前置き
shiokonと申します。
レイドバトルでの状態異常は非常に厄介です。素の効果もさることながらタイムリミットへの時間稼ぎになるうえ、治してもまた状態異常にしてきたりと鬱陶しさが増しています。
今回はその対策の一つとして、ねむり対策のサポート型アマージョの育成論をご紹介します。
なお、この型はレイドバトルにおいて主流とする「ワンパン戦法」には直接対応していません。また文章内において一部用語及び略語を使用している箇所があります。
ご注意ください。
※一部ではレイドバトルの眠り対策としてよくアマージョがアマージョ挙がっていますが、育成論には無かったため今回投稿しています。
レイドバトルでの状態異常対策
バトル中にできる現実的な状態異常対策は
・技「しんぴのまもり」「ちょうはつ」を使う
・特性で防ぐ(例:やるき、じゅうなん、ねつこうかんetc..)
・エレキフィールドを張る(ねむり状態のみ)
・ミストフィールドを張る(予防効果のみ)
・自身のタイプで防ぐ
(ほのお、でんき、くさタイプなどの特定の技、状態異常無効効果)
となります。
このうち「しんぴのまもり、特性、タイプ」以外の方法はフィールドの上書きや技の掛け直し、技威力半減、一部技や特性の効果無効、バリアの変化技無効など2度手間となるため思った以上に効果を発揮しない、また他のプレイヤーへの弊害となりやすいものとなっています。
となると「しんぴのまもり」でいいのでは?となりますが、「タイプ」も含め技やタイプによる無効効果付与はレイドボスの行動制限を促すため一長一短です。
しかしながら、「特性」による方法は状態異常付与をするターンを無害なものにしてボーナスターンに変え”続ける”ことができるため、対策方法としては非常に優れています。(詳細は補足参照)
勿論レイドボスの打ち消しによる効果を受ける形となりますが、1~2回程度で済むためそこまでの影響は無いともいえます。
幸いにもねむり対策においては味方のねむり状態を無効化する特性が存在するため、特性による対策が有効となります。
採用理由と役割
味方のねむり状態を無効化する特性「スイートベール」を持つことから、アマージョアマージョを採用しました。
今回はねむり状態予防に加え物理受けサポートも併用しつつ、「つぼをつく」による味方の能力強化を目的とします。
- 変更点(2023.2.12)
当初は技構成にて「てだすけ」を採用していましたが、運に頼る部分もあるものの技「つぼをつく」がかなり有用であることを(今更)知ったため技構成を「てだすけ」→「つぼをつく」に変更しました。
持ち物
- ばんのうがさ
あめ、にほんばれ状態でのみず、ほのお技のダメージの変動を防ぎます。
また、あめ、にほんばれ下での技「こうごうせい」の回復量変動も防ぎます。
特性
- スイートベール
自分と味方のポケモンは眠らなくなる。(原文引用)
今回の育成論の要であるためこれ一択となります。
個体値・性格・努力値
- 個体値:HP31、こうげき31、ぼうぎょ31
HPとぼうぎょのみでもいいですが、こうげき種族値が120もあるため一応こちらも。
- 性格:わんぱく(ぼうぎょ↑:とくこう↓)
ぼうぎょが上がる性格にします。
- 努力値:HP:252、こうげき:4、ぼうぎょ:252
サポート型としての運用であるため、物理耐久を上げる形にします。余った4はこうげきが妥当かなと思います。
技構成
- トロピカルキック:威力70、100%の確率でこうげきを1段階下げる。
- リフレクター:5ターンの間自身を含めた味方の物理ダメージを2/3にする。急所に当たった場合は効果を発揮しない。
- つぼをつく:「こうげき」「ぼうぎょ」「とくこう」「とくぼう」「すばやさ」「回避率」「命中率」のいずれかが2段階上がる。自身か味方が対象。
- こうごうせい:自身の体力の半分を回復する。天候が日本晴れの時は2/3、雨、雪、砂嵐の時は1/4の回復量となる。
- 他の技候補
・てだすけ:味方の技威力を1.5倍にする先制技
・ひかりのかべ:5ターンの間自身を含めた味方の特殊ダメージを2/3にする。急所に当たった場合は効果を発揮しない。
・ちょうはつ:3ターンの間相手は変化技が使えなくなる。
◎なお技「こうごうせい」「つぼをつく」はタマゴ技であるため道具「ものまねハーブ」で一括コピーします。
テラスタル
- ゴースト
弱点補完を目的としています。
抜群だったむし、どくを半減し、ひこう、ほのお、こおりを等倍にします。
立ち回り
特に決められた流れはありませんが、優先順位としては
光合成(HP低下時)>リフレクター>トロピカルキック=つぼをつく>光合成
となります。「リフレクター」「トロピカルキック」である程度のダメージを軽減できたなら「つぼをつく」で暇を潰しましょう。
催眠持ちポケモンへのテラレイド適性(☆5~6)
評価順:☆>◎>〇>△>×
☆5レイド
- ヤドランヤドラン:適性☆
水技半減も良し
- ヤドキングヤドキング:適性〇
「ひかりのかべ」推奨
- ハピナスハピナス:適性◎
特殊型だが当人の火力がないため一応選出できる
- キノガッサキノガッサ:適性?
