はじめに
はじめましての方ははじめまして、二度目の方は二度目まして、靄と申します。年末年始と色証厳選ですっかり戦闘勘がなまりましたが、遅ればせながら今期もマスターボール級到達しました。例によって相棒のリーフィアリーフィアの育成論を投稿します。至らぬ点も多々あるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
以下、注意事項です。
- HABCDSや珠、襷といった、一般的に用いられている範囲の通称・略称を使用します。
- 特筆しない限り、ポケモンは理想個体(6V)とします。
- 採用理由は愛です。他のポケモンとの最低限の差別化、およびランクマッチで戦える程度の強さはありますが、類似の立ち回りができるより取り回しやすいポケモンも存在しうる点、ご了承ください。
- 立ち回りの都合上、コータスコータスとの同時選出を前提とした記述があります。
- S1のレギュレーションを想定しています(パラドックスポケモンは考慮していません)。
リーフィアの採用理由と強み
愛です。野生だと耳をクシクシするしぐさが見られます。かわいい。
…
と、まあ構築の1匹目として採用している子なので、採用理由というよりはリーフィアリーフィアの強みと担える役割を以下につらつら記述します。
- 特性・葉緑素と剣の舞を両立するアタッカー
いわゆる積みエースですね。特性により素早さは2倍になり、無振りでもほとんどのポケモンを抜き去り、最速ならばS特化スカーフドラパルトの上をとれます。剣舞を積めばキョジオーンを一撃で持っていくほどの火力が出せます。
- 物理方面の耐久
ブイズのB130担当なので耐久方面に努力値を割けば物理受けとしての運用も可能です。タイプ上弱点を突かれやすいのと、特殊方面は進化前イーブイと大差ないのはご愛敬。また、特段耐久を高めなくてもそれなりの物理耐久はありますので、剣舞を積む隙を作れます。特性のおかげでSに割く努力値を節約しても素早さと物理と打ち合える火力・耐久を両立できるのもメリット。
- 目立つ
かわいい。
…戦術面での話をします。選出画面でコータスとリーフィアが並んでいると、お相手目線ではどうしても「葉緑素を利用した全抜き」を意識します。そのため先発コータスを意識されたり、リーフィアのストッパーが選出されたりするケースが多いです。控えに対策ポケモンを置いたり、裏選出を通したりして、試合を有利に運びましょう。
一方ウィークポイントとしては、
- 草単タイプであり弱点が多い&メジャー
- 特性が発動しないと少し物足りない素早さ。95族なのでミミッキュミミッキュ、サザンドラサザンドラ、その他100族などに一歩及ばない。
- ブイズ特有の技範囲の狭さ。おまけにメインの草技もあまり通りがよくないと来た。
と使いにくさが目立ちますので、そのあたりは愛で補いましょう。
前回は炎テラスタルを採用した葉緑素アタッカーを考察しましたが、この型は炎・ドラゴンに有効打がなく、ラウドボーン後投げで簡単に止まってしまうのがネックでした。本論ではそれを踏まえ、誘う炎・ドラゴンに通る岩テラスタルを採用した耐久振り葉緑素アタッカーについて考察します。
差別化
あくまで採用理由は愛ですが、シーズン1で使用可能なポケモンとの簡単な差別化を述べます。ちなみに草岩の技範囲を一致で扱えるポケモンは現在ユレイドル系統のみとなっており、SV未内定です。
SVの草タイプで剣の舞および物理の岩技を習得できます。すなわちテラスタルを切らずとも本論のリーフィアの技範囲を賄えます。
しかしながら、リーフィアとはS種族値に開きがあり、特性で素早さを補えるわけでもありません。上から叩く抜きエースとしての適性はリーフィアにあり、差別化は可能と考えます。
- マスカーニャマスカーニャ
リーフィアと同等のA110、リーフィアよりも速く下準備なしでも十分なS123という草タイプ高速物理アタッカー。習得技もトリックフラワー・叩き落とす・じゃれつく・不意打ち・とんぼ返りと優秀で、追加効果すらろくにない技で戦うリーフィアは大きく水をあけられます。さらに夢特性は弱体化こそされたものの依然強力な変幻自在。拘りトリックのような絡め手も扱え、ランクマに潜っていてもよく見かけるポケモンです。
こちらも剣舞は覚えません。そのためマスカーニャは襷や拘り系を持たせた先発要員としての育成が主流かと思います。積みエースとして運用する本論のリーフィアとは役割が違います。また高水準なASに引き換え、耐久面は並み程度。晴らすというひと手間が必要とはいえ、火力・耐久・素早さを兼ね備えることもリーフィアの優位点でしょう。
