はじめに
万人に読みやすいよう、なるべく非公式用語は避けていますが、逆にユーザー内で一般化している用語は使用しないと読みづらいと思うのである程度はご容赦ください。
第8世代環境も安定してきて、受けにくい攻撃性能が評価されるルカリオ。
私個人として、好きなポケモンランキング上位に入る格好良さが魅力です!
映画もちょうど世代で、今ガチ対戦している方で同世代の方も多いのではないでしょうか...
今回は、そんなルカリオの剣舞しんそくによる現環境トップクラスの火力を誇る先制技に注目した、エース型とはまた異なった強いルカリオを紹介します!
これより論文調で
採用理由・差別化
長文になるため、初心者ユーザー、要点だけをお求めの方は、本項の最後に要点のみ記載したため飛ばし読み可。
優先度+2・威力80・命中100というとんでもない性能をもつ技しんそく。
初心者の方向けにその強さを解説すると、優先度+2により、「でんこうせっか」「ふいうち」「アクアジェット」などに対してもすばやさを無視して先制できる。通常先制技の威力は40、デメリットのある「であいがしら」「ふいうち」は70〜80程度であるが、しんそくは先制技より早いというメリットを持ちながら威力80である。
上述のポイントにより、「相手に展開されたエースポケモンの処理」(ダイジェットを積んだギャラドスエースバーントゲキッスなどの素早さを無視して攻撃)「味方のエースポケモンが突破された後の消耗した相手を処理」することに長けている。
剣盾環境でそんな強力技「しんそく」を覚えられるポケモンは、ウインディマッスグマトゲキッスルカリオの4種のみ。
ルカリオはこの中ではこうげきが1位タイ。デメリットのない積み技「つるぎのまい」を習得可能。はがねタイプ複合による耐性と「しんそく」を使いこなすことに適応した性能となっている。
また、しんそくを考慮せずとも、はがね・かくとうのタイプ一致範囲は優秀で、ミミッキュヒヒダルマ(ガラル)カビゴンニンフィアガオガエントゲキッスドリュウズナットレイラプラスホルードピクシーサザンドラランクマッチ上位で活躍している中でも、これだけのポケモンの弱点をつくことができる。
高火力先制技、終盤の詰め要員、エースストッパーとしてライバルとなるのはミミッキュギルガルド(シールド)エースバーンなど。
剣舞かげうち、リベロ一致ふいうちなどは掃除性能が高く、またミミッキュエースバーンは自身のすばやさが高く、先制技に頼らずとも先手を取れる相手も多い。
ルカリオの長所は、威力80という先制技の域を超えた威力によって、エースバーンウォーグルギャラドストゲキッスここら辺に大体80%以上のダメージ(ステルスロック込み確定ライン)を出せるなど、剣舞しんそくで縛れる範囲が広いこと、また「優先度+2」であることにより、エースバーンのふいうちの上から攻撃可能であること。そして、ゴーストタイプ・いわタイプなどにはバレットパンチも打てる点である。
剣舞型ルカリオで、しんそくより技範囲を取った「ダイマックスエース型」(育成論ソードシールド/1028)は、自身の攻撃範囲とダイマックスとの相性の良さを活かしてなるべく全抜きを狙う型であるが、本論のルカリオは、ダイマックスに頼らず、攻撃範囲を犠牲にし、高威力の先制技によって試合終盤の消耗した相手パーティにトドメを刺す型である。
上記の性質上、剣舞ルカリオお得意の「ナットレイアーマーガアドヒドイデなどの耐久ポケモン」を強引に潰しにいく動きは取りずらくなる。
相手のパーティを充分に消耗できず、インファイト一撃圏内に入っていないとアーマーガアナットレイボディプレスやドヒドイデねっとうやけど・くろいきりなどの負け筋が残る場合がある。
長々と書いたが、本論のルカリオを扱う際に抑えておいていただきたい要点は、
「しんそく使いの中で唯一の剣舞持ちである」
「剣舞しんそくによる高い縛り性能」
「ダイマックスルカリオより終盤向け」
「他のエースなどによる相手パーティの消耗が必須」
という点である。
もちもの
いのちのたま
展開されたエースを処理できるラインを広げたり、剣舞しんそくによる抜き性能向上にも繋がる。
反動ダメージ1/10により耐久が下がるデメリットは、本論のルカリオはHPが1でも残れば上からしんそくを撃てるため結構痛い。耐久が低いポケモンであるため常時意識しておきたい。
