前置き
shiokonと申します。
前回の投稿の内容やテラレイド用の育成論に汎用系が少ないことから、今回は大抵のレイドで活躍できる汎用物理サポーターとしてのヤドキングの育成論について紹介します。
なお、この型はレイドバトルにおいて主流とする「ワンパン戦法」には直接対応していません。また文章内において一部用語及び略語を使用している箇所があります。
ご注意ください。
採用理由と役割
主にレイドボスの攻撃を下げつつ、味方の回復を目的としています。一部のレイドボスが使う技「かみくだく」「アクアブレイク」「Gのちから」「ブレイククロー」「いわくだき」「しっぽをふる」「にらみつける」「いやなおと」「くすぐる」による防御ダウンを「クリアチャーム」で無効化し、安全なサポート行うことができます。
また、技「なまける」によって「おうえん」を使わずに自身の力で回復できるようにしています。
タイトル通り大体の物理主体のレイドボスに対し選出できますが、"でんき、くさ、むし、あく、ゴースト"タイプの物理攻撃技を持つレイドボスなどには立ち回りの注意が必要です。
- 「おうえん」による回復を使わない理由
テラレイドバトル時のみ使えるおうえんコマンドはとても優秀であり、
・いけいけドンドン:味方全体のこうげき、とくこうを3ターン1.5倍にする(能力変化とは別枠)
・がっちりぼうぎょ:味方全体のぼうぎょ、とくぼうを3ターン1.5倍にする(能力変化とは別枠)
・いやしのエール:味方全体をランダム(20~100%)回復し、一部状態異常(まひ、やけどetc.)の解除をする
となっています。これを利用しない手はありません。
しかし上手く扱うにはそれ相応の耐久面への余裕が必要であり、自身の体力が減ったからと言って安易に使いすぎるとここぞというときに使えないという事態が発生します。
これを解決すべく自力で回復できる技「なまける」を採用しています。
ヤドランヤドランと比べ防御種族値が低めなため、素の状態ではヤドラン彼ほど硬くはありませんが、代わりにリフレクターを使うことができレイドボスのバリアに対し影響を受けず一定のサポートができます。
◎整理すると、今回は物理攻撃を主体とするレイドボスによるシールド展開の影響を受けず、自己回復ができ、「おうえん」によるバランスのいいサポートを可能とする汎用性の高い型となります。
持ち物
- クリアチャーム
長期戦を想定してそれなりに効果の見込めるクリアチャームを基本とします。
- 持ち物の変更(2023.2.12)
持ち物を「ひかりのこな」→「クリアチャーム」に変更しました。
物理アタッカー型のレイドボスは防御ダウン効果のある技を持っているため技「てっぺき」を入れていない構成においては致命傷になりかねず、サポート役が安易に落ちないことを目的としています。
※防御下げの技を使わない相手なら「ひかりのこな」でも大丈夫です。
特性
- どんかん
相手の変化技を出せなくする技「ちょうはつ」に影響されなくなるため、これ一択となります。
個体値・性格・努力値と調整
- 個体値:HP31、ぼうぎょ31、とくぼう31
耐久に関わるふたつは勿論のこと、物理アタッカー型のレイドボスの一部は特殊技も使用するためとくぼうも最大値にしておきます。
- 性格:ずぶとい(ぼうぎょ↑:こうげき↓)
防御を上げる形とします。また「こんらん」による自傷と技「イカサマ」のダメージ軽減を目的としています。
- 努力値:HP:252、ぼうぎょ:252、とくぼう:4
アタッカーではないため防御寄りに振ります。余った4はとくぼうに振ります。
- 個体値と努力値の変更(2023.2.12)
個体値、努力値を耐久方面に全振りする形に変更しました。
変更前:とくこう個体値31、努力値4
技構成
- ひやみず:100%の確立で相手のこうげきを1段階下げる。レイドボスのバリアを貫通して効果を発揮する。
- リフレクター:テラレイドでは5ターンの間自身を含めた味方の物理ダメージを2/3にする。急所に当たった場合は効果を発揮しない。
- いやしのはどう:相手のHPを半分回復させる。「いやしのエール」の節約。
- なまける:自身の体力の半分を回復する。回復量が変化しない優秀な技。
- 他の技候補
・てだすけ:味方の技威力を1.5倍にする先制技。
・あくび:相手を1ターンの間ねむけ状態にし、次のターン終了後にねむり状態にする。命中率100%
・でんじは:相手をまひ状態にする。命中率90%
・スキルスワップ:自分と相手の特性を入れ替える。この場合はヤドキングの特性をさいせいりょくにして下さい。
:てっぺき:自身のぼうぎょを2段階上げる。バンギラス向け。
- 技「てだすけ」について
