わにと申します。12回目の投稿です。よろしくお願いします。
以下の内容に必ず目を通してください。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- その他わかる範囲の略称を用います
- ダメージ計算はトレーナー天国様のツールをもとに計算しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
それでは考察に移ります。
磁力ジバコイル@デンキZ概要
特性:磁力により一部鋼タイプ(主にナットレイ、エアームド、テッカグヤ、メガクチートなど)を逃がさず狩ること(所謂サイクルカット)ができ、主にメガボーマンダやメガギャラドスなどの味方エースの一貫を作るための補完枠として採用される型です。
アナライズは崩し性能、頑丈は対面性能をそれぞれ意識して採用されますが、磁力は特定の相手やその相手を含む並びに対するメタ意識が強い型だと言えます。
六世代では対クレッフィに特化したピッキングジバコイルという型が考案されましたが、七世代に入り役割対象となる鋼タイプが環境に増えたことで、磁力ジバコイル自体も少しずつ数を増やしています。
ただ、ピッキングジバコイルもそうですが、磁力型は他の特性(アナライズ、頑丈)に比べメタ意識が強い分、腐りやすく汎用性に欠けることが最大の欠点と言えます。
そこで今回はメタ意識を保ちつつも腐りにくさを重視し、相手に与える負担や殴り勝てる範囲の拡大を目指した磁力+デンキZ型を考察します。
デンキZを持たせる理由
- 仮想敵に対する処理速度と安定性
Z10万ボルトによりH157D115メガクチート(≒H175D100メガボスゴドラ)やH204D121テッカグヤ@突撃チョッキまで確定1発で吹き飛ばすことができます。これら仮想敵に対しては極力行動を許したくないため、一撃で処理できる手段を持つことは非常に重要です。通常10万ボルトではC特化してもH振りのみのテッカグヤすら倒せません。(ダメージ率:82.3〜98%の確定2発)
また、役割対象筆頭であるナットレイに対してはZ技を消費せずに、しかも身代わりを残して突破できる可能性が高いため、突破後に出てきた後続にZ技で大きな負担をかけることができることもポイントです。さらにZクリスタルは叩き落すの威力補正が掛らないため、A特化ナットレイの叩き落すを身代わりが耐え、A特化メガクチートの叩き落すを本体が2耐えすることが可能になり、総じて役割遂行が安定するようになります。
- 電気枠としての最低限の仕事と対面性能の確保
加えて、強化アイテム無しでは処理に2ターン以上要してしまう高耐久水ポケモン(カプ・レヒレ、アシレーヌ、マリルリ、スイクン、ドヒドイデなど)も対面からZ10万ボルトで吹き飛ばすことができ、電気枠としての仕事も最低限担うことができるようになります。また、CSメガゲンガ―など弱点を突かれにくいアタッカーとの対面にも強くなるため、最大の役割対象である鋼タイプが選出されなかった場合も腐りにくくなるという利点があります。
デンキZは呼ぶ地面タイプに無効にされやすいことがネックですが、役割対象を逃がさずキャッチできる磁力型ならZ技の無駄撃ちリスクを軽減できる点でも相性が良いです。
採用理由・差別化
- 主な採用理由
- サイクルカットによる鋼枠の確実な処理
- 鋼枠および電気枠
- 特定の並び(後述)に対する崩し
- ボーマンダ軸、ギャラドス軸の補完
<主要仮想敵>
〇は受け出しから安定して処理できる相手、△は持ち物、調整、技構成に左右される相手
ナットレイ〇
エアームド〇
メガクチート〇
テッカグヤ△
メガハッサム△
メガボスゴドラ△
ウツロイド〇
ポリゴン2△
クレセリア〇
カプ・ブルル△
カプ・コケコ△
カプ・テテフ△
カプ・レヒレ△
アシレーヌ△
スイクン△
マリルリ△
パルシェン〇
ドヒドイデ〇
仮想敵を見ると、アシレ(レヒレ)&ナット、コケコ(ウツロ)&カグヤ、クレセ(ポリ2)&クチート、ドヒド&ブルル(ムドー)など特定の並びに対してジバコイルが刺さっていることがお分かりいただけるかと思います。
また、飛行技ワンウエポンのメガボーマンダやパルシェン@襷、カプ・テテフ@スカーフなどの一部エースストッパーとしても機能します。