採用する場合は、HP10n-1調整(珠ダメージ最少)を施し、少しでも生存できるようにすることを推奨。
ノーマルジュエル
一発限りかつしんそく限定にはなるが、反動ダメージなしでいのちのたまと同様の威力1.3倍になる。
型との相性も良く、強いアイテムではあるが、ルカリオのスペックと照らし合わせると少し物足りない。
火力アップアイテムにより縛れるようになる例
ドラパルトを剣舞バレットで乱数2発→確定2発
トゲキッスを剣舞バレットで確定2発→確定1発
ギャラドスを剣舞しんそくで確定2発→ステルスロック込み確定1発
エースバーンを剣舞しんそくで確定2発→ステルスロック込み確定1発
きあいのタスキ
終盤の詰めは微妙だが、エースストッパー性能に特化するのであればコレ一択。
相手エースの攻撃を耐える→つるぎのまい→しんそくで突破→ラス1勝負に持ち込める。
剣舞しんそくの縛り性能は多少落ちるが、つるぎのまいを使う際に安定感が出る。という認識でOK。
ステータス
ようきな性格
レベル50実数値 : 145-162-91-×-90-156
基礎ポイント(0-252-4-0-0-252)
すばやさ90で、すぐ下にドリュウズが居るため、最速推奨。
しんそくの火力を重視して「いじっぱり」などにし、すばやさを捨てて耐久調整を施し対面でつるぎのまいという型も度々見かけるが、現環境ではすばやさを活かさないと似た攻撃範囲でよりステータスの高いギルガルド(シールド)の劣化になりやすい。
また、準速(性格補正なし、すばやさ基礎ポイント252)ではトゲキッスマンムーなど本来有利であるはずの80族に先制することができない。
ようきな性格
レベル50実数値 : 149-160-90-×-90-155
基礎ポイント(28-236-0-0-0-244)
いのちのたまの反動最小調整。
最速ドリュウズ抜きまですばやさを落としHPに振り分ける。
こうげきが2下がってしまったが、いのちのたまで1.3倍になるため、許容圏内。
数は多くないがルカリオミラーに確実に負けるが、元よりきあいのタスキこだわりスカーフの採用率の高いポケモンなので同速勝負すら避けたい。
特性はせいしんりょく推奨
ギャラドスガオガエンのいかくを無効できるためである。
耐久ライン
HP:149-ぼうぎょ:91-とくぼう:90
※実数値n ポケモン名 所持アイテム ワザ名 の順で表記
物理方面
172ドラパルトのゴーストダイブ(確定2発65.1-77.1%)
172ドラパルトのダイホロウ(乱数1発94.6-111.4%)
142ミミッキュの珠じゃれつく(確定2発71.0-84.1%)
142ミミッキュの珠ダイフェアリー(確定1発103.4-122.0%)
142ミミッキュの珠かげうち(乱数3発32.4-38.6%)
177ギャラドスの珠たきのぼり(確定2発78.5-92.6%)
152パッチラゴンの後攻でんげきくちばし(確定2発81.2-96.6%)
特殊方面
137ラプラスのダイストリーム130(確定2発75.1-89.2%)
172ウォッシュロトムのボルトチェンジ(確定2発52.4-62.0%)
172ウォッシュロトムのハイドロポンプ(確定2発81.3-97.2%)
172トゲキッスのだいもんじ(確定1発108.9-129.6%)
対面でつるぎのまい→先制技とできる、一発耐えられるラインはある程度ダメージ感覚の記憶が必要である。
ものすごく大雑把に行くと、アタッカーポケモンの不一致抜群は、トゲキッスかえんほうしゃなど威力90くらいまでなら何とか耐える。等倍一致技は、威力120くらいを超えると倒される場合が多い。あくまで一つの目安として覚えて置くと良い。
ダメージ感覚が身につくまで怖いという方、初心者の方はきあいのタスキ運用で慣らすと良い。
技構成
基本構成は「しんそく・つるぎのまい・はがね技・かくとう技」
ダメージ計算は全ていのちのたま前提
ダイマックスは相手の耐久を×2。
(例: 確定1発110.5-137.2→確定2発63.9-76.0%)
剣の舞は自分の火力を×2。
(例: 確定2発→剣舞時確定1発)
しんそく 確定
本論のコンセプトとなる技。
しんそくの強さについては、採用理由の項でも述べたのでここでは深掘りはしないが、やはり、何と言っても威力80の先制技は破格。
