はじめに
万人に読みやすいよう、なるべく非公式用語は避けていますが、逆にユーザー内で一般化している用語は使用しないと読みづらいと思うのである程度はご容赦ください。
メガシンカを没収され、高火力を失い、明らかに環境から数を減らした波動の勇者ルカリオ。
現在、ランクマッチで人気の型はタスキカウンター型、スカーフ型。
今回はその次くらいに人気のある第四世代より存在する歴史あるルカリオ伝統の剣舞エース型の剣盾仕様。
今世代のルカリオの攻撃範囲の強み、抜き性能の高さをお伝えできたら嬉しいです!
これより論文調で。
採用理由・差別化
長文になるため、初心者ユーザー、要点だけをお求めの方は、本項の最後に要点のみ記載したため飛ばし読み可。
はがね・かくとうのタイプ一致範囲は優秀で、ミミッキュ
ヒヒダルマ(ガラル)
カビゴン
ニンフィア
ガオガエン
トゲキッス
ドリュウズ
ナットレイ
ラプラス
ホルード
ピクシー
サザンドラランクマッチ上位で活躍している中でも、これだけのポケモンの弱点をつくことができる。
はがね・かくとうタイプは、ルカリオ
コバルオン
ザマゼンタの三体。現状ランクマッチで使用できるのは
ルカリオのみである。
ただし、かくとう+はがねの攻撃範囲に限ると、より高ステータスのギルガルドが存在する。
ギルガルドもつるぎのまいを扱えるが、すばやさが低く抜き性能は
ルカリオほど高くなく、とくせいバトルスイッチの存在からダイマックスとの相性は良くない。
ギルガルドとの差別化という点でも
ルカリオはすばやさ・ダイマックスを十二分に活用していきたい。
他のルカリオとの比較
スカーフ型、特殊型、両刀型、タスキカウンター型など型の多さもルカリオの強みである。
スカーフ・タスキのような対面性能はなくなるものの、起点作成からの抜き性能はそれらの追従を許さず、特にはがねタイプの耐性も相まってアーマーガア
ナットレイ
ドヒドイデといった耐久ポケモンを起点にし、突破することに長けている。そのため、つるぎのまい型を採用するにあたって最も差別化が必要であるのはわるだくみ採用の特殊型である。
特殊型にも、きあいだま、はどうだん、ラスターカノン、てっていこうせん、あくのはどう、サイコキネシス、しんくうはなど、優秀な攻撃技が揃い、わるだくみ後の爆発力は非常に高い。また、そもそもルカリオは『こうげき<とくこう』のポケモンであり、微々たる差だが火力も高い。おにびで止まらない、環境的に物理受けが多いといったメリットもある。
物理型の優れている点は、ダイマックス技との相性の良さである。特に、かくとう技のダイナックルは、特殊技でも威力が下がりこうげきを上げる効果になるため、非常に噛み合わせが悪い。
また、技範囲にも若干の優位性があり、かみなりパンチ(ダイサンダー)は、ギャラドス
リザードン
トゲキッスを筆頭としたダイジェット環境に突き刺さり、エレキフィールドによってあくびによるエースストッパーを許さないため優秀である。
長々と書いたが、つるぎのまいルカリオを運用していく上で必ず全て理解しておくべき点である。
最低限抑えておいていただきたい点は、
『すばやさ90でギルガルドよりエース性能が高い』
『ダイマックスとの相性がギルガルド特殊型
ルカリオより良い』
『かみなりパンチ(ダイサンダー)が優秀』
という三点である。
もちもの
つるぎのまいを使うとはいえ、ルカリオはこうげきが110とエース運用には少し物足りないため、火力アップアイテムが欲しい。
たつじんのおび(推奨)
採用理由の項でも述べたが、ルカリオは技範囲が広く、抜群を取りやすいポケモンであり、ノーリスクで1.2倍になる場合が多い。確定数の変わる仮想敵も多数存在する。
<代表例>
物理特化ドヒドイデを剣舞ダイサンダー130で乱数1発→確定1発
ダイマックストゲキッスを剣舞ダイスチル90で乱数1発→確定1発
ダイマックスギャラドスをダイサンダー130で乱数1発→確定1発
いのちのたま
元より低耐久で先制技で止められやすくなるためデメリットは痛いが、『かくとう・はがね・でんき』で抜群を取れない相手ドラパルト
パッチラゴン
ウオノラゴンなど各種ドラゴン、
ウォッシュロトム
ヒートロトム
カットロトム
