ブースター- ポケモン育成論SV

初めに　

　初めまして、クランベリーと申します。SVでは初めて育成論を投稿します。HABCDS、種族値、努力値、個体値などの略称や非公式用語を一部に使用しますので、あらかじめご了承ください。
　ダメージ計算はPOKEMON SOLDIER様のものを使用しています。
　今回の育成論で取り上げるのは、私の最も好きなポケモンであるブースターブースターです。ブースターは元々マイナーポケモンであったにもかかわらず、馬鹿力とアイアンテールを没収され、剣盾では削除された技マシンであるニトロチャージが返ってきたにも関わらずなぜか再習得できなかった等、かなり念入りに弱体化されてしまったポケモンです。はっきり言って弱いポケモンであることは認めざるを得ず、好き嫌いを度外視するならよほどのことが無い限り採用する理由はありません。したがって、この育成論はブースターが好きなのでなんとか活躍させたい、ということに重きを置いています。愛をもって使ってあげてください。

採用理由と役割

　採用理由は愛、と言ってしまえばそれまでですが、ちゃんと役割はあります。それはSV初期環境で幅を利かせている特殊アタッカーに後出しから勝つ、ということです。具体的にはサザンドラサザンドラ、サーフゴーサーフゴー、ウルガモスウルガモス、ジバコイルジバコイルなどです。ほのお単タイプというのは特殊技では弱点を突かれづらく、高い特防を生かして相手の攻撃を耐え、攻撃種族値130から放たれる物理技で多くの特殊アタッカーを倒すことができます。詳しくは差別化の項で書きますが、この役割はブースターでなければ達成できない耐久と火力のラインが必要で、他の炎タイプや特殊受けにはできない独自の役割と言えます。

持ち物

　とつげきチョッキで確定です。役割対象である各種特殊アタッカーがこだわり眼鏡を持っていた場合この持ち物がないと受けられないことが多いので、ほかの持ち物だと相手の型次第で役割を遂行できなくなってしまいます。

特性

　もらいびで確定としました。ウルガモスのほのおのまいや、役割対象ではありませんがラウドボーンのフレアソング等の一環を切りつつ火力を挙げられるのは優秀です。と言ってもそこまで頻繁に発動する特性ではないので、パーティによっては電磁波やどくどくを受けた時に火力が上がる根性でも構わないと思います。

性格・努力値と調整

　火力に特化したいので性格はいじっぱりで確定です。ダメージ計算は後述しますが、A特化でないと乱数が悪くなってしまう場面があります。Hは252振りでは偶数になってしまうので244、残りはDに振りました。

テラスタル

　今回は格闘で採用しています。耐久に振られていないサザンドラサザンドラなら格闘テラバーストでもほぼほぼ倒せますし、ブースターのフレアドライブを4割弱の確率で耐えてくるH252ドドゲザンドドゲザンを確実に倒す技としても生きてくる場面があります。先にテラスタルを切った状態でジバコイルジバコイルと対面する展開でも弱点を突かれない点も優秀と言えます。
　ほかのテラスタイプの候補としてはフェアリーが挙げられます。サザンドラがH振りの場合でも倒せるほか、特殊型ならドラパルトドラパルトやボーマンダボーマンダも相手できるので、そのあたりのドラゴンにテラバーストを打ち込むためのフェアリーテラスタルです。どちらも一長一短なのでパーティ構築に合わせてお好みでどうぞ。

