前置き
初めましてこんにちは。pingpongと申します。本論では、環境に一定数存在するアローラペルシアンの、(投稿時点で) 3番目の使用率を誇る鉢巻型について書かせて頂きます。
考察では非公式の略称を用いることを予めご了承下さい。
以下、考察となります。
採用理由
- vs.物理アタッカー
鉢巻+タイプ一致のイカサマにより、物理アタッカーに大きな負担をかけることが可能です。特に、特性「ファーコート」で高い物理耐久を持つペルシアンは、他の悪タイプと比べてもこの性能が高いです。これらの根拠としては、以下のダメ計を挙げます (ペルシアンの方は確定欄の調整を使用しています) 。
【対 H171-B150-A197メガボーマンダ (1舞状態)】
受 : 捨て身タックル 84.4%〜99.4%
攻 : イカサマ 92.9%〜109.3%
→ ASマンダに舞後出しから勝てる (反動の無い恩返しでも乱数)
- 受けポケモン (及びその他) の機能停止
実数値183のSから 鉢巻 + すり替え によるコンボ、所謂「拘りトリック」と同じ戦法を使うことができます。これによって、受けポケモンや宿守等補助技頼りのポケモンを機能停止に追い込むことができます。また、後続の耐性のある技で縛った後捨て台詞で交代し、起点にすることもできます。
- パーティー内のサイクル潤滑油・補助役
相手のACを下げながら交代する技「捨て台詞」によるサイクル補助性能が非常に高いです。ペルシアンは素のSが高いためこの技による対面操作に長け、スカーフでないため すり替えで持ちものが変わってもこの強みは失われません。
→ 対物理アタッカーを担う駒として無理なくサイクルに組み込むことができ、ダメージレースの制圧と耐久型の機能停止に貢献できるポケモン
※差別化について
拘り鉢巻を持てる悪タイプのポケモンの内、捨て台詞 (ないしはその他の交代技)・イカサマ・S実数値183以上の3つを満たせるポケモンはRペルシアン以外に存在しません。よって、差別化を終了します。
構築案
- 宿守カグヤ入りサイクル
カグヤが展開しづらい高火力アタッカーに対して、ペルシアンが受け出しから圧力をかけることで圏内に押し込みやすく、宿守で対処しきれない回復技持ちに対しても拘りすり替えによる機能停止が狙えます。筆者はこの裏にコケコランドを置いて使用していました。
- 瞑想カプ・テテフ軸
ペルシアンが捨て台詞とすり替えを駆使して起点作りが可能です。ペルシアンが呼ぶ格闘や特殊にテテフが強く出られるのが最も評価すべき点です。ペルシアン側の副産物として、後出し時のメガグロスのアイへを耐えた後、次ターンバレパンを受けずに上から殴ることができます。
- ガルド + ミトム入りサイクル
ペルシアンの捨て台詞とミトムのボルチェンでサイクルを回しやすく、ダメージレースに勝利しやすい並び。お互いの相性補完も良く、2体とも汎用性のあるポケモン対応の幅も利きやすいです。型の例としては、 HAガルド@ゴーストZ + HCミトム@突撃チョッキ 等。
弱み
- 格闘やフェアリーの物理アタッカー (バシャやメガクチ)、型破りでファーコートを無効化するメガギャラを止められない
→ これらの物理アタッカーに対してはストッパーになれないので、別の解答を用意する必要があります。
- 特殊耐久が低く、複数回の受け出しができない
→ 後にダメ計を載せますが、特殊耐久は並なので、低火力を2回、高火力はギリギリ1回耐える程度しかありません。
- 特殊フェアリー全般に弱い
→ 攻撃に受け出せないのはもちろん、イカサマが入らず、Z持ちも多いことからすり替えもしにくいです。特に注意したいのは、ペルシアンよりも素早いカプ・コケコ。
以降は型構成となります。
型の構成
【性格】陽気
【努力値】212-4-36-0-4-252
【実数値】167-81-85-××-86-183
【持ち物】拘り鉢巻
【採用技】イカサマ / すり替え / 捨て台詞 / ――
構成意図
- 物理耐久 (目安含む)
★A197メガボーマンダの1舞捨て身タックルを確定耐え (〜99.4%)
★A216霊獣ランドロスの地震を高乱数2耐え (43.1%〜50.8%)
★A197メガメタグロスのアイアンヘッドを2耐え (41.3%〜49.1%)
★A171ギルガルドの聖なる剣を2耐え (40.7%〜49.1%)
