点作成を行うと当然おにびやでんじはは打たれやすくなる。
もう少し環境が煮詰まってきてから採用を検討したいアイテム。
いのちのたま など火力アップアイテム
はらだいこを展開できなかった場合の火力の底上げ。
ステータス・耐久ライン
ようきな性格
実数値 : 176-102-100-×-100-112
基礎ポイント (4-252-0-0-0-252)
最速アタッカーの基本であるこうげき・すばやさ特化を採用。
まず、マリルリは特性ちからもちに頼ってこうげきを得るポケモンである性質上、こうげきの実数値が1下がると実質2下がることとなる。
つまり、いじっぱりの場合より実数値換算だと20程落ちてしまっているため、これ以上の低下は避けるべく振り切るべきである。
次に、すばやさだが、これも前述の通り252振りによってリザードンウルガモスをダイジェット1回で抜かせるラインに付く為なるべく削りたく無い。強いて落とすとすればダイジェットでオノノクス抜きが本当の最低ラインとなるがわざわざこうげき20と耐久を切り捨ててのすばやさ振りなので最速推奨。
最後にHPであるが、オボンのみをはらだいこで発動できる2n (*1)、オボンのみ最高回復効率である4n (*2)となる176が難しい調整を必要とせず万能である。さすが16n-1に愛されたHPがスッキリするポケモン。
(*1)はらだいこの反動ダメージは最大HPの1/2から小数点以下を切り捨られるため、最大HPが2の倍数であれば切り捨てを出さずにオボンのみ発動条件であるHP1/2をクリアできる。(最大HP : 176 → はらだいこ使用 -88 → 残HP : 88 → 88は176の1/2以下のためオボンを食べられる。)
(*2)オボンのみの回復量は最大HPの1/4である。HPの回復の際、小数点以下は切り捨てられるため、最大HP176→44 、HP177→44.25、HP178→44.50、HP179→44.75、HP180→45、という場合、177~179までは回復できず切り捨てとなる無駄が生じる。切り捨てなく最大量回復できる数字は176、180など4で割り切れる数となる。これにより例えばHP179のポケモンにオボンのみを採用するのであれば180まで伸ばしたほうが効率が良くなる。
耐久ライン
HP : 176 / ぼうぎょ : 100 / とくぼう : 100
※実数値n ポケモン名 所持アイテム ワザ名 の順で表記
ダイマックス時は耐久2倍
<物理方面>
168エースバーン珠アイアンヘッド→確定2発(56.3-67.0%)
168エースバーン珠等倍ダイマックス技130→中乱数1発(91.5-108.5%)
172ドラパルトダイホロウ130→確定2発(72.2-85.2%)
187ドリュウズじしん→確定2発(60.2-71.6%)
177ゴリランダー1.3倍グラススライダー→確定1発(103.4-122.7%)
<特殊方面>
177サザンドラ拘あくのはどう→確定2発(50.0-59.1%)
189トゲキッス珠マジカルシャイン→確定2発(62.5-75.6%)
189トゲキッス珠等倍ダイマックス130→確定1発(102.8-121.6%)
172ウォッシュロトムボルトチェンジ→確定2発(76.1-92.0%)
172ウォッシュロトム10まんボルト→確定1発(100.0-119.3%)
等倍であれば威力110くらいまでの攻撃を火力アップアイテム込みで1発耐えられる高水準な耐久力。
はらだいこのサポートは、耐久を活かした壁貼り展開が扱いやすい。
技構成
型のコンセプトであるエース運用のためアクアジェット・じゃれつく・とびはねる・はらだいこの4つで確定とする。
ばかぢから、ギガインパクトなどは候補に入るだけのスペックはあるものの、みず+フェアリー+ひこうを全て半減以下で受けられるポケモンは未解禁のエンペルトのみであり、確定技を一つでも切ると抜き性能が損なわれるため推奨はしない。