ストリンダーなどでんき、
カバルドン
バンバドロ
アイアントあたりを意識するのであれば十分候補になる。
珠ダメージ最小10n-1は、HP28振(実数値149)
最速ドリュウズ抜き確保する際はこうげきが2下がるが、いのちのたまの効果を考慮したら妥協圏内。
きあいのタスキ
積みエース御用達。起点作成に失敗した際や、対面性能向上に繋がる。ダイマックスで一撃耐える耐久を手にし、ダイナックルで積みながら攻撃できるため、そこまで剣舞型との相性は良くない。
ラムのみ
おにび・でんじは・あくびなど、エースの定番。あくびはダイサンダーで無効化できるが、その他状態異常には有効。ドヒドイデ
ブルンゲル
シャワーズ
ミロカロスあたりのねっとうを気にせず対面でつるぎのまいを使える。また、おにび、でんじはなどストッパー型
ミミッキュをばけのかわ破壊→バレットパンチで処理できる。
ステータス
ようきな性格
レベル50実数値 : 145-162-91-×-90-156
基礎ポイント(0-252-4-0-0-252)
すばやさ90は、すぐ下にドリュウズが存在するため、最速推奨。
前述の通り火力も結構ギリギリな上、インファイトで自身の耐久を下げることもままあるため、下手に耐久調整するよりは火力特化が効率が良い。
ようきな性格
レベル50実数値 : 149-160-90-×-90-155
基礎ポイント(28-236-0-0-0-244)
最速ドリュウズ抜きまで落とし、珠ダメージ最小調整。こうげきの低下は前述の通り妥協圏内。
あまり多くはないが、ルカリオミラーに確実に負ける。
特性せいしんりょく推奨
いかく無効により増えてきているいかくギャラドスで止められない。
耐久ライン
HP:145-ぼうぎょ:91-とくぼう:90
※実数値n ポケモン名 所持アイテム ワザ名 の順で表記
物理方面
172ドラパルトのゴーストダイブ(確定2発66.2-78.6%)
172ドラパルトのダイホロウ(乱数1発95.8-113.7%)
142ミミッキュの珠じゃれつく(確定2発71.0-84.1%)
142ミミッキュの珠ダイフェアリー(確定1発103.4-122.0%)
142ミミッキュの珠かげうち(乱数3発32.4-38.6%)
114ナットレイのジャイロボール(確定3発36.5-43.4%)
172アーマーガアのボディプレス(確定2発78.6-93.7%)
162カビゴンのばかぢから(確定1発110-131%)
特殊方面
105ドヒドイデのねっとう(確定3発37.2-44.1%)
172ウォッシュロトムのボルトチェンジ(確定2発52.4-62.0%)
172ウォッシュロトムのハイドロポンプ(確定2発81.3-97.2%)
172トゲキッスのだいもんじ(確定1発108.9-129.6%)
耐久はかなり心許ないため、起点作りが重要である。
耐久ポケモンの攻撃程度なら抜群でもしっかり耐えてくれるため、対面からでも起点にできる。
また、ダイマックスすれば単純計算で2倍のラインとなるため、つるぎのまいを諦め、ダイナックル・ダイスチルを積みながら対面勝てるポケモンも結構存在する。
技構成
本論のルカリオの長所は攻撃範囲であるため、みがわりなどの採用は避けたい。
基本は、『かくとう技・はがね技・つるぎのまい・サブウェポン』の4つで構成。
サブは特殊型と差別化できる技が望ましい。
ダメージ計算は全てたつじんのおび前提
ダイマックスは相手の耐久を×2。
(例: 確定1発110.5-137.2→確定2発63.9-76.0%)
剣の舞は自分の火力を×2。
(例: 確定2発→剣舞時確定1発)
インファイト 確定
高威力・命中安定。
元々耐久が低いためデメリットにより本来なら耐えた攻撃で落ちるというケースもあるため、HPが多く残っている場合はよく考えて打つ必要がある。
とびひざげりでも物理特化カビゴンは確定2発。まもる、ダイウォール、ゴースト交代、命中不安など威力10上げるためのリスクが多すぎるため、余計な負け筋を作りたくない人はインファイト推奨。
ダイナックル運用では威力95まで落ちる。『剣舞積みインファイトでないとキョダイラプラスが倒せない』『ダイナックルでデメリットを踏み倒せば
