半熟卵と申します。8回目の投稿。
前置き
・個体は全て理想個体とします。
・非公式の単語や略称を使用します。不明な点がございましたらコメントにて。
・考察環境:S2~S3
採用理由
クレセ/ポリ2/カグヤ/ナット等を崩し抜ける、被選出抑制が利くウルガを採用する際、多少崩し性能を下げてでもガブ/ミミ/マンダといったポケモンにも強い構成を取りたい。
解説
- 高耐久/ストッパー
ガブ/テテフ/メガマンダ/メガギャラ/メガガル等、高火力エースとして一定数採用されているこれらを対策するために、前項で述べたような高耐久ポケモンや襷ポケモン(襷ガブ/ミミッキュ等)が1~2体採用されることが多いです。
- ウルガの関係性
ウルガはそれらの高耐久の多くを崩せる(特定の苦手ポケモンをメタるような汎用性を下げかねない行為を避けやすい)為、多くのptに裏エース・補完エース・見せ合い圧力・崩し役等の目的で入れられます。
しかし、ウルガはミミガブマンダ等の物理エースやストッパーに弱く、崩しに1舞以上が必要なことから、相手の高耐久を崩す前にこちらが潰されてしまうことがままあります。
簡単な相性図を示すと、高耐久/ストッパー > 物理エース > ウルガ > 高耐久 このような三竦みです。
- 中間策
本論の内容は、このメリットとデメリットを中和させる、高耐久系ポケモンを広く見ることはできないが、相手の高火力やストッパーで潰されないようにする(逆に崩し返していく)、というものです。
これを実現する手段として挙がるのが、鬼火・アッキ・炎の体による火傷の3点です。それぞれの施行方法の差異や確率の問題から、どれか1つに絞るのは得策ではないので3点全てを含む構成にします。
- デメリットのケア
どうしても構成が窮屈になってしまう為、高耐久ポケモンを見れる範囲が狭まってはしまいますが、しっかりと仮想敵を定められる補完(崩し)としての採用であればデメリットを抑えられるのが優秀。その為、構築との関係は最も意識したいところ。適当に採用して強いポケモンではなく、明確に選出を組んでこそ輝くポケモンです。
また、確定欄の構成ではクレセに行動を許しますが、選出画面での抑制は利くことも重要です。
基本構成
まず、最低限満たしたい要素を抑えておく。
実数値 : 169-xx-115-xx-xx-135
努力値 : 68-xx-236-xx-xx-116
特性 : 炎の体
持ち物 : アッキの実
〔 --(攻撃技) / 鬼火 / 蝶舞 / 羽休め(orギガドレ) 〕
- 構成意図
まず、最低限耐えたい攻撃としてA156ミミのZシャドクロ+シャドクロ(B1↑)耐えを設定。これでミミへの受け出しが非常に安定するように。ついでにガブの岩封も耐える。
→ H169-B115(努力値削減でBベース)
CSに割ける努力値が204しかない。1舞を前提としたウルガは補正をかけてやっとギリギリの数値なのが現状であり、この努力値では充分なCSの数値を得られない。
→ その為、複数回積むことでこの問題を解決させる。ウルガの耐久のみで2回以上舞うのは無理なので回復技は必須。ギガドレor羽休め
また、ガッサの個体数が増加傾向にあるので意識。最悪、1舞でも130族を抜ける意味も込める。
→ S135
カスタムポイント
ここから、各々でカスタマイズされる部分を見ていく。
- 攻撃技考察
この基本構成を前提に、攻撃技として炎舞(炎技)かさざめきのどちらかを採用した2つの候補を挙げる。炎技は、期待値が高い&そこまで確数が変わらない炎舞。
確定欄としてある炎舞のスペックを纏めておくと、
○カグ/ナット/ガルド/ハム/ルカ等といった主要鋼に刺さる
○ミミ/テテフ/コケコ/ボルト/ランド/ゲンにも等倍で通る
●ガブ/メガギャラ/ゲコ/バンギに半減
