クエスパトラ- ポケモン育成論SV

はじめまして。初投稿で拙い点も多いかと思いますが、コメントで遠慮なくご指摘・ご助言くださると嬉しいです。
以下ポケモンのステータスについて、HPをH、こうげきをA、ぼうぎょをB、とくこうをC、とくぼうをD、すばやさをSと表記いたします。

採用理由と役割

現時点で有力視されているアタッカーのSラインが全体として高めなことから、S種族値105に加えて現環境唯一の特性「かそく」持ちであるクエスパトラが有力であると考えました。
最強の専用技「ルミナコリジョン」を持っていることもこのポケモンの大きな魅力の一つですが、耐久が物足りないことに加え環境に悪タイプトドロクツキイーユイディンルー・ゴーストタイプドラパルトサーフゴーハバタクカミが多すぎてエースとして動かしづらいと考え、今回は能力上昇を裏のポケモンに引き継げる「バトンタッチ」前提で考察することにしました。

持ち物

おんみつマント
今作で新登場した、「技の追加効果を受けない」という持ち物です。特性「りんぷん」のアイテム版になります。「がんせきふうじ」などのステータス下降や「アイアンヘッド」などの怯みに強くなったり、キョジオーンの「しおづけ」の効果も受けなくなります。
ちなみに「しおづけ」状態は「バトンタッチ」で引き継がれません。

クリアチャーム
同じく新登場の、「相手の技や特性で能力を下げられない」という持ち物です。特性「クリアボディ」のアイテム版ですね。「おんみつマント」との差別化点は補助技と特性によるステータス下降に強くなる事ですが、現環境ではそれが生きる場面は多くないように感じています。物理アタッカーへのバトンを選択肢に入れる場合は「いかく」対策でこちらの採用が考えられます。
なお、準伝説の特性によるステータス下降は防げないようなので注意が必要です。

メンタルハーブ
高速挑発持ちが重い場合の選択肢です。上から挑発を打たれても瞑想を1回積み、加速して上からバトンできます。

ひかりのねんど
壁ターンを5ターンから8ターンに伸ばす持ち物です。「リフレクター」を採用する場合の選択肢として一応挙げておきますが、優先度は低いです。

きあいのタスキ
1回の行動保証を持たせるアイテムですが、特性でSを上げるパラドックスポケモンハバタクカミトドロクツキテツノツツミを考慮すると2加速が必要になるバトン先が多いと思われるため、個人的には優先度は低いです。決して弱くはありませんが、この持ち物を持たせる場合は調整を考え直す必要がありそうです。
構築単位で考えると、パオジアンのような対面性能の高いポケモンに持たせてバトンエースの裏のスイーパーとして使う方が強そうな気がしています。

特性

かそく
コンセプト上、確定です。
新登場の専用特性「びんじょう」もかなり面白く気になっていますが、どちらかと言えばダブル向けの特性かもしれません。

性格・努力値と調整

性格：おくびょう(S↑A↓)
H 116：耐久面については被ダメージ計算のパートに詳述します。
A 0：イカサマのダメージ軽減のため個体値0が理想です。
B 108
C 4：余りです。
D 60
S 220↑：実数値168になります。目安は以下の通りです。
0加速でちょうど最速100族イーユイウルガモスイルカマン(ナイーブ)抜き
1加速で最速100族、準速115族までの「こだわりスカーフ」持ち抜き、「からをやぶる」使用後のパルシェンパルシェン抜き

技構成

めいそう・バトンタッチ
コンセプト上の確定枠です。積めるだけ積んで裏に引き継ぎます。
この2枠に加え、以下から変化技1攻撃技1で選択する形が基本になるかと思います。

リフレクター
物理アタッカー相手でも安定して行動するため、ほぼ確定枠です。バトン先に一貫する物理に対し、行動回数を増やしつつ裏への負担を減らすことができます。5ターンしかないので貼るタイミング・バトンのタイミングに気をつける必要があります。
壁貼りを他のポケモン(オーロンゲなど)に任せる選択肢もありますが、先攻バトンでバトン先に負担がかかりやすい関係上全抜きが安定しないので、今回は2匹で完結する前提での考察としています。

みがわり
有利対面で貼れると強力ですが、元の耐久が低く安全に身代わりを残せる場面は少ないため、優先度は低いです。ノーマルテラスタルでゴースト技を透かしながら貼れた時なんかは脳汁がたくさん出そうです。

まもる
確実に加速するための技です。瞑想を積むことまで考えると不利対面では結局テラスタルを切らざるを得ないケースが多く、不利対面のまま強引に1加速するためだけにこの技を採用するのはあまり強くないと感じています。

さいみんじゅつ
タマゴ技です。遺伝経路がないので「ものまねハーブ」を使った横遺伝で覚えさせます。
決まれば非常に強力な技ですが、安定感に欠けることや、キノガッサを意識した催眠対策が環境に多いと思われることから、優先度は低いです。

