はじめに(そして諸注意)
- はじめましての方ははじめまして。
そうでない方もはじめまして。今作初投稿なります、高松です - この論に出てくるポケモンは全て理想個体を想定しています
- ダメージ計算はトレーナー天国様のものを使用させていただきました
- 一般的であり、軽く調べればわかる程度の漢字表記、略語等を使用します
- その他不備や質問等ございましたら、コメントの方でお願いします
採用理由
採用理由:受けループに入れる物理受けとして
- 導入1:受けループとは?
採用理由を解説する前に、このポケモンの採用先である受けループについて軽く説明します。
受けループとは、積み技・回復技を駆使することで受け出しからでも相手から突破されないポケモンを多く(大体4匹以上)採用し、受け出しから相手を消耗させて勝利することを目指す構築のことです。
現在ランクマッチで暴れているアーマーガアドオーの組み合わせをイメージしていただけるとわかりやすいでしょうか。物理アタッカーにはアーマーガア、特殊アタッカーにはドオーを後出し。アーマーガアドオーの組み合わせはラス1を高速アタッカーにすることが多いですが、受けループはこれをより受けに特化させたような構築になります。
受けを中心にしたサイクルの強みは、不利対面の時に裏に引くことが容易であるため、変な読みを少なくして安定択を選び続けて勝てることです。その中でも受けループは受けに特化させることで、クッション2, 3匹+アタッカー3, 4匹のような構築と比べて、どんな相手でも安定して長くサイクルを回せることが強みになります。
- 導入2:受けループによく採用されるポケモン
受けループを組む場合、どんな相手にも受けサイクルを回せる構築を目指します。
当然、眼鏡や鉢巻きを持った超火力アタッカーや、受け出し時に積み技を積むことでこちらの突破を計ってくるアタッカー、身代わりやトリックなどを駆使してこちらをハメにくるポケモン相手にも受け回しをする必要があります。相手もこちらの受けループを突破するためにそういったポケモンを採用・選出してくるので、数値や耐性、アイテムを工夫して相手のメタを潰す必要があります。
以下が受けループによく採用されているポケモンとその採用理由です。受け駒は耐久数値が高いのは前提として、崩しを狙っている相手に対して一芸ができるポケモンが採用されています。
・ハピナスラッキークレベース
→耐久数値お化け。拘りアタッカーや中火力で積んでくる相手を汎用的に受ける駒として。
・モロバレルタルップル
→受けサイクルを崩そうとするボルトチェンジへのメタとして。
・アーマーガア
→耐性が本体。高火力アタッカーが多い地面やドラゴンタイプを安定して受ける駒として。
・ヘイラッシャラウドボーンアチゲータドオー
→特性天然により積み技無効。積み技で突破を狙う相手を受ける駒として。
・サーフゴードラパルト
→嵌めポケモンに対するメタ、削った後のフィニッシャーとして
- 導入3:受けループ対策によく採用されるポケモン
受けループを考慮せずに構築を組むと詰んでしまうため、構築段階で受けループへの回答を用意している人も多いです。
対策方法は大きく分けて2つで、"相手に自由に行動させずに広く削って突破する"か"超火力でゴリ押す"かになります。
以下が受けループ対策によく採用されているポケモンとその採用理由です。
・ロトムサーフゴーマスカーニャ
→拘りアイテムをトリックすることで行動を縛る。ロトムはボルトチェンジで有利にサイクルを回せるのも強み。
・ウルガモスラウドボーンオノノクスドドゲザン
→受け出しが成立しない超火力を出し、物理受けを物理技で、特殊受けを特殊技で突破する。
・ドラパルトボーマンダ
→両刀で採用することで数値受けを成立させない。
・コノヨザルウェーニバルカイリューサザンドラ
→挑発やアンコールで行動を縛り、積み技や身代わりを合わせて突破する。
