はじめに
こんにちは、あずれいあです。
今回は火力、速度、見た目と三拍子揃った生粋の高速アタッカー テツノブジン テツノブジンについて考察します。
- この育成論では、よく使われる略称や俗称を用いる場合があります。
- 育成論中のダメージ計算には特に注釈が無い限りポケモンソルジャー様の計算機を用いています。
- 論中では常体を用いますのでご容赦ください。
- パラドックスポケモン参入前に考察した論ですので一部のダメージ計算や仮想敵には投稿主の勝手な憶測が含まれています。こちらについてもご容赦ください。※パラドックス参入環境が出来上がったらいずれ修正します。
テツノブジン テツノブジンとは
『フェアリー・かくとう』という唯一無二のタイプと技範囲を持つ。物理でも特殊でもエース級の種族値A130・C120に加え、S116と十分なスピードを兼ね備える理想的なアタッカー。一方でリフレクター、ひかりのかべ、でんじは、ちょうはつ、アンコールなど多彩な変化技も覚えることから高いSを生かしたサポート役も難無くこなしてしまう、SVにて追加された万能選手。
既にアタッカーとして十分な種族値を持つにもかかわらず、特性クォークチャージによりこうげきかとくこうなら1.3倍(=いのちのたま相当)、すばやさなら1.5倍(=こだわりスカーフ相当)という強力な補正をほぼデメリットなしにかけられるバケモノパラドックスポケモンである。
本論のコンセプト
- Sにクォークチャージすることで並み居る爆速アタッカーたちの上を取り、高い火力で可能な限り1発で仕留め切りたい
- 唯一の『フェアリー・かくとう』を有効活用したい
せっかくならかっこいいポケモンを使いたい
C振りについて
種族値の都合でSにクォークチャージしようとするとSへの上昇補正が必要であり、当然ながらAには上昇補正がかけられない。といっても普通はAS極振りで問題ないのだが、テツノブジン の場合は話が変わってくる。C種族値が高すぎるがゆえにCに36以上振るだけでA252振りソウルクラッシュよりも打点の高いムーンフォースを放つことができてしまうのだ。テツノブジン はじゃれつくを覚えないので、フェアリー技の打点が高くなるのならばぜひCに振りたい。
そこで最速の意味が薄いSを調整することにした。なぜなら、スカーフを持たない相手はS種族値がどれだけ高かろうとクォークチャージで上を取れるため、こちらが最速であるかどうかはほとんど意味をなさないからだ。また、ドラパルト のようなS117以上の超高速アタッカーについてはスカーフを持たれてしまうとそもそも物理的に抜くことができない。であれば、役割対象の中で最も速い相手にフォーカスしてSを調整したとしても十分である。
Sを調整するとAがSを上回ってはいけないため少し削ることにもなり、Cに回す努力値ができる。今回の調整で最も疑問が多いであろうC振りはこのようにして考えられた。両刀とは少し違うため混乱されるかもしれないが、ご理解いただけるとありがたい。
もちろん代償として最高打点のインファイトの火力が下がるが、フェアリー技の打点が高くなることを高く評価して今回はC振りを採用した。
<参考>
A252 テツノブジン ソウルクラッシュ → B4 ドラパルト 99.4~117.8% 乱数1発(93.75%)
C36 テツノブジン ムーンフォース → D4 ドラパルト 100.7~119.1% 確定1発
テラスタル
本論では相性補完に非常に優れ、フェアリーポケモンへの対抗策となるはがねを選択した。耐久方面には一切振っていないが、弱点を全て半減で受けられるようになり耐久力が生まれる。例えばテラスタルすれば最速 ハバタクカミ 対面においても一撃耐えて逆襲テラバーストを狙うことができる。また、H164 ニンフィア をテラバーストで確定1発にできることもはがねを採用するうえで重要なポイントである。
<参考>
テラスタルなし : C252 ハバタクカミ ムーンフォース 186.6~221.5% 確定1発
テラスタルあり : C252 ハバタクカミ ムーンフォース 46.4~55.1% 乱数2発(67.96%)
A0 テツノブジン テラバースト(はがね) → H4 ハバタクカミ 146.6~174.1% 確定1発
A228 テツノブジン テラバースト(はがね) → H164 ニンフィア 100.6~119.4% 確定1発
当然メインウェポンの強化を狙えるフェアリーやかくとうも一考であるが、今回は上記の理由からはがねを確定とする。