アクアジェットをたきのぼりに変更するという選択肢も基本的になし。
確かに威力は高くなるものの、先制技を失うことでタイマン性能をさらに引き下げることとなり、はらだいこアクアジェットでの縛りというマリルリ最大級の強みを捨てることになるためである。
また、ダイストリームで威力90の技となりはらだいこ下であれば威力は十分。ダイマックス終了後は雨が降っていればアクアジェットの威力も1.5倍となるためたきのぼりが欲しい場面は実際に運用すると少なかった。
以下確定技の解説とダメージ計算。
ダメージ計算は特筆が無い限りランク+-0想定
はらだいこ時はダメージ4倍・相手ダイマックス時はダメージ1/2
『はらだいこ時に確定1発は(25%~)』『ダイマックス相手を確定1発は(200%~)』
『はらだいこ時にダイマックス相手を確定一発は(50%~)』
アクアジェット
先制技兼メインウェポン。
第8世代では、ダイマックスが登場し強引に耐えられる場面も少なく無いため、はらだいこからのアクアジェットの縛り性能のみに頼った立ち回りはできなくないがあまり強く無い。
ダイマックスで先制技ではなくなるものの、威力90のダイストリームとして扱える。
威力ははらだいこ下であれば90で十分。これにより別枠でたきのぼりなどを採用する必要がなくコンパクト。
ダイストリーム追加効果の雨はダイマックス終了時のアクアジェットの縛り性能を大きく向上させる。
ダイジェットを積んでおくべきであるか、雨を降らしておくべきか、相手の後続のすばやさ・こだわりスカーフなどを計算して上で選択。
ダイウォールで自分のダイマックスを枯らしてアクアジェットを打ちたい場面などもあり、少し難しい立ち回りが必要になるため、完全に使いこなすためには多少慣れが必要。
アクアジェット
153-98リザードン→確定2発(62.7-74.5%)
155-95悪エースバーン→高乱数3発(31.6-37.4%)
131-100ミミッキュ→確定3発(35.1-42.0%)
163-95ドラパルト→乱数6発(14.7-17.8%)
215-187カバルドン→高乱数4発(23.3-28.8%)
205-172アーマーガア→乱数7発(13.2-16.1%)
ダイストリーム90
153-98リザードン→確定1発(138.6-164.7%)
155-95悪エースバーン→確定2発(70.3-83.9%)
131-100ミミッキュ→確定2発(78.6-93.9%)
215-187カバルドン→確定2発(53.0-62.3%)
205-172アーマーガア→低乱数3発(29.3-35.1%)
じゃれつく
竜殺しの奥義。威力安定の一致技である。
過去作より付きまとってきた命中不安をダイマックスにて必中に変えられるためその点でも好相性。
ダイフェアリー運用でミストフィールドを展開すれば状態異常技(特にあくび、おにび、でんじは)による対策を妨害できる。
一度ダイジェットを積んでしまえばミミッキュの上から打てるため必ず覚えておきたい。
じゃれつく
163-95ドラパルト→確定1発(133.7-159.5%)
171-99ギャラドス→確定2発(61.4-72.5%)
157-127ウォッシュロトム→確定2発(52.2-61.8%)
267-128カビゴン→中乱数3発(30.7-36.3%)
192-156ポリゴン2→高乱数4発(23.4-28.1%)
ダイフェアリー130
163-95ドラパルト→確定1発(192.6-228.2%)
171-99ギャラドス→低乱数1発(88.3-104.1%)
157-127ウォッシュロトム→確定2発(75.2-88.5%)
267-128カビゴン→低乱数2発(44.2-52.1%)
192-156ポリゴン2→確定3発(33.4-39.6%)
とびはねる
くさタイプに通るひこう技で、みずとの相性補完に優れる。
