はじめに─さよならアシストパワー─
皆様、レイドバトルで最も誤解と風評被害を受けているポケモンをご存知ですか?
解散率筆頭の輝石ポケモン
ウェルカモナカヌチャンラッキージメレオン?
いいえ。
これらはレイドにおいて最も適切に運用されています。
単にポケモンを知らないホストが悪いのです。
キッズ御用達最強レイドリザードンエースバーンゲッコウガジュナイパーバクフーンインテレオンポケモン?
惜しい!
これらは調整さえすれば、役割範囲の違いこそあれ、★6レイドの面々でさえ太刀打ち出来るようになります。
最強ゲッコウガの活用法:育成論SV/2093
では誰か?
そう、シャワーズシャワーズです。
このシャワーズというポケモン、使い方を最も誤解されているポケモンです。
特殊耐久に長け、おまけに最低限の火力も技も兼ね備えているのに、特に野良レイド(「だれとでも」カテゴリーの俗称)等においては蛇蝎の如く嫌われているのが現状です
───「アシストパワー型」とかいう例外中の例外専用の構成が、最強ゲッコウガゲッコウガで蔓延してしまったせいで。
ただ1つだけ、絶対に誤解しないで頂きたいことがあります。
シャワーズは野良レイドでも結構便利です。
間違っているのは、アシストパワー型とかいう過去の遺恨です。
前置きが長くなりましたが、アシストパワーを用いない方が色々な場面でずっとずっと便利である理由を、無駄に文が長い割には、そこそこ頭に入るように心がけて説明させていただきます。
なおここから先、ポケモンのレベルは100で、各ステータスは「きたえた!」「さいこう」であることが大前提にあることをご了承ください。
コンセプト
・最強インテレオンをソロ野良ともに撃破可能で
・盤面貢献もアシストパワー型を遥かに上回る
・★6レイドでも登用可能な汎用型アタッカー
そのため、努力値振りが最強インテレオンではなく、★6野良レイド向けになっています。
しかし、最強インテレオンに対しては、どういう事かそれでもまるで問題ありません(被ダメージ計算参照)。
性格
ひかえめ(特攻↑攻撃↓)
火力はアタッカーとしては最低限です。
なので、特攻に性格補正をかけておく必要があります。
努力値
特攻と「防御」に252、特防に4
Q.インテレオンが特殊アタッカーって知ってる?
A.はい。
そしてこれで全く問題ありません。
なぜならば、インテレオンの高威力技はすべて半減です。
そして等倍受けのあくのはどうはタイプ不一致です。余裕です。
Q.で、何でB振り?
A.★6レイドは物理寄りが約50種、特殊寄りが約20種の計70種です。
汎用型を名乗るなら、物理耐久に寄せるべきですし、それで問題ない程の特殊耐久もあります。
実数値
こうです。
HP:401
攻撃:149
防御:219
特攻:350
特防:227
素早さ:166
テラスタル
みず一択でお願いします。
でないと、アシパ型に劣る場面が起きます。
持ち物(★6レイド)
かいがらのすずorおんみつマント
→前者は与ダメージの1/8、後者はアシッドボムなどの追加効果によるステータス降下を防ぎます。
個人的ににはおんみつマント派です。
持ち物(最強インテレオン)
クリアチャーム(絶対必須)
これがないと、なみだめでCをがっつり下げられて勝てなくなります
技構成
【固定技】
・なみのり
・めいそう
この2つは固定です。
何ならこの2つしか使わない可能性があります。
【選択技】
これが難しいです
・くさわけ(今回採用)
→2回1回打てば最強インテレオンのSを超えます。
物理技なので、環境最適解サポーターのポットデスポットデスともシナジー可能です。
・アクアリング(毎ターンHP1/16回復、今回イヤイヤ採用。)
→制限時間520秒で毎ターンこの演出に4〜5秒持っていかれる。個人的にすごく嫌い。