差別化

　このブースターブースターの役割は特殊受けの耐久型ではなく特殊アタッカーを後出しから倒すアタッカーなので、ドオードオーなどの受けポケとは役割がかぶりません。差別化しなければならないのはやはりウインディウインディでしょう。
　ブースターを使う上で目の上のたん瘤と言わざるをえないポケモンがウインディです。ウインディはじゃれつく、インファイト、しんそく、あさのひざしなどブースターがおぼえない優秀な技を多く覚え、さらに特性いかくによって物理受けもこなせるというブースターの理想を詰め込んだようなポケモンです。しかし、ブースターのほうが若干火力と特殊耐久に優れていることから、今回の役割にはなんとブースターのほうがウインディより適しているのです。詳しくは後述しますが、H252D4ウインディがとつげきチョッキを持っても臆病眼鏡サザンドラサザンドラの流星群＋C2↓流星群で97.65%とほぼ確実に落ちてしまうのでフェアリーテラスタル以外では後出しできないのに対し、このブースターなら落ちる確率は10.15%と9割近い確率で耐えることができます。悪巧みサザンドラもブースターは安全に受けだしできるのに対しウインディは悪巧み流星群で乱数で落ちてしまいます。
　サーフゴーサーフゴーに対してもブースターのほうが安定します。臆病眼鏡サーフゴーのシャドーボールでウインディは低乱数２発ですが、ブースターは確定３発です。ウインディは性格をようきにすればサーフゴーを抜けますが、そうなると耐久振りサーフゴーに安定しません。
　さらに、A特化ブースターならフレアドライブでH4ウルガモスウルガモスを最低乱数以外一発で倒せるのですが、ウインディだとA特化でも31.25%でしか一撃で倒すことができません。
　いずれもウインディのテラスタイプによっては解決できる問題ではありますが、二発目を打つ前に相手がテラスタルで火力を挙げてくる可能性なども考慮すると余裕をもって耐えるに越したことはありませんし、これらすべてのポケモンを同時に見られるのはブースターの特権であり、やや限定的な状況ではありますが、対特殊アタッカー性能としてはブースターはウインディの劣化ではないと言えます。

技構成

• 確定技

フレアドライブ

テラバースト

でんこうせっか

• 選択技

　馬鹿力とアイアンテールを失った関係で残り一枠の技はほとんど打ちませんので、どれでもお好きな技を採用していただいて結構です。

立ち回り例

　先発か特殊アタッカーへの後出しで使います。サザンドラサザンドラにはテラバースト、ウルガモスウルガモス、サーフゴーサーフゴー、ジバコイルジバコイルにはフレアドライブをぶっぱなします。こだわり眼鏡持ちもやや乱数が絡む場面はあるものの後出しから処理でき、サザンドラやサーフゴーの悪巧み、ウルガモスの蝶の舞を交代際に打たれたとしても問題なく役割を遂行できます。

与ダメージ計算

被ダメージ計算

• 特殊耐久

苦手なポケモン

　上から殴ってくる物理全般、物理で弱点を突いてくる相手全般は基本的に相手にしたくないです。物理弱点で耐えられるのは無振りドオーのじしんが上限で、等倍なら火力アップアイテムなしのドラパルトの攻撃ならなんとか耐えられる、といった程度。フレドラの反動もあるので物理アタッカーと戦うと一瞬で沈みます。また、ヘイラッシャも有効打を持たないので苦手。もしどうしてもブースターでヘイラッシャを倒したいなら、今回の型とは全く関係ないですが一応根性草テラバーストなら確定２発とれます。

相性の良い味方・構築例

　物理受けかつほのお技を誘うアーマーガアアーマーガア、上からとんぼがえりでブースターにつなげられるマスカーニャマスカーニャやドラパルトドラパルト、物理アタッカーに強く、苦手な相手にブースターの役割対象が多いヘイラッシャヘイラッシャ、ブースターが止まってしまう相手に強いサザンドラサザンドラ、などです。とはいえ役割が単体で完結しているので、特に組み合わせなどは考えず、特殊アタッカー対策枠くらいに考えるのが使いやすいです。

最後に

　初代で登場して以来、圧倒的な不遇ポケモンの名をほしいままにしているブースターブースターですが、このように環境を読んで対策ポケモンとして採用することでなんとか生きる道を見出すことができます。なによりかわいいので、使っていると愛着がわいてくるポケモンなのではないかなと思います。高い特殊耐久を持ち、現環境フレアドライブ最大火力のブースター、いかかでしょうか。