はじめに
皆さん、お疲れ様です。お忙しい中閲覧いただきありがとうございます。ヌメルゴンを相棒に据えているなおきと申します。
今回はテラスタイプが みず のヌメルゴンを中心に、執筆時点(2022/12/31)でのヌメルゴンの考察をまとめたものです。
どうぞよろしくお願いします。
本論の用語の説明
以下の用語・略称をここでは断りなく使います。対戦では一般的な用語なのでご存じの方は読み飛ばしてください。
- 種族値
そのポケモンがもつ基礎能力のようなものです。高いほど秀でています。
- 個体値
そのポケモンの才能のようなものです。個体ごとに違っていて、0から31まであり、個体値31のことをVと言ったりします。高いほど秀でています。
対戦では原則、こうげき(特殊アタッカーの場合)/とくこう(物理アタッカーの場合)以外の個体値は31が前提になっています。
- 努力値
公式ではきそポイントと言っています。0から252まであり、LV50の個体値31では最初は4,以降8ごとに能力が1上がります。
例:努力値を252振った→252=4+8×31より、能力は32上がる。
- HABCDS
H→HP,A→こうげき、B→ぼうぎょ、C→とくこう、D→とくぼう、S→すばやさ
に対応しています。
上の努力値と合わせ、「HPに252努力値を振った」→H252
のように略記します。
- 特化・無振り
特化とは、性格補正をかけた上で努力値252を振っていることです。
無振りとは、性格補正はなく、努力値も振っていないことです。
例:A特化→「こうげきに性格補正をかけ、努力値も252振っている」
- 確定n発・乱数m発(k%)
{n,mは範囲付きの自然数,kは実数(0<k<100)}
ポケモンの技を相手に打ったとき、その相手を倒すのに何発かかるかというものです。
例1:確定1発→その技が命中すれば、相手は1発で倒れる
例2:乱数2発(43.8%) →その技が命中したとき相手は43.8%で2発、56.2%で3発で倒れる
確1、乱2と略したり、確率に応じて中乱1、高乱2 と言ったりします。
対戦では、攻める側は確定2発以上、受ける側は確定3発以下になることが重要です。
採用理由と役割
採用理由
ヌメルゴンが好きである、特殊受け/流しが欲しい、ロトム系統ウォッシュロトム ヒートロトム,ウルガモスウルガモス,ラウドボーンラウドボーン、サーフゴーサーフゴー等が重い場合に。
役割
特殊アタッカー、特殊流し(受け)、耐久ポケモン崩し
持ち物考察
とつげきチョッキが最もメジャーかつ使いやすいです。迷ったらこれで良いでしょう。本論ではとつげきチョッキで考察を進めます。
他の候補としては
・たつじんのおび:抜群を取りやすいポケモンなので、微妙に足りない火力を補ってくれるかも。
・こだわりスカーフ、こだわりメガネ:スカーフで奇襲を仕掛けたり、メガネで高火力を押し付けられるかもしれないが、サザンドラ等の方が適性は高いと思っています。
特性
そうしょく:今作ではキノガッサキノガッサが復活してしまったのと、マスカーニャマスカーニャが強力な草技を使うこと、また、後述するみずテラスタルとの相性が非常に良いので、特別な理由がない限りこれでしょう。
性格
- 性格
ひかえめで良いと思います。
注:ひかえめは、こうげきに下降補正(0.9倍して、小数切捨て)、とくこうに上昇補正(1.1倍して、小数切捨て)がかかる性格です。
ヌメルゴンのC種族値は110とそんなに高くないので、補正を掛けないと相手に負荷がかからないのです…。
努力値
H204C252S52となっています。
LV50での実数値はHABCDSの順で191-*-90-178-170-107です。(実際はとつげきチョッキの効果で、とくぼうは1.5倍の170→255)
各調整意図は、
・H…16n-1(定数ダメージ最小)
・C…特化
・S…余り
です。
が、シンプルにHC252、S余りでも問題ありません。皆さんのPTに合わせて調整してください。
技考察
ここが一番悩ましく、またカスタマイズのし甲斐があるところです。
- 優先技
- ドラゴン技
・りゅうせいぐん:最大打点。反動でCが2段階下がるとしても魅力的。また、後続のアシッドボムと合わせて耐久ポケモンを倒す/大幅に削るのに役立つ。