「キノコのほうし」が特殊行動なのに「なやみのタネ」持ち、本末転倒
- バクーダバクーダ:適性△
地面技は防げるが「ふんか」「かえんほうしゃ」が脅威、「ひかりのかべ」推奨
- チルタリスチルタリス:適性×
「ぼうふう」「しろいきり」「コットンガード」持ち
- カバルドンカバルドン:適性◎
地面技半減だが「のしかかり」の麻痺が不安
- モロバレルモロバレル:適性△
タイプ一致「ヘドロばくだん」持ち、「ひかりのかべ」推奨
- ヤレユータンヤレユータン:適性△
可もなく不可もなく、「ひかりのかべ」推奨
- ハルクジラハルクジラ:適性×
氷技抜群で「なかまづくり」持ち
☆6レイド
- シャワーズシャワーズ:適性◎
テラスタイプに注意、「ひかりのかべ」推奨
- ハピナスハピナス:適性◎
当人の火力がないため一応選出できる、「ひかりのかべ」推奨
- キノガッサキノガッサ:適性◎
行動を「つばめがえし」にほぼ固定できる
- コータスコータス:適性△
いけなくはないがタイプ一致「ふんえん」に注意、「ひかりのかべ」推奨
- カバルドンカバルドン:適性☆
「こおりのキバ」を普通に耐えられる、地面技半減も尚良し
- モロバレルモロバレル:適性△
タイプ一致「ヘドロばくだん」持ち、「ひかりのかべ」推奨
- ニンフィアニンフィア:適性×
火力馬鹿のためジリ貧になる
- ヘイラッシャヘイラッシャ:適性☆
ただのカモ
- リククラゲリククラゲ:適性×
特性で詰み
- ドオードオー:適性☆
タイプ一致「どくづき」があるが、当人の火力が低いため普通に耐える、特性「てんねん」対策もできる
- 総括
全体としてはあまり適してないように思えますが、よく見ると物理アタッカーに対しては大体の相手に対応ができる形となります。しかし特殊アタッカーに対してはタイプ相性や特性による不利が働きやすく対応しづらいものが多くなっています。
今回の型において「物理受けサポートも併用する」と書いたのはアマージョと眠らせてくる物理アタッカーのレイドボスとの相性が良かったことが一因となります。
また、トロピカルキックによる100%Aダウンも追い風です。
加えて眠らせてくる特殊アタッカーのほとんどは別途の対策をせずとも素ステが低かったり、特定のレイドアタッカー(ラランテスサーフゴーなど)で封じることができるためそこまで重要ではありません。
補足
※別に読まなくても大丈夫です。
- アマージョのレイドアタッカー運用
A種族値が120もあるためアタッカーもいけなくはないですが自身の火力を上げる要素が少なく、技としては「グラスフィールド」「つぼをつく」ぐらいしかありません。
仮にレイドアタッカーとして運用するならば、性格「いじっぱり」A252振りでかつタイプ相性が良い時でしか活躍の見込みがないものと思われます。
- アマージョの物理受けサポーター運用
技構成だけをみれば以前投稿した物理受けサポート型ヤドキングヤドキングと同じであるうえ、耐久もそこそこあるので同様の運用もできます。
が、特性が腐る時があります。
◎育成論SV/1234
- 「技、特性」とレイドボスの技選択AI
前回のトリトドントリトドンの育成論でほんの少し触れましたが、変化技を無効にする場合は手段が「技」か「特性」によってレイドボスが行う技選択に変化が出ます。具体的には、
例1:カイリューカイリューが技「しんぴのまもり」を使った後、効果が切れるまで☆6ヘイラッシャヘイラッシャは技「あくび」を使わない。
例2:特性「スイートベール」のアマージョアマージョがいる間、☆6ヘイラッシャヘイラッシャは技「あくび」を打つことがある。