言うまでもなく採用目的はダイジェットであるが、みず・フェアリーとの補完に優れダイマックス終了後に上からとびはねることで相手のダイマックスターンを消費したりと有用な場面は少なく無い。
はらだいこを展開した後はダイジェットから積極的に打っていきたい。
PP5なのでポイントアップを忘れずに。
とびはねるのダメージは割愛
ダイジェット130
155-95炎エースバーン→確定2発(67.7-80.0%)
187-103フシギバナ→確定1発(103.7-123.0%)
157-224ドヒドイデ→乱数3発(28.7-34.4%)
181-201ナットレイ→確定4発(28.2-33.1%)
はらだいこ
HPを半分にしこうげきが4倍になるハイリスクハイリターンを具現化したような積み技。
本論のコンセプトであり、エース型マリルリ最大の武器。マリルリは元よりこうげきが高いため、鬼に金棒。
パワー全開!という特別仕様のためか、いかくなどによるこうげきランクダウン時に使用してもランク+6の状態になる。
ダイウォールとしても使用する。
運用・構築
起点作成要員・壁貼り等の展開から着地させ、はらだいこ→ダイマックスで思う存分暴れさせるのが基本的な使い方。
マリルリ自体の耐性の優秀さ、サイクル性能の高さがあり、サザンドラドラパルトジャラランガドラゴンローブシンコジョンドかくとうエースバーンウルガモスリザードンほのおなど対面で逃げていく相手は少なくなく、展開に関わらずはらだいこは決めやすい。
また、最速のため汎用性が高く、はらだいこエース運用に拘らずとも、ドラゴン狩り、その他得意ポケモンへの役割遂行は可能である。勿論理想が起点作成展開であるというだけで、普通にサイクルを回していく中で突然はらだいこ→ダイマックスという動きも強い。
未だシーズンが始まっていないためか、ダイジェットへの警戒が薄く、対面捨てて後続のアタッカーで処理というルートを選択されやすいため現段階では最速はよく刺さる。
ハピナスラッキーポリゴン2エアームドなど受けサイクル向きのポケモンが多数解禁されるため、伴って起点にできる耐久ポケモンが増えるのは環境的な風向きも良い。
通していく際に気をつけたい相手は、ミミッキュゴリランダーファイアロー・きあいのタスキ・こだわりスカーフなど。
どうしてもはらだいこの反動で耐久が低く、一気にばら撒かれた高火力先制技で潰されるケースがこれまでの環境と比べたら目立った。
タスキ・スカーフ・ミミッキュに関してはいつもの3大エースストッパー。
エースバーン流行のあおりを受けてかタスキカウンターの採用率が増加傾向にあるため注意。
相性の良い味方
ナットレイ
マリルリの弱点であるでんき・くさ・どくを全て半減以下で受けられる。ナットレイの弱点であるほのおかくとうは逆にマリルリでいなせるため相性補完に優れる。ダイマックスを切らずして戦える上に、ステルスロック、でんじは、がんせきふうじなどを覚えるため起点作りまで可能。
ドラパルト
弱点のでんき・くさ・どくを受けられる。また、ドラパルトに対するドラゴン技をマリルリで透かすこともできるため、こだわりドラパルトサザンドラあたりをドラゴン技で固定できると無償ではらだいこ可能。壁貼りも行える。
エースバーン
苦手なゴリランダーをはじめとするくさタイプに強く、ダイマックス権を型次第で然程気にせずマリルリに使用できる。きあいのタスキなどを持たせることで相手のエースへの切り返し手段となる。
おわりに
いかがでしたでしょうか...。
すばやさに厚めに育てたマリルリは、ダイマックスとの最高の相性を誇り、はらだいこから凄まじい爆発力を発揮してくれます!
ダイジェットで100族まで抜けるので中速以下をごぼう抜きできますし、そもそもダイジェットの打点自体が半端じゃ無いので2回積んで高速アタッカーの上すら取れることも...。
夜中まで論を書いていて眠いのでこれで終わります。