当然と言っては当然だが、ゴーストに効かないためミミッキュドラパルトに注意。
また、ダイマックス権が残っている場合は、ダイアタックになるため、先制技ではなくなるものの、対面のすばやさ操作をしつつ攻撃できる。頭の片隅に入れて運用すると、立ち回りの中で生きる場合があるかもしれない。
PP5なのでポイントアップを忘れずに。
155-96エースバーン→乱数2発(42.5-50.9%)
153-99リザードン→確定3発(41.8-49.0%)
171-99ギャラドス→確定3発(37.4-43.8%)
167-110サザンドラ→確定3発(35.3%-41.3%)
つるぎのまい 確定
しんそくとの相性抜群のノーデメリットこうげき2倍という積み技の代名詞。
ダイマックス時、ダイウォールとしても結構使う。
バレットパンチorコメットパンチ
しんそくは、いわ・ゴースト・はがねに通らないため、ケアできるはがね技は必ず採用したい。
先制技のバレットパンチか高威力のコメットパンチで選択。
バレットパンチのメリットは、トゲキッスミミッキュヒヒダルマ(ガラル)ドラパルトなどに先制技として有効であること。エースストッパーとしての活躍も期待しているのであれば、是非採用したい。
デメリットは、やはり威力不足。剣舞を積むかダイスチルにしないとまともなはがね技がない状態になってしまうため、トゲキッスピクシーニンフィアなどとの対面では余計に1発くらうこととなってしまう。エース型ルカリオと異なり確実につるぎのまいを使えるフィールドが整っている訳でもなく、ダイマックス権がない場合も多いため、考えなしに採用すると痛い目にあう。
一方コメットパンチは、フェアリー対策技としての側面は解決されるものの、今度は先制技がなくて困る場面も多くなる。
特に、ドラパルトは殆どの構築に採用されるポケモンであり、対面する機会も多いため、バレットパンチがないが故に竜舞ドラパルトが止まらなかった...という事態も少なくない。
構築でルカリオにダイマックス権が残るか否か、また自身のプレイスタイルと相談し検討したい。
バレットパンチ
181-75ヒヒダルマ(ガラル)→確定2発(70.1-83.4%)
163-96ドラパルト→乱数3発(31.2-36.8%)
131-100ミミッキュ→確定2発(73.2-89.3%)
161-115トゲキッス→確定2発(53.4-62.7%)
コメットパンチ・ダイスチル90
181-75ヒヒダルマ(ガラル)→確定1発(156.3-185.0%)
163-96ドラパルト→確定2発(68.0-81.5%)
161-115トゲキッス→確定1発(116.8-138.1%)
インファイト or カウンター
かくとう技枠。
とびひざげりならカビゴンを乱数1発37.5%で倒せるが、回復ソースをたべのこしに頼る耐久カビゴンは高確率でまもるを持っているため危険。命中不安もあるためインファイト推奨。
この型のルカリオの採用候補となる技では頭一つ抜けて威力が高く、タイプ一致で180相当の為、等倍しんそく<半減インファイトとなる。
剣舞時は、物理受けアーマーガアドヒドイデなどによる受けを成立させず、試合終盤の消耗している状況での突破力はかなり高い。
ダイマックスすると威力が下がるが、こうげきを上げる追加効果が付与される。
カウンターは、エースストッパー重視のきあいのタスキならば有力候補。
ダイマックスすれば威力75だがかくとう技として機能する。
ルカリオのタスキカウンターは有名で読まれやすいのが難点。
インファイト
237-100ラプラス→確定1発(137-160.9%)
181-201ナットレイ→確定2発(79.0-95.0%)
205-172アーマーガア→確定3発(40.4-48.2%)
※剣舞インファイト+ステルスロックで乱数一発50%
157-224ドヒドイデ→乱数5発(19.7-24.2%)
※剣舞インファイト→確定3発(39.4-47.1%)
157-127ウォッシュロトム→確定2発(70.7-84.7%)
267-128カビゴン→確定2発(82.7-99.2%)
インファイト→ダイナックル95
237-100ラプラス→乱数一発(93.2-111.8%)
157-127ウォッシュロトム→確定2発(55.4-66.8%)
