はじめに
どうもこんにちは。むちころ犬と申します。
今回考察するのは一風変わった雨始動型のクレッフィとなります。
それではよろしくお願いします。
クレッフィの特徴
H57-A80-B91-C80-D87-S75 (470)
ステータス自体は低めですが、最高レベルのタイプ耐性を備える『鋼/妖』の複合と、凶悪な特性『いたずらごころ』を持つ生粋のサポートタイプのポケモンです。
『いたずらごころ』によって補助技の優先度が+1されるため、素早さに依存せず先制での妨害や起点作成が可能です。加えて11タイプの技を半減以下に出来る事から後出し性能も高く、弱点タイプも【地】【炎】の2タイプのみと、この耐性の強さが他の『いたずらごころ』持ちのポケモンとの大きな違いになります。
対戦環境ではこれらの強みを活かした両壁や、「でんじは」「まきびし」等よる起点作成型が殆どです。
何故雨パにクレッフィなのか
前述したように起点作成要員として優秀なクレッフィですが、雨パに関しては不動の始動役として「あめふらし」を持つペリッパーが存在します。
『いたずらごころ』があるとはいえ、1ターンの価値が重い対人戦であえて「あまごい」にターンを消費するこちらを始動役に使うメリット及び差別化点は以下の4つになります。
【1】イルカマン(マイティ)とフローゼルを同時選出しても弱点タイプが被らない
【2】タイプ上、初手イルカマン(ナイーブ)からの引き先として優れる
【3】「まきびし」による火力の補助、及びタスキ潰しが可能
【4】後続に負担を掛けない自主退場が可能
【1】【2】について、雨下で超性能を誇るポケモンとして、今作では160のA種族値を誇るイルカマン(マイティ)と「すいすい」によってスカーフ持ちにすら上から強化された水技を撃てるフローゼルの2体が上げられます。耐性の都合上、基本的にはどちらか一方+ペリッパー+補完(ジバコイル等)の形が取られますが、両者の強化アイテム込み雨下TS『ウェーブタックル』は生半可な耐性や耐久で受けられるものではないため、「いっそ同時選出して火力でごり押す」立ち回りをしたい場合も、『弱点タイプが3者全てで被らない』という点でクレッフィに優位性があります。またイルカマン(マイティ)のみをエースとする場合、イルカマン(マイティ)+クレッフィだけで既にある程度のタイプ補完が出来ているため、イルカマン(マイティ)+ペリッパー+@よりも残り1枠のポケモンの自由度を高く出来る事もポイントです。
【3】について、今作から新たに習得した「まきびし」が後続2体の火力補強として優秀です。一例として、雨下【水】TSイルカマン(マイティ)@拘り鉢巻きの「ウェーブタックル」は、「まきびし」1回でB特化ヘイラッシャ@食べ残しすら確定2発、上手く2回撒ければB特化モロバレルも中乱数1発に出来ます。
両エースの障害となる気合いの襷も無効化出来るため、ペリッパーと差別化する上で大きな個性となります。
【4】について、「てっていこうせん」はペリッパーの持つ「とんぼがえり」に比べ、自主退場する上で後続に負担が掛かる事がない点、また等倍相手の「みがわり」をほぼ確実に壊せるだけの火力を出せる点で勝ります。
総括すると『イルカマン(ナイーブ)とフローゼルを同時採用し、この2体の攻撃性能を更に高めたい場合』や『イルカマン(マイティ)と組ませ、通常パに偽装しつつ超火力を押し付けたい場合』等に、ペリッパーではなくクレッフィを採用する合理性が生まれます。
上記を踏まえた上で考察に移ります。
採用理由と役割
雨パに置ける天候始動役、及び先発のイルカマン(ナイーブ)の交代先としての採用となります。
「まきびし」+死に際の先制「あまごい」によってフィールドを整え、後続のイルカマン(マイティ)やフローゼルが暴れられる土台を整えるのが役目となります。
持ち物
持ち物候補は複数あり、それぞれ一定レベルの有用性があるため、パーティや立ち回りと相談の上選択してください。
しめったいわ
最も無難なアイテムです。天候ターンが3ターン延びる事で、後続が余裕を持った立ち回りが出来るようになります。反面クレッフィ自身の生存力を上げる効果がないため、相手アタッカーに対して後出しした際には基本的に「まきびし」1回+「あまごい」が限界になりやすいです。
ふうせん