となります。AIは技選択において特性は考慮しませんが、ステータス数値に直接干渉せず強化枠として表示される技(例:「でんじふゆう」「しろいきり」)は考慮します。そのため、例に沿うとこの後のターンのヘイラッシャヘイラッシャの行動は例1においては技「あくび」以外を選択し、例2においては全ての技を選択します。
つまり次のターンから例1では攻撃技のみとなり、例2では「あくび」をしてきた場合は効果を無効化し行動を実質的にスルーさせることができます。(状態異常付与(メンタル系も含む)の変化技はどうにも優先度が高いからか、かなりの確率で連続して打つことがある。)
この特性による無効化は、変化技を防ぎつつボーナスターンを増やすことができるため、相対的な生存能力の向上に繋がります。
- 補足の補足:サーフゴーサーフゴーとレイドボス
サーフゴーサーフゴーは特性「おうごんのからだ」により変化技を無効化します。
この特性の強さは対戦関係をみれば一目瞭然ですが、この強さはレイドにおいても同様かそれ以上となります。
まず、サーフゴーのレイドバトルにおける強さとは
・特性「おうごんのからだ」による変化技無効
・タイプ「はがね」「ゴースト」による無効タイプの存在と半減タイプの多さ
・技「じこさいせい」「わるだくみ」持ち
となります。
補足項に書いた通り「特性」対策によって、レイドボスの技選択AIは変化技を持っている場合は無効化されるにも関わらず打ちます。サーフゴーサーフゴーにおいてはその対象は変化技全てです。
それにより、全ポケモンと比べてもバトル中ボーナスターンとして発生する確率が比較にならないほど高く、積みや回復を阻害されることがほぼありません。
またタイプ相性によって「ノーマル」「かくとう」「どく」を完全に封印し、「はがね」「いわ」「ひこう」「フェアリー」「ドラゴン」「こおり」「エスパー」「くさ」「むし」を半減以下にします。
つまり何が言いたいかというと、無効特性とタイプ相性と技選択AIの仕様が合わさり多くのレイドボスの行動を固定化することができます。
具体的なものとしては、
・☆6キラフロルキラフロル:「パワージェム」「ロックカット」に固定化
・☆6ムクホークムクホーク:「ブレイブバード」「フェザーダンス」に固定化
・☆6モロバレルモロバレル:「イカサマ」「キノコのほうし」に固定化
・☆6ブロロロームブロロローム:「オーバーヒート」「ちょうはつ」に固定化
・☆6キノガッサキノガッサ:「つばめがえし」「キノコのほうし」に固定化
・☆6デカヌチャンデカヌチャン:「はたきおとす」「でんじは」に固定化
・☆6タギングルタギングル:「はたきおとす」「おだてる」に固定化
・☆6オトシドリオトシドリ:「はたきおとす」「フェザーダンス」に固定化
・☆6モトトカゲモトトカゲ:「はたきおとす」に固定化
・☆6セグレイブセグレイブ:「ゆきげしき」に固定化?(挙動が不明瞭)
・☆6ヘイラッシャヘイラッシャ:「ウェーブタックル」「あくび」に固定化
・☆6ルガルガンルガルガン(たそがれ):「かみくだく」「ちょうはつ」に固定化
・☆6エルレイドエルレイド:「サイコカッター」「おにび」に固定化
・☆6ヘラクロスヘラクロス:「メガホーン」「にらみつける」に固定化
※固定化と表記はしてはいるが実際はタイプ無効でない限りはそれ以外の技を打つ場合もある(ただし低確率)。要は偏りを作っている。
など様々挙がります。さらに固定化させた上でボスが変化技を打ってきた場合はそのターンは無害となるため非常に安定した攻略が望めます。
何だかここだけサーフゴーの育成論っぽくなってしまっていますが、つまりレイド用ポケモンの「特性」の考慮は育成におきかなり重要となります。
(勿論種族値も厳かにしてはいけませんが...)