カビゴンに打ち勝てる』など、良いように言えば多様な扱い方ができるが、悪く言えばかなり慣れが必要。
PP5なのでポイントアップ忘れずに。
207-130バンギラス→確定1発(194.6-231.7%)
237-100ラプラス→確定1発(110.5-131.7%)
157-127ウォッシュロトム→確定2発(55.4-65.6%)
205-172アーマーガア→乱数3発(31.2-37.0%)
267-128カビゴン→確定2発(76.4-91.7%)
ダイナックル運用
157-127ウォッシュロトム→乱数2発(43.9-52.2%)
237-100ラプラス→乱数1発(88.1-104.7%)
267-128カビゴン→確定2発(60.2-72.6%)
バレットパンチ 優先度高
先制技。ダイスチル運用で威力90。ルカリオすばやさ90なので、バレットパンチかしんそくは採用しないと剣舞後の抜き性能が大きく下がる。
威力は少し物足りないが、積極的に撃ちたいフェアリーのぼうぎょが低めであることも幸いし、はがね技の火力が足りないという場面は少ない。
ダイマックスすると先制技でなくなるので注意。
185-75ヒヒダルマ(ガラル)→確定2発(67.7-80.0%)
163-95ドラパルト→乱数4発(24.5-29.4%)
※剣舞時高乱数2発(47.8-57.2%)
131-100ミミッキュ→確定2発(67.9-82.4)
161-115トゲキッス→乱数2発(49.0-58.3%)
ダイスチル運用
163-95ドラパルト→確定2発(53.3-63.1%)
131-100ミミッキュ→確定1発(154.1-181.6%)
161-115トゲキッス→確定1発(107.4-126.7%)
コメットパンチ 優先度低
威力90。ダイスチルで130。
採用するならしんそくとセット。
メリットは、起点作成に失敗し、つるぎのまいを使えなかった際にそこそこ通していける点。それでもバレットパンチ(ダイスチル90)のほうが打ち分け出来、何かと便利。
トゲキッスをダイマックスせずに倒せるように見えるが、
トゲキッスが
ルカリオと対面しダイマックスを切らないことは非常に稀。また、ダイマックス権ない状態まで温存される
トゲキッスはスカーフ率が高いため危険。
ドラパルト
ミミッキュに先制技が打てなくなるデメリットの方が痛い。
いのちのたまならドラパルトをダイスチルで押し切れ、剣舞しんそくで
ヒヒダルマ(ガラル)を確定1発で倒せるため有りか。最早ほぼ別の型になるため、珠しんそく型については本論ではここまで。
163-95ドラパルト→確定2発(53.3-63.1%)
161-115トゲキッス→確定1発(107.4-126.7%)
ダイスチル運用
163-95ドラパルト→確定2発(77.3-90.0%)
161-115トゲキッス→確定1発(154.3-184.3%)
つるぎのまい 確定
この方のコンセプト。こうげき2倍。
ダイマックス時はダイウォールとなる。ルカリオはダイウォールがかなり重要なポケモンである(後述)
かみなりパンチ 優先度高
サブウェポン筆頭候補。ギャラドス
ドヒドイデ
アーマーガアなどに刺さり、前述のダイサンダーとしての対あくび性能も有能。
たつじんのおびの場合、
『抜群かみなりパンチ>等倍インファイト』。
エレキフィールドによる強化も忘れずに活用したい。
171-99ギャラドス→確定1発(132.1-157.3%)
207-172アーマーガア→乱数3発(32.6-35.8%)
157-224ドヒドイデ→乱数3発(31.8-38.2%)
ダイサンダー運用
207-172アーマーガア→確定2発(53.6-64.3%)
157-224ドヒドイデ→確定2発(54.7-65.6%)
シャドークロードラパルト
ギルガルドに刺さる。
ダイホロウとしての追加効果も優秀。
かみなりパンチを外すこととなり、確実に止められやすくはなると思われるため、対ゴーストはパーティ単位での対策を推奨。
163-95ドラパルト→確定2発(66.2-79.7%)
167-160ギルガルド(シールド)→確定3発(40.1-47.3%)
ダイホロウ運用
163-95ドラパルト→確定1発(114.7-135.5%)