・にほんばれ(水半減、炎2倍、吹雪命中低下等)
→状況を判断できる方向け
自身の火力より、周りの火力が頼りあるように見えるならこっちです。
【野良レイドにおける選択】
・ひやみず(必須)
→追加効果で相手のAを1段階下げます。
テラスタルチャージは溜まる、自分も味方も守れる良いこと尽くしです。
採用しない理由はどこにもありません、しろいきりさえなけりゃ、今すぐにでもアクアリングと取り替えてしまいたい。
・ハイドロポンプ
→肝心な時だけ外れます。
それでも更なる火力を求めるなら。
・あまごい
→元のタイプがみずタイプのレイドボスにはやめましょう。つまり、インテレオンにはダメです。
ねらいうちの威力がハネ上がって味方が死にます。
・とける
→ボーマンダ等の高火力相手を見るなら。
原則一回使えば十分です。
・あまえる
→野良レイドの味方が脆いことを前提に置くならこれ。
被ダメージ計算─D耐久無振りの理由─
まずは、最強インテレオンからの被ダメージ計算をご覧ください。
・ふぶき(特殊/威力120)→81〜96(確定5発)
・あくのはどう(特殊/80)→79〜94(確定6発、乱数5発99.9%)
・ねらいうち(特殊/威力80)→59〜70.(確定7発)
ふぶきやあくのはどうがややキツそうに見えますが、アタッカーでこの耐久なら十分です。
しかもめいそうにより特防も上がる為、以後のダメージは3/2,2/4,2/5...と減少していきます。
体力が半分削れる頃には、大体特攻が3段階は積み上がっているはずです。
そして★6レイドの被ダメージ対象は例によってオノノクスオノノクスのげきりん
素の種族値が一番高いこれに確定3発以上で耐えられるなら、アタッカーの耐久としては十分を通り越し、大半の物理系レイドで活躍可能です。
防御努力値252・・・159〜187(確定3発)
返しにとけるなりあまえるなりひやみず叩き込めるので、何とかいけます。
参考:防御努力値0・・・222〜262(確定2発)
無理です。試合終了。
防御無振りのため、とける1回積んだところでその次のげきりんがどうにもなりません。
与ダメージ計算──アシパ型との比較──
Q.何でアシストパワーがダメなの?
A.
・全てを犠牲にして叩き出すダメージ量が、ハイドロポンプどころかなみのりにすら劣ります。
・そしてシャワーズは「わるだくみ」を覚えません。論外です。
それを証明するために、ここでは素のなみのりと、最大火力380のアシストパワーのダメージを比較します。
対象はもちろん、インテレオンインテレオンです。
なみのり(素)・・・204〜241
アシストパワー(まっくす)・・・2289〜2694
はい、圧倒的アシストパワーの大勝利。
・・・そんなワケがありませんな
アシストパワーの最大威力は確かに(20×18)+20=380です。
ですが、これに達するまでに使用する時間は最速で9ターンです。
しかもレイドボスは、こちらの強化した能力を打ち消してくる行動をとってきます。(最強インテレオンの場合、これが残り時間80%辺りで1回発生します。)
この打ち消しすら起きない、取らぬクスネの皮算用下においてさえこうなります。
なみのり(素×9回)・・・1836〜2169
アシストパワー(まっくす)・・・2289〜2694
苦労の割に大差ありません。
そして、めいそうを2回積んだ前提ならこうなります。
なみのり(7回)・・・2856〜3360
アシストパワー(まっくす)・・・2289〜2694
しかも、なみのり連打のおかげでテラスタルが発動可能です。
参考:わるだくみ2回&なみのり7回・・・4284〜5040
なみのりのボロ勝ちです。
アシストパワー型ヤドランが野良レイドでギリギリ許されている理由はこれです。
・・・アシストパワーは連打すればもっと強い?