★A182メガリザードンXの1舞フレアドライブを15/16耐え (〜100.5%)
- 特殊耐久 (目安含む)
★ダウンロード対策でB<D調整
★C172ポリゴン2の10万ボルト (冷凍ビーム) を2耐え (40.7%〜48.5%)
★C222メガゲンガーのヘドロウェーブを確定耐え (〜97.6%)
★C115カプ・レヒレのムーンフォースを14/16耐え (86.2%〜101.7%)
★C157ヒートロトムのオーバーヒートを確定耐え (〜95.2%)
- 素早さ
最速ラティやカミツルギ、ジャローダの上から行動できる最速推奨。捨て台詞による対面操作とすり替えによる補助技縛りができる範囲を最大限に広げた調整とも言えます。
- 持ち物
「拘りすり替え」と「イカサマの火力補強」を両立させるために拘り鉢巻で確定です。
技構成
- イカサマ
1番目の採用理由である「vs.物理アタッカー」を満たすために確定です。ここまで理解できた方にはいらない説明かもしれませんが、Aの実数値とAランク補正は相手に依存し、道具補正やタイプ一致補正は自身に依存するので、舞った相手には超火力を出せます。そのため、半減でも物理型メガルカリオの後出しは許さず、メガマンダやメガリザXも舞に合わせた後出しから止めることができます。
★H145-B108-A197メガルカリオ : 50.3%〜60% (相手1剣舞で確定1発)
★H153-B131-A182メガリザードンX(1竜舞) : 109.8%〜
★H131-B100-A156ミミッキュ : 96.1%〜112.9%
★H167-B130-A145Rガラガラ : 107.7%〜
★H135-B151-A233カミツルギ : 91.8%〜108.8%
★H155-B170-A197メガメタグロス : 120%〜
- すり替え
2番目の採用理由である「受けポケモン (及びその他) の機能停止」を満たすために確定です。予想外のポケモンがZクリスタルを持っていることがあったりと、前作よりも使いにくさは増したので、確実に決められるタイミングを見極めて使わないと逆に起点にされる恐れがあるのは注意。
- 捨て台詞
3番目の採用理由である「パーティー内のサイクル潤滑油・補助役」を満たすために確定です。相手のAC両方を下げて交代できるため、特に型がわからないリザードンやルカリオ対面でも押しやすい技です。
以下、選択技です。
- 蜻蛉帰り
捨て台詞と使い分けられる交代技です。こちらの技が有用な相手としては、対ジャローダ、ミミッキュ、不特定の襷持ちポケモン等が挙がります。この2つを使い分けることで、サイクル補助性能に磨きをかけることができます。
★H171-B129メガギャラドス(威嚇非込み) : 29.2%〜35%
★H151-B115ジャローダ : 37%〜45%
- 毒毒
イカサマが通りにくい相手への切り返し手段として有用です。というのも、このポケモンは鉢巻を持っていながらも攻撃力が低すぎて、イカサマ以外の攻撃技で相手に負担をかけにくく、イカサマのダメージが小さい相手からは逃げる以外の選択肢を取りにくいためです。もちろん補助技で拘ってしまうデメリットがあるので、優先度は蜻蛉帰りより下です。
こちらを選択する場合はAが一切必要無くなるので、道具の無駄使い感は半端無いですが臆病A0個体を推奨します。
【非候補技の不採用理由】
- じゃれつく
イカサマを半減する悪タイプと格闘タイプに抜群を取れます……取れますが、火力が全く足りません。例えば、キノガッサやメガギャラドスはイカサマとじゃれつくでは確定数が変わらず、舞によるイカサマの火力アップや威嚇、後続への一貫性を考えた場合、むしろイカサマの方が使いやすくあります。じゃれつくが良いのは対サザンドラくらいです (尚サザンドラさえも乱数)。
- その他の攻撃技
これも理由は同じで、火力が低すぎて話にならないからです。まずこのペルシアンのAが81しかなく、更にイカサマとギガインパクトを除いた最高火力の技が、威力70の辻斬り()とお粗末なものしか揃っていません。ゆえに候補に足らないと判断しました。
総括
・物理アタッカーのストッパーと高いSからのサイクル補助が強み。
・鉢巻一致イカサマと捨て台詞により、サイクルパにおけるダメージレースに強い。
・拘りすり替えにより補助技頼りの相手を機能停止にできる。
以上で育成論を終了します
最後までお読み頂きありがとうございました。