実はヤドキングはてだすけを覚えることができません。そのため、技「てだすけ」を覚えさせるためにはヤドンヤドンの状態で覚えさせたのち、道具「おうじゃのしるし」を持たせて通信進化させる必要があります。
テラスタル
- ほのお
元タイプのみず/エスパーの弱点をカバーする形でほのおとしました。くさ、むしを半減し、でんき、あく、ゴーストを等倍にします。
他のサポーターとの差別化
マルチの野良レイドでは完全なサポート型としてブラッキーブラッキーが多く流通しています。リフレクターやひかりのかべを貼りつつ、いやなおとやうそなきによるぼうぎょ、とくぼうを下げてだすけを行い味方が与えるダメージを増やすというものです。この型の欠点はバリア展開時に行動が制限されることにあります。
サポートによる的確な補助としっかりと育成されたアタッカーによってワンパンできれば何も問題はありませんが、それを成功させることはそれなりに珍しいものとなっています。結果として中途半端に削ってしまい、レイドボスが打ち消し2種とシールド展開を一度に行い立て直しが難しくなる場合が非常に多くあります。(はらだいこワンパンを狙ったマリルリマリルリやテツノカイナテツノカイナがかいがらのすずやドレインパンチで体力全開していても他の味方がそれなりに消耗している場合など)
特に相手のステータスを下げ直すのはシールド展開時おいては手段が限られており、物理アタッカー相手である場合ブラッキーでは対応できない時があります。
今回のヤドキングヤドキングは攻撃面、防御面それぞれに尖ったサポートは掛けられないものの、物理アタッカーに対しこのような立て直しが難しい状態でも立て直すことができるという安定性と汎用性における差別点があります。
立ち回りと相性の良い仲間
特に決まった形があるわけはありませんが、基本的な優先度としては
なまける(HP低下時)>リフレクター>ひやみず>いやしのはどう>なまける
となります。
テラスタルは自身が不利になる場合(こうかばつぐんなど)に使ってください。
仲間としてはハラバリーハラバリーなどのワンパンを目的とせず、じっくりじわじわと、しかし順序よくダメージを与えるタイプのアタッカーに対し非常に相性が良いです。しっかりと育成できていない、もしくは耐久面に難のあるアタッカーでなければ大抵は噛み合います。
◎テラレイド向けハラバリーの育成論(ref 様)はこちら
(育成論SV/1216)
使用上の注意点
- レイドボスが繰り出す技のタイプをしっかり把握する
いくら耐久に振っているとはいえ、種族値の関係上こうかばつぐんを取られる場合はそれなりにダメージを喰らいます。流石に素の相手の一撃で沈むことはないですが、ヤドキングヤドキングはそこまで速くないため、そのような場合には初手で「おうえん」の「がっちりぼうぎょ」による疑似先制リフレクターを掛けてください。
- 苦手とするレイドボス
特性「まけんき」や「ミラーアーマー」を持つポケモン(ウォーグルナゲツケサルアーマーガアタイレーツコノヨザルドドゲザンなど)にはひやみずによるサポートの効果がないため選出は控えてください。また常時積み技を積むタイプのレイドボス(カイリューダイオウドウ←new!)に対しても安定性が欠ける形となるためあまり選出できません。
このような相手にはこちらをおススメします。
◎育成論SV/1224
- 選出における相手方への勘違い
巷で流行っているアシストパワー型ヤドランヤドランの亜種と勘違いされかねない場合があるため、選出する際はなるべく最後の方に「準備完了」をしてください。
補足(物理受けサポーターの代用とホーム解禁における影響)
- (SVソフトのみで可能な)物理受けサポーターの代用
「攻撃ダウンの追加効果持ち技」「リフレクター」「自己回復技」の3点を満たせれば運用としてはほぼ同じものになります。しかしこれが中々難しく、種族値との兼ね合いを含めるとアマージョアマージョ位になります。
◎育成論SV/1484
- ホーム解禁における影響と代用案
ポケモンホームが解禁されることによって一部ポケモンが似たような構成で育成することができるようになるため一部紹介させて頂きます。
「リフレクター」の罪は重い。
- ヤドランヤドラン
・種族値:HP 95 , ぼうぎょ 110
・技:ひやみず/リフレクター/いやしのはどう(てだすけ)/なまける
・特性:どんかん
・テラスタル:ほのお
◎長所
・タイプ相性が同じであるため運用方法が変わらない
・技、特性も同じ構成になるためヤドキングヤドキングの完全上位互換となる
◎短所
・ヤドラン=アタッカーと認知されバトルでの齟齬を生む可能性がある
- カイリューカイリュー
・種族値:HP 91 , ぼうぎょ 95
・技:ひやみず/リフレクター/てだすけ/はねやすめ
・特性:マルチスケイル
・テラスタル:ゴースト
◎長所
・言わずと知れた特性「マルチスケイル」
