この育成論とドンカラスについて
SV発売で数年ぶりのランクマッチ登場となり、更にはスカーレット限定でハバタクカミハバタクカミという強力な特殊アタッカーが古代の姿として登場したムウマージムウマージ…の対になっているポケモン、ドンカラスドンカラス。
攻撃や特攻、体力の数値は高いものの、中途半端な素早さと防御・特防の低さが目立つ種族値のポケモンです。
今作ではムウマージと同じく久々のランクマッチ登場となったほか、ほうふくという新技を習得しました。効果については後述しますが、この技と高火力のふいうちに、新要素であるテラスタルも用いて相手を奇襲で崩していくことが可能になりました。
この育成論では、新技のほうふくを搭載したタスキドンカラスを考察していきます。
- この育成論は初投稿になります。至らぬ点が御座いましたらコメントでご指摘頂けると有難いです。
- この育成論ではHABCDSや、個体値、努力値等の基本的な略語・用語を用います。
- ダメージ計算にはポケソル様のダメージ計算ツールSV(https://sv.pokesol.com/calc)とProject'97様のVS SVダメージ計算機(https://play.google.com/store/apps/details?id=project97.vs)を使用させて頂きました。
※2022/12/15 コメントで提案頂いたブレイブバードを技候補に入れ、ダメージ計算を追加しました。ほか、積み技対策にふきとばしを追加しました。
※2022/12/03 ランクマッチ開始に伴いダメージ計算等を更新しました。
現在ランクマッチ使用不可のポケモンのダメージ計算を一旦下に移動しました。
採用理由と役割
先述したドンカラスドンカラスの新技であるほうふくを主軸として、相手のギャラドスやカイリュー等のエースポケモンに対して後攻ボルトチェンジや死に出し(自分のポケモンが倒されてから繰り出す)等から繰り出し、相手を倒しつつ自信過剰を発動させ、ふいうちで後続を攻撃するストッパーです。
新技のほうふくは、あく版のメタルバーストともいうべき技です。
そのターンに受けたダメージを1.5倍にして相手に返す技であり、Hが高くBDが低いドンカラスドンカラスにはとても相性のよい技です。
カウンター等と違い、優先度マイナス(相手より行動が遅くなる)効果は無いので、自分より遅いポケモンに対しては無力です。
また、ほうふくで敵を倒した後は特性のじしんかじょうが発動し、Aが1段階上昇した状態で後続にふいうちで攻撃することが出来るので、先制技やタスキ持ちが相手にいない場合はそのまま後続まで撃破することも可能です。
テラスタルの項で別途解説しますが、テラスタルを発動させ更に火力を上昇させたり、かげうちを透かしたりなども可能です。
持ち物
コンセプト上、きあいのタスキ一択です。
特性
コンセプト上、じしんかじょう一択です。
性格・努力値と調整
ほうふくは相手より速いと意味が無いため、性格はA↑S↓のゆうかんを採用しました。
努力値は、ふいうちのダメージを考慮してA252、Hはラッキーハピナスを除く現在登場しているすべてのポケモンをほうふくで倒せ、かつ定数ダメージなどを考慮し実数値が4n-1の187となるH92、余りをCに振り156です。
また、先述の素早さの理由も含め、BDを出来るだけ低くし被ダメージを上げるために個体値はBDS0推奨です。
技構成
- 確定枠
ほうふく
上でも述べているメインウェポンです。H92ドンカラスのH実数値は187なので、タスキ分を除けば186×1.5で279ダメージとなり、ラッキーとハピナス以外のすべてのポケモンを一撃で倒すことが出来ます。(上の二体に次いでHPが高いハルクジラは、H252振りでHP277)
ふいうち
ほうふくが決まった後に撃つ技です。威力70とはいえドンカラスの高い攻撃力に、自信過剰が乗ればかなりの火力が見込めます。
ねっぷう
アーマーガアやコオリッポに対する役割破壊技です。命中90なので注意。
- 選択枠
まもる
相手の影打ち等に様子見出来ます。テラスタルを切ることも多いポケモンなので、無駄なテラスタルを避けたければまもるで様子見するのもアリです。
こごえるかぜ
ガブリアスやカイリューの積み技ケアにどうぞ。素早さを下げつつ確定2発を取れます。
アクロバット
タスキが発動する都合上、アクロバットは自傷無しのタイプ一致打点として強力です。ふいうちが通らなそうな場合に活躍します。
