目には目を
歯には歯を
害悪には害悪を――
- HP・攻撃・防御・特攻・特防・素早さをそれぞれH・A・B・C・D・Sと略します。
- ダメージ計算の相手側の個体値は全て31(理想個体)とし、記述がない場合は性格による補正をかけてないものとします。
- ダメージ計算にはトレーナー天国様のツールをお借りしました。
はじめに
初投稿です。よろしくお願いします。
考察不足な点は、ガンガンご指摘いただけると幸いです。
(2017/7/12追記)新作投稿しましたので、よろしければこちらもどうぞ→育成論サンムーン/880
オニシズクモについて
オニシズクモといえば、水技の威力が2倍になる特性「すいほう」によって、サイクル戦を崩壊させるポケモンというイメージが非常に強いです。
一方で水技以外は威力が2倍にならないため、ドヒドイデやナットレイといった、水技を半減にできる耐久ポケモン相手には交代を余儀なくされます。
……果たして、本当にそうでしょうか?
今回紹介するオニシズクモは、ネチネチとイヤらしい戦い方をする害悪耐久ポケモンを役割対象とし、それらを起点にすることで後続にも圧力を掛けていく型になっています。
役割対象
- 耐久ポケモン(ドヒドイデ、ナットレイ、ポリゴン2、テッカグヤ、ヒードラン、クレセリア、ラッキー、ハピナス、ブラッキー、トリトドン、グライオン、ユレイドル、ヤドランなど。但し一部は型次第、後述の弱点を参照ください)
- メガリザードンY、ギルガルドなども型次第では対処可
調整、および持ち物
ずぶとい@タラプのみ
努力値 H252-B220-D36
実数値 175-*-154-70-157-62
すいほうにより、C実数値は実質140
H…全振りで16n-1となり、やどりぎのたね等の定数ダメージを抑えられる
B…11n、かつB<Dでダウンロード対策
HB…テッカグヤのやどりぎ定数ダメージ+ヘビーボンバーを確定4発耐え
D…余りでB<D調整
イカサマ、混乱対策にA個体値0推奨
タラプのみは特殊技を受けるとDが1ランク上昇。
電気技持ちのポリゴン2対して安定させるため。
ダメージ計算の項で詳述。
技構成
クモのす/たくわえる/ねむる/ねっとう
個人的にはこれで確定です。
PPは最大まで増やしておきましょう。
クモのす
役割対象を逃さないための確定技。
たくわえる
役割対象を封殺して後続とも殴り合うための積み技。
ペリッパーから遺伝。
ねむる
相手のどくどくを回復しつつ、こちらのPPを温存する技。
ねっとう
特性すいほうにより実質特攻実数値140から、タイプ一致による威力120技を放つ。
3割火傷による起点回避。
以下の技は、この型には不適当と考えます。
どくどく
役割対象であるドヒドイデ、ナットレイ、テッカグヤなどに毒が入らないため。
まとわりつく
拘束解除ターンに逃げられてしまうため。
のみこむ
<s>状態異常を回復できないため。<s>
そもそも覚えない。
- PPについて
クモのす 16
たくわえる 32
ねむる 16
(眠りターン含めて相手のPPを48削れる)
ねっとう 24
合計88 (120)
トーチカ/どくどく/じこさいせい/くろいきりのドヒドイデのPPが16+32+16+48=112
(2017. 7/5 修正)
まとわりつく/どくびし/じこさいせい/くろいきりのドヒドイデのPPが32+32+16+48=128
やどりぎのたね/まもる/ステルスロック/タネマシンガンのナットレイのPPが16+16+32+48=112
害悪耐久型であれば、基本的に大抵はPPを削り切れるはずです。
(2017. 7/5 修正)
上記の型のドヒドイデの場合、相手がPPを最大まで上げていた場合は先にこちらのPPが切れます。
ただし、どくびしやくろいきりのPPを最大まで上げている人は稀でしょうし、たとえこちらのPPが先に切れてもドヒドイデ側もほぼ機能停止した状態まで追い込めるでしょう。
タラプのみ以外の持ち物候補
- ノーマルZ
Zたくわえるにより、積みながら高速回復が可能。
挑発やアンコールをされても、HPを全回復させてサイクルを仕切り直せる。
(ただしこのオニシズクモのコンセプトはサイクルを回させないことなので、挑発されてサイクルを仕切り直さないといけない時点で状況はかなり不利である)
叩き落とされたり拘りトリックされる心配はない。
- ムシZ
Zクモのすにより、Bを一段階上昇させながら相手を拘束できる。
B<D調整を止めて努力値振りを変えれば、型不明のナットレイとの対面が安定する。
Zクリスタルの利点は上記ノーマルZと同じ。
- たべのこし
汎用性が高く、タラプと違ってサイクルを回されても効果が残る。
若干回復量不足の恐れがある?
