※本論は予告なく削除する場合があります。
※ポケモン対戦において一般的に用いられる非公式の略語を使用します。
※ダメージ計算におけるダメージ量はパーセンテージにて表記しています。
※ダメージ計算におけるポケモンのステータスは実数値にて表記しています。
Hoya(ホヤ)と申します。
ランクバトルS1にて愛用していたパーモットを紹介致します。
パーモットについて
本作にて初登場した複合タイプ、電気・格闘タイプのポケモンです。瀕死のポケモンを蘇生させるという、今までの対戦の常識をひっくり返す新技「さいきのいのり」を習得する数少ないポケモンのうちの1匹です(もう1匹はベラカス)。この点が非常に印象的ですが、種族値配分自体も速攻型の物理アタッカーとして無駄がなく、攻撃範囲も非常に広いうえに、高火力のタイプ一致物理技や先制技も習得することからアタッカーとしての適性も高いです。電気、格闘の攻撃範囲はランクバトルS1のポケモンプールに通りが良く、パラドックス・準伝説解禁後の環境においても一定の活躍を見込めると考えます。
対面構築について
ポケモン対戦の代表的な戦術の一つです。簡潔に言うと「1対1の戦いに勝ちやすいポケモンを3体選出して、対峙した相手を1体ずつ倒していく」というものです。この「1対1の戦いに勝ちやすいポケモン」は、対戦界隈では「対面性能の高いポケモン」と呼ばれ、例えば素早さが高くて先攻をとりやすく、ドラゴンアローで相手の身代わり、頑丈、襷にも強いドラパルト、特性の効果で行動が保証されているミミッキュやカイリューなどは対面性能の高いポケモンと言うことができます。1対1の戦いに勝つために、命の玉で火力を補強したり、気合いの襷で行動保証を得たりします。
採用理由と役割
- 「蘇生」というオプションを切れる対面構築の物理アタッカー
前述の通り、パーモットは速攻型の物理アタッカーとして無駄のない種族値をしています。素早さ種族値は105と、環境の高速アタッカーであるガブリアスウルガモスサザンドラなどよりさらに早く行動できるほか、タイプ一致の高火力技である電光双撃とインファイトで上から高火力を押し付けることができます。仕留め損ねた相手に対してはタマゴ技のマッハパンチもあり、サブウェポンも豊富なので、対面構築のアタッカー枠として高い適正があります。
この点だけなら他にも似たような動きのできるポケモンはいますが、パーモットの最大の個性は再起の祈りを使えることです。「対面した相手を1体以上倒す」ことがコンセプトの対面構築において、倒れた仲間を復活させることで実質的に「4対3」のバトルとなり、うまく活用すれば純粋に頭数と手数を増やすことに繋がります。
よって、パーモットは「オプションとして蘇生という選択肢をとれる物理アタッカー」として、対面構築の戦術に幅を持たせられるポケモンと言えます。
持ち物
- きあいのタスキ
耐久の低いパーモットと相性が良く、いざという時には襷を盾に再起の祈りを打つという立ち回りもできるため、このアイテムで確定とします。
特性
- てつのこぶし
どの特性にもそれぞれ小さなメリットがありますが、Aに割く努力値を削って耐久調整を施す都合上火力を少しでも上げたいので、確定欄はは鉄の拳にしています。
パーモットの習得技で鉄の拳の対象となるのはマッハパンチと3色パンチのみです。電光双撃も対象だったらよかったのに…
性格・努力値と調整
- 調整案1:ようき 151(44)-152(132)-100(76)-x-81(4)-172(252)
H:8n-1
HB:A172ドラパルトの命の玉ドラゴンアロー確定耐え
A:H206-B100マリルリを電光双撃で確定1発、H167-B111サザンドラを鉄の拳マッハパンチで乱数2発(57.81%)
D:余り
S:最速
当初はASぶっぱで運用していましたが、あまりにドラパルトに対して無力すぎたので、ドラパルト対面で再起の祈りをできるように、耐久ラインを命の玉A172ドラパルトのドラゴンアローに合わせました。確定欄はこちらで、以下のダメージ計算も調整案1で計算しています。
- 調整案2:ようき 145-167(252)-91(4)-x-80-172(252)
