SV初の投稿となる近日後悔と申します。
今回は先発起点作成要員として運用するヤミラミの考察となります。
疑問、指摘等があればコメントでお願いします。
また、不要との声が多ければ削除致します。
前置き
・お互いに理想個体を想定しています。
・HABCDS等の略称や技名の漢字化があります。
・以降常体で進める。
ヤミラミとは
3世代で登場したポケモン。フェアリータイプのなかった当時は弱点のない優秀なタイプだったがパラメータが低く、使用頻度の高いポケモンではなかった。隠れ特性である悪戯心は優秀であるため、今ではたまに見かけるポケモンという位置付けに落ち着いた印象である。何故か今作から光の壁、リフレクター(以降、まとめて「両壁」と記載)を習得したため、今回はその両壁と悪戯心を活かして先発起点作成要員として運用する。
採用理由と役割
1. 先発選出による偵察
2. 起点作成
まず1についてだが、ヤミラミが習得するメタルバーストという技は物理・特殊問わず受けたダメージを1.5倍にして反射することができる。タイプ相性を無視して大ダメージを狙うことができるこの技により不特定多数の相手に強引に負荷をかけることができる。読み合いのブレが大きい先発対面において安定行動を取りやすく、先発での相手の様子見をしやすいポケモンである。
次に2についてだが、前述の通りヤミラミは今作から両壁を習得しており、後続の積みエースの耐久補助が可能となっている。また、特性の悪戯心により両壁を先制で撃つことができるため、先述のメタバと合わせて
初手被弾→気合の襷で強引に耐える→メタバで反射し大ダメージ
→先制で両壁のどちらかを貼り退場
という流れに持ち込みやすく、読みの要素を極力減らしながら有利な展開に引き込みやすい。
これらの要素を合わせて、先発要員として選出して相手初手に負荷をかけつつ、後続の積みエースの起点を作れることが採用理由になる。
なお、悪戯心と両壁のみであればオーロンゲオーロンゲが差別化対象となりそうではあるが、メタバで差別化できるため踏み込んだ考察はここではしないものとする。
持ち物
- 気合の襷
相手の過剰火力を強引に耐えてメタバでの反射を狙うためこれで確定。
技構成
以下4つでほぼ確定とする。
- 光の壁/リフレクター
本論のコンセプトの1つである、所謂両壁。それぞれ特殊と物理の被ダメージを5ターンの間半減する。
- メタルバースト
同じく本論のコンセプトの1つ。カウンターやミラーコートと似た技であるが、こちらは物理特殊問わず反射できるため、物理特殊の読み外しの心配がなく、技スペも節約できる点が優秀な技である。ただし、反射ダメージは1.5倍とやや控えめであり、さらに優先度が±0であるため、こちらが相手より速かった場合、先制で撃って不発するという醜態を晒すことになる。相手のSを気にしながら撃つよう心がけたい。
- 挑発
相手の変化技を防ぐ技。相手の挑発や積み技、状態変化技を防ぐのに有用であり、これがないと相手の起点になる可能性もあるため確定。
確定以外の技
上記4つで確定技が埋まっているが、データベース充実の観点から他の技についても少し考察する。
・鬼火
相手を火傷状態にする技。相手の攻撃を擬似的に下げられるため、採用するとすればリフレクターの代わりとなる。5ターンを超過しても持続する点、スリップダメージを与える点、瓦割りで無効化されない点は優秀であるが、ラムの実で不発する、炎、悪タイプに効かない(後者は悪戯心による)、そもそもたまに外す等の欠点が目立つため、基本的にはリフレクターを優先したい。
・不意打ち/フェイント
先制技。メタバで微妙に討ち漏らした相手にトドメを刺せる点は有用だが技スペが足りないため基本的に不採用。
・叩き落とす/イカサマ
追加効果が優秀だったり、ステータス不足を誤魔化せる等、ヤミラミが使う技としては有用だが、本論の型とは合わない上にそもそも技スペが足りないため不採用。
特性
- 悪戯心
隠れ特性。変化技を先制で出せるようにする(優先度を+1する)。両壁等を先制で出すために必須なのでこれで確定。なお、副作用として悪タイプを対象とする変化技が失敗するようになる。両壁は場を対象とする変化技なため問題ないが、挑発は悪タイプに効かなくなる点は注意したい。またヤミラミのSが低いこともあり、相手も先制技を使用した場合は基本的に後手に回ることになる。
性格・努力値と調整
個体値:H、A、Bは31、DとSは0、Cは自由とする。
性格 :のんき(B↑S↓)
努力値:H252A220B36(+2)
HB…メタバ反射ダメージの最大化、及びA特化セグレイブの氷柱針高乱数耐え
D …被ダメ増加のため無振り
S …メタバを後手で撃つため最遅
A …余り
基本的にはメタバのために被ダメを増やしつつ、襷を貫通する連続技を最低限耐える物理耐久を持たせるという思想の配分となる。努力値が余るため、確定技に物理攻撃技がないのにAに多めに振るという正気を疑う努力値配分となってしまった。一応Aに振っておくことでイカサマを撃たれた際の被ダメを増やせるため一概に無駄ではないが、混乱の自傷ダメが増えるというデメリットもある。使用者の好み次第ではA0にしても良いと考えるが、混乱自傷ダメの被害はダメージ自体の大きさよりも襷が潰れることであり、ダメージ自体は大勢への影響が少ないと考えるため確定欄はA振りとする。