・りゅうのはどう:反動を嫌ったり、居座り目的、ドラゴンテラスタルならこちらも選択に入る。その代わり火力がしょぼく、メジャーなポケモンへの確定数がずれる。
- どく技
・アシッドボム:剣盾から習得した技。相手のとくぼうを2段階下げる。これを耐久ポケモンに打つ→りゅうせいぐん/弱点技で落とす動きが優秀。更にほのお技とのシナジーもある。(これが効かない鋼にほのおが抜群、ほのお技を嫌い別のタイプにテラスタルすればこれが通るから。)
・ヘドロばくだん:主にフェアリーへの最大打点。ただアシッドボムの方が耐久ポケモンへも役割を持てるので優先度が落ちるか。
- ほのお技
・かえんほうしゃ:はがね、くさ、こおり(みずテラス時)への遂行技。今作ではこちらをお勧めしたい。理由は今作から回復技のPP上限が8になったので、PP15以上のこの技はPP合戦に打ち勝てるからである。
・だいもんじ:威力を求めるならこちら。しかしPP上限8で、命中難が付きまとうのと、現状確定数がずれるポケモンが少ないので、少し優先度が落ちるか。
- 選択技
- みず技 (みずテラスタルなら必須技)
・なみのり:命中も威力も安定している。基本こちら。ほのお特殊全般への遂行技。
いわやじめんにも刺さり、みずテラス時は通りの良さから強気に打っていける。
・ハイドロポンプ:威力を求めるならこちら。ただし命中難。Dに振っていないカバルドンを確1にできる。
- でんき技
・10まんボルト:主にみずタイプへの打点。ドヒドイデやヘイラッシャあたりに打つことが多い。アシボ→10万でH252くらいは確1なので嬉しい。
・かみなり:威力を求めるにしても命中が低すぎるので、雨パの時に選択肢に入る程度だろう。
- こおり技
・れいとうビーム:主に4倍弱点狙い。現状はランドロスやボルトロス、サンダー等打ちたい相手が居ないので優先度は低め。しかし今後の環境によっては優先度が高くなるかもしれない(剣盾はそうでした)。
・ふぶき:かみなりと同様の理由で、普段使いには向かない。
- おまけ
・テラバースト:上にあるタイプ以外のテラスタイプなら必須技。
・きあいだま:バンギピンポイント、とされているが砂下H252振りで低乱1なので微妙なところ。ドドゲザンがH252チョッキでもほぼ確1。
テラスタル(テラスタイプ)考察
- みず
今回の育成論のメイン。
長所:そうしょくとの相性が抜群で、弱点がでんきだけになる。また、見れる範囲が単ドラゴンの時とほぼ変わらない。メジャーなはがねと比較し、ほのお・じめんが抜群にならない。
短所:ドラゴンやフェアリーは等倍止まりなので、苦手な相手を返り討ち、という動きは期待できない。また耐性の数ははがねに劣る。
- はがね
多くのドラゴンタイプはこれがメジャー。
長所:元の弱点を全て半減にできる。場合によっては本来不利な相手を返り討ちにすることも。また、どく技が効かないのでどくどくも無効化できる。
短所:元のタイプと比べ、くさは良いがほのお抜群、でんき・みずも等倍になるので本来の役割対象は見れなくなる。
また、読まれやすい。(実際、じめん技が飛んでくることもちょくちょくありました)
あと、個人的にサザンドラ、カイリュー、ボーマンダでやった方がじめんが一貫しないので強い気がします。(要はヌメルゴンでやる必要性が薄いと思っています。)
- ドラゴン
他のドラゴン600族はあまり候補に入れていないタイプだが、ヌメルゴンはドラゴン単なので他に比べて選びやすいと思います。
長所:りゅうのはどうとりゅうせいぐんの火力差をいくらか埋められる。
そのため、りゅうのはどうを採用しやすく、居座りやすくなる。
総合威力は
りゅうのはどう < テラりゅうのはどう < りゅうせいぐん < りゅうのはどう×2 < りゅうせいぐん×2 < テラりゅうのはどう×2
短所:タイプ一致技の威力以外が何も変わらないので、苦手な相手は変わらずどうしようもない。
- どく
ヌメルゴンと他600族ドラゴンの差別化点として、優秀などく技を覚える点がある。しかし後述の通りはがねより汎用性を欠くので、構築にピンポイントで採用するのが良いと思われる。
長所:相手のフェアリーにテラスタル込みでも勝ちやすくなるのと、テラスタルの仕様でアシッドボムの威力を大幅に上げられる。ドラゴンがフェアリーテラスする場合が増えてきたので刺さる場面もあるかも…?