立ち回り
私はサイクルパーティでの障害となる高耐久ポケモンを処理するために、この型を使っています。
耐久ポケモンをクモのすでキャッチし、タイミングを見てたくわえるを3回積みます。
相手が回復技持ちの場合は、相手のPPを削り切ってわるあがきさせるのが一番手堅い立ち回りです。
泥仕合になりますが、相手がすぐに降参してくれることに期待しましょう。
まもるを持っていそうな相手には、クモのすを撃つ前にねっとうで様子見をしましょう。
クモのすをまもるで防がれると、次のターンに逃げられてしまいます。
<個別解説>
vsドヒドイデ
くろいきり持ちがいるので、技が4つとも判明するまではたくわえないほうが無難です。
vsナットレイ
こだわりハチマキ持ちのアタッカー相手にクモのすから入ると遅れを取るので、対面ではまずねっとうを選択。
vsポリゴン2
ほうでんなどで麻痺した場合は余裕を持って早めにねむること。
vsクレセリア
眠った直後にみかづきのまいをされやすい。
みかづきのまいに合わせてこちらも交換する。
弱点
- 対戦時間が長くなる
- ちょうはつ、みがわり
- BD下降技(くろいきり、シャドーボールなど。たくわえた回数は減らない、つまり積み直せないことに注意)
- 強制交代技(ほえるなど)
- 一撃必殺技(じわれなど)
- エレキorミストフィールド(眠れないため)
- 急所技(ストーンエッジ、シャドークローなど)
- ゴーストタイプ、きれいなぬけがら持ち
- 交代技持ち(耐久型ボルトチェンジ持ちクワガノンなど)
- めいそう持ち特殊アタッカー
ダメージ計算
★被ダメ
無補正無振りテッカグヤのヘビーボンバー→15.4〜18.2%
やどりぎの定数ダメージ込みでも4発耐え
(B無振りでは確定4発)
補正有りC252ポリゴン2の10まんボルト→43.4〜51.4% (D+1で28.5〜34.2% 超低乱数3発)
補正有りC252ポリゴン2のほうでん→38.8〜45.7% (D+1で25.1〜30.8% 確定4発)
上記のようにアタッカーポリゴン2相手は少し怪しいですが、耐久型相手なら充分起点にできます。
火傷状態の補正有りA252こだわりハチマキ持ちナットレイのパワーウィップ→30.2〜36% 乱数3発 (36.4%)
上記のようにアタッカーナットレイは役割対象ではありませんが、こちらのほうがSが上なのでねっとう火傷のチャンスが2回(51%)あります。
やどりぎまもるの耐久型ならば余裕でPPを削り切れます。
補正有りC252メガリザードンYの晴れオーバーヒート→48〜56.5%
D+1でC-2補正有りC252メガリザードンYの晴れオーバーヒート→17.1〜20.5%
補正有りC252メガリザードンYのだいもんじ→39.4〜46.8% (D+1で26.2〜31.4%)
エアスラッシュやげんしのちからを持たないメガリザードンYであれば、クモのすからで大丈夫です。
補正有りC252ギルガルドのシャドーボール→36.5〜43.4% (D+1で24.5〜29.7%)
補正有りA252ギルガルドのシャドークロー→36〜42.8% (急所も考慮すると2ターン目の瀕死率9.77%)
B+3で性格補正有りA252こだわりハチマキカプ・ブルルのグラスフィールドウッドハンマー→45.1〜53.7%
B+3で補正有りA252ミミッキュのZじゃれつく→24〜28%
補正有りA252ミミッキュの急所シャドークロー→69.1〜82.2%