耐久面は襷で補う、と割り切ってASぶっぱで運用するのもありです。火力に大きく努力値を割けるので調整案1よりも火力が出ます(雑に1.1倍)。ただ、この配分で使う場合はドラパルトのことが大嫌いになります(苦笑)
技構成
さいきのいのり/マッハパンチ/でんこうそうげき/インファイトorれいとうパンチ
- さいきのいのり
瀕死状態の手持ちポケモンを、最大HPの半分の状態で蘇生させる技です。
「相手に何の負担もかからず、大きな隙を生む再起の祈りは、なるべく早く勝負を決めたい対面構築で採用するには弱い」という意見を頂いたこともありますが、有利対面での交代読みや不利対面での最後っ屁などにおいて、倒れたアタッカーを復活させることにより数的不利の打開をできる点がこの技の肝要となる点です。対面構築においては頭数が直接的に「手数≒相手を殴れる回数」に繋がりやすく、3対3のバトルを実質的に4対3にできる点で対面構築と相性が良好であると考えます。
ただし再起の祈りはあくまでバトル中に選べる選択肢の一つであり、打つことに固執するよりも、高速物理アタッカーであるパーモットの一貫を作ることを意識したほうが良いです。
- マッハパンチ
特性鉄の拳により強化される先制技です。削れた相手を仕留めるときに有用です。
※ダメージ計算はポケソル様のものを使用しています。以下同様
(1.2倍適応)
H167-B111サザンドラ 46.8〜55.1%
H151-B91マスカーニャ 61.0〜72.9%
H191-B112セグレイブ 38.8〜47.2%
H207-B140ドドゲザン 58.0〜69.6%
- でんこうそうげき
パーモットの専用技で、燃え尽きるの電気物理版のような性能です。電気物理技の中では屈指の高火力かつ、電気テラスタルすることによってノーリスクで連発できるようになります。
(非テラスタル/テラスタル)
H161-B85ウルガモス 75.2〜89.5%/100.7〜119.3%
H206-B100マリルリ 100.0〜119.5%/134.0〜159.3%
H217-B100コノヨザル 47.5〜56.7%/63.6〜75.6%
H167-B115カイリュー(マルスケ非考慮) 53.9〜63.5%/71.9〜85.1%
H205-B172アーマーガア 58.6〜70.3%/78.1〜93.7%
H207-B140ドドゲザン 36.3〜42.6%/48.4〜57.1%
H163-B115サーフゴー 55.3〜65.1%/73.7〜87.2%
H225-B183ヘイラッシャ 50.7〜59.6%/67.6〜80.0%
- インファイト
タイプ一致の高火力格闘技です。
H207-B140ドドゲザン 145.0〜170.1%
H167-B111サザンドラ 111.4〜133.0%
H191-B112セグレイブ 97.4〜114.2%(乱数1発 81.25%)
H157-B127ウォッシュロトムヒートロトム等 52.3〜61.8%
H207-B200キョジオーン 50.3〜60.9%
H183-B116ガブリアス 49.2〜58.0%
- れいとうパンチ
鉄の拳が適応されるサブウェポンです。確定欄の構成ではちょくちょく名前を出してきたドラパルトが非常に重いため、ドラゴンを重く見る場合はインファイトの枠をこちらに差し替えるのもありですが、威力としては等倍タイプ一致インファイト≒抜群鉄の拳冷凍パンチになります。
(1.2倍適応)
H183-B116ガブリアス 98.4〜115.9%(乱数1発 87.5%)
H163-B96ドラパルト 66.3〜78.6%
H167-B115カイリュー(マルスケ非考慮) 107.8〜129.4%
H237-B80ドオー 54.9〜65.0%
H237-B123ドオー 35.5〜42.2%
テラスタル
電気で確定です。専用技の電光双撃の火力を上げつつ、タイプ消失のデメリットなく連発可能です。テラスタイプが自身のタイプで固定されるデメリット以上に、電光双撃連発のメリットの方が大きいです。その他、等倍の飛行技を半減で、弱点のフェアリー、エスパー技を等倍で受けられるようになるという利点もあります。
立ち回り例