・ヘイラッシャキョジオーンユキノオーオノノクス
→一撃技当てれば勝ちっしょ!w
以上が受けループの詳細になりますが、受けループ側としては受けループ対策によく採用されるポケモンに対してのメタを用意する必要があります。
導入が長くなりましたが、今回の育成論は受けとして最低限の数値を持ちながら、対策の一つである挑発に抵抗できるヤドランの紹介になります。
- 採用理由1:最低限の物理耐久、積み技、回復技
確定欄の振り方でHB特化した場合、陽気ガブリアスの剣舞にギリギリ後出しできるか怪しい程度の数値になります。
ぶっちゃけ汎用物理受けとしては数値が足りていません。ほぼ同じ物理耐久指数のラウドボーンは天然が、アーマーガアは優秀な耐性があるので採用されていますが、どちらも無いヤドランが受けれる高火力物理アタッカーは雨の無い鉢巻きイルカマン(マイティ)や竜舞カイリューセグレイブ、テラスタル込みで上記の剣舞ガブリアス、物理ドラパルトくらいです。
それでも最低限の耐久に加えて鉄壁+怠けるがあるので、物理受けを2匹選出した際の詰め筋として使えます。
- 採用理由2:特性鈍感で挑発が無効
一番の採用理由です。対挑発を考えないならシンプルにラウドボーンアーマーガアクレベースの劣化ですが、これらのポケモンが対応できない挑発使いを見ることができます。
特に挑発+積み技に加えて、天然にも強いコノヨザルは受けループを組むにあたって課題になりやすいです。威力50のままの+6憤怒の拳をヘドロ再生力でギリギリ受けられるドヒドイデ+天然でビルドを無視するラウドボーンでPPと時間を枯らしたり、サーフゴーなどで拘りトリックで縛るのが今の主な対処法ですが、前者は2匹で見るため選出がより窮屈になり、後者はトリックを透かされたら終わりです。単体性能は少し落ちますが、一匹で、受け出しで対処きるのがヤドランの特徴です。
尚、同じく挑発無効の特性にアロマベールがありますが、鈍感・アロマベールポケモン全ての中で、物理耐久とコノヨザルに対する遂行速度、回復技の全てが揃っているのがヤドランになります。
※オマケ:ヤドランの再生力について
引くだけで体力が回復する再生力は受けループにおいてかなりの強特性ですが、そもそも多くの相手に受け出しがギリギリ怪しいヤドランは再生力を発動する前提に立っていません。優秀な削り手段に乏しく、受け出してから交代するまでの1ターンでかけられる圧力が低いため、胞子を使えるモロバレルや毒を使えるドヒドイデと比べても大きく劣ってしまうため、現在のプールで再生力ヤドランを受け駒として採用するのは強くありません。
- 採用理由まとめ:受けループの物理受け・挑発対策・終盤の詰め筋。
型
- 特性 :鈍感
- 持ち物:ゴツゴツメット or たべのこし or おんみつマント
- 性格 :ずぶとい(B↑A↓)
- 努力値:[H244][A - ][B252][C 4][D 4][S 4]
- 実数値:[H201][A - ][B178][C121][D101][S 51]
- テラスタイプ:フェアリー、飛行
努力値はHB特化。特に調整先も無く、テラスタルをしない場合に憤怒の拳が抜群のため削る意味が無いです。
HPは確定欄では奇数にするために244振りにしていますが、252振りでも大差は無いです。
- 持ち物について
確定欄はゴツゴツメット。ヤドランは技で相手を削るほど数値に余裕はなく、相手を削るには時間がかかるポケモンなので、コノヨザルやイルカマン(マイティ)に後出しするだけで削れるのが強みです。
他の候補としては食べ残しと隠密マントがありますが、どちらも受けループとしては競合が多く貴重なアイテムです。役割対象を考えてもヤドランに食べ残しや隠密マントを持たせる優先度は下がります。