攻撃を受けるまで地面技が無効になるため、イルカマン(ナイーブ)からクレッフィに繋げる場面での後出し性能が飛躍的に上昇します。先制「でんじふゆう」と組み合わせれば実質的に弱点が炎のみ、耐性が12タイプとなり、その弱点の炎さえ「あまごい」で等倍に出来るため、上手く回せば回復ソースが一切ないにも関わらず「あまごい」+「まきびし」を2回以上撒ける場面があります。
オボンのみ
純粋に耐久力を上げる事で行動回数の確保を狙います。「でんじは」や「みがわり」等を使って長々と居座る訳ではないため、ターンあたり6.5%回復の食べ残しより25%を一発で回復出来るオボンのほうが優先度は上です。
メンタルハーブ
「ちょうはつ」持ちに対しても対面から「まきびし」→「あまごい」→「てっていこうせん」の流れを作る事が出来ます。
ゴツゴツメット
「つるぎのまい」+「ふいうち」を持つドドゲザンに対して最も有効な持ち物です。
H252ドドゲザンに対してゴツメの接触ダメージ1回+「てっていこうせん」で、A252イルカマン(ナイーブ)@拘り鉢巻きの雨下TS「ジェットパンチ」が確定1発となるため、クレッフィを起点に対面でどれだけ積まれても「てっていこうせん」を打ち込んで置けば確実に倒せます。(ゴツメなしだと約50%の中乱数)
確定欄には暫定的に最も汎用性が高いと思われる「オボンのみ」を記載します。
特性
いたずらごころ
クレッフィの代名詞とも言える凶悪な特性です。
全ての補助技の優先度が+1されるため、死に際の「あまごい」が高確率で決まります。
性格・努力値と調整
ずぶとい
H252 B150 D108
C252サーフゴーの「わるだくみ」+「シャドーボール」を確定耐え出来るラインまでDに努力値を入れた調整になります。ここまで振ると特化ジバコイルの「10まんボルト」もオボン込みで確定3発に出来ます。
物理方面は等倍の場合特化ドドゲザン@命の珠「アイアンヘッド」まではオボン込みで確定3発、強化アイテムがなければ「つるぎのまい」→「アイアンヘッド」も確定2発に出来るため、一致等倍であれば上記の火力帯までなら後出しから最低限「まきびし」1回と「あまごい」は撃てます。
技構成
あまごい
コンセプトであるため確定です。
始動ターンを含めて5ターン雨状態になるので自由に行動出来るターンは実質4ターン(湿った岩の場合は7ターン)となります。死に際に撃つ事で後続に雨ターンを最大限回す事が理想ですが、クレッフィの弱点である【炎】を等倍に出来る事から「まきびし」を挟むターンを稼ぐ目的での使用も視野に入ります。『フィールド全体を対象とした技』であるため、【悪】タイプに無効化されません。
まきびし
クレッフィの大きな個性であるため確定です。
撒くと飛行と『ふゆう』持ち以外のポケモンの登場時にダメージを与えます。計3回まで使用可能で、撒く毎にダメージがそれぞれ最大HPの12,5%→16.7%→25%の順に上昇していきます。
現状メジャーな飛行及び『ふゆう』持ちの襷搭載率はそこまで高くはありませんが、カイリューのマルスケを剥がせない点で明確に劣ります。こちらも『相手フィールドを対象とした技』であるため、【悪】タイプで無効化されません。
てっていこうせん
自主退場技であると同時に、相手の「みがわり」を剥がしつつイルカマン(マイティ)やフローゼルに繋げる事が出来るため確定です。
火力に乏しいクレッフィですが、【鋼】or【炎】TS状態の無振りドラパルトの「みがわり」程度であれば半減されても確定で割る事が可能です。
フローゼルやイルカマン(マイティ)が場に出たタイミングで相手に「みがわり」が残っている事は一番避けたい展開ですので、イルカマン(ナイーブ)からクレッフィに交代した時に万が一「みがわり」を撃たれた場合、最後は必ずこの技で退場出来るように調整して技を選択して下さい。
役割上の確定技は上記3つとなります。
以下選択です。
でんじは
限られたターンで「雨」と「まきびし」を展開する必要があるので通常時に押す余裕はありませんが、積み技を使うポケモンに対しては強い抑止力になります。第6世代から続投のプレイヤーにとっては、クレッフィと言えばこれと「いばる」が頭にこびりついているのではないでしょうか。
でんじふゆう
風船と『いたづらごころ』を組み合わせると、地面技を完全にシャットアウト出来ます。鋼に対する打点を【地面】に依存しているステロ型ガブリアスや「どくどく」型天然ドオーキラフロル等はクレッフィに対する打点がほぼ無くなるので、余裕を持って「まきびし」を連打出来るようになります。「あまごい」との併用で弱点を実質0に出来る面白い技です。