267-128カビゴン→確定2発(65.1-79.0%)
カウンター→ダイナックル75 ※きあいのタスキ前提のためいのちのたま無し
237-100ラプラス→確定2発(56.5-68.3%)
157-127ウォッシュロトム→確定3発(34.3-40.7%)
267-128カビゴン→確定3発(40.4-47.9%)
(ダイナックルのこうげき上昇加味で確定2発)
ルカリオは他にも優秀なサブウェポンを覚えるが、一致技の範囲が優秀、しんそくを扱うとなるとこの4枠で確定とする。
運用
起点作成役・エース・ルカリオとし、試合の最終盤で出して行く動きが強い。
エースポケモンが止められた後、落としきれなかったポケモンを余裕がある対面ならつるぎのまい、一発耐えられないのであればしんそくなどで突破。
或いは、相手に先に展開されたエースを先制技で沈めることがこのルカリオの仕事。
実際に運用して行く上で意識すべき点は、「ルカリオを選出していることをギリギリまでなるべく相手に隠す」「ダイマックスをルカリオに残すか」という2点。
ダイマックスは、ルカリオとの相性も良好で、しんそくが使えなくなる・かくとう技の威力が下がるというデメリットもあるものの、不利対面でも一発耐えられる、バレットパンチを威力90のはがね技にできると言ったメリットが強く、試合の中でルカリオに残すかエースに使うかプランニングしていきたい。
特に、エースが相手のダイマックスによって止められるパターンでは強さを発揮し、ルカリオダイウォール→ダイナックル→ダイウォール→しんそくなど、相手のダイマックスを枯らしつつこうげきを上げ、相手のダイマックスエースを倒すことができるため覚えておきたい。
また、次項の「構築」で詳細するが、ステルスロックとの相性が非常に良い。
一匹目のエースを活かすためにも積極的に蒔いていきたい。
技範囲を犠牲にしたとはいえ、最低限かくとう技はがね技の攻撃範囲は確保できているため、ルカリオが刺さるパーティには、起点作成要員の後にルカリオを展開しエース運用も当然できる。終盤の詰め要員ということだけに固執しすぎないように。
構築
起点作成要員エルフーンカバルドンオーロンゲ / エースギャラドスエースバーンミミッキュ / ルカリオというような選出をできるように組みたい。
(ココで挙げたポケモンは一例)
相性の良い味方
カバルドンは、第四世代より「カバルカ」と親しまれてきた相棒である。ステルスロックの削りにより、しんそくの縛り性能を大きく向上させ、直接的な起点作成は無くともルカリオで詰める動きをかなり主導的に行えるようになる。あくび・ふきとばし・がんせきふうじなどによる起点作成も優秀で、パーティのエースに繋ぐ役割としてもトップクラスの性能。
リザードンは、弱点であるバンギラスドサイドンをルカリオで倒せる上、キョダイゴクエンによる削りでしんそくの圏内に相手を削ることができる。ダイマックスしないとそこまで強くないので、ルカリオにダイマックス権を残しにくいのが難点か。
パッチラゴンは、積み技に頼らずともダイマックスで相手にダイマックスを強引に切らせることができ、しんそくをダイマックスで耐えたられる展開を阻止できる上に、ゴリ押しの火力が高くルカリオの活躍しやすい場を整えられる。また、フェアリー弱点をルカリオで補完できる点も良好。
パルシェンは、積みエースとしてダイマックスを使っても使わなくても強いため、ルカリオにダイマックスを残す選択を取りやすく、結果的に立ち回り全体の選択肢が増えるため相性が良い。かくとう弱点が一貫するため要注意。
ミミッキュは、かげうちによる馬鹿にならない削り、ダイマックスを使わなくても強いという点で相性が良く、ルカリオが刺さる相手には剣舞ルカリオを起点作成から降臨させ、残りをミミッキュで狩るという展開も可能。
おわりに
以上、剣舞しんそく型ルカリオの論でした!
今まで第8世代ではしんそくより技範囲広めのバレットパンチエース派だったんですが、エースバーンのリベロが解禁されてから殆どのパーティのエースとして君臨しているため、バレットパンチでは止まらないケースも多くしんそく型を採用することが多くなりました。。。
剣舞しんそく+ステロでエースバーンをふいうちすら打たせずにしばけるのは面白いです^^b
このブームが少し落ち着いてきたら、また剣舞エース型も運用していきたいですね!