特性
クォークチャージの他に無いため自動的に確定。
ブーストエナジーを 持たせるか エレキフィールドのとき いちばん 高い能力が 上がる。
※HP以外で最も実数値が高い能力が強化される。ABCDは1.3倍、Sは1.5倍される。
持ち物
特性発動が前提の型なのでブーストエナジーで確定。
ただし、パーティーにエレキフィールドを展開・維持できる算段がある場合この限りでは無い。火力を底上げするいのちのたまやたつじんのおびは有力な選択肢となるだろう。
技考察
テツノブジン の技範囲はかなり広く攻撃技から変化技まであらゆる構成が選択肢となるが、今回はエース枠として採用するためフルアタ構成を考える。選択枠は本当に一長一短であるのでご自身の好みやパーティーと相談して選んでいただきたい。
確定枠
- インファイト(威力120 物理 かくとう)
最高打点。その威力は凄まじく、たとえA無振りでも トドロクツキ が落ちる。BDが下がるのはご愛敬。
- ムーンフォース(威力95 特殊 フェアリー)
物理フェアリーとしてソウルクラッシュもあるが、C28以上でこちらの方が火力が高くなるため採用。
- テラバースト(威力80 特殊→物理 ノーマル→はがね)
テラスタルなしで撃つことを考慮していないため普段は技スペースを1つ無意味に消費することになるが、フェアリーに対する打点となり ハバタクカミニンフィア などに逆襲を狙うことができる。
選択枠
- れいとうパンチ(威力75 物理 こおり) 採用枠
こおり4倍弱点の ガブリアスボーマンダカイリュー に対して強く出られるようになる。ガブリアス は乱数1発、ボーマンダカイリュー (マルチスケイル非考慮)は確定1発で仕留められる。もちろん前述3体はムーンフォースでも対応できるが、4倍弱点となるとれいとうパンチの方がより安定して狩り切れる。抜群を取れるタイプが最も多くなるのも魅力。
- アクアブレイク(威力85 物理 みず)
テツノドクガ に対する乱数1発の打点となる一方、耐えられた場合C252振りオーバーヒートでこちらが落ちる。ヘドロウェーブを読み切ることができればテラスタルを切って逆襲もできるがややギャンブルか。
- はたきおとす(威力65 物理 あく)
相手が持ち物を持っていれば威力が上がる(1.5倍)うえに持ち物をドロップさせられる。相手の持ち物がなくなると火力も意味も失うため一発屋なのは悩みのタネ。サーフゴー を見たいなら採用すべきだが、安心はできない。
- かげうち(威力40 物理 ゴースト)
唯一の先制攻撃技。不一致技であることも響いてよく削れても2割入らない程度の火力だが、微妙に狩り残してしまった場合などに安定勝ちを狙える。
- かわらわり(威力75 物理 かくとう)
相手の壁を貫通・破壊できるため壁対策が欲しい場合一考の余地有り。インファイトとタイプ被りするのが悩み。
調整
むじゃき A228 C60 S220 (実数値:149-179-110-148-72-180)
Sは最速111族 イッカネズミ 抜きとなる上昇補正220振りを採用。クォークチャージのおかげでおかたづけ中に交代して相手の速度が上がっていてもネズミ駆除が可能。確定1発こそ取れないが、110族の テツノドクガ の上を取れるのもありがたい。クォークチャージ込みの速度が前提であることを考えるとこれ以上のSは不要であると判断した。耐久はもともとあってないようなものなので性格についてはせっかち(S↑B↓)でもむじゃき(S↑D↓)でもよいが、今回は単純に実数値の合計を見てむじゃきを選択した。微差ではあるがパーティーが期待する役割相手に応じて適宜変更されたい。
AはA<Sを実現する最も高い配分である。インファイトでH236 ジバコイル が確定1発になるなど努力値を差し引いたとは思えない火力を実現できる。
Cは36以上の条件を満たしたので余りを振ったが、こちらもたった60振っただけとは思えない火力が出る。高種族値は偉大だ。
ダメージ計算
インファイト
vs HB特化 カバルドン 30.7~36.3% 乱数3発(42.08%)
vs H252 ウォッシュロトム 61.2~72.7% 確定2発
vs H252 キョジオーン 79.3~93.8% 確定2発
vs B4 テツノワダチ 105.5~124.9% 確定1発
vs H4 セグレイブ 114.2~135.1% 確定1発
vs B4 イッカネズミ 178.6~210.8% 確定1発