なお、本作では個体値を31にするより0にする方が手間である、個体値31を狙うのに王冠を消費する、等の理由からAとDとSの個体値は多少妥協しても良いと考えるが、Sについては自身の採用個体がどのラインまで抜いているか確認してから採用するようにしたい。相手のSが個体値31、努力値無振り性格補正なしであると仮定すると、最遅ヤミラミのSが28族をギリ抜かせる速さ(というか遅さ)であるためそれを考慮して妥協ラインを検討すべきであり、少なくとも本論ではモロバレルやヘイラッシャ、キョジオーンを抜いてしまう16以上は推奨しないものとする。
テラスタル
この型ではテラスタルを使用しないため任意とする。
立ち回り例
先発で出し、相手が殴ってきそうであればメタバ、変化技が来そうであれば挑発→メタバを選択する。
メタバ使用後はこちらは虫の息になっているはずなので相手を見て両壁のどちらかを貼るか、挑発を入れてこちらの後続に繋ぐのが基本となる。
ダメージ計算
確定技に攻撃技がないため被ダメ計算のみとし、基本的に襷で耐えることを前提とするため紹介は最低限とする。
A特化セグレイブセグレイブ 氷柱針 17.8~21.6% 低乱五(35.3%)
A252テクニシャンキノガッサキノガッサ タネマシンガン 21.6〜26.7% 低乱四(12.8%)
A252ドラパルトドラパルト ドラゴンアロー 57.8〜68.7% 確二
セグレイブ、キノガッサ辺りは壁なしでも高確率で1発耐えるため、挑発から入る動きが比較的安定する。一方、ドラパルトのドラゴンアローはどうしようもないというのが現実である。なお、ヤミラミのHBにより厚く振ることである程度耐えられるようになるが、竜テラスタルや鉢巻まで考えると耐えられないケースもある他、他の物理攻撃の被ダメがかなり減ってメタバの反射ダメージが下がるため、ドラパルトのドラゴンアローはある程度諦める方が汎用性が上がると考える。
A特化カイリューカイリュー 逆鱗 80.2%〜94.2% 確二
返しのメタバでH特化カイリュー(H実数値198) 与ダメ実数値 189〜222 高乱一(75%)
C特化ウルガモスウルガモス 炎の舞 84.7%〜100% 低乱一(6.3%)
返しのメタバでH4ウルガモス(H実数値161) 与ダメ実数値 199〜235 確一
連続技以外を見ると、等倍の物理技なら襷なしでもギリギリ耐える程度であり、特殊はご覧の脆さであるため、反射ダメージで問題なく負荷をかけられることが分かる。
苦手な相手
- ドラパルトドラパルト
机上論では最悪の難敵。初手が攻撃技か、鬼火や竜舞等の変化技か読みづらく、メタバと挑発の択になりやすい。また相手が物理型で初手がドラゴンアローだった場合、一方的に倒されやすく、壁を貼ろうにもすり抜けだった場合は意味がないという体たらく。これだけ聞くとどうしようもない相手に見えるが、実際ランクマッチで戦った印象だと、ほとんどのドラパルトはとんぼ返りから入ってくるため、初手メタバで何とかなることも多い。環境の変化に注意して相対するようにしたい。
- ミミッキュミミッキュ
こちらも初手が攻撃技か、剣舞や鬼火等の変化技か読みづらく、仮に読み勝ってメタバを当てても化けの皮が剥がれるだけで負荷をかけられない。また先制技を所持しており悪戯心を無視して上から殴ってくるため、非常に厳しい相手になる。ただし、こちらの後発に連続技持ちの積みエース(パルシェンパルシェンやテラスタルセグレイブセグレイブ等)を採用すれば、挑発から入る動きでむしろ起点化できるため、それらを合わせて採用すること強く推奨する。
- オーロンゲオーロンゲ
机上論だと、挑発無効と両壁はお互い様、ソウルクラッシュはメタバで反射可能なため、若干こちらが有利な気もするが、実際戦うとお互い両壁を貼ってから殴り合いになりやすく、こちらのリフレクターによりソウルクラッシュの被ダメが減り、メタバで仕留め損なうという事態に陥りやすい。オーロンゲに有利なポケモンを採用する等により、なるべく鉢合わないように立ち回ることを推奨する。
- サーフゴーサーフゴー
特性により挑発が効かない難敵。素直に殴ってくれればメタバで処理できるが、身代わりを撃たれたりした場合は最悪即投降案件にすらなりうる。こちらについても鉢合わせないようなプレイングを心がけたい。
相性の良い味方
- 積みエース
積み技を使用して相手をなぎ倒せるエースポケモン。ボーマンダボーマンダやパルシェンパルシェン、ウルガモスウルガモス等が該当。前述の通り、ヤミラミだけだとミミッキュが重いため連続技を持つパルシェンやセグレイブを優先して採用したい。
またこれらの積みエースポケモンは、通常のパーティでは積む際の隙を埋めるため耐久に厚めに振ったり、ラムの実を持たせたりすることもあるが、ヤミラミの両壁や挑発の補助ありきで動かす場合は、積みやすさより積んだ後の制圧性能を重視した型としたい。具体的には、火力増強アイテムや威嚇対策のクリアチャームを持たせたり、ACSに厚めに努力値を振った型が望ましい。
最後に
以上で育成論は終わりです。
評価の際にはコメントを頂けると今後の役に立つと思います。