・味方の補助を目的とする変化技が有用(しろいきり、おいかぜ、しんぴのまもり)
◎短所
・こおりタイプ技の4倍弱点と技「はねやすめ」によるタイプ相性の変化
・一部レイドボスの主力技「げきりん」「ドラゴンダイブ」に効果抜群
- ヤドンヤドン
・種族値:HP 90 , ぼうぎょ 65
・持ち物:しんかのきせき
・技:ひやみず/リフレクター/いやしのはどう(てだすけ)/なまける
・特性:どんかん
・テラスタル:ほのお
◎長所
・タイプ相性が同じであるため運用方法が変わらない
・道具「しんかのきせき」により物理耐久指数はヤドランヤドランより高くなる
◎短所
・道具による対策ができなくなる
・マイナー過ぎて切断率が高くなる
※両者とも3DSのVCソフトの"赤緑青黄"かswitchソフトの"ピカブイ"で技マシン「リフレクター」を覚えさせ、ポケモンバンク、ホームを経由しSVのソフトに送ることで実現できます。
補完6
※そこまで重要な内容ではないので読まなくても大丈夫です。
◎レイドボスの技選択~場の状態編~
トリトドントリトドンの育成論ではかなり大雑把な説明であったため、その部分だけを読むと誤解が生じると判断し書き直したものになります。今回はその一部です。
なお、自身の調査だけを元にしているため全て正しいわけではないことにご注意ください。
- 場の状態を変化させる技とレイドボスの挙動
補完1及び補完3と補完5の項目にて威力基準とランク変化、優先度について説明しましたが、これらの処理は場の状態(天候やフィールド、味方の強化枠)などを一部考慮して行動しています。
- レイドボスが考慮できる「場の状態を変化させる」技
・天候系:「にほんばれ」「あめふらし」
・フィールド系:「エレキフィールド」「グラスフィールド」「サイコフィールド」「ミストフィールド」
・強化枠系:「しんぴのまもり」「でんじふゆう」
これらの技は「攻撃技の威力変動」か「技の無効化」に関するものであり、レイドボスは主軸に技の威力、効果(成否)に関する事柄を考えることができるといえます。
なお、「しんぴのまもり」については補完5にて触れた「状態異常」に関する優先度の高さから起因しているものと考えられます。
また「強化枠」系について、これらは無効化される場合においては効果が切れるまでAIは該当技を使わなくなります。しかしながら追加効果として該当するものはその限りではありません。
上記にて触れられなかった「天候」系の技について、これらは技の威力に直結する効果ではないためレイドボスは考慮していないものと考えられます。(テラスタイプが違っていても特殊行動で繰り出すことが多かったり、そもそもの優先度が高めに設定されていたりと色々噛みあっていない部分がある。)
- その他の「強化枠」系の技について
上記では挙がりませんでしたが、「リフレクター」「ひかりのかべ」などメジャーなものも「強化枠」系の技となります。しかしレイドボスが与えるダメージに関わるものであるはずがこれらの技は考慮されません。
- 「しろいきり」について
技「しろいきり」は相手からの攻撃の追加効果、および変化技によるランク下降を無効化することができます。この技も「強化枠」として扱われる技ですが、レイドボスは認識することができません。
何故かといわれると色々分かりかねますが、特性「ミラーアーマー」「マジックミラー」「おうごんのからだ」によるランク変化を伴う変化技の無効化をみるととその振る舞いは同様であるため、ランク変化関係は”そういうもの”として捉えたほうが片付けられます。
- レイドバトルでの対策
戦闘中における場の変化は特殊行動などでレイドボス側を有利に働かせることが多く、大抵はレイドボスが持つ攻撃技の威力を上昇させる事態になります。特殊行動を始め味方の場の状態変化で場合によっては、レイドボスが威力上昇された攻撃技を積極的に使うようになります。
なので、くれぐれも技「かみなり」を持つ☆6のタイカイデンタイカイデンにミライドンミライドンなんかを選出させたり、技「フレアドライブ」を持つ☆6のブースターブースターにコライドンコライドンなんかを選出しないようにして下さい。
自分は良くても味方が余計な被害を被る羽目になります。
また「場の状態を変化させる技」について、効果そのものはどれも有用なので積極的に使うべきですが、一部の技は「レイドボスの行動を制限させたり味方の特性、技を腐らせる」場合もあるため、計画的に使用してください。
最後に
今回は物理受けサポーターとしてのヤドキングの育成論を投稿させて頂きました。
投稿間隔が如何せん早い気がしますが前回の投稿内容を含めて誤解を防ぐためにこのような形となりました。汎用性という目的でなら次は特殊受けサポーターとなると思います。ここまで読んで頂きありがとうございました。