ムーンフォース
vs D4 ガブリアス 83.1~98.4% 確定2発
vs D4 テツノコウベ 93.5~111.3% 乱数1発(62.5%)
vs D4 ドラパルト 103.1~121.5% 確定1発
vs D4 キノガッサ 146.7~173.4% 確定1発
vs H4 トドロクツキ 148.1~174.6% 確定1発
テラバースト(はがね)
vs H164 ニンフィア 100.6~119.4% 確定1発
vs H4 ミミッキュ (ばけのかわ非考慮) 125.2~148.1% 確定1発
vs H4 ハバタクカミ 166.5~197.0% 確定1発
れいとうパンチ
はたきおとす(持ち物あり / なし)
vs H244 サーフゴー 59.1~70.5% 確定2発 / 40.5~47.7% 確定3発
vs H4 ソウブレイズ 87.5~103.4% 乱数1発(18.75%) / 60.0~70.7% 確定2発
vs B4 ゲンガー 120.0~142.3% 確定1発 / 81.5~96.3% 確定2発
アクアブレイク
vs B4 テツノドクガ 91.7~108.4% 乱数1発(50%)
被ダメージ計算
通常時
vs ハバタクカミ C252 おくびょう
ムーンフォース 186.6~221.5% 確定1発
シャドーボール 79.2~93.3% 確定2発
vs ミミッキュ A252 いじっぱり
じゃれつく 98.0~116.8% 乱数1発(87.5%)
+2かげうち 43.0~51.1% 乱数2発(3.12%)
シャドークロー 38.3~45.0% 確定3発
vs サーフゴー C252 ひかえめ
ゴールドラッシュ 255.1~302.1% 確定1発
シャドーボール 85.3~101.4% 乱数1発(6.25%)
vs ドラパルト A252 ようき
+1ゴーストダイブ 79.2~94.7% 確定2発
vs ガブリアス A252 ようき
じしん 62.5~74.5% 確定2発
vs ガブリアス A252 いじっぱり こだわりハチマキ
じしん 103.4~122.9% 確定1発
vs イルカマン(マイティ) A252 いじっぱり
ジェットパンチ 48.4~57.1% 乱数2発(90.23%)
テラスタル時
※テラスタルすると耐えられるようになる場合のみ記載
vs ハバタクカミ C252 おくびょう
ムーンフォース 46.4~55.1% 乱数2発(67.96%)
vs ミミッキュ A252 いじっぱり
じゃれつく 24.2~28.9% 乱数4発(98.87%)
vs サーフゴー C252 ひかえめ
ゴールドラッシュ 63.8~75.2% 確定2発
苦手なポケモンと対策
高速アタッカーの宿命かもしれないが、基本的に確定1発が取れないポケモンは苦手。大きく分けて2種類いる。
各ポケモンを個別に対策するポケモンの紹介はここでは割愛するが、テツノブジンの相方として採用できる対策を2つ紹介する。
- ウォッシュロトムウォッシュロトムを採用する
ラウドボーンカバルドンなどの耐久型対策になるだけでなく、弱点を突けないみずタイプにも強く出やすい。また、テラスタルを切っても切らなくても相性補完がそこそこ良いのも有難い。もしも相方に困ったらとりあえず洗濯機ウォッシュロトムを採用してみることを推奨する。
ただしこの場合はキョジオーンがさらに辛くなるのでサーフゴー@おんみつマントなどで対応すべき。
- 壁を張る
オーロンゲクレッフィなどの壁張りで耐久を強引に確保してしまうことで対応しようという策。テラスタル前ならA252ミミッキュのじゃれつくが、テラスタル後ならA252コノヨザルのインファイトが確定2発と思ったよりも硬くなるため、相手に1発耐えられた場合でも次のターンに行動できる可能性が高くなる。
耐久型に対しては相変わらずなので、きちんと他で対応できているという前提ではあるが、こちらも有力である。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
相手の高速アタッカーを軒並み抜き去って屠る姿はまさにエース。タイプも優秀であくやドラゴンが多いSV環境の用心棒になってくれることでしょう。
しばらくは魔境カジュアルマッチでしか試せませんが、ぜひ皆さんも テツノブジン テツノブジンを使ってみてください!
追記情報
2023/01/22 : 苦手なポケモンに『対策』を追加し、加筆修正。