はじめに
今回初めて育成論を投稿させていただきます。至らぬ点が多々あるかと思いますが、ご了承ください。今回はキレイハナの型について考察していきたいと思います。環境トップのドラパルトミミッキュドリュウズを始めとして、様々なポケモンを対策・起点にすることができます。また、不利な対面でもひっくり返すようなポテンシャルを持っており、役割対象を狭めずに、従来の型では相手にできないポケモン(ミミッキュなど)でも相手できるようにしてありますので、ぜひ最後までご覧ください。
【注意点】
- 公式ではない略称(HABCDS)を用います。
- ダメージ計算にはポケマスを用いています。
- 質問、意見等があれば、気軽にコメントにお書きください。お待ちしております。
催眠について
- ねむりの基礎
ねむりとは、1から3ターンの間相手を行動不能にする状態異常であり、非常に強力な効果を持っています。しかし、相手をねむりにするためには、命中率の低い技を使わなければならず、唯一、高い命中率を誇るキノコのほうしが、剣盾環境ではマシェード系統以外使えないため、対戦では(あくびを除くと)あまり見かけません。
- 催眠の強み
しかし、今作では、相手をねむりにすると、相手のダイマックスターンを何もさせずに消費させることができます。ダイマックスは、HPも技威力も上がり、技の追加効果バフもかかるという強力な状態なので、これは非常に強力なポイントです(ミストフィールドやエレキフィールドをダイマックス技で貼れるようになったりと、弱体化の一面もありますが)。そこで、フォーカスレンズにより、ねむりごなの命中率を上げることを考えました。
持ち物
- フォーカスレンズについて
フォーカスレンズは、後攻の時に限り技の命中率が1.2倍になるという効果であり、これと眠りごなを組み合わせることにより、90%の確率で相手を眠らせることができます。これはじゃれつく、やどりぎのたねなどの技と同じ命中率であることからも、かなり高い数値であることがお分かりいただけると思います。これにより相手を高確率で行動不能にし、うまく相手のダイマックスターンを枯らせば、試合を非常に有利に進めることができます。
- フォーカスレンズの欠点
ただしフォーカスレンズを採用する欠点として、交換際に撃つことで、試合を有利に進める、という戦法のと相性が悪いということが挙げられます。相手が交換したターンは先行扱いになってしまうので命中率が上がらないのです。この欠点は大きいですが、タイマン性能が安定し、高くなることを考えると、採用する価値は十分にあります。
- 他の持ち物との比較
キレイハナはアタッカーとしての役割よりも、相手の攻撃をいなす耐久型ポケモンとしての役割が強いですので、まず、火力UPアイテム全般は向いていません。そして、残りのアイテムとして、たべのこしやゴツゴツメット、回復実、アッキやタラプの実などが考えられますが、前述したとおり、催眠の価値が非常に高いため、他のアイテムよりも、命中率が上がるフォーカスレンズの方が、採用価値が高いです。また、ちからをすいとるを覚える関係で、キレイハナは基本回復に困りません(相手が身代わり持ちや攻撃実数値が非常に低い場合は厳しい)。なので、回復アイテムは基本不要と考えております。ゴツゴツメットに関しては、ダイマックス技は非接触の関係で、発動する機会が少なく、環境に合っていない(ダイマックスと相性が悪い)ため、採用価値は薄いと思われます。また、能力上昇系のきのみにしてしまうと、後述する通り、ミミッキュを見れなくなってしまいます。環境に多いアタッカーなので、デメリットの方が目立ってしまいます。
採用理由
以上の説明から、命中率90%から放たれる催眠の恐ろしさを分かっていただけたと思います。
次に、キレイハナの採用理由についてお話ししたいと思います。
まず、メインの技であるねむりごなを覚えるポケモンは、最終形態に限ると
フシギバナ ラフレシア キレイハナ ロズレイド マシェード バタフリー ワタシラガ
がいます。
そして、後手で打つために低めの素早さ、一発耐えるために高めの耐久指数を兼ね備えている必要があります。その条件を満たすのは、
フシギバナ ラフレシア キレイハナ ワタシラガ
の四匹です(マシェードはキノコのほうしがあるので除外)。今回は、この中でも高めの耐久と、ちょうのまい、ちからをすいとるなどの優秀な変化技を覚えるキレイハナに注目しました。
技構成
キレイハナは大きく分けて二つの種類に分けることができます。ちょうのまいを積んで攻撃技で全抜きを狙う型と、やどりぎのたねやでじわじわ削る型の二つです。しかし、後者の方はねむりごなを採用する関係で、どくどくが使えないため、中途半端になりがちです。よって、基本は前者をお勧めします。
