はじめに
万人に読みやすいよう、なるべく非公式用語は避けていますが、逆にユーザー内で一般化している用語は使用しないと読みづらいと思うのである程度はご容赦ください。
犯罪害悪ポケモンが新たに出現しました。
剣盾でトライアタックの技レコードが実装され、トライアタックトゲキッス解禁だと一部で話題になりましたが、時の流れでタイプ一致でなくなり、第四世代第五世代の頃ほどの威力は発揮しませんでした。
更に時は流れ...鎧の孤島解禁と同時にてんのめぐみ+トライアタックを使いこなせるスペックを持ったポケモンが実装されてしまいました!
40%でまひ・やけど・こおりという頭おかしい運ゲーを仕掛ける悪魔です。
悪魔?いや、魔王です。(よりによって君かね)
以下常体にて
採用理由・差別化
ハピナスの最もたる採用理由は圧倒的特殊受け性能である。
HP 255 - とくぼう 135
という数値は他の追従を一切許さない環境断然トップの超耐久力である。
更に、高速回復技である「タマゴうみ」をさも当然の様に覚え、特殊アタッカーは積み技持ちでなければメガネルカリオクラスの火力がなければ受け切られてしまう。
差別化が必要な相手は進化前であるラッキー。
ラッキーは、しんかのきせきを持たせることで、
ハピナスの特殊耐久を上回ることができる。
第7世代まででは、Z技・メガシンカなど火力インフレの影響もあり、受けサイクル系パーティではハピナスを抑え
ラッキーの方が採用率が高かった。
第8世代でのラッキー
ハピナスの関係は、基本的には従来の通り『打点の高い
ハピナス』『耐久重視の
ラッキー』で相違ない。
しかし、耐久型の他の例に漏れずラッキー最大のダメージソースであった『どくどく』を失い、相手にかけられる圧が大きく落ちてしまった。
ハピナスもどくどくを失ったことは痛いが、交代際の圧として新たに『てんのめぐみトライアタック』という最低の技を手に入れた。この技の強さは『技構成』の項にて解説する。
また、第8世代の新システムであるダイマックスとの相性がハピナスは良く、技の半数以上をダイウォールにしてしまう
ラッキーとの明確な差別化点となる。
以上根拠を以って従来通りのラッキーとの火力の差に加え、ダイマックスとの相性の良さ、そして新たに手にしたトライアタックを本論のコンセプトとする。
もちもの
いのちのたま
HPの1/10の反動と引き換えに火力1.3倍。ハピナスのとくこうは75しかないため、所持しているか否かで遂行速度と交代先にかけられる圧が段違い。
受けサイクルでは余りがちな強アイテムであり、他に持たせたいポケモンがいないのであれば優先的に採用したい。
受けポケモンに反動と一見アンチシナジーに見えるが、ハピナスレベルの耐久があれば反動のせいで特殊アタッカーに対してタマゴうみが間に合わなくなることはまず無いため気にするほどでもない。
(反動は33ダメージ...ここも規格外)
いのちのたまにより確定数が変わる相手の例エースバーンにトライアタック : 低乱数2発(42.9-50.6%)→確定2発(55.8-66.0%)
ゴリランダーにトライアタック : 確定3発(39.8-47.7%)→確定2発(51.7-61.9%)
ギャラドスに10まんボルト : 中乱数1発(91.2-109.9%)→確定1発(118.7-142.7%)
トゲキッスに10まんボルト : 低乱数2発(43.5-52.2%)→確定2発(56.5-67.7%)
ものしりメガネ・シルクのスカーフ・たつじんのおび
反動ダメージを嫌う、いのちのたまの競合相手がいる場合の候補。
ものしりメガネだと先に上げた相手に乱数が絡んできたりと若干火力に不安は残る。
シルクのスカーフ、たつじんのおびは倍率が高いが、一部の技にしか倍率が乗らないのが少々痛い。
きれいなぬけがらは、メガゲンガーがリストラされたため候補外。
尚、たべのこしや回復実を持たせるくらいなら元から固いラッキーを採用した方が良いと思われる。
ステータス
ひかえめな性格
実数値 : 331-×-62-139-155-75
基礎ポイント (4-0-252-252-0-0)
前述の通りとくこうは高くはないので振り切っておきたい。
特殊耐久は、ステータスの暴力によって無振りでも十分事足りるため残りはぼうぎょ。
ハピナスはぼうぎょが全ポケモンワーストレベルで低く、無振りだと実数値30。252振りで実数値62と物理耐久が2倍以上になり多少マシにはなる。
いくら特殊受けと割り切ったとは言え、ドラパルト
サザンドラ特殊アタッカーからの無振りとんぼがえり、
アシレーヌアクアジェットなどなど物理技を受けてしまう機会は決して少なくない。
