ギャラドスの歴史
本項では「なぜ従来のギャラドスが強かったのか」「なぜ今作のギャラドスが通しにくいのか」を解説していきます。読み飛ばしても構いません。
- 5世代(BW/BW2)
隠れ特性自信過剰を習得。
まだフェアリー不在でドラゴン環境であったため、「氷技を高い打点で打てる弱点が少ないポケモン」として重宝。天候パバンギラスカバルドンドリュウズキュウコンリザードンフシギバナニョロトノキングドラガマゲロゲトルネロス(化身)に仕事できるのも良かったです。草タイプにキノコの胞子が効きキノガッサキノガッサが覇権だった時代でもあるため、素でキノガッサのすばやさを抜いていたのも評価が高かったポイント。
- 6世代(XY/ORAS)
メガギャラドスメガシンカを習得したことでタイプは水/飛行から水/悪へ、特性は威嚇/自信過剰から型破りへと変化。浮いている電気ウォッシュロトムヒートロトムにも勝てるようになってしまいました。また、鋼タイプにゴースト/悪タイプが等倍になったことでサザンドラギルガルド(シールド)それぞれの技が通りよくなりましたが、メガギャラドスも悪タイプでそれらを受けられるようになりました。
- 7世代(SM/USUM)
Z技もですが、ミミッキュミミッキュの登場が環境を大きく変えました。威嚇ギャラドスをあと投げすれば数値の低いミミッキュを対処しやすく、型破りメガギャラドスはミミッキュの化けの皮も貫通するため環境トップへのメタとしても活躍しました。
- 8世代(SWSH)
メガシンカとZ技が終了しダイマックス環境。今まで飾りだった飛行タイプもダイマックス飛び跳ねるで文句なしのメインウェポンになりました。加えて草技パワーウィップも習得し役割範囲が増えます。ダイマックスで耐久が増えること、ダイジェットでSを伸ばしながら自信過剰でAをあげられることなどすべてがかみ合って強力なアタッカーとなりました。
- 9世代(SV)
メガシンカ、Z技、ダイマックス環境が終わりました。ついでにパワーウィップと飛び跳ねるも没収されました。もはやギャラドスの強さは5世代まで戻ったといってもいいでしょう。
採用理由と役割
現在ランクマッチ開始前でありながら、
絶対的通りの良さをもつゴーストが強いミミッキュサーフゴードラパルトハバタクカミ
それらに強く単体性能が高い悪が強いパオジアンイーユイトドロクツキ
それらに隙を見せないフェアリーが強いミミッキュハバタクカミオーロンゲ
それらに強く万能な耐性をもつ鋼が強いサーフゴーハッサムトドロクツキカイリューサザンドラガブリアス(鋼テラスドラゴン)
それらに強く結果的に環境への一貫性が高くなった地面や炎が強いガブリアステツノワダチディンルーカバルドンテツノドクガラウドボーンヒートロトムウルガモス
というふうに環境がまわりまくっています。浮いている強ポケモンが少ないこともありますが、前作でドラパルトドラパルトミミッキュミミッキュの強さにはじまりランドロス(霊獣)ランドロスが環境トップで終わった歴史をしっかりと引き継いでいます。
今回のギャラドスの採用理由は、ゴースト〜鋼に明確な不利をとらず、地面や炎に強く出られる点にあります。
従来のような龍舞や自信過剰で積むギャラドスは技範囲の少なさと環境で流行っている天然ポケモンヘイラッシャドオーラウドボーンにディスアドをとるという面から不採用。サイクルに参加しやすい威嚇ヤャラドスでの採用です。
持ち物
ゴツゴツメット
環境全体的に物理が多いため、威嚇と合わせて相手に負担をかけやすいゴツゴツメットでの採用。きあいのタスキやマルチスケイルをつぶせるのも強い点。
特性
威嚇
上記の通り物理環境に刺していくため。タイプ的には受けやすいものの負けん気をもっているポケモンキリキザンドドゲザンコノヨザルには出さないよう注意。
性格・努力値と調整
いじっぱり H244-A252-B12