注意したいのは、仮想敵の中にはZクリスタルや火力強化アイテムの所持率が高いポケモン(カプ・コケコ、テテフ、レヒレ、アシレーヌ、スイクンなど)が多く、ジバコイル自身の数値もそこまで高くないため、受け出しからの遂行が成立しにくい場合があるということです。それらに対しては釣り交換や死に出し等を駆使してなるべく対面から処理することを心がけましょう。
- 差別化
特性によるサイクルカットが可能なポケモンの中で鋼枠として採用できるのは、ダイノーズとコイル系統のみであり、その他との差別化はこの時点で完了します。
よって差別化対象はダイノーズ、レアコイルに絞られます。コイル「解せぬ」
ダイノーズは耐久値こそ高いですが耐性面や火力面でジバコイルに大きく劣るため鋼枠としての安定性に欠け、水ポケモンにも対面から勝つことができません。一方のレアコイルも全体的に数値不足であることから、火力と耐久を両立できるジバコイルが上記の採用理由を最も満たしやすいポケモンと言えます。
持ち物
- デンキZ
磁力ジバコイルの持ち物は、チョッキ、ハガネZ、回復木の実なども考えられますが、今回は型のコンセプト上、デンキZで確定です。
特性
- 磁力
採用理由上確定です。
性格
- 控えめ
仮想敵への確定数やダメージレースを意識してCに補正をかけます。
調整
- 努力値
H124/B4/C140/D12/S228
- 実数値
H161/A67/B136/C184/D112/S109
※A個体値はイカサマダメージを意識して逆V推奨
- 調整意図
C:H157D115メガクチートをZ10万ボルトで確1
H:4n+1
HB:A172メガクチート(A+2)の不意打ち耐え
HD:C200カプ・テテフのPF下サイコキネシス超高乱数2耐え
S:余り(無振り85族+4)
身代わり:A114ナットレイの種マシンガン5発耐え
A160ナットレイの叩き落す耐え
C172ポリゴン2のトライアタック高乱数耐え
C139クレセリアのサイコキネシス耐え
仮想敵であるメガクチートを倒せるラインまでCに振り、身代わりを意識しつつ最低限の耐久を確保、60〜85族帯との撃ち合いに極力有利になるよう余りを全てSに注ぎ込みました。
10万ボルトではなく雷や電磁砲で運用する場合はCラインを下げることが可能ですが、ラスターカノンでミミッキュを確1に出来るC180が最低ラインだと思います。
耐久はこれ以上削れないのでCSをお好みで調整してください。
技構成
- 確定技
10万ボルト(or雷、電磁砲)
役割、コンセプト上電気技は必須。
放電は火力が足りないため候補外。雷や電磁砲は威力こそ高いですが、命中に難があるため基本は10万ボルト推奨です。
Z技として割り切るか、命中を許容できるのであれば、追加効果の確率も高い雷や電磁砲は一考の価値あり。(ちなみにC184ジバコイルのZ電磁砲でH145D135カプ・テテフがちょうど確定1発になるなど威力の恩恵もかなりあります)
Z10万ボルト
H157D115メガクチート:101.2〜119.1% 確1
H204D121テッカグヤ@突撃チョッキ:100〜117.6% 確1
H207D135スイクン@突撃チョッキ:87.9〜104.3% 乱1(18.8%)
H197D126ヒードラン:73〜86.8% 確2
H145D135カプ・テテフ:93.1〜109.6% 乱1(56.3%)
H145D95カプ・コケコ(EF下):98.6〜115.8 乱1(87.5%)
H191D116ポリゴン2@進化の輝石:54.9〜64.9% 確2
H171D112メガボーマンダ:94.7〜112.2% 乱1(68.8%)
H187D140メガフシギバナ:34.7〜41.1% 確3
10万ボルト
H175D155カプ・レヒレ:69.7〜83.4% 確2
H204D121テッカグヤ:76.4〜91.1% 確2
H207D100マリルリ:89.8〜107.2% 乱1(37.5%)
H181D136ナットレイ:18.7〜22.6% 乱5
- 準確定技
ラスターカノン
鋼枠としてフェアリータイプに対する打点は最低限欲しいところ。
呼ぶ地面タイプに一貫する打点としても重宝します。