無振りドラパルトのとんぼがえりですらぼうぎょ無振りで被弾すると『124-146ダメージ(37.5-44.1%)』も削られる。
また、ダイマックスで崩した後は物理アタッカーを100%出されるのでそこで交代しか選択できないとダイマックスターンの無駄も目立ち、立ち回りの幅があまりに狭いため物理をある程度耐えられるということは決して無駄にならない。
ただ、飽くまで物理を被弾する際の保険としてのぼうぎょ振りであるため、物理受けをする訳ではないことを初心者の方は特に頭に入れていただきたい。
HP個体値を28-29に落としHPに基礎ポイントを振らなければ実数値が10n-1の329となり、いのちのたまの反動を1減らせる。
耐久ライン
HP : 331 / ぼうぎょ : 62 / とくぼう : 155
※実数値n ポケモン名 所持アイテム ワザ名 の順で表記
ダイマックス時は耐久2倍、相手の積み技はダメージ1.5倍〜2倍
<物理方面>
141ドラパルトとんぼがえり→乱数5発(18.4-21.8%)
192ギルガルドインファイト→確定2発(84.6-99.7%)
<特殊方面>
172ウォッシュロトム拘ハイドロポンプ→乱数3発(31.1-37.2%)
189トゲキッス珠マジカルシャイン→乱数4発(21.5-26.0%)
189トゲキッス珠ダイフェアリー130→確定3発(35.3-41.7%)
167ドラパルト拘りゅうせいぐん→確定3発(35.6-42.6%)
161リザードン珠ダイバーン140→乱数3発(32.3-38.1%)
161リザードン珠晴サンパワダイバーン140→確定2発(72.2-85.2%)
現環境に存在する特殊ポケモンはほぼ受け切れる。
特殊方面無振りにも関わらずサンパワーリザードンクラスの火力が無いと特殊での突破は不可能という化け物耐久である。
ウォッシュロトム
トゲキッスあたりにわるだくみを交代読みで積まれてもダイマックスで余裕で切り返せる。
とくせい
本論のコンセプトである「てんのめぐみ」確定。
しぜんかいふくハピナスも健在であり、どくどくを使った受け崩しは減ったものの受けサイクルミラーの際などに頼りになる。別の型なので本論では扱わない。
技構成
特殊受けのためタマゴうみ、本論のコンセプトであるためトライアタックは確定。
後はノーマルタイプ特有の技範囲の広さを生かした構成にしたい。
『運用』の項で詳細するが、基本的に攻撃技は後出しされる物理アタッカーに対し打っていく技となることを頭に入れて選択するべきである。
ダメージ計算は全ていのちのたま前提
タマゴうみ 確定
ノーリスクでHPを50%回復。特殊受け型なので必須。
ダイマックス時ダイウォールとしても使う。
PPが10しか無いためポイントアップを忘れずに。
トライアタック 確定
第7世代VCで習得したが夢特性限定であった。
第8世代で遂にてんのめぐみとの両立が可能となった犯罪技。
威力80と最低限の火力持ち、40%の確率でまひ・やけど・こおりのどれかにする。
一見クソ運ゲーを強いるだけに見えるが、特殊アタッカーを流す性能が高く物理アタッカーをほぼ確実に呼び思考回数を稼ぐことが非常に容易である。その上呼ぶ物理アタッカーにはどの状態異常を引いても機能停止に近い状態にできるため、ハピナスとこの上なく相性の良い技である。
目立ったデメリットもなく、有利対面で打っているだけで強い出し得技である。
また、『もちもの』項にて解説した様にいのちのたまによる火力補強があればエースバーン
ゴリランダーをはじめとするアタッカー型のポケモンに確定2発を取るため、十分な負荷を与えつつ運ゲーを仕掛けられる。受けサイクルでは比較的高めな打点も魅力。
追加効果についての豆知識であるが、まひ・こおり・やけどとそれぞれ独立して13.3%の判定を持っている。
例として、やけどの効かないほのおタイプに打った場合、やけどの判定が除外されるため状態異常が発生する確率は約26.7%である。
ダイアタック運用で威力は130。
すばやさを下げる効果はハピナスが55族と鈍足であるためあまり期待できない。
トライアタック
155-95エースバーン→確定2発(56.1-66.5%)
175-90ゴリランダー→確定2発(52.0-62.3%)
207-100マリルリ→確定3発(39.6-46.9%)
191-135トゲキッス→高乱数3発(32.5-38.7%)
157-127ウォッシュロトム→確定3発(42.0-49.7%)
267-130カビゴン→乱数4発(24.0-28.1%)
ダイアタック130
155-95エースバーン→低乱数1発(90.3-106.5%)
175-90ゴリランダー→低乱数1発(84.6-100.0%)