最速で9ターン(実際はもっと。恐らくは応援やらねがいごとやら含め11ターン以上)もかかっていれば、時間経過で確実にテラスタルシールドが展開されている状況です。特に野良レイドなら、4ターン目までには確実にテラスタルシールドが展開されています。
テラスタル一致のなみのりなら、そのダメージ量を75%通す事が可能です。
対してタイプ不一致のアシストパワーは35%止まりです。
相手からのダメージが0、しかもアシパ側はなぜか攻撃0回にも関わらず水テラス発動可能とかいう幻想的な思考回路下においてさえ、ダメージ総量の計算はこうです。
なみのり(めいそう2ターン、素のなみのり1ターン、シールド下なみのり2ターン、テラス発動なみのり4ターン)
→(408〜480)+(80〜96)+(1632〜1920)=2120〜2496、以後ダメージが306〜360追加
アシストパワー(まっくす)・・・801〜942、以後同様
確かに13ターン目くらいまでにはダメージ量はアシパ型が確実に追い抜きはします、幻想的な思考回路下なら。
追い抜きはするかもしれませんが、そこまでに与えてきたダメージ量と盤面貢献の度合いが、天と地の差ほどもあります。
しかも野良レイドにおける最強インテレオンは短期戦です。そんなことをしている間にゲームの決着はほぼついています。
ここまで見たらなみのり型とアシパ型、野良レイドでも役に立つのはどちらか極めて明白かと思います。
立ち回り(最強インテレオン)
ダメージ計算と違って、ちょおかんたんです。
・万一に備え応援コマンドを構えつつ
・バフ解除を見たらめいそう2〜3回(ソロの場合:いやいやのアクアリング)
・なみのり連打(ポットデス同席時:くさわけ)
・テラスタル発動からなみのり連打
こうなります。
特にポットデスやラッキー同席時は、ひかりのかべが超高確率で飛んでくるため、遠慮なくチャージできます。
立ち回り(★6レイド)
シンプルです。
・ひやみず連打
→ただしA種族値120以上(ムクホークガブリアスボーマンダオノノクス)には絶対にとけるかあまえるが先です。
・テラスタル発動、なみのり連打
コツコツとした動きこそが、シャワーズの本領です。
原則出したらダメな相手(★6)
確かにシャワーズはそこそこ有能なアタッカーです。
・・・とは言っても、万能ではありません。
具体的にはこの辺です。
1.元のタイプがくさ・でんきタイプの★6レイド
→具体的には、パーモットパーモット、キノガッサキノガッサ、バチンウニバチンウニ、サンダースサンダース、モロバレルモロバレル、タイカイデンタイカイデン等がこれに当たります。
2.テラスタイプくさorでんきのテラバースト持ち
→ブイズ、ファイアローファイアロー、そしてボーマンダがこれに当たります。
3.挑発持ち
→ルガルガン、ブロロローム、そしてサザンドラがこれに該当します。
4.★6レイド4凶
→カイリューカイリュー、サーナイトサーナイト、コノヨザルコノヨザル、サザンドラサザンドラは、何があろうと出してはいけません。
※アーマーガアアーマーガアはとけるを覚えている場合に限りギリギリ選出可能ですが、万一素早さに上方補正がかかっていた場合に詰みます。
5.ドオードオー
→特性てんねん、もしくはちょすい、なくてもその鬼のような特殊耐久から出しても役に立ちません。
6.ハピナス
特殊受けの鬼です。シャワーズの無補正なみのりで110ターンはかかります。
だからと言って物理のくさわけでぺちぺち叩いても、シャワーズ単体ではざっと110ターンほどかかります...
おわりに─誤解の元凶─
「ソロレイド」と「野良レイド(だれとでも)」と「マルチ(あいことば)」
同じテラレイドでも、全然性質が違うんですわ
どのくらい違うって
「ソロレイド」が中身不明のサンドバッグに向かうスパーリングの稽古なら
「マルチ」は台本付きのプロレスで
「野良レイド」はその台本すらないバーリ・トゥード
サンドバッグが壊せる鉄拳を得たからと得意気にマルチに出たら、ボディプレスの巻き添えを喰らうのは当たり前です。
また、プロレスラーがルール無用の世界に放り込まれてそのリングパフォーマンスを発揮できるとは限らないのも当然ですし
何でもありの無法者がサンドバッグを殴っても物足りなさを感じたり、中身コンクリートと気づかずに粉砕骨折するのも多分当たり前です。
今回の育成論では、その違いをハッキリさせたいという意図で書かせていただきました。
フォーク元の育成論のシャワーズは、恐らくはソロに限ってはこちらより速いと思います。
ですが、使い回しのきく汎用性ならこちらが上です。
数少ないリソースを削って作るなら、この型はおすすめです。勝ちが次の勝ちを呼び、新しいレイド用ポケモンを作る資産に繋がります。
レイド片手にこの育成論を書いているので、恐らくどこかしら間違いがあるかと思います。
ご指摘等、どんどんやっていただけると嬉しいです。
アシストパワー型の方が野良レイドでも役に立つという根拠があるのでしたら、そちらもお待ちしています。
ではでは。