ルミナコリジョン
威力80・命中100で確定D2段階下降という破格の性能を持つ技です。安易な受け出しを許さず、ステータス下降によって交代を誘いやすい(＝安全な行動回数を確保しやすい)点から、この型との相性はなかなか良さそうです。攻撃技をこれだけにすると悪タイプに打点がないのがネックです。

マジカルシャイン
トドロクツキサザンドラへの有効打となりつつ、無効化されずに「がんじょう」や「きあいのタスキ」持ちのポケモンを削ることができます。上2体以外へのダメージソースとしてはあまり期待できません。

イカサマ
苦手とするゴーストタイプや物理アタッカーに対し大きな削りを入れられます。サーフゴーへの打点としては微妙(ダメ計パート参照)なので注意が必要です。

テラスタル

バトン先にテラスタルを残すのが理想ですが、エスパー単タイプであり弱点の悪・ゴーストが環境に非常に多いことから厳しいケースが多いと思われます。そのため、テラスタルによりタイプ相性を書き換えて強引に積んでいくという動きを選択肢に入れておく必要があります。

ノーマル
先制技の「かげうち」を含むゴースト技を無効化でき、弱点も格闘のみになることから、今回の型と非常に相性が良いです。基本的にはこちらを採用するのが無難かと思います。

フェアリー
悪タイプを半減で受けつつ、「マジカルシャイン」を搭載する場合は火力を高めることができます。この際主に意識するトドロクツキをはじめ、ドラゴンタイプは鋼テラスタルの割合が非常に高い(体感)ため、雑にテラスタルを切ってしまうと返り討ちに遭います。

悪
苦手かつメジャーな悪・ゴースト技を両方半減にできる他、「イカサマ」の火力も伸ばせますが、悪タイプ対策が必須な環境のため思わぬ所から抜群技が飛んできやすい点に注意が必要です。ハバタクカミミミッキュの一致技が一貫してしまうのも厳しい点です。

立ち回り例

「めいそう」、「リフレクター」で耐久しながら「かそく」で素早さを上げ、「バトンタッチ」で裏のエースに繋ぐのが基本の動きです。バトン先の候補については「相性の良い味方」欄に記載しています。
タイプ相性が不利な相手と対面した場合は必要に応じてテラスタルを切り、ダメージを抑えつつ耐久を上げて行動回数を増やす動きを取ります。
攻撃技の候補としている「ルミナコリジョン」「マジカルシャイン」「イカサマ」についてはいずれも相手次第で大きな負担をかけられる技になります。有効打となる相手との対面で、「相手の技を余裕を持って受けられる」「相手を上から一撃で倒す事ができる」「相手の交換が予測でき、交換先にも負担をかけられる」のいずれかに該当する場合に行動の選択肢に入ります。

与ダメージ計算

仮想敵は環境への独断と偏見で選んでいるため、ご指摘いただければ随時追加・修正・削除いたします。

ルミナコリジョン
ここでの「2発目」は相手のDが2段階下がっている状態を指します。
基本的にこの技で敵を倒すことは想定していないため、目安程度になります。また、「めいそう」使用後にこの技を選択するケースは少ないと考えC1段階上昇時の与ダメージは記載しておりません。必要のある場面が考えられましたらご教示願います。

H4振りミミッキュに皮ダメ+2発目で79.3〜92.3％ (皮込み確定3発)
H4振りハバタクカミに1発目27.4〜32.8％、2発目54.9〜64.8％ (確定3発)
D4振りドラパルトに1発目35.5〜42.3％、2発目70.5〜83.4％ (確定2発)
H4振りサーフゴーに1発目15.3〜18.4％、2発目31.2〜36.8％、3発目46.0〜53.9％ (乱数3発)
HD特化キョジオーンに1発目17.3〜20.7％、2発目34.7〜41.0％、3発目51.2〜60.8％、4発目以降68.5〜81.1％ (確定3発)
HD特化ドヒドイデに1発目34.3〜42.0％、2発目66.2〜80.2％ (「くろいヘドロ」の回復込みで乱数2発)
H252D4カバルドンに1発目27.9〜33.4％、2発目55.8〜66.0％、3発目82.7〜97.6％ (「オボンのみ」の回復込みで確定3発)

マジカルシャイン
C1上昇時とフェアリーテラスタル使用時の火力が同じになります。
(C1上昇時＝テラスタル使用時＜C2上昇時＜C1上昇＋テラスタル使用時＜C3上昇時≒通常で1発＋テラスタルで1発)