短所:はがねテラスタルとほぼ同じ。また、エスパーの特殊の多さから、エスパーへの役割を持ちやすいが、それを放棄するのもはがねに劣る点。
ヌメルゴンは覚える技のタイプが豊富なので、いろいろ考える価値はあると思います。他に良いのがあれば教えてください。
与ダメージ計算
アシッドボムを1回入れるとほぼ2倍になります
- りゅうせいぐん
サザンドラサザンドラ:141.3~168.9% 確定1発
セグレイブセグレイブ:128.8~151.8% 確定1発
マルスケカイリューカイリュー:65.3~77.2% 確定2発(マルスケ無しなら確1)
H252Wロトムウォッシュロトム:65.6~78.3% 確定2発
H252ラウドボーンラウドボーン:65.4~77.3% 確定2発
H252ヘイラッシャヘイラッシャ:59.5~70.4% 確定2発
※HD特化だと確3になります。
HD特化ドオードオー:32.9~39.2% ほぼ確定3発 天然ならアシボから押せるが…
※H252なら中乱2で、アシボ→流星で50%で落ちます。
H252キョジオーンキョジオーン:57.0~68.1% 確定2発
・等倍では?
マスカーニャマスカーニャ:96.0~113.9% 乱数1発(81.3%)
マスカーニャ位の耐久でもギリギリです。等倍で押すのはアシボが無いと辛いでしょう。
- りゅうのはどう
サザンドラサザンドラ:93.4~111.4% 中乱数1発
セグレイブセグレイブ:84.8~100.5% ほぼ確定2発
この辺りが一撃で落とせなくなるのは厳しいところです。
※ドラゴンテラスタル時は両方確定1発になります。
その他、上の耐久ポケモンの多くがアシボ→りゅうのはどうでは落とせない/かなり落としにくくなります。
- かえんほうしゃ
キノガッサキノガッサ:111.1~131.9% 確定1発
H4サーフゴーサーフゴー:67.5~79.8% 確定2発
H252モロバレルモロバレル:55.2~65.2% 確定2発
H252アーマーガアアーマーガア:56.6~67.3% 確定2発
※HD特化だと確3になります。ちょっと不安定かも…
その他、はがねテラスタルしたドラゴンも基本確2にできます。
- なみのり (みずテラスタル時はほぼ1.5倍です)
カバルドンカバルドン:61.4~72.6% 確定2発
みずテラスタル時、92.1~108.8% 中乱数1発(50%)
キョジオーンキョジオーン:54.1~63.8% 確定2発
砂下H252バンギラスバンギラス:みずテラスタル時、49.3~58.9% ほぼ確定2発
H4ソウブレイズソウブレイズ:67.5~79.5% 確定2発
みずテラスタル時、100.7~119.2% 確定1発
- 10まんボルト
H4ギャラドスギャラドス:119.3~140.4% 確定1発
H252ドヒドイデドヒドイデ:48.4~57.3% 高乱数2発
H252ヘイラッシャヘイラッシャ:55.3~65.4% 確定2発
H252マリルリマリルリ:58.9~69.6% 確定2発
- テラバースト(はがね)
H4ミミッキュミミッキュ:100.8~119.1% 確定1発
他に載せてほしいものがありましたら、教えてください。載せる価値があるものを随時追記する予定です。