H131D125ミミッキュ:102.2〜120.6% 確1
H145D95カプ・コケコ:60.6〜72.4% 確2
H177D161カプ・ブルル:58.7〜71.1% 確2
H205D151ウツロイド:53.6〜64.3% 確2
H183D105ガブリアス:43.1〜51.3% 乱2(6.3%)
H195D100霊獣ランドロス@突撃チョッキ:29.2〜34.3 乱3(3.7%)
身代わり
鋼を起点にするために必要な技。身代わりを残しつつ役割対象を突破することで後続にも大きな負担を掛けることができます。また、ジバコイルは耐性が優秀で流し性能の高いポケモンなので有利対面での安定行動になりやすいです。ぜひ採用したい技。
<身代わりが耐えそうな攻撃一覧>
A114ナットレイのパワーウィップ:72.5〜85% 確2
A114ナットレイの種マシンガン:15〜20% 乱5発
A160ナットレイの種マシンガン:20〜25% 乱4発
A160ナットレイの叩き落す:72.5〜87.5% 確2
A222メガハッサムの蜻蛉返り:82.5〜97.5% 確2
A150カプ・ブルルのウッドホーン:87.5〜105% 乱1(25%)
C172ポリゴン2のトライアタック:87.5〜105% 乱1(25%)
C125ポリゴン2のシャドーボール:85〜102.5% 乱1(18.8%)
C95クレセリアのサイコキネシス:52.5〜65% 確2
C139クレセリアのサイコキネシス:80〜95% 確2
C73ドヒドイデの熱湯:77.5〜92.5% 確2
タイプ一致イカサマ(A67):67.5〜82.5% 確2
※パーセンテージは全て身代わりのHP(40)に対するものです
- 選択技
目覚めるパワー炎
ナットレイやメガハッサムをはじめとした炎4倍勢への遂行技であり、為す術がない地面鋼複合への最低限の打点。
役割対象への遂行の確実性と処理速度が速いことが最大の利点です。反面、火力が低く若干ピンポイント気味であるため、選出予想が外れると腐りやすい。確定欄はこちら。
H181D184ナットレイ:50.8〜61.8% 確2
H175120メガハッサム:80〜96% 確2
H185D85ドリュウズ:54〜63.7% 確2
H175D110ジバコイル:44.5〜52.5% 乱2(16%)
H181D115メガハガネール:40.8〜48.6% 確3
チャージビーム
火力はお察しですが、身代わりと併用して試行回数を稼ぐことでナットレイ等を無理矢理突破できるようになり、後続にも高い負荷を見込めるようになります。目覚めるパワー炎のないポリゴン2やクレセリアも起点にしてゴリ押しできますが、遂行速度が遅く、運が絡む(追加効果70%命中90%)ことが難点。グロウパンチを見習ってほしい
H181D136ナットレイ:10.4〜12.7% 乱8
H191D116ポリゴン2@進化の輝石:16.2〜19.3% 乱6
H227D150クレセリア:14.9〜18.5% 乱6
金属音
こちらもチャージビーム同様、役割対象に対するゴリ押しが利くようになります。
味方のサポートとしても使え、遂行速度や期待値はチャージビームより上ですが命中に難あり。これを採用するならハガネZを持たせてZ技として使う(Cランク+1付加)のも面白いです。
電磁波
鋼を処理したあとにジバコイルを起点にしようとするリザードン、ウルガモス、アーゴヨン等に対する起点回避になる技。技スペが厳しいですが、この技があることで裏のボーマンダやギャラドスが更に輝きます。確定欄の努力値配分だと電磁波込みで145族まで抜くことが可能。身代わりとも相性が良く、Z技として使うことで特防を底上げすることもできます。
基本的には、電気技/ラスカ/身代わり/選択技という構成になると思いますが、構築に合わせてお好みで選択してください。
被ダメージ計算
論が煩雑になるのを防ぐためダメ計の追加は基本的にしません。
記載のないものは各自計算してください。
(特殊)
C147カプ・コケコのZ10万ボルト(EF下)
60.2〜70.8%
同10万ボルト
31〜36% 乱3(64.2%)
C200カプ・テテフのサイコキネシス(PF下)
42.2〜50.3.% 乱2(0.39%).