- メブキジカメブキジカ
同じS95族で葉緑素、剣舞を両立する、永遠のライバル。正直差別化しんどい。
メブキジカはノーマルタイプのため、一致捨て身タックルを扱える他、耐性面では環境に多いゴースト技をすかすこともできます。さらに炎タイプへの打点として地団太、ドラゴンタイプへの打点としてじゃれつくを覚え、サブ技のためテラスタルを切るリーフィアではかなうべくもない技範囲を持ちます。
一応リーフブレードは習得せず、A種族値もわずかにリーフィアが勝ります。そのためリーフィアの優位点としては草技の瞬間火力だったり、ブイズ共通の補助技を使えたりといったところでしょうか。
持ち物
- 命の珠
確定欄です。A110とずば抜けた攻撃性能はないので、テラバースト含めた技火力を補うために持たせます。
- 達人の帯
今回耐久調整を施しているので、当初珠ダメを嫌って採用していました。岩技に1.2倍以上の火力補正がかかれば十分なので弱点がつけるケースであればこちらでも十分です。ただ等倍火力が貧弱になってしまい、数値で受けられてしまう状況が多々あったため非推奨です。
- 弱点保険
テラスタル前後ともに多弱点のため。耐久に振ったことから半端な物理技ならば弱点でも耐えてくれるため、発動機会はそれなりにあります。しかし弱点技を読んでテラスタルを切り、消耗を抑える動きのほうが手になじむので試していません。
特性
葉緑素で確定です。天候が晴れの時に素早さが2倍になります。この特性前提のS調整となっているので、ないとはじまりません。
もう1つの特性はリーフガード(晴れ下で状態以上にならない)ですが、元の草タイプはキノコの胞子無効、麻痺も葉緑素で素早さをあげれば相殺、とあまりいいところがありません。
テラスタル
- 岩
確定欄です。草タイプの苦手な炎、飛行、氷、虫に強く、岩の苦手とする水、地面には草技で弱点を突くことができます。ドラゴンタイプに等倍で、飛行複合であれば弱点を突けます。リーフィアにテラスタルを切るその一瞬の爆発力はかなりのもので、タイプ相性を覆すという本ギミックの面白さが堪能でき、使っていて楽しいです。炎やドラゴンへの打点が得られる一方、どちらも鋼タイプに半減されてしまい、サーフゴードドゲザンアーマーガアあたりや鋼テラスのドラゴンが重たくなるのが残念なところ。また、岩タイプは(草との補完は優れるものの)耐性面ではあまりよくなく、返しの一撃で弱点を突かれるケースも多いです。切るタイミングはかなり難しいと感じました。
ちなみに命中100の物理岩技の中で最も威力が高いのがテラバーストです(他はアクセルロック、塩漬け、撃ち落とすくらいのはず)。エッジや岩雪崩とは違い、技外しの負け筋を考えずに物理岩技を扱えるのはテラスタルならではだったりします。
- 地面
一応選択肢として。炎・鋼への打点となり、岩タイプよりはだいぶましな耐性を持ちます。リーフィアは穴を掘るを覚えますが、溜め技は少々扱いにくいのでテラスタルを切るのもありでしょう。一方飛行や氷といった草の苦手タイプはカバーできず、特に飛行タイプへの打点が皆無になってしまうのがネック。そして何より、地団太を覚えるメブキジカのほうが間違いなく強いので、今回は岩タイプでの運用としました。
性格・努力値と調整
性格は意地っ張り、努力値はH180、A228、S92、端数BD。以下調整意図です。
HB:A特化+1段階上昇カイリューの逆鱗が確定2発(136〜162(83.5〜99.4%))
鉢巻ないしは竜舞1積みカイリューの逆鱗耐えまでHに振ることで、等倍の物理技ならまあ1発は耐えられるといった具合です。結構安心感あります。コメントにてご指摘いただいた通り、H180、BD4と振ることでH188振りよりも総合耐久が上がります。
S:葉緑素発動時、最速スカーフ102族抜き
ウルガモスに打点を持てるので、スカーフや1舞されても上をとれるように84振りまでは確定です。今回はついでにスカーフガブリアス抜きまで振りました。晴れていない時は準速74族カジリガメや最速61族バンギラスが抜けます。晴れ状態を前提とした調整のため、天候が取れていない時の素早さはあまり期待しないように。
A:残りぶっぱ
抜きエースなので火力は大事。性格補正もかけ、なるべく高くしました。HB特化ラウドボーンカイリューあたりを弱点ついて2発で沈められるくらいの火力です。
技構成
ダメージ計算にはポケソル様のツールを使用しています。見やすさのためこちらでは最低限の記載です。リーフィアはA228意地っ張り珠です。
確定技
剣の舞
積みエースとして運用するので必須。Aを2段階上昇させます。