D4振りサザンドラに81.4〜95.8％ (確定2発、C1上昇時確定1発)
H4振りトドロクツキに68.5〜81.7％ (同上)
D4振りドラパルトに47.8〜56.4％ (高乱数2発、C1上昇時確定2発、C2上昇時中乱数1発、C1上昇＋テラスタル時確定1発)
D4振りパオジアンに55.4〜65.8％ (確定2発、C1上昇時確定2発、C2上昇時確定1発)
H4振りパルシェンに45.2〜53.9％ (やや低乱数2発：「からをやぶる」をせずに殴られた場合と「しろいハーブ」持ちの場合に2発目でテラスタルを切る必要があります)

イカサマ
陽気A252B4のドラパルトに78.5〜93.2％ (確定2発、テラスタル時確定1発)
意地A252B4のドラパルトに87.1〜103.0％ (低乱数1発)
A最低値B4のドラパルトに51.5〜61.3％ (確定2発)
陽気A252H4のA2上昇ミミッキュに皮ダメ込みで90.0％〜103.8％ (やや低乱数1発)
陽気A252H4のギャラドスに37.4〜44.4％、A1上昇で56.1〜66.0％ (A上昇なし＋A1上昇で乱数2発)
意地A252H4のパルシェンに49.2〜58.7％ (超高乱数2発：「からをやぶる」をしてこない場合のみ関係します)
意地A252H252のハッサムに33.8〜40.1％ (確定3発)
A最低値H4のサーフゴーに23.3〜28.2％ (高乱数4発)

被ダメージ計算

相手はAかCに努力値を252振っている想定です。
「珠」「鉢巻」「眼鏡」はそれぞれ「いのちのたま」「こだわりハチマキ」「こだわりメガネ」を指します。

陽気珠ミミッキュ
「じゃれつく」：53.5〜63.7％、壁下26.4〜31.8％(確定4発)
「シャドークロー」：84.3〜101.0％(最高乱数以外耐え)、壁下42.1〜50.8％(超低乱数2発)
「かげうち」：47.3〜58.9％ (高乱数2発)、壁下23.7〜29.7％(超高乱数4発)

物理ドラパルト
「ドラゴンアロー」：2回で56.2〜68.1％ (いじっぱり珠持ちまで確定2発、陽気鉢巻は2連最高乱数のみ1発)

特殊ドラパルト
「シャドーボール」：臆病持ち物なしで84.3％〜100.5％ (最高乱数以外耐え)、控えめ持ち物なしで91.8 〜110.2％ (中乱数1発)、臆病珠で109.7〜130.8％
「りゅうせいぐん」：臆病持ち物なしで68.6〜81.0％、控えめ持ち物なしで75.1〜89.1％、臆病珠で89.1〜105.4％ (やや低乱数1発)、臆病眼鏡で102.7〜121.6％

控えめサーフゴー
「シャドーボール」：113.5〜134.0％、D1上昇で75.6〜90.8％
「ゴールドラッシュ」：84.3〜99.4％、D1上昇で56.7〜67.0％、C1下降かつD2上昇で28.1〜34.0％ (上から「めいそう」2回で「ゴールドラッシュ」2発をほぼ耐え)

控えめ天然ラウドボーン
「フレアソング」：50.2〜58.9％ (確定2発)
「シャドーボール」：100.5〜117.8％ (確定1発)

控えめイーユイ(「こだわりスカーフ」想定)
「あくのはどう」：等倍テラスタルで76.2〜89.7％、半減テラスタルで37.8％〜44.8％
「かえんほうしゃ」：77.8〜92.4％
「オーバーヒート」：112.4〜132.9％

臆病イーユイ(全て上から「めいそう」を1回積んだ想定)
「あくのはどう」：等倍テラスタルで45.9〜55.1％(2回目の「めいそう」後にもう1発耐える)、半減テラスタルで22.7〜27.5％
「かえんほうしゃ」：51.8〜61.6％、D2上昇で39.4〜47.0％ (上から2回瞑想で中乱数2発)、珠で67.5〜80.0％
「オーバーヒート」：75.1〜89.1％、珠で97.8〜116.2％ (高乱数1発)

控えめサザンドラ
「あくのはどう」：等倍テラスタルで54.0〜63.7％(「めいそう」後にもう1発耐える)、半減テラスタルで27.0〜31.8％
「りゅうせいぐん」87.5〜103.7％
「だいもんじ」：49.1〜58.3％ (半減「あくのはどう」＋等倍「だいもんじ」を耐える)

陽気トドロクツキ
「かみくだく」：等倍テラスタルで50.2〜58.9％ (壁で2回目まで耐える)、半減テラスタルで24.8〜29.1％
「げきりん」：74.5〜88.1％
鋼テラス「アイアンヘッド」：50.2〜58.9％、抜群テラスタルで100.5〜117.8％ (半減「かみくだく」＋壁下抜群「アイアンヘッド」を耐える)