長い歴史を持つ「役割論理」に乗っ取り採用。役割論理とはざっくりいうと、H252とA/C252で攻守を両立させ、複合タイプや極端な種族値で圧倒的有利対面を作り、相手の交代を前提として交代先に高火力を押し付けるという戦術です。すばやさに努力値を降らず、せっかく有利対面を作っても隙を生みやすい先制技や補助技を採用しないことが特徴的ですね。
この育成論ではHを252振りすると偶数になるため、H実数値が201になるH244振りを採用。余談ですが役割論理の基本を遵守したヤトリックではなく最小限の環境適応を施したヤロテスタントという考え方になります。
役割論理自体は歴史も長く、ネタにとどまらない一定の強さがあるため興味がある方は役割論理wikiをご覧ください。役割論理wikiに書いてないような弱点を補足しておくと、「ヤーティ(役割論理パーティ)は弱いが、ヤケモン(役割論理ポケモン)は強い」というのが通説です。
今作は再びキノガッサキノガッサも内定したため、パーティ全体ですばやさを捨てると相手にやりたい放題されかねません。個人的には役割論理にこだわらない味方を添えてあげることをお勧めします。
技構成
- 確定枠 アクアテール
水物理技で最も火力が高いです。すばやさを落としているため怯みを狙いにくい滝登りよりも軍配があがります。
- 選択枠 こおりのキバ / ゆきなだれ
水技が通らない草/ドラゴンタイプへの交代を読んで打ちます。交代を読む前提ならゆきなだれの火力上昇は見込めないのですが、こおりのキバと威力が5しか変わらず、むしろ火力上昇の可能性を秘めているゆきなだれの採用はアリです。
- 確定枠 じしん
地面の通りが良いうえ命中安定技であるため現環境でいれない理由がありません。
- 選択枠 アイアンヘッド / ちょうはつ / ねごと / だいもんじ / かみなり
フェアリー/氷タイプへの交代を読んでうつアイアンヘッド。地味にアイアンテールは没収されています。
キノガッサキノガッサや不利対面だろうがひかずに仕事をしようとしてくる初手ステロポケモンディンルーカバルドンキョジオーンetc.に対して打てる挑発の採用はアリかもしれません。ちなみに挑発は役割論理の教えに沿ったものではありません。
役割論理の教えに合わせるなら寝言。催眠に対しての隠し玉です。
だいもんじはハッサムハッサムへ、かみなりはギャラドスギャラドスやテツノツツミテツノツツミ、マリルリマリルリ、パルシェンパルシェンに打ちます。交代先へ大きな負担をかけましょう。この場合は性格ゆうかん、C個体値も最高にしてください。努力値振りに変更なしです。
テラスタル
みずタイプ
一致火力をさらに上昇させます。じめんテラスタルの強さも注目されていますが、役割を持つべき相手に負担をかけられないためこの型では不採用。
与ダメージ計算
H252ディンルーにアクアテール 134 ~ 162 (51.2 ~ 61.9%) 確定2発
HB252ディンルーにアクアテール 102 ~ 122 (39.0 ~ 46.6%) 確定3発
H252ディンルーに水アクアテール 168 ~ 200 (64.2 ~ 76.4%) 確定2発
HB252ディンルーに水アクアテール 136 ~ 164 (52.0 ~ 62.6%) 確定2発
H252キョジオーンにアクアテール 134 ~ 158 (64.8 ~ 76.4%) 確定2発
H252キョジオーンに水アクアテール 180 ~ 212 (87.0 ~ 102.5%) 乱数1発 : 12.5%
HB252ラウドボーンにアクアテール 120 ~ 144 (56.9 ~ 68.3%) 確定2発
HB252ラウドボーンに水アクアテール 160 ~ 192 (75.9 ~ 91.0%) 確定2発
HB252モロバレルにこおりのキバ 72 ~ 86 (32.5 ~ 39.0%) 乱数3発 : 98.04%
H252モロバレルに無振りだいもんじ 68 ~ 80 (30.8 ~ 36.2%) 乱数3発 : 42.38%