ところで剣舞と略した時の呼称って何が正解なんでしょうか?筆者はそのまま「けんぶ」と読みますが、「つるまい」とか「けんまい」もよく聞きます。
テラバースト
こちらもコンセプトなので必須。通常時は特殊技である点に注意です。岩タイプで威力80×一致1.5倍。
無振りマルスケカイリュー:90~107(54.3~64.5) 確定2発、剣舞1積みで確定1発
HB特化マルスケカイリュー:66~78(33.4~39.4%) マルスケ考慮で確定2発
HB特化ラウドボーン:125~148(59.3~70.2%) 確定2発
HB特化ウルガモス:317~380(165.2~198.0%) 確定1発
無振りドラパルト:109~129(66.9~79.2%) 確定2発、剣舞1積みで確定1発
相手にテラスタルが残っていなければそのまま押し通せますが、岩弱点が消えるとつらくなります…
選択枠
リーフブレード
確定欄はこちら。威力90×一致1.5倍の草タイプ技です。テラスタルしても一致補正は変わらない仕様だそうですので、テラス後も威力は変わりません。急所に当たりやすい効果もありますが、あまりあてにせず。
HB特化キョジオーン:117~140(56.6~67.7%) 確定2発、剣舞込みで確定1発
HB特化ヘイラッシャ:127~151(49.5~58.8%) 乱数2発(96.48%)
無振りガブリアス:99~118(54.1~64.5%) 確定2発、剣舞1積みで確定1発
H252マリルリ:229~273(110.7~131.9%) 確定1発
弱点をつける高耐久ポケモンや等倍で通るアタッカーは剣舞1積みでおおむね確定1発圏に収まります。が、やはり相手のテラスタルによる耐性変化にはシビア。
タネマシンガン
一応選択肢として。連続技なので襷や頑丈、あとストッパーとして有名なミミッキュに強くなり、非接触なので鮫肌やゴツメでの消耗を避けられます。威力が安定しないので、日ごろの行いに自信のある方はこちら。
無振りミミッキュ:攻撃回数4回(化けの皮+3回)で112〜136(86.2~104.7) 乱数1発(15.5%)、5発命中で確定1発
自由枠
欠伸
確定欄はこちら。メブキジカは習得しません。ラス1を寝かせたり、落ちる間際の最後っ屁でうったり。剣舞を積む隙を作れたりしないかなと採用してみましたが、耐久に振っているのもありその用途で使うケースはあまりありませんでした。
※以下は実運用していません。
光合成
物理耐久があるのでこちらで場持ちをよくするのも一考。晴れ下では回復量も増えます。ただカイリューの逆鱗連打を受けきれるわけでもなく、晴れているなら回復より攻撃したいケースが多いです。
電光石火
ミリ残しや襷・頑丈をとがめます。搭載していたらうれしかった場面も時折あったので検討価値はあります。特にあとちょっと、というところで晴れが切れてS関係が逆転するケースに被弾を抑えられるのは魅力です。
穴を掘る
リーフィアの扱える地面技。草岩の範囲が両方半減される鋼タイプへの有効打となります。ただ溜め技なので扱いはピーキーで、相手に積む隙を与えたり、浮いているポケモンですかされたり、安定しなさそうな印象だったので採用は見送りました。あとこれだと本当にメブキジカの劣化になっちゃう
立ち回り例
草岩の通りがいいパーティー相手に選出します。先発コータスで晴れとステロを準備、剣舞を積んで無双、が理想の流れ。なるべく草タイプの状態で積んで、岩テラスは攻撃するタイミングまで温存できればベストです。素早さを特性に頼っている関係上、晴れ始動役のコータスは落とされないように立ち回ってください。
苦手なポケモン
- テラスタルしたラウドボーンラウドボーン
特性・天然で剣舞が無力化されるので、弱点を消されると受けきられてしまいます。他にテラスタルを切らせるか、ノーマル、フェアリーあたりに打点を持てる控えを入れておくと安心。
- アーマーガアアーマーガア
草4分の1で鉄壁持ちの個体も多く、積みあっても押し切れません。大人しく引きましょう。
- サーフゴーサーフゴー
両ウェポンを半減され、ゴールドラッシュで落とされます。
- サザンドラサザンドラ
特殊高火力かつS種族値もリーフィアの上です。葉緑素+剣舞まで準備できていればテラバーストが通りますが、そうでなければ悪の波動で致命傷を負います。
総じて鋼タイプには何もできないので、控えに解答を用意しましょう。
相性の良い味方
- コータスコータス
言わずと知れた晴れ始動。
シーズン1で使用可能なポケモンのうち、唯一特性・日照りを持ちます。天候変化特性を持つポケモンの中で最も素早さが遅いのも特徴です。これにより、