B+3で補正有りA252ガブリアスのハチマキげきりん→30.8〜36.5% 乱数3発 (59.9%)
B+3で補正有りA252メガボーマンダのすてみタックル→52.5〜62.8%
B+3で補正有りA252メガボーマンダのA+1すてみタックル→78.8〜93.7%
B+3でA+1補正有りA252メガギャラドスのかみくだく→24〜28%
B+3で補正有りA252霊獣ランドロスのがんせきふうじ→14.8〜18.2%
B+3で補正有りA252ドリュウズのいわなだれ→18.2〜21.7%
B+3で補正有りA252メガクチートのじゃれつく→26.2〜31.4%
D+3 (+4)で補正有りC252メガゲンガーのヘドロばくだん→18.8〜22.2% (15.4〜18.8%)
D+3 (+4)で補正有りC252カプ・コケコのエレキフィールド10まんボルト→37.7〜44.5% (30.8〜37.7%)
D+3 (+4)で補正有りC252カプ・コケコのエレキフィールドZかみなり→75.4〜89.1% (61.7〜73.1%)
D+3 (+4)で補正有りC252こだわりメガネ持ちカプ・テテフのサイコフィールドサイコキネシス→33.1〜40% (28〜33.1%)
★与ダメ(主に後続を想定)
カプ・ブルル
18.6〜22.7%
H4ミミッキュ
38.9〜46.5% ばけのかわ込みで確定4発
あくまで火傷狙い。
ガブリアス
32.7〜39.3% 乱数3発 (99.54%)
メガボーマンダ
16.9〜19.8%
あくまで火傷狙い。火傷警戒で積むのを躊躇わせる。
HDメガハッサム
22〜25.9%
ASメガハッサム
37.2〜44.1% 確定3発
H4メガギャラドス
12.2〜14.6%
控えにメガギャラドス対策のポケモンがいるなら、みがわりも考慮して即交換を推奨。
H252とつげきチョッキ持ち霊獣ランドロス
42.8〜52%
とつげきチョッキ持ちドリュウズ
55.1〜64.8%
H252メガクチート
35〜42%
H252ブレード(シールド)フォルムギルガルド
54.4〜64.6% (22.1〜26.9%)
カプ・コケコ
46.2〜54.4%
カプ・テテフ
33.1〜39.3% 乱数3発 (99.8%)
タイプ相性、およびシナジーのある味方
抜群 電気、飛行、岩
半減 水、氷、格闘、地面、鋼、炎(すいほう)
高速アタッカー
アタッカーが止められてしまう耐久ポケモンをオニシズクモで処理し、その後負担を掛けた後続を高速アタッカーで上から倒す。
とんぼがえりやボルトチェンジでオニシズクモに繋げると尚良し。
私はスカーフウォーグルを愛用しています。
メガクチート、ドリュウズ、ジバコイル、マンムー、バンギラスなど
相性補完に優れる。
霊獣ボルトロス、ポリゴン2など
オニシズクモが起点にされやすいボーマンダやギャラドスに比較的強い。
バンギラスからのすなかきドリュウズと相性が良さそうですし、ポリゴン2やメガクチートと組ませればトリルアタッカーを偽装できる上にドヒドイデやナットレイも誘いやすいですね。
おわりに
ここまでご覧いただきありがとうございます。
このオニシズクモは7世代序盤から長い間愛用していますが、守りに入った相手にはしっかり役割を果たしてくれる良いポケモンです。
対戦時間が長くなったり害悪寄りの型なのであまり好まれないかもしれませんが、どうしても害悪耐久ポケモンに水泡、もとい一泡吹かせてやりたい際には是非試してみてください。
感想や批判もお気軽にお寄せください。