同目覚めるパワー炎
50.9〜60.8% 確2
C161カプ・レヒレのZハイドロポンプ
93.7〜110.5% 乱1(62.5%)
同波乗り
45.3〜54% 乱2(38.7%)
C111スイクンの熱湯
27.9〜33.5% 乱3(0.02%)
C127テッカグヤの火炎放射
48.4〜57.1% 乱2(87.1%)
C191メガフシギバナの目覚めるパワー炎
48.4〜58.3% 乱2(94.9%)
同ギガドレイン
22.3〜26.7% 乱4
C179ウツロイドの目覚めるパワー炎
45.9〜54.6% 乱2(49.6%)
同パワージェム
22.3〜26.7% 乱4
C172ポリゴン2の目覚めるパワー炎
43.4〜52.1% 乱2(10.5%)
(物理)
A156ミミッキュのZシャドークロー
56.5〜67%
同シャドークロー
28.5〜34.1% 乱3(2%)
A160ナットレイ@こだわり鉢巻のパワーウィップ
37.2〜44% 確3
同叩き落す
27.3〜32.2% 確4
A121テッカグヤの地震
84.4〜101.8% 乱1(6.3%)
A161パルシェン@命の珠(Aランク+2)の氷柱針
13.6〜16.7%(一発あたり)
A112マリルリのZアクアテール
100.6〜119.2% 確1
同アクアジェット
22.9〜27.9% 乱4
A200カプ・ブルルのウッドハンマー(GF下)
46.5〜54.6% 回復込み乱2(20%)
A172メガクチートのじゃれつく
39.7〜47.2% 確3
同炎の牙
77〜91.9% 確2
同不意打ち
41.6〜49% 確3
A222メガハッサムの泥棒
34.7〜40.9% 確3
同馬鹿力
91.9〜109.3% 乱1(50%)
A216メガボーマンダの捨て身タックル
19.8〜23.6% 乱5
立ち回り
エースの障害となる鋼タイプを釣りだしや受け出しからキャッチしそのまま処理。もしくは身代わりを残しつつ処理し、後続にも負担を掛けていきます。耐性こそ優秀ですが鈍足で数値自体はそこまで高くないので、サイクルに組み込む場合は鋼タイプへの遂行能力を失わないよう扱いには十分注意してください。水タイプと撃ちあう場合は相手の持ち物やS関係を把握した上で立ち回るのが吉。Z持ちが疑わしい水タイプと対面した場合は、相手の交代読みも兼ねて一旦味方に引くなど安易にジバコイルを失わないよう立ち回ります。
磁力ジバコイルの一番の仕事は相手の鋼枠の確実な処理なので、その仕事が残っているうちは不用意な居座りは避けてください。
アシレナット、ウツロカグヤなどのサイクルには特に力を発揮するのでそういった相手には積極的に選出しましょう。
相性の良い味方
- メガボーマンダ
テッカグヤなどの鋼タイプを強く誘い、ジバコイルとの相性補完に優れています。威嚇と羽休めがあることでサイクルにも参加できる強力なエースポケモン。マンムーや霊獣ランドロスが重くなるのでそのケアが必要になります。
- (メガ)ギャラドス
ナットレイや耐久水タイプを誘い、威嚇や挑発でジバコイルを自然に補助できるため相性が良いです。メガ前の相性補完もとても優秀です。メガフシギバナが重くなるのでそのケアは必須。ヒコウZでも相性〇
- Rキュウコン
受けの相性補完はイマイチですが、攻撃範囲の補完が良く、鋼タイプを呼び込む点とオーロラベールによるサポートが強力でジバコイルが受け出せる範囲や身代わりを残せる範囲が広がります。メガギャラドスとの相性も良いです。
- オニシズクモ
私が最近研究している並びその1。オニジバコ。
ナットレイを強烈に誘いながら相性補完も完璧なポケモン。地面タイプにも強く、炎タイプに対してまともに戦える(クサZで役割破壊されず鬼火も効かない)数少ない水タイプです。まとわりつくでナットレイを逃がさずジバコイルに繋ぐ動きも可能。蜻蛉返り覚えたら最強だったポケ
- ジュナイパー
私が最近研究している並びその2。ジュナジバコ
ナットレイ、テッカグヤを誘い、影縫い+蜻蛉返りによる対面操作が可能。ジバコイルが隙を見せる水タイプ全般にも強く立ち回れます。格闘無効、地面半減で相性補完もそこそこ優秀。ブレイブバードを覚えるので草タイプでありながらメガフシギバナに強い謎ポケモン。次はたぶんこの子の育成論を書きます。
飛行、ドラゴン、虫、草、氷タイプとは軒並み相性が良いので色々試してみてください。ナットレイやテッカグヤを呼び込む雨パ(トノラグなど)や砂パ(バンドリマンダなど)との相性も良いです。
あとがたり
ここまでご覧いただき誠にありがとうございました!
デンキZ磁力ジバコイルいかがだったでしょうか。
磁力型自体はまだまだ開拓余地のある型ですし、本論もテンプレと言われるものからは程遠いとは思いますが、少しでも磁力型に可能性を感じていただければ嬉しいです。(ピッキングジバコイルに変わる新しい呼び方募集します。)
ナットレイやテッカグヤの処理にお困りでしたら、ぜひ一度お試しあれ。