ブレイブバード
自傷ダメージはあるものの威力120と高火力であり、またタスキ発動後は退場できるため火力と積みに対する対策を両立出来ます。またタスキが発動しなかったときの最高打点にもなります。
あくのはどう
ラウドボーンなどと対面した時、物理アタッカーと読んで鬼火を撃たれることが多いので、そういった場面で刺さります。サブウェポンとして高火力かつ怯みがあるのもb
ちょうはつ・しろいきり・ふきとばし
ねっぷうと同じく、積みに対する対抗策です。素早さは低いので注意。
ふきとばしはドンカラスを残したまま相手の積みポケモン等にお帰り頂けます。
テラスタル
- あく
ふいうちのダメージ上昇が見込めます。ダメージ計算は後述しますが、テラスタルによりタイプ一致補正が×1.5➡×2.0になります。
- ノーマル
ソウブレイズソウブレイズや、ミミッキュミミッキュ等のかげうちを無効化出来ます。かげうちを警戒しなければいけない場面が多かったのでノーマルも候補に入れました。
立ち回り例
- 死に出しや、後攻ボルトチェンジから無傷で繰り出し
- 相手の技をタスキで耐え、ほうふくで撃破
- 必要であればテラスタルし、後続の相手をふいうちやねっぷうで攻撃
与ダメージ計算
与ダメージは基本的にHPの%表記、括弧内は乱数で倒せる確率です。
※じしんかじょうが発動したA+1で計算しています。
ふいうち
- テラスタル無
H252サーフゴーサーフゴー
103.1%〜(確定1発)
(鋼テラスタル)
51.6%〜(確定2発)
H252ドラパルトドラパルト
124.2%〜(確定1発)
H4ミミッキュミミッキュ
87.8%〜(化けの皮のダメージ込みで確定1発)
H4カイリューカイリュー
(マルチスケイル有)
29.9%〜(乱数3発(20.36%))
(マルチスケイル無)
59.9%〜(確定2発)
H4ソウブレイズソウブレイズ
152.4%〜(確定1発)
炎テラスタル
76.2%〜(確定2発)
H4イルカマン(マイティ)イルカマン(マイティ)
56.3%〜(確定2発)(とはいえ、ジェットパンチがあるので厳しいです)
H4ガブリアスガブリアス
54.4%〜(確定2発)
H4コオリッポ(ナイス)コオリッポ(ナイス)
84.2%〜(乱数1発(6.25%))
H252ロトムヒートロトム
58%〜(確定2発)
H4イーユイイーユイ
43.6%〜(乱数2発(16.79%))
H4テツノドクガテツノドクガ
92.4%〜(乱数1発(56.25%))
H252ディンルーディンルー
14.9%〜(乱数6発(24.43%))
- あくテラスタル
H252サーフゴーサーフゴー
(鋼テラスタル)
69.1%〜(確定2発)
H4カイリューカイリュー
(マルチスケイル有)
40.1%〜(確定3発)
(マルチスケイル無)
80.3%〜(確定2発)
H4ソウブレイズソウブレイズ
(炎テラスタル)
102%〜(確定1発)
H4ガブリアスガブリアス
72.9%〜(確定2発)
H4コオリッポ(ナイス)コオリッポ(ナイス)
112.6%〜(確定1発)
H252ロトムヒートロトム
77.8%〜(確定2発)
H4イーユイイーユイ
59.3%〜(確定2発)
概ね通常状態で75%程度入れば、悪テラスタルで確定1発までいけます。
ねっぷう
H252D4アーマーガアアーマーガア
48.8%〜(乱数2発(92.18%))
H4コオリッポ(アイス)コオリッポ(アイス)
64%〜(確定2発)
(ナイス)
99.4%〜(乱数1発(93.75%))
H252D4ジバコイルジバコイル
53.2%〜(確定2発)
H4マスカーニャマスカーニャ
114.5%〜(確定1発)
こごえるかぜ
D4ガブリアスガブリアス
63.4%〜(確定2発)
H4カイリューカイリュー
(マルチスケイル有)
33.5%〜(確定3発)
(マルチスケイル無)
67%〜(確定2発)
H252カバルドンカバルドン
30.7%〜(乱数3発(42.38%))
H4マスカーニャマスカーニャ
67.2%〜(確定2発)
H252D4ディンルーディンルー
23%〜(乱数4発(58.31%))
※じしんかじょう発動かつ威力2倍(タスキ消費後)で計算
アクロバット
HB特化モロバレルモロバレル
122.2%〜(確定1発)
H252テツノブジンテツノブジン
182.4%〜(確定1発)
H252チオンジェンチオンジェン
157.3%〜(確定1発)