207-100マリルリ→確定2発(64.3-75.8%)
191-135トゲキッス→確定2発(51.8-61.3%)
157-127ウォッシュロトム→確定2発(66.9-79.6%)
267-130カビゴン→確定3発(38.6-45.7%)
シャドーボール 優先度高
トライアタックとの補完に優れ、2サイクル目以降のゴースト出しを許さない。
てんのめぐみにより40%でとくぼうダウン。
回復技持ちのポケモン同士の膠着を突破できたりと何かと便利な追加効果である。
鎧の孤島ポケモン解禁後もドラパルト
ミミッキュ
ギルガルドとゴースト環境は続くと思われるため、採用優先度は高い。
他のサブウェポンと比べると威力が低いところが欠点。
シャドーボール
163-95ドラパルト→確定2発(71.8-84.7%)
131-125ミミッキュ→確定2発(67.2-81.7%)
167-160ギルガルド→確定3発(41.9-49.7%)
ダイホロウ130
163-95ドラパルト→確定1発(114.7-135.6%)
131-125ミミッキュ→確定1発(109.2-129.0%)
167-160ギルガルド→確定2発(67.1-79.6%)
10まんボルト or かみなり 優先度高トゲキッス
リザードンなどへの遂行技となり、後出しされる物理アタッカーにも
ギャラドス
ウォーグルなど、ダイジェット環境と称される程ひこうタイプは多いため刺さる。
また、ゴリランダー
イエッサンをはじめとしたフィールドを展開するポケモン、鎧の孤島でフィールドに依存する教え技がばら撒かれたため、エレキフィールドに強引に塗り替えられることは結構なメリットとなる。
かみなりは命中不安だが、当たれば60%まひ。
受けサイクルの本質は、受け回しによって確実なダメージの蓄積であるため、外して削りが入らないのは非常に痛い。更に状態異常にする技はトライアタックが既にあるため余程のこだわりが無ければ10まんボルト推奨。倒しきれなければもう1サイクル回せば良い。
10まんボルト
171-120ギャラドス→確定1発(118.7-142.7%)
207-100マリルリ→確定2発(60.4-71.5%)
161-135トゲキッス→確定2発(56.5-67.7%)
157-162ドヒドイデ→高乱数2発(47.8-58.0%)
ダイサンダー130
171-120ギャラドス→確定1発(173.1-207.0%)
207-100マリルリ→低乱数1発(85.5-101.9%)
161-135トゲキッス→確定2発(82.6-96.9%)
157-162ドヒドイデ→確定2発(71.3-84.7%)
かえんほうしゃ or だいもんじ 優先度中ナットレイ
ギルガルド
ハッサム
アイアントなどはがねに通る。
特殊アタッカーへの遂行技としては現環境あまりほのお弱点の特殊アタッカーが居ないため交代読み役割破壊技という意識が強い。
かえんほうしゃかだいもんじかという問題は上のかみなりと同じ。
基本的にかえんほうしゃでナットレイ確定1発なのでダメージは事足りている。
かえんほうしゃ
181-136ナットレイ→確定1発(100.6-120.4%)
167-160ギルガルド→高乱数2発(46.7-56.3%)
ダイバーン130
181-136ナットレイ→確定1発(146.4-172.4%)
167-160ギルガルド→確定2発(67.1-79.6%)
れいとうビーム 優先度中ドラパルト
サザンドラたまに
オノノクス
ジャラランガ程度しかドラゴンが現状環境に存在しないため若干優先度は低い。
現環境には10まんボルトの方が刺さるというだけであって、ドラゴン・じめん・くさ・ひこうと弱点をつける範囲は相変わらず優秀であるため、ガブリアス
ランドロス(霊獣)辺りが解禁されれば一気に必須レベルまで跳ね上がると思われる。
追加効果は20%こおり。
れいとうビーム
163-95ドラパルト→確定2発(79.8-93.9%)
215-95カバルドン→確定2発(61.9-74.0%)
ダイアイス130
163-95ドラパルト→確定1発(114.7-135.6%)
215-92カバルドン→低乱数1発(89.3-106.5%)
きあいだま 優先度低
命中不安だが威力の高い数少ない特殊かくとう技。
主な仮想敵は、特殊受けに来るバンギラスなど。
カビゴンや環境に増えるであろう
ポリゴン2
ハピナス
ラッキーなどには流石に火力が足りない。
命中率70%は信用して良い値とは言い難く、積極的に打ちたい技ではない。
また、トライアタック・きあいだまとゴースト無効が2つになってしまう点が少し扱いにくい。