167-160ギルガルド(シールド)→確定2発(65.8-79.0%)
他に「じしん」「ブレイズキック」「ストーンエッジ」「しねんのずつき」「れいとうパンチ」など優秀なサブウェポンはあるが、現環境では「かみなりパンチ」「シャドークロー」を差し置いて採用する有用性はルカリオ単体で考えるとない。
どうしてもパーティでじめん技がほしい!という場合のみ例外的に採用すると良い。
運用
基本は後発から死に出しさせ、剣舞エース運用が強い
エース運用する際に気をつけるべき点は
『ルカリオより早いポケモン・きあいのタスキ・
ルカリオから有効打がない相手・
ミミッキュ』
以上4点。
選出画面の時点である程度スカーフ・タスキは誰が持っているか目付けしておきたい。特に、ウオノラゴンはダイマックス
ルカリオを中乱数で倒される。
ルカリオより早く、ダイマックス
ルカリオを一撃で倒せるポケモンは、環境上位だと
リザードン
エースバーンなど。剣舞ダイマックスでも全抜きを阻止されるため、予めまひにしておく、ステルスロックや剣舞バレットで削りを入れて最低限後続が倒せる圏内に入れるなど一工夫必要である。
有効打がない相手は、環境に多いのはストリンダー、
ギルガルドなど。また、
ドラパルト
ウォッシュロトム
ヒートロトム
パッチラゴンなどには抜群を取れず、ダイマックスされると剣舞後の攻撃を耐えて押し切られるため要注意。
また、論内のダメージ計算を見れば分かる通り、珠ミミッキュを死に出されると止められる。
1回ダイスチルでぼうぎょを上げればミミッキュが出てきてからばけのかわ破壊→ダイスチルなどで間に合うので意識しておきたい。
実際運用していく際、ダイマックスのタイミングが他のエース以上に大切になる。
先制技のバレットパンチ、最大打点となるインファイトが使えなくなるため、時に「ダイウォール」で自らダイマックスを枯らさなければ勝てない場面がある。
例を挙げると、死に出しされるヒヒダルマ(ガラル)のばかぢからでダイマックス
ルカリオを倒されるが、ダイウォール→バレットパンチとすれば逆に処理可能。
逆も然りで、ドリュウズ対面など、のんきにつるぎのまいをせずにダイナックルで積みながら突破すべき場面も当然ある。
また、剣舞時にインファイトなら倒せるが、ダイナックルだと倒せないラプラス
カビゴンなども存在しているため、ダイマックス終了時の展開まで(誰が
ルカリオを止めに来るか)予測して使用していく必要がある。
構築
選出は、起点作成要員・ルカリオ・相手のエースへの切り返し枠で組むことが望ましい。
オススメの味方
カバルドンは、第四世代からの歴戦の相棒であり、現環境でも相性は良い。苦手な
リザードン
エースバーンに利くステルスロックやすなあらしで弱点となるきあいのタスキをケアでき、あくびループによる削りは勿論、散り際にがんせきふうじを打ち
ルカリオとの素早さ関係を逆転させられる。
オーロンゲは、
ルカリオで抜群が取れずダイマックスで切り返されやすいドラゴンとの相性が良く、特性いたずらごころによりほぼ確実に壁貼りやでんじは展開が行える。
リザードン
ドラパルトやスカーフ枠にでんじはを入れ
ルカリオで先制できるようにする動きが強い。また、展開後残しておけば
ルカリオ剣舞バレット+
オーロンゲふいうちで詰められるなど二度美味しいことも。
ミミッキュは、
ルカリオを止めにくるドラゴン、
ミミッキュに勝てるため最も安定した選択肢。
トゲキッスや
ギャラドスを先に展開されてしまってもなんとか切り返せる。また、でんじはを覚えさせれば順番を入れ替えて起点作成も。強い。
ドラパルト
エースバーン
ドリュウズ
パルシェンなど「タスキ枠」とされるポケモン
きあいのタスキで相手のエースに切り返せるポケモン。ルカリオでパーティを半壊させた後のトドメとなる火力・すばやさのあるポケモンが望ましい。
おわりに
以上、ルカリオの育成論でした!
インファイトのデメリットを踏み倒したり、先制技を高威力の一致技に変えたりダイマックスとの相性は現環境でもかなりいいと思います。
少し扱いは慣れが必要ですが、エースルカリオが減っている環境なので想定外のつるぎのまいで一泡吹かせてやりましょう!