- 特性の発動順で確実に天候を晴れにできる。
- 脱出パック+オーバーヒートのコンボで、削りを入れつつリーフィアを無償降臨させることができる。
といった強みがあります。欠伸やステロを習得するので、場づくりもお任せ。本論のリーフィアはちょっと火力が足りないと感じることもあり、ステロ撒きの優先度は高めです。
- カイリューカイリュー
初手で出してテラスタルを強要するもよし、控えにおいてスイーパーを任せるもよし、裏選出の軸として使ってよし。
まあ雑に強いこと。筆者は拘り鉢巻きを持たせて地震とけたぐりを搭載していました。
- 古来種
スカーレット限定のパラドックスポケモンたちです。特性で日差しが強い時に能力が上がるため、晴れパとの相性が良いです。2月から使えるとのことで、今から楽しみです。
この型であればスナノケガワなんかが相性いいんじゃないかと思っています。地面電気の技範囲でリーフィアの苦手なサーフゴーアーマーガアドドゲザンのような鋼タイプたちを相手どれます。Sが激戦区100族を抜けるのもグッド。
あとがき
最後までご覧いただきありがとうございました。お気づきの点やご意見ご指摘ご要望あればコメントいただければと思います。前回の炎テラスの子に比べると汎用性は劣りますが、はまった時は相手のパーティを崩壊させるポテンシャルを持ちます。最近は鋼タイプが流行っておりなかなか選出できないこともありますが、メタの回り方次第では活躍できるんじゃないでしょうか。
マスボ入りの色証リーフィアがいるので、来期はその子を育成しようと画策しています。
それでは。
付録・ダメージ計算
強みの伝わりそうな与ダメは抜粋して技構成の欄に乗せてありますので、併せてごらんください。こちらではよく見かけるポケモンに対しての与ダメ・被ダメを雑多に並べます。ご要望あればコメント欄まで。
与ダメージ
- リーフブレード
HB特化ウォッシュロトム:133~159(84.8~101.3%) 乱数1発
無振りミミッキュ:114~136(87.7~104.7%) 乱数1発(31.25%)、皮ダメ込みで確定1発
無振りウェーニバル:229~273(143.2~170.7%) 確定1発
- 岩テラバースト
H252セグレイブ:182~218(82.0~98.2%) 確定2発
無振りサザンドラ:94~110(56.3~65.9%) 確定2発、剣舞で確定1発
無振りマスカーニャ:114~136(75.5~90.1%) 確定2発
無振りボーマンダ:205~244(120.6~143.6%) 確定1発、威嚇を入れられると確定2発
被ダメージ
- 物理方面
A特化鉢巻ドラパルトのドラゴンアロー2ヒット:108~128(66.3~78.6%) 確定2発
A252マスカーニャのトリックフラワー:21~26(12.9~16.0%) 乱数7発、岩テラス時は確定2発
A252マスカーニャのとんぼ返り:58~70(35.5~43.0%) 確定3発、岩テラス時乱数9発
A特化セグレイブの氷柱針4ヒット:168~200(103.1~122.7%) 確定1発、岩テラス時確定2発
A特化セグレイブの氷の礫:66~80(40.5~49.1%) 確定3発、岩テラス時確定5発
A特化ドドゲザンのドゲザン:66~78(40.5~47.9%) 確定3発
A特化ミミッキュのじゃれつく:52~63(32.0~38.7%) 乱数3発(96.75%)
A特化ミミッキュの影打ち:25~30(15.4~18.5%) 乱数6発
- 特殊方面
C特化サーフゴーのシャドーボール:108~127(66.3~78.0%) 確定2発
無振りサーフゴーのゴールドラッシュ:120~142(73.7~87.2%) 確定2発
C特化ドラパルトの龍星群:144~169(88.4~103.7%) 乱数1発(25%)
無振りラウドボーンのフレアソング:138~164(84.7~100.7%) 乱数1発、岩テラス時乱数4発
C252サザンドラの悪の波動:93~111(57.1~68.1%) 確定2発
C252サザンドラの龍星群:151~178(92.7~109.3%) 乱数1発(56.25%)
C252サザンドラの晴れ大文字:256~302(157.1~185.3%) 確定1発、岩テラス時確定3発
C252ウルガモスの炎の舞:198~234(121.5~143.6%) 確定1発、岩テラス時乱数3発(31.34%)
C252ウルガモスの水テラバースト:49~58(30.0~35.5%) 乱数3発、岩テラス時確定1発