ねむりごな
この育成論の軸となる技。素の命中率は75%ですが、それでもキノコのほうしについで、2番に高い命中率を誇り、3/4は命中することを考えると、かなり高いように思えます。確定枠です。
ちょうのまい
CDSを一段階上昇させる壊れ技。他との差別化のためにもぜひ入れたい技の一つ。Sを上げるためアンチシナジーかと思われますが、ねむりごなで相手をいなしつつ、起点にできそうなら積みまくって全抜きも狙えます。ちょうのまいを積んで相手より早くなったら基本攻撃技しか使わないため、フォーカスレンズと相性が悪いという訳ではないです。耐久ポケモンの枠を超えて、かなり器用な立ち回りが可能となるのでオススメです。
ちからをすいとる
相手の攻撃を一段階下げつつ、実数値分回復するこれまた壊れ技。ぜひ入れておきたい。キレイハナは優秀な技をたくさん覚えます。確定ではないですが、多分どんな技構成にしても入ると思います。
ムーンフォース
タイプ不一致ですが、草タイプ技だと通りが悪く、環境に多いドラゴン、飛行などに半減されてしまいます。後にも書きますが、ドラパルトなどにも刺さるためかなりオススメ。Cダウンもおいしい。
やどりぎのたね
相手の最大HPの1/8を削り、その実数値分回復する技。入れるなら守るや身代わりが欲しいか。技スペースが足りなくなるので注意が必要。
身代わり
自分の最大HPの1/4を削る代わりに、その削った分のHPを持った、状態異常無効の身代わりを作ることができる技。催眠ターンに左右され辛い、安定した立ち回りが可能になるため、これもオススメです。他の技構成次第では、今までどくどくがあって対処出来なかったポケモン達にも、一矢報いることができます。ただし、これを採用すると、マシェードマシェードとの差別化が難しくなるため、注意が必要です。
努力値、性格
基本は自由に振って頂いて構いませんが、後述する通り、Bに補正をかけ、132振ることで、ドリュウズのアイアンヘッド+ダイスチルを共に最高乱数を引かなければ、確定耐えすることができます。ちょうのまいを採用する際は、Sは実数値が78を超えるようにしましょう。ちょうのまいを二回積むことで、最速ドリュウズを抜くことができるからです。
特性
ようりょくそで確定です。まず、いやしのこころが弱すぎます。シングルバトルでは使い物になりません。そして、今作になって、ようりょくそは相対的に強化されました。ダイバーンでも晴れるようになったので、晴れの恩恵をうける機会が増えたからです。キレイハナは炎タイプが弱点であるため、ダイバーンがよくとんできます。なのでキレイハナとの相性抜群の特性と言えます。また、ようりょくそじゃないと見れない相手もいますので、ぜひ、ようりょくそにしましょう。
立ち回り例
キレイハナは優秀な技を相手に押し付けていくポケモンです。そのため半減できない場合はあまり受け出しをオススメしません。耐久も、ドヒドイデやブラッキーなどと比べると、すごく優秀な訳ではないので、ダイマックスをされるとそのまま倒されてしまうこともあります。なので受けとしての役割で使いたいなら、パーティーのタイプバランスを意識するといいでしょう。対面性能はかなり高いので、死に出しで出すことで、初見殺し性能と合わさって、かなり場を荒らすことができます。
基本は初手ねむりごなでとりあえず眠らせます。先述した通り90%で眠るため安心して打つことができます。そのあとは相手によりますが
相手が物理の時は
- ちからをすいとるでHP確保
- ちょうのまいを積む
- 相手が起きたらまた眠らせる
をいい感じに積めるまで繰り返します。(ちからをすいとるのおかげで2回目以降はだいぶHPに余裕があります)。
相手が特殊の時は
- 相手の攻撃が高いなら、ちからをすいとるを撃ちます。回復が見込めない場合は、ちょうのまいを撃ちます。
- 起きたら再び眠らせる
を繰り返します。催眠ターンによりますが、特殊相手でも意外と回復するため、安定します。後続より速くなる最低限だけ積んで、相手を倒した後、出てきた相手からちからをすいとるでHPを回復する、という立ち回りができると、なお安定します。
想定される対面とダメージ計算
ここでは、メジャーなポケモンや注意すべきポケモンとの対面などの具体例から、キレイハナの耐久ラインや、立ち回りのコツをお伝えしたいと思います。
ドラパルトドラパルト
- A252振り補正なし
ゴーストダイブ
→60〜72(32.9〜39.5%)乱数3発
ダイホロウ(ゴーストダイブ)
→87〜103(47.8〜56.5%)乱数2発
そらをとぶ