対面構築のアタッカー枠として、相手の選出の割れてきた中盤から終盤にかけて繰り出します。通りの良いタイプ一致技で相手に負担をかけつつ、状況次第で再起の祈りを打ち、倒れた仲間を蘇生させます。
再起の祈りを打つことに固執するよりも、あくまでも高速物理アタッカー兼テラスタルエースのパーモットの一貫を作ることを意識し、再起の祈りは余裕のある時に切れるオプション程度に考えるほうが良いです。
実際にランクバトルにて使用したパーティー構築並びに立ち回りはパーティ構築/3490にて詳細に紹介しています。
被ダメージ計算
A187カイリューのしんそく 37.1〜44.4%
A187カイリューのノーマルテラスタル鉢巻しんそく 84.2〜99.4%
A112力持ちマリルリのアクアジェット 33.8〜40.4%
A172ドラパルトの命の玉ドラゴンアロー 84.8〜99.4%
A162マスカーニャのトリックフラワー(急所) 63.6〜75.5%
A205ドドゲザンのドゲザン 32.5〜38.5%
C177サザンドラのあくのはどう 33.2〜39.1%
C177サザンドラのりゅうせいぐん 107.3〜127.2%
C187ウルガモスのほのおのまい 70.2〜83.5%
襷持ちですが、火力強化の無い先制技や半減技は2回耐えられる程度の耐久があります。
苦手なポケモン
再三擦ってきたように、ドラパルトは一致技を半減以下に抑えてきて、確定欄の耐久調整を施したとしても、鉢巻やテラスタルが絡むと襷を貫通してくるので特に重い相手です。
火力は低くないのですが、等倍範囲と技の威力に依存しているところがあるため、弱点を突けない数値受け系の物理受け(ラウドボーン、ゴーストテラスタル後のキョジオーンブラッキー等)に対しては起点になってしまいます。(ただしSの関係でこちらも先制で再起の祈りをできるため、全く何の仕事もできないということにはなりません)
準伝説・パラドックス解禁後は、Sで上を取られ、弱点を突かれる上にマッハパンチも通らないハバタクカミや、圧倒的数値で止められてしまう地面テラスタルディンルーが重いと考えられます。
いずれも他の仲間で対策したいところです。
相性の良い味方・構築例
- 再起の祈りとの相性が良いポケモン
再起の祈りを使う局面は終盤である場合が多く、蘇生させるポケモンにはスイーパーとしての役割を求めたいです。体力が半分の状態で蘇生するという意味でも、高いSや先制技によって先制で攻撃できるポケモンであることが望ましいです。また、蘇生後にも安定した活躍を求めるには、消費されないアイテムを持っていることが望ましいです。
具体的には高火力のスカーフアタッカーもしくは高火力の先制技持ちが有力な蘇生先となります。私はスカーフアタッカーとしてマスカーニャやイーユイ、先制技持ちとしてセグレイブやパオジアンを採用していました。
- パーモットのリーチの届かない範囲をカバーできるポケモン
確定欄の技構成の場合、具体的にはドラパルトやドオーに刺さる技があることが望ましいです。ドオーは上から再起の祈りを打てるからまだましなものの、ドラパルトは鉢巻ドラゴンアローで何もできないまま沈められてしまいます。先ほど挙げたイーユイパオジアンマスカーニャセグレイブはこちらの条件も満たしています。
最後に
瀕死の仲間を蘇生させる革命的な新技、再起の祈りはポケモン対戦に新たな風を吹かせる技だと思います。隙を生んでしまうため現在の対戦環境では決して流行っているとは言えませんが、それでも手数や頭数が物を言う対面構築においては戦術の一つの選択肢になり得る技ではないでしょうか。将来的にはお墓参りイダイトウ♂等、さらなる有力な蘇生候補の登場が考えられるので、パーモットの再起の祈りはこれからも環境の片隅で楽しく動けるのではないかと思います。
また、パーモットは最序盤から仲間にできるパモの進化系であるゆえに、愛着を持っている方も多いかと思います。アタッカーとしての性能が高いほか、再起の祈りによって他のポケモンにはできない活躍もできるため、対戦で活躍させたい際に参考にしてもらえると嬉しいです。
考察の未熟な点や不可解な点、見苦しい点も多々あるかと思います。その際は遠慮なく厳しく指摘をお願いします。誤字脱字やおかしな表現を見つけましたらそっと教えてください。
ここまで読んでくださってありがとうございました。