ブレイブバード
H252マリルリマリルリ
63.8%〜(確定2発)
A+1
94.7%〜(乱数1発(68.75%))
H252コノヨザルコノヨザル
121.7%〜(確定1発)
H252/B+1コノヨザルコノヨザル(ビルドアップ想定)
81.2%〜(確定2発)
A+1
121.7%〜(確定1発)
あくのはどう
- テラスタル無
H252ラウドボーンラウドボーン
66.4%〜(確定2発)
(相手テラスタルにより等倍になった場合)
33.2%〜(乱数3発(99.97%))
H252ヘイラッシャヘイラッシャ
30.4%〜(乱数3発(43.53%))
- あくテラスタル
H252ラウドボーンラウドボーン
89.1%〜(乱数1発(37.5%))
(相手テラスタルにより等倍になった場合)
44.6%〜(乱数2発(23.43%))
H252ヘイラッシャヘイラッシャ
40.5%〜(確定3発)
今後ダメージ計算は追加していきます。
被ダメージ計算
基本的に抜群を突かれればタスキ発動までいけますが(ほっぺすりすり等を除く)、一部のドンカラスにあまり有効な打点がないポケモンと、連続技でタスキを貫通してくるポケモンのみ記載します。
また、ほうふくで返す関係上被ダメージは%表記ではなく数値で表記しています。
(ドンカラスのH実数値は187です)
※A252↑は、努力値に252振った上で性格補正をかけています。
C4ラウドボーンラウドボーン
フレアソング
103〜(確定2発)
(C+1)
156〜(確定2発)
無振りドオードオー
がんせきふうじ
78〜(確定3発)
A252↑コノヨザルコノヨザル
インファイト
217〜(確定1発)
かみなりパンチ
180〜(乱数1発(81.2%))
A252ドラパルトドラパルト
ドラゴンアロー
170〜(確定2発、2回攻撃のため実質確定1発)
A252↑イッカネズミ@テクニシャンイッカネズミ
ねずみざん
42〜(確定5発、10回攻撃のため…)
A252↑バンギラスバンギラス
ロックブラスト
204〜(確定1発、2〜5回攻撃のため…)
あまり多くを記載できずすみません、こちらも今後増やしていこうと思いますが、使用率などが出てくるまではメジャーであると予想されるポケモンから記載していきます。現状は確実に抜群を突いてくるタイプに対して繰り出すのが安定でしょう。
苦手なポケモン
ノーマルテラスタルで透かす戦法もありますが、結局読みを通す必要があります
- ふいうち・バレパン・アクアジェット等の無効化出来ない先制技持ち
ドラパルトマスカーニャパオジアンハッサムイルカマン(マイティ)マリルリなどなど…
- 連続技などでタスキを貫通して攻撃してくるポケモン
- ステルスロックを撒いてくるポケモン
ドオーバンギラスキラフロルヌオートリトドンカバルドンなど
ステルスロックでタスキが潰されると基本戦法が成立しなくなります。
撒かれそうなら選出を控えるか、初手に選出しましょう。
- ドンカラスより遅いポケモン
本育成論のドンカラスはS実数値68となりますが、無振り47族以下や、最遅(個体値0、努力値0、S↓)60族には下を取られてしまいます。
代表的(?)なポケモンとしてヘイラッシャカバルドンキョジオーンドヒドイデノココッチディンルードオーヌオーハラバリーなど、
最遅ではニンフィアユキノオーオーロンゲジバコイルドドゲザンなどが当てはまります。これらのポケモンに下手にほうふくを撃つと上から行動してしまい、失敗する可能性があるので注意してください。
相性の良い味方・構築例
後攻ボルトチェンジでタスキを潰しつつドンカラスを無傷で繰り出せるので相性が良いです。
- 相手のステルスロックを妨害できるポケモン
先発でちょうはつを撃てるオーロンゲヤミラミや、特性で跳ね返せるブリムオンエーフィなど。ただし壁貼り等のサポートは本育成論のドンカラスと相性が悪いので注意
最後に
この育成論のドンカラスは弱点も強みもハッキリしており、またやることが単純なため扱いやすい一方、読まれやすいという欠点もあると考えます。
しかし、相手によっては一方的にワンサイドゲームを展開でき、3枚抜きを狙える非常に使っていて楽しいポケモンです。この育成論を見て、「ドンカラスを使ってみたい!」と思っていただけたら幸いです。
明らかに必要なのに記載の無いダメージ計算や、苦手なポケモン、技構成や努力値調整の候補等ございましたらコメントにてご指摘ください。