リフレクターorひかりのかべ
ダメージを半減させる事でクレッフィが動けるターンを1ターン多く稼ぎつつ後続のイルカマン(ナイーブ)やフローゼルの補助が出来ます。物理が主流である事や、ドドゲザンの「ふいうち」等厄介な先制技へのメタ性能を踏まえると、「リフレクター」の方が優先度は高くなるかと思います。
ドレインキッスorマジカルシャイン
採用率が高いサザンドラに対するメタになりますが、クレッフィを後出しした時点で大抵は交代するかTSでタイプを変えて居座ってくるため、選択技の中では優先度は低めです。
確定欄は汎用性を重視し、「あまごい」「まきびし」「てっていこうせん」「でんじは」とします。
テラスタル
起点作成のこのポケモンがTSする事はないので、テラスタイプは何でも大差はありません。
強いて候補を上げるとすれば、等倍の【水】【電気】を半減出来る【草】です。
立ち回り例
A252イルカマン(ナイーブ)@拘り鉢巻きを先発に据える前提の立ち回りとなります。
イルカマン(ナイーブ)+クレッフィ+フローゼルの例<
開幕「クイックターン」、もしくは素引きからクレッフィを展開して下さい。「ふうせん」や「でんじふゆう」を所持している場合安定して繰り出せる範囲はかなりの広さとなります。
以下大まかな行動パターンです。
<1>交換時に積み技を使われた→積まれ続けるとフローゼルでも抜けなくなる場合は「でんじは」、Sが変わらなければ「あまごい」or「まきびし」
<2>炎技の所持傾向が高い→「あまごい」→「まきびし」→「まきびし」or「てっていこうせん」
<3>交換際に「みがわり」を張られた→「まきびし」or「あまごい」→「てっていこうせん」
<4>クレッフィに対する有効打がない→「まきびし」→「まきびし」→「あまごい」→生き残っていれば「てっていこうせん」
<5>上記以外のパターン→「まきびし」→「あまごい」
「あまごい」+「まきびし」1回を最低限の基準とした上で、上手く行動回数を稼ぐ事を意識して立ち回って下さい。クレッフィが落ちた後はイルカマン(マイティ)@拘り鉢巻き(及びフローゼル@命の珠)でひたすら【水】TS「ウェーブタックル」を連打です。「まきびし」が1回入ればH252セグレイブ程度(実数値H222-B112)の耐久であれば半減でも高乱数1発で沈むため、当然ながら等倍でこれを受けられるポケモンはいません。マスカーニャのような素早いポケモンが控えにいる事が分かっている場合はA特化フローゼル@命の珠から入って下さい。イルカマン(マイティ)程の超火力は流石にありませんが、無振りドラパルトや無振りマスカーニャ、無振りウォッシュロトム@拘りスカーフまでの耐久ラインであれば半減でも問題なく上から倒せます。等倍だと特化アーマーガアクラスでも低乱数1発になるため、こちらでも基本数値受けは不可能です。
与ダメージ計算
てっていこうせん
無振りドラパルト……51.5%〜61.7%
無振りマスカーニャ……58.2%〜69.5%
無振りサザンドラ……43.7%〜52%
無振りサーフゴー……22.2%〜25.9%
無振りガブリアス……41.5%〜49.1%
無振りセグレイブ……80%〜94.7%
被ダメージ計算
A252マスカーニャ
トリックフラワー……20.1%〜24.3%
はたきおとす……18.9%〜22.5%
マスカーニャの主要技はほぼ半減できます。
A252ドラパルト@命の珠
テラバースト【炎】……90.2%〜106%
無振りだいもんじ……66.4%〜79.2%
とんぼがえり……6%〜7.3%
雨ターンが少なくなりますが、「あまごい」から入る方が安定します。
特化ドドゲザン
ドゲザン……20.7%〜25%
アイアンヘッド……40.2%〜47.5%
C252サーフゴー
シャドーボール……42%〜50%
C252ウォッシュロトム
10まんボルト……40.8%〜48.1%
ボルトチェンジ……31%〜37.1%
無振りラウドボーン
フレアソング……59.7%〜70.7%
C252サザンドラ
あくのはどう……20.1%〜23.7%
だいもんじ……74.3%〜87.1%
「だいもんじ」がなくても「ちょうはつ」を撃たれるパターンもあるので、「あまごい」から入るのが吉です。
特化ハッサム
とんぼがえり……8.5%〜9.7%