→80〜96(43.9〜52.7%)乱数2発
ダイジェット(そらをとぶ)
→116〜138(63.7〜75.8%)確定2発
ドラゴンアロー
→68〜84(37.3〜46.1%)確定3発
- C 252振り補正なし
だいもんじ
→100〜118(54.9〜64.8%)確定2発
ダイバーン(だいもんじ)
→126〜150(69.2〜82.4%)確定2発
- 立ち回りのポイント
相手のキレイハナに対する立ち回りは
- ダイバーンで燃やしにくる
- だいもんじを撃ってくる
- ダイジェットで吹き飛ばしにくる
- ダイホロウで無理やり削る
- その他普通の技で削ってくる
が考えられます。100戦ぐらい使っているのですが、ドラパルトが多いこともあり、非常に起きやすい対面です。基本はムーンフォースでワンパンが狙えないため、ちょうのまいを積んでから突破したいです。
- ダイバーンを撃ってきた場合
晴れることにより素早さが2倍になるため、
眠らせる→ちょうのまい→ちからをすいとる(ドラパルトはAが120もあり、両刀が多いこともあり、ほぼ満タンまで回復する)→ダイマックスが枯れて、ムーンフォースでワンパン
という流れがほぼ確実に決まります。かなり安定するかつよく見る例です。
- だいもんじを撃ってきた場合
晴れないせいで、最速起きされると、立ち回り次第では、何も出来ずに死ぬ可能性があります(ただし、だいもんじを当てて、最速起きする確率は30%以下)。なのでさっさとムーンフォースを撃つのが安定します。Dに厚く振れば安心して見れるようになります。
- ダイジェットを撃ってきた場合
ちからをすいとる連打で枯らせます。ダイマターンが終われば、そらをとぶで飛んでいる間にちょうのまいを積むことで、起点にしつつ、突破することができます。
- ダイホロウを撃ってきた場合
クリアボディーだと倒されてしまいますが、ダイマターンは枯らせます。それ以外なら、基本の立ち回りで倒すことができます。
- その他の技を撃ってきた場合
かなしばりと身代わりを持ってると、ねむりごなを透かされ、ムーンフォースが打てずに詰みます。それ以外の型なら、安定して倒すことができます。。ドラパルト相手にする時全般に言えることですが、クリアボディーで、ちからをすいとるにより攻撃が下がらなくても、通常技で確定2発が取られていなければ、ねむりごなを打ち込む隙ができ、安定して倒すことができます。ただし、ドラゴンアローによる急所が怖いので、早めに討伐することを、常に意識するといいです。
ドラパルトは本当に型が多いので全てに対応するのは難しいですが、大半は安定してみることができます。
ミミッキュミミッキュ
- A252振り補正なしいのちのたま
ダイホロウ(シャドークロー)
→87〜103(47.8〜56.5%)乱数2発
じゃれつく
→66〜78(36.2〜42.8%)確定3発
ダイフェアリー
→95〜113(52.1〜62%)確定2発
- 立ち回りのポイント
これもよく見る対面かつ、ねむりごなを採用しないとみれない相手の一匹。通常の技構成だと、剣舞ダイフェアリーを耐えることができないため、相手することができないのですが、ねむりごなを採用するとそれが可能になるのです。
- 具体的な立ち回り
ミミッキュはキレイハナ対面では、ほぼ確実に初手剣舞をしてきます。相手目線からすると、裏に備えて攻撃を上げておきたいからです。(ちからをすいとるのみの採用だと、もう一度剣舞をされて突破されてしまうので、相手できません)。なのでねむりごなを撃ちます。そして次のターンにムーンフォースで皮を剥がします。ここで重要なのが次のターンで、相手はダイフェアリーで攻撃したいのですが、2/3の確率で寝てしまうため、それができずにじゃれつくを選択します。ここでこちらがちからをすいとるを選択することで、相手が起きた→確定で耐えてちからをすいとるで全回復→もう一度ねむりごなを選択、相手が寝てる→攻撃が一段階下がり、次ダイフェアリーが来ても確定で耐える。という流れを作ることができます。
催眠ターンが読めない、残りのHPが少ないことで、相手にダイマックスを切らせないこの型ならではの戦い方です。
- 立ち回りの注意
相手が挑発、呪い、身代わりを持っていると厳しいです。なので、初手の起点作りの型のミミッキュには、あまりオススメしません。
ドリュウズドリュウズ
- A252振り補正なし
アイアンヘッド
→58〜70(31.8〜48.4%)乱数3発
ダイスチル(アイアンヘッド)
→94〜112(51.6〜61.5%)確定2発
ダイアース(じしん)
→47〜56(25.8〜30.7%)確定4発
- A 252補正あり
アイアンヘッド