HB252チオンジェンにこおりのキバ 64 ~ 76 (33.4 ~ 39.6%) 確定3発
H4トドロクツキにこおりのキバ 104 ~ 124 (57.5 ~ 68.6%) 確定2発
H252トドロクツキにこおりのキバ 104 ~ 124 (49.1 ~ 58.5%) 乱数2発 : 98.04%
H252テツノツツミにアクアテール 37 ~ 44 (28.0 ~ 33.4%) 乱数3発 : 0.02%
H4テツノツツミに無振りかみなり 84 ~ 100 (63.7 ~ 75.8%) 確定2発
H252マリルリにアクアテール 49 ~ 58 (23.7 ~ 28.0%) 乱数4発 : 89.86%
H252マリルリに無振りかみなり 68 ~ 80 (32.9 ~ 38.7%) 乱数3発 : 98.02%
H4ギャラドスにアクアテール 50 ~ 59 (29.3 ~ 34.5%) 乱数3発 : 4.78%
H4ギャラドスに無振りかみなり 112 ~ 136 (65.5 ~ 79.6%) 確定2発
H4パルシェンにアクアテール 25 ~ 30 (19.9 ~ 23.9%) 乱数5発 : 99.97%
H4パルシェンに無振りかみなり 102 ~ 122 (81.0 ~ 96.9%) 確定2発
H252ハッサムにアクアテール 84 ~ 99 (47.5 ~ 56.0%) 乱数2発 : 78.9%
H252ハッサムに無振りだいもんじ 136 ~ 160 (76.9 ~ 90.4%) 確定2発
HB252アーマーガアに水アクアテール 78 ~ 92 (38.1 ~ 44.9%) 確定3発
H252アーマーガアに無振りかみなり 64 ~ 76 (31.3 ~ 37.1%) 乱数3発 : 68.09%
被ダメージ計算(-1は威嚇こみ、±0/+1は威嚇こみ龍舞/剣舞後)
A252トドロクツキの-1じごくづき 58 ~ 70 (28.8 ~ 34.7%) 乱数3発 : 8.27%
A252トドロクツキの±0じごくづき 87 ~ 103 (43.1 ~ 51.0%) 乱数2発 : 4.68%
A252ミミッキュの-1じゃれつく 49 ~ 58 (24.2 ~ 28.8%) 乱数4発 : 97.4%
A252ミミッキュの-1妖じゃれつく 66 ~ 78 (32.7 ~ 38.7%) 乱数3発 : 98.02%
A252ミミッキュの+1じゃれつく 109 ~ 130 (54.0 ~ 64.4%) 確定2発
A252ミミッキュの+1妖じゃれつく 146 ~ 174 (72.3 ~ 86.2%) 確定2発
A252ハッサムの+1バレットパンチ 34 ~ 41 (16.9 ~ 20.2%) 乱数5発 : 0.01%
A252ハッサムの+1鋼バレットパンチ 46 ~ 55 (22.7 ~ 27.3%) 乱数4発 : 49.99%
オーロンゲのイカサマ 105 ~ 124 (52.0 ~ 61.4%) 確定2発
苦手なポケモン
受けようがない電気タイプ、こちらからの技が通りにくい水タイプ、
機能停止しやすいやけどやねむりを撒いてくる相手
相性の良い味方・構築例
ミミッキュミミッキュ
ミミッキュが呼ぶ地面/鋼/炎をギャラドスが受けられます。また、ギャラドスに交代している間に相手が剣の舞などをすると意外とギャラドスが受けきれないこともあるのですが、こちらにもミミッキュがいれば相手に悠長に積む隙を与えずプレッシャーをかけられます。
テツノワダチテツノワダチ
テツノワダチが呼ぶ地面/炎/水/格闘をギャラドスが受けられます。ギャラドスがよわい電気/岩を受けられることで補完としてのレベルがかなり高いのもポイント。
トドロクツキ鋼トドロクツキ
鋼が弱点とする地面/炎/格闘をギャラドスが受けられます。トドロクツキ自身B方面に弱いので、ギャラドスの威嚇とかみ合うのもうれしいです。
ご覧いただきありがとうございました。良くも悪くも評価いただけると幸いです。