追加効果はとくぼう20%ダウンに強化されるが、そもそも当たればの話であり、シャドーボールのような膠着からの脱出にはあまり期待できない。
ダイマックスすると威力が95になってしまい、こうげきアップが完全に無駄と噛み合わせが非常に悪い。
きあいだま
207-120砂バンギラス→低乱数1発(87.9-105.3%)
331-155ハピナス→高乱数3発(32.3-38.4%)
ダイナックル95
207-120砂バンギラス→確定2発(70.5-85.5%)
331-155ハピナス→確定4発(26.0-30.5%)
マジカルシャイン or サイコキネシス 優先度低
弱点であるかくとうに刺さるが、TOP30かくとうタイプルカリオのみという惨状で冬の時代を迎えている。
ヘラクロス
コジョンドと言った優秀なかくとうタイプも解禁されるが、それでもダイジェット&ゴースト環境では少々厳しそうに見える。
敢えて採用するのであればマジカルシャイン推奨。
追加効果こそないものの、ドラゴン・あくと攻撃範囲が広いためである。
マジカルシャイン
155-115ヘラクロス→確定2発(61.9-73.5%)
207-91ローブシン→確定2発(58.0-69.1%)
ダイフェアリー130
155-115ヘラクロス→確定1発(100.6-119.4%)
207-91ローブシン→乱数1発(94.2-111.6%)
ちいさくなる or めいそう 優先度低
終盤の詰めに使える積み技。
構築に終盤エースを採用しないのであれば1枠切るのも悪くないが、技範囲が狭まる。耐久ポケモンでのサイクル戦をコンセプトとしているため、居座り前提のこれらとの相性は決して良くない。
ちきゅうなげ 優先度低
固定50ダメージ。
珠ハピナスで50ダメージ以上見込めない相手は少なく、特別採用する理由もない。
運用・構築
基本運用は、特殊アタッカーに繰り出し、流し際に交代先へ大きな負荷のかかるトライアタックなどを打つ。
呼んだ物理ポケモンに物理受けを出し、物理受けを突破しにきた特殊ポケモンをハピナスで受けるというサイクルを組み、どこかのタイミングでトライアタックで物理を機能停止、または交代読み役割破壊で相手のサイクルを破壊することがこの
ハピナスの仕事である。
ハピナスは受けサイクルの中ではアタッカー性能が高く、悩みのタネとなりやすいダイマックスと相性が良い。
初心者の方が陥りやすい失敗として、自分からダイマックスを積極的に切りに行ったり、トライアタック安定の場面で不必要な交代読みをしてしまうなどが挙げられる。
受けサイクルにおいてのリスクある深い読みは、試合を決定付ける1場面に留めておいて、基本的に安定行動を心がけるプレイングをとるべきである。
特に、ハピナスは相手視点だと「かえんほうしゃ」「10まんボルト」「れいとうビーム」「シャドーボール」「マジカルシャイン」「きあいだま」「くさむすび」... ... と技を何個も持っているように見えるポケモンであるため、序盤から無闇矢鱈に手の内を晒さず、トライアタックの試行回数を稼ぐことに徹したほうが試合終盤に絶対有利となる。
「とりあえずトライアタック」脳死で打って強い技を手にした第8世代のハピナス最大の武器である。
相性の良い味方
構築に際して、当然サイクルパートナーとなる物理受けが必要となるので相性の良いポケモンを紹介する。
エアームド
アーマーガア
最高峰の物理受け。環境トップであるエースバーンに弱いという欠点こそあるものの、それ以外には抜群の安定感を持ち、サイクル適性も高い。
また、てっぺきボディプレスで火力も無理なく出せるため、相手のサイクルが崩壊した後の詰めもこなせる。
ドヒドイデ
耐久ポケモンの代名詞。エアームド
アーマーガアの苦手としていた
エースバーンに強く、特性さいせいりょくによる自動回復からサイクル戦に強い。また、物理ポケモンにねっとうでやけどを入れてしまえば、
ハピナスでも回復が間に合う状況が作れる場合もあり、ダメージを稼ぐという面でも扱いやすい。
ギャラドス
とくせいいかくによる物理受けが可能。高速回復技を持たないものの、こうげきが高く流し性能がある為強固なサイクルパートナーとなり得るポケモン。りゅうのまいやダイジェットを活かした終盤の詰め要員としても活躍が見込める。
おわりに
害悪ポケモンに害悪技を追加されました...。
ただの運ゲーじゃねーかという方に強さを伝えようと頑張って書いていたら技候補も多くて結構長い論になってしまいましたね><
受けサイクルを扱うには忍耐力が必要だと思うので長い育成論も楽勝でしょう
しかしねっとうよりも高い確率でワンチャンこおりも狙えるのは流石にやりすぎかと^^;
疲れたのでこれで論を終わります><ちなみにぼくは受けサイクル大嫌いです