→64〜76(35.1〜41.7%)確定3発
ダイスチル(アイアンヘッド)
→103〜127(56.5〜67.5%)確定2発
- 立ち回りのポイント
キレイハナは、ようきドリュウズのアイアンヘッド+ダイスチルを共に最高乱数の場合を除き、確定で耐えることができます。つまり、後出しからドリュウズを倒すことができます。しかし、注意すべき点がいくつかあります。
- 立ち回りの注意
まず、ツノドリルとアイアンヘッドによる怯みに注意する必要があります。アイアンヘッドに対してキレイハナを投げた際、相手はダイマックスをするか、アイアンヘッドで突っ込んでくるかの2択をせまられます。大抵の人は前者をしてくるのですが、すでにダイマックスをしていた、或いは怯みを狙って後者の選択をしてくる可能性があります。その際に怯みんでしまうと、乱数3発を取られているため、負けてしまう確率が高いです。ただ、一度でもちからをすいとるを撃てれば、アイアンヘッド怯みで負けることはほぼありません。ツノドリルはちからをすいとるでダメージが見込めないと分かった3〜4ターン目に撃ってきます。当たると即死してしまうので、ちょうのまいを2回積んだら、すぐにダイマックスをすることをお勧めします。相手はキレイハナのダイマックスを高確率で警戒しないので、一撃必殺技を無効化することで、無傷で突破できます。
もう一つ警戒すべき点はすなかきドリュウズです。厳密に言うと、すなかきドリュウズに多いA特化した個体です。この場合、ダイスチルからのアイアンヘッドを確定では耐えることができないため、運が絡んでしまいます。ただし、バンギラスやカバルドン始動の砂パであれば、初手にキレイハナを投げることで有利をとることができます。キレイハナは砂パに基本強いです。
ヒヒダルマ(ガラル)ガラルヒヒダルマ
- A 252振り補正あり攻撃1ランクダウン
つららおとし
→140〜168(79.6〜92.3%)確定2発
フレアドライブ
→132〜156(72.5〜85.7%)確定2発
- 立ち回りのポイント
交換際にちからをすいとるを打ち込めれば一発は耐えることができます。なので、外すまで待ったり、フレアドライブの自傷を稼ぐことで倒すことができます。しかし、相手も途中でそれに気づき引いてくるので、タイミング次第にはなってしまいます(出てきたポケモンの相手をしつつ、ダルマにちからをすいとるかねむりごなを当てる必要がある)。
- ダメージ計算は順次追加していきます。要望があればぜひ気軽にコメントしてみてください。
相性の良いポケモン
弱点があまり被らなければ、基本誰とでも組ますことができます。その中で特に相性の良いポケモンを紹介したいと思います。
- ミミッキュミミッキュ
ドリュウズに弱いミミッキュとキレイハナの相性は抜群です。弱点も被っておらず、キレイハナで相手のダイマックスを枯らせれば、最後の抜きエースとして非常に優秀です。
- サニーゴ(ガラル)サニーゴ
キレイハナの弱いエースバーンやガラルヒヒダルマなどに強く出れます。
- 別にこのキレイハナを使ったパーティー構築の紹介を行っております。レンタルチームも公開しておりますので、合わせてご確認ください。パーティ構築/1
- 相性の良いポケモンは順次追加していきます。要望があればぜひ気軽にコメントしてみてください。
有利・不利対面
- 有利対面
ドラパルトミミッキュドリュウズナットレイサザンドラバンギラスブラッキーウォッシュロトムカットロトムウオノラゴンギルガルド(シールド)など
- 不利対面
トゲキッスリザードンパッチラゴンホルードドヒドイデアーマーガアエースバーンヒヒダルマ(ガラル)ヒートロトムラプラスなど
ダイジェットを覚えるかつ火力上昇アイテムを持っていると厳しい(いのちのたまパッチラゴン、いのちのたまホルードなど)
終わりに
いかがだったでしょうか。勝ち筋が残りやすいキャラで一発逆転で勝つ機会も多いです。常に何ターン眠りなら勝てて、何ターン眠りなら負けるかを意識し、勝ち筋を狙いましょう。最速起きを考慮しない立ち回りをする必要も出てくるでしょう。催眠ターンによっては不利な相手を押し切るポテンシャルを持っているので、是非パーティーに採用してはいかがでしょうか?
追記
- 6/03:ドリュウズとの対面情報を追加しました。
- 6/04:努力値調整とそれに伴うダメージ計算の変更を行いました。
- 6/05:技構成の欄に、身代わりを追加しました。
- 6/06:ドラパルトのドラゴンアローのダメージ計算が誤っていたため、修正しました。また、それに伴う一部文章の改変を行いました。
- 6/10:相性の良いポケモンの欄に、キレイハナを使った構築を記載しました。