バレットパンチ……29.2%〜34.7%
特化マリルリ
アクアブレイク……46.3%〜54.8%(オボンで確3)
じゃれつく……24.3%〜29.2%
特化ジバコイル
10まんボルト…51.2%〜60.9%(オボンで確3)
苦手なポケモン
「でんじは」を採用しない場合、対面相手に直接影響を与えるを与える手段が「てっていこうせん」しかないため、これが有効にならない相手が「りゅうのまい」や「つるぎのまい」等の積み技を持っていると起点にされてしまいます。
サポート型の宿命として、メンタルハーブを持っていない場合は「ちょうはつ」も厳しいです。幸い『いたずらごころ』によって先制で雨状態にだけは出来るので機能停止とまではいきませんが、「ちょうはつ」の所持傾向が高いコノヨザルやアーマーガアとの対面は苦手です。
不一致の電気技や特化ウォッシュロトムの「ボルトチェンジ」程度であれば交換時の被弾を加味しても「まきびし」→「あまごい」までは問題なく行える場合も多いですが、流石に「アナライズ」ジバコイルや一致メガネクラスの電気技にはイルカマン(マイティ)も含めて一貫を取られてしまいます。環境にこれらが多い場合、ケアとしてガブリアス等を3枠目に起用するか、または裏選出で対策して下さい。
技によって天候を変えるため、カバルドンやコータスのように特性で簡単に天候を張り替える事が出来るポケモンとの相性は最悪です。
相性の良い味方・構築例
イルカマン(マイティ)イルカマン@拘り鉢巻き
このポケモンのサポートをするための型と言っても過言はないため、当然ながら最も相性がいい相方です。
お膳立ては必要ですが、雨下【水】TSの鉢巻き「ウェーブタックル」の火力指数111618は積み技を利用しない瞬間火力としては全ポケモン中最大レベルを誇り、なんと力持ち特化マリルリの「はらだいこ」+「アクアブレイク」(114240)とほぼ同等のダメージを叩き出せます。</b>
イルカマン(ナイーブ)とクレッフィは共に初手出し性能が高く(イルカマン(ナイーブ)は高いというより初手以外では使いにくいだけですが…)加えてタイプ補完も出来ているため、相手がクレッフィの初手出しを読んでくれた場合はイルカマン(ナイーブ)に取って有利対面となる【炎】や【地面】が初手で出てくる可能性が上がります。
技
ウェーブタックル
ジェットパンチ
クイックターン
れいとうパンチ
フローゼルフローゼル@命の珠
イルカマン(マイティ)と双璧を成す雨パのエースです。火力では劣りますが、こちらは「すいすい」によって拘りスカーフを含むほぼ全てのポケモンの上を取れる素早さが最大の武器です。雨下であれば準足で最速ドラパルト@拘りスカーフの上を取れるため攻撃に補正を掛けましょう。
雨下【水】TS「ウェーブタックル」の火力指数は78483となり、大体特化カイリューの「げきりん」2発分のダメージです。
技
ウェーブタックル
アイススピナー
アクアジェット
ちょうはつ
この2体のどちらでTSを切るかはケースバイケースで選んで下さい。
構築例
本論クレッフィ@オボンのみ
ASイルカマン(ナイーブ)@拘り鉢巻き
ASフローゼル@命の珠orASセグレイブ@イカサマダイス
ASパーモット蓄電@気合いの襷orHBガブリアス@ゴツゴツメット
HBベースラウドボーン@食べ残し
CSベースサーフゴー@拘りスカーフ
クレッフィ+イルカマン(ナイーブ)+フローゼルの脳筋選出雨エース同時選出に加え、フローゼルとの入れ換え候補として、頑丈ジバコイルとヘイラッシャに加えて「てっぺき」を先に積まれると厄介なアーマーガアに強いアンコ蓄電パーモットと、状態異常全般に強いサーフゴーを起用した雨パーティの一例です。ラウドボーンを物理受けとして採用しているため、雨が使いにくいパーティが相手の時はイルカマン(ナイーブ)+ラウドボーン+パーモットorサーフゴーの選出にする事で通常のサイクルも最低限こなせるようになっています。(スカーフドラパルトやカイリューがやや重いですが)
フローゼルを抜いてイルカマン(ナイーブ)を単独エースに据えた上で通常パーティに擬態する場合、セグレイブを代わりに入れておけば、この並びでやや重いカイリューに厚くなりつつ、選出画面でクレッフィを『「りゅうのまい」をサポートするための壁張り&電磁波要員』と相手に解釈してもらえる可能性があります。
終わりに
以上となります。最後までご覧頂きありがとうございました。