補完2
※そこまで重要な内容ではないので読まなくても大丈夫です。
◎レイドボスの技選択~特性編~
トリトドントリトドンの育成論ではかなり大雑把な説明であったため、その部分だけを読むと誤解が生じると判断し書き直したものになります。今回はその一部です。
なお、自身の調査だけを元にしているため全て正しいわけではないことにご注意ください。
- 相手の特性による挙動の変化
レイドボスは一部の無効化、吸収を行う特性の相手に対し行動が変わります。
- (1)全く認識出来ず無効化される形でも該当技を使う特性
・例:「ちょすい」「そうしょく」「アロマベール」「スイートベール」「やるき」「マジックミラー」「ミラーアーマー」「おうごんのからだ」
- (2)一度無効化されると一部の特殊行動を行うまで該当技を使わなくなる特性
・例:「どんかん」「マイペース」/(※例外枠:「マジックミラー」)
※技「あやしいひかり」などを特性「マジックミラー」で返すと以降戦闘が終わるまで相手は「あやしいひかり」及びその他の「相手を対象とする変化技」を使用しなくなる。(跳ね返したポケモンのみ対象):ムウマージムウマージなど
※技「でんじは」等を特性「マジックミラー」で跳ね返し相手を状態異常にさせると相手は自身の特殊行動で状態異常を解除するまで跳ね返された該当技を使わない。:ジバコイルジバコイルなど
- (3)該当技を全く使わなくなる特性
・例:「ふゆう」
意外と少ない気もしますが、「どんかん」「マイペース」の対象とする状態異常の枠と(2)「マジックミラー」における例外挙動、(3)「ふゆう」の挙動を見ると基本的には「「まひ」「やけど」等の通常の状態異常の無効化、味方全体を対象とする状態変化の無効化、攻撃ダメージの無効化(正確には無効化した上で吸収か能力上昇を行う)、技かその効果を反射する」特性をAIは認識できない可能性があると考えられます(要検証)。
見る限りでは「くすぐる」「いやなおと」などの変化技を使う場合においては該当する無効特性全般を認識できていないといえます。(該当枠:「おうごんのからだ」「ミラーアーマー」「マジックミラー」)
また基本とする状態異常系列(「まひ」「やけど」「どく」「ねむり」(「こおり」))に関する(「マジックミラー」を除く)無効特性も認識できている可能性は低いと思われます。
加えて(2)の挙動にならなかった「アロマベール」をみると全体と対象とする無効特性(「アロマベール」「スイートベール」(試してはいないが「フラワーベール」も含む))も認識できていない可能性があります。
なお特性「おうごんのからだ」に関して、特性の効果として対象が「状態異常」や特定の「タイプ」ではなく、「変化技」という括りになっている可能性が高く、もし「変化技」でなければ一部ケースでは(2)の挙動起こしているためかなりの例外枠であると思います。(対戦系におけるバグの事例も鑑みると「マジックミラー」も括りが特殊の可能性がある。)
正直特性に関しての挙動は不可解な部分があまりに多く信頼性が高いとは言い難いです。
- レイドバトルでの転用
レイドボスは認識できない一部の無効、吸収特性を持つポケモンと戦闘した際、無駄になるにも関わらず該当技を選択するため、これらの特性を持ったポケモンを選出することで「実質的に「レイドボスが何も行動しない」ターンを増やす」ことができるようになります。
今回のアマージョアマージョのように味方の行動を陰ながら補佐することも可能になりますし、アーマーガアアーマーガアなんかは相手の「くすぐる」で相手の攻撃ダメージを減らしつつ自身の攻撃で与えるダメージを増やすという冴えたプレーもできるようになります。
最後に
今回はねむり対策のサポート型アマージョの育成論をご紹介しました。
意外と誰か一人が受けサポート役に徹してくれるだけでクリア率が大きく上がるものですが、与ダメ至上主義の中だとあまり一般に流行らないのが難点になりますね。
ここまで読んで頂きありがとうございました。