苦手なポケモン

・「ふきとばし」「ほえる」を使うポケモンカバルドンディンルー
・「ちょうはつ」を使うポケモンオーロンゲサザンドラ
・高火力先制技持ちハッサムイルカマン(マイティ)セグレイブ：バトンのタイミングに注意すればバトンエースとの相性次第です。
・S実数値169以上で「こだわりスカーフ」を持っていたり「こだいかっせい」「クォークチャージ」でSが上がる高火力のポケモン(テラスタルによるタイプ受けで2回行動ができれば最低限の仕事はできます)
・ヘイラッシャ：特性「てんねん」によりバトンエースが仕事をできませんが、「ルミナコリジョン」でゴリ押そうにもHD特化だと最低4ターンかかり、「あくび」などで容易に流されます。「かたやぶり」持ちのC種族値は現状バスラオ(赤)の80が最高で、とても現実的ではないので、素で突破できるエースまたは他の勝ちルートが必要です。
・ラウドボーン：同じく「てんねん」持ちかつタイプ相性も不利で、こちらからの有効打もありません。
・イッカネズミ：陽気だと上から等倍の「ネズミざん」で致命傷を負ってしまうので、バトンエースがゴーストタイプ以外だと厳しいです。

相性の良い味方・構築例

バトン先のエースとして考えているポケモンを列挙しておきます。「耐久と素早さがある程度あり、広範囲に有効打を持っている」ことが基本的な条件になります。こちらも他にあればコメントで教えて頂けると嬉しいです。

・グレンアルマ
高いC種族値で瞑想加速バトンと相性の良いタイプ一致「アシストパワー」を使える上、「もらいび」「くだけるよろい」共に先攻バトンからの受け出しに相性の良い特性となっています。タイプ一致技以外に悪、鋼、ゴースト、ドラゴン、草、格闘と豊富なサブウェポンを覚え、テラバーストに頼らずに広い技範囲をとる事ができます。変化技では「てっぺき」「ちょうはつ」「みちづれ」なども候補に入りそうです。タイプ被りがネックです。

・エーフィ
高いC種族値からのタイプ一致「アシストパワー」と、変化技を跳ね返す特性「マジックミラー」が魅力です。有用なサブウェポンは岩、草、フェアリー程度で技範囲には不安があり、タイプ被りも懸念です。

・リキキリン
タイプは被りますがゴースト技と先制技を無効にでき、高めのC種族値から一致「アシストパワー」を使えます。「きあいのタスキ」を貫通できる専用技「ツインビーム」も有用です。サブウェポンはゴースト、電気、草、フェアリーとそれなりの範囲です。

・サケブシッポ
火力は低いですが「アシストパワー」を覚え、耐久が高いため先攻バトンからの受け出しが安定します。一致技に加え電気、氷、炎、草、格闘の技範囲を持っています。「ビルドアップ」「めいそう」「ドわすれ」と積み技も充実しており、汎用性は低いもののラスト1匹に有用な「ほろびのうた」も覚えます。構築次第では、こちらにも「バトンタッチ」を覚えさせるという選択肢もあります。

・ラウドボーン
弱点が一貫しますが高めの物理耐久を持ち、特性「てんねん」も優秀です。専用技「フレアソング」も威力80・確定C上昇で身代わりも貫通という破格の性能を持っていますが、特殊の有用なサブウェポンがほとんど無いのが辛いです。

・テツノツツミ
物理耐久はそれなりにあり、足りない特殊耐久を瞑想バトンである程度補うことが可能です。火力と素早さは十分で、特殊技はタイプ一致技以外ほとんど覚えないものの「フリーズドライ」によって広範囲に等倍以上をとる事ができます。加速バトン前提なので「ブーストエナジー」を持たせてCが上がる調整にできます。

・カイリュー
特性「マルチスケイル」で受け出しやすく、技範囲が広いです。特攻種族値は100で、火力不足は懸念点です。

・キラフロル
耐久も素早さもそれなりにあり、高火力と技範囲を兼ね備えています。特性も優秀ですがこの使い方だとそこまで有用ではないかもしれません。

・サザンドラ
悪・ゴーストを半減で受けられ、耐久も火力も優秀で技範囲も非常に広いです。テラスタル(鋼を推奨)を切らないとミミッキュで止まってしまうのが難点です。

・スナノケガワ
それなりの耐久と火力を兼ね備えています。テラバーストを採用しない場合の技範囲は電気・地面・岩・鋼でほぼ確定ですが、悪くはなさそうです。「てっぺき」「ボディプレス」も覚えます。

終わりに

最後までお読み頂きありがとうございます。初投稿にしては少し長くなってしまいました。ミスや考えの浅い部分など少なからずあるかと思いますので、ご意見を頂けると幸いです。個人的にとても好きなデザイン・性能のポケモンなので、皆様のご意見も随時反映してより良い育成論にしたいと思っております。