被ダメージ計算
- 物理方面
・珠A252ミミッキュミミッキュのじゃれつく:110.5~130.9% 確定1発
これで分かるように、物理で一致弱点を突かれたら無理です。耐えないでしょう。
・鉄拳A252パーモットパーモットのれいとうパンチ:66.0~78.5%
・A252じめんテラスタルガブリアスガブリアスのじしん:79.6~94.2%
・A特化あくテラスタル珠ドドゲザンドドゲザンのふいうち:83.2~97.9%
しかし、等倍やサブウェポン程度なら大体1回は耐えてくれます。
・A252みずテラスタルイルカマンイルカマン(マイティ)のウェーブタックル:
56.0~66.0%
このレベルは半減でも無理です。
- 特殊方面 (全てとつげきチョッキで計算しています。)
・C252サザンドラサザンドラのりゅうせいぐん:53.4~63.9% 確定2発
・C特化フェアリースキンニンフィアニンフィアのハイパーボイス:
45.0~54.5% 中乱数2発(45.7%)
・みずテラスタル時
C特化Wロトムウォッシュロトムの10まんボルト:35.6~44.0% 確定2発
※でんきテラスタルやメガネだと確2
と、割と馬鹿げた耐久をしています。HP満タンから特殊技で一撃で落ちることはほぼ無いでしょう。
立ち回り例
主に特殊相手に投げて、倒すか引かせる。ロトムに滅法強いので後投げしたり、対面からなら交代読みで技を打つ、など。
耐久ポケモンにはアシボ→りゅうせいぐん/弱点技で倒したり、大幅に削って後続に繋ぐ。
繰り出す回数は有限なのと、ゴリ押しは効かないので技選択は慎重に。
あと、相手の誰を見る/倒すのかを明確にすると良いかもしれません。
テラスタルの運用例
- 共通事項
テラスタルは一度きりかつ重要度が高いです。他に出すポケモンや状況との兼ね合いになりますので、こうだ!と断言することはできません。本当にヌメルゴンに使ってよいのか考えた上で、以下を参考にしていただけるとありがたいです。
- みず
でんき以外は見れる範囲が元と変わらないので、相手にでんきが居ない/見えないなら使ってよいと思われる。くさ技も誘いやすいので、くさ技が飛んでくるとおいしい。
- はがね・どく
苦手な相手と対面してから使うほうが良いと思う。テラスタルした後は役割対象が変わるので、その後のサイクルは注意したい。
- ドラゴン
何も変わらないのである意味一番使いやすいかも。他の味方のテラスタル適性が低ければ初手から使っても良いのではないだろうか。その代わり役割対象には絶対に打ち勝ちたい。
苦手なポケモン
物理全般が苦手ですが、特にドラゴン、こおり、フェアリーは上から殴られやすいのもあり、どうにもならないと思います。
また、特殊でも高耐久かつ弱点を突いてくるポケモンには撃ち負けやすいです。
相性の良い味方・構築例
はがねやフェアリーとの相性が良いです。物理にそこそこ強ければなお良いです。
筆者はデカヌチャンと組ませていますが、アーマーガア、マリルリ、などもオススメです。
さいごに
ここまで見てくださり本当にありがとうございます。
ヌメルゴンは他の600族より運用が難しく、見劣りしがちなところもありますが、この育成論で興味を持っていただけたら幸いです。