食べ残しは足りない数値の補助(陽気ガブリアスの剣舞に後出しして地震を耐えながら鉄壁が間に合うようになります。残飯無しでも97%耐えますが)に、隠密マントは役割対象にキョジオーンを入れることができるようになります。
- テラスタルについて
確定欄はフェアリー。フェアリータイプの受けポケが存在せず、対受けルはドラゴンが幅を利かせています。物理受けとして単純に腐りづらいです。
他で候補になりえるのは地割れを透かせる飛行くらいで、それもガブリアスの剣舞逆鱗で破壊されるようになってしまうので、最低限の汎用物理受け性能を考えるなら現状はフェアリー一択になります。
技構成
- 確定技
- 準確定技
- 選択技
確定技、準確定技で4枠埋まっていますが、立ち回りや構築の都合上ピンポイントでの採用も視野に入る技です。基本的に鉄壁か怠けるしか打つ余裕が無いため、それらを打たずに1ターンでなるべくアドを稼げる技のみが候補になります。
- 火炎放射:後出ししてくるサーフゴーへの最大打点。
- テラバースト:逆鱗で固定されてたり、竜技で拘ったドラゴン相手にテラスタルで透かしながら大きく削りを入れる技。
他に欠伸や瞑想、電磁波など有用な変化技もありますが、鉄壁怠けるが必須で1ウェポンは単体性能が下がりすぎてしまうので候補外です。
やるとしたら鉄壁、怠ける、瞑想、放射のような構成になりますが、再生技のPPが減ってしまった今作でやるのは少し厳しいです。
ダメージ計算
☆与ダメ
- ボディプレス
B4ガブリアス:25.7〜30.6%(鉄壁3回で確1)
B4サザンドラ:58.7〜69.5%(鉄壁1回で確1、テラスタルで悪波流星を透かしながら役割破壊も可能)
- アシストパワー(鉄壁3回、威力140の場合)
H188D68コノヨザル:77.5%〜91.8%
HD特化コノヨザル:56.2%〜67.2%
H244D4ウェーニバル:104.7%〜123.5%
D4ドラパルト:61.3〜72.4%
- 火炎放射
H244サーフゴー:39.3%〜46.6%
- テラバースト(フェアリー)
B4ガブリアス:37.2〜44.8%
B4サザンドラ:81.4〜95.8%
D4ドラパルト:47.9〜56.4%(乱数2発79.30%)
☆被ダメ
Aぶっぱガブリアスの地震:28.8%〜34.3%(剣舞に後出し→地震→鉄壁→地震と動いて致死率3%)
Aぶっぱ鉢巻きドラパルトのドラアロ:20.9〜24.4%
A4振りコノヨザルの憤怒の拳(威力50):21.8%〜26.8%
A4振りコノヨザルの憤怒の拳(こちらテラスタルで等倍、威力150の場合):32.8%〜38.8%(乱数3発98.6%)
※憤怒の拳は目安です。サイクル中触ってしまっても威力150までならテラスタル込みで受け出しができます。
特化眼鏡サザンドラの悪波(こちらテラスタルで半減の場合):31.3%〜37.3%(乱数3発84.9%)
Aぶっぱマスカーニャのトリフラ(こちらテラスタルで等倍の場合):28.3%〜33.3%
A特化鉢巻きカイリューのテラス神速:38.8%〜45.7%
A特化セグレイブのテラス地震:34.3%〜40.7%(鉢巻きだと受からず、竜舞なら受け出し可能)
A特化鉢巻きイルカマン(マイティ)のテラスウェブタク: 44.2%〜52.2%(乱数2発14.8%、受けきれてませんが最初からテラスタル+14.8%を引かれなければ反動とゴツメでなんとかなります)
終わりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
回復技のPPが削られたり、テラスタルの火力増強が向かい風な受けループですが、受けループ側も期待の新ポケやテラスタルでの耐性変更でまだまだ戦えるポテンシャルがあります。安定した受け出しから詰めていく時、構築段階でカッチリ対策が嵌る時など、受けルでしか味わえない楽しさもあります。是非皆さんも一度受けルを組んでみてはいかがでしょうか。