●クレセへの遂行が遅れる
このようになる。さざめきの場合はこのメリットとデメリットがそのまま逆転。対ミミを最優先したいことから基本的には炎技推奨だが、さざめきも無くはないので選択肢として残している。
これ以外の技は命中率と等倍打点の関係で1Wで採用するには不適当なので候補外。
構成案
前項の条件をクリアした構成案を2つ提示。
差異に触れながら紹介しているので、各々の希望に合致しているか判断しながら選択してほしい。
※実数値[努力値] / 性格補正を +or- で表記。
【汎用意識−臆病HB−】
実数値 : 191-xx-115-155-125-136
努力値 : 244-xx-236-0-0-28
特性 : 炎の体
性格 : 臆病
持ち物 : アッキの実
〔 炎舞 / 蝶舞 / 鬼火 / 羽休め 〕
- 〈 主な調整先 / 目安 〉
・A156[252+] ミミッキュ
→ Zシャドクロ+シャドクロ(B1↑) 144~170(75.4%~89.0%) 確耐え
・A182[252] ガブリアス
→ エッジ(B1↑/火傷) 80~96(41.9%~50.3%) 低乱2(0.4%)
・A216[252+] メガボーマンダ(SS)
→ 捨身(火傷) 153~181(80.1%~95.8%) 確2
・C182[252] カプ・テテフ
→ ショック(眼鏡/PF) 160~190(83.8%~99.5%) 確2
・最速70族+2
・1舞:最速130族+4 / 準速フェローチェ+1
- 〈 構成意図 〉
ここまでHBを確保することで、マンダからの被負担を軽減しつつウルガを残すことが可能になる。マンダ+鋼枠に非常に強いポケモンなので、安易にウルガを捨てられないジレンマを解消できるのが臆病HB。マンダが増加傾向にある今(5/3現在)ではこれを確定欄。炎技は期待値が最も良い炎舞。
また、HBベースの利点に後出しからの展開の拡張/安定も挙げられる。メガクチのじゃれアイへ/メガグロスのコメバレや冷Pに受け出せれば良し、ダメでも悪くない乱数で思念*2耐えできるので、クチクレセ軸やミミテテグロスといった並びを逆から強気に崩しかかることも出来る。†何より意表がつける†
ミミ/クチ/グロス以外にも、フェローチェ/メガルカ/ハッサム/ナット等にも安定して後出しが利き、読み切れればメガガルの捨身以外/ランドの岩技以外/といった所にも投げていける。地震なら鬼羽+蝶舞で崩せる範囲が広がるので良し、蜻蛉は火傷を引けば良し。
また、不一致岩封程度であれば上から火傷orアッキ発動済みであるだけで簡単に崩し返せる。スカガブに対しても、2舞以上であれば上から鬼火から羽連打で炎舞圏内まで粘ればいいので、炎技による対ガブのデメリットは改善されている。
【崩し重視−控えめHBS−】
実数値 : 181-xx-108-176-126-136
努力値 : 164-xx-180-36-4-124
特性 : 炎の体
性格 : 控えめ
持ち物 : アッキの実
〔 放射 / 蝶舞 / 鬼火 / 羽休めorギガドレ 〕
- 〈 主な調整先 / 目安 〉
・A156[252+] ミミッキュ
→ Zシャドクロ+シャドクロ(B1↑) 153~181(84.5%~100.0%) 低乱1(0.4%)
・C197[252] 霊獣ボルトロス
→ Z10万ボルト 154~183(85.1%~101.1%) 低乱1(6.3%)
・H131-D125[4-0] ミミッキュ
→ 放射 108~127(82.4%~96.9%) +火傷*3 確1
・H161-D126[244-4] ミミッキュ
→ ギガドレ 43~51(26.7%~31.7%) 確4
・最速70族+1
・1舞:最速130族+1 / 準速フェローチェ+1
- 〈 構成意図 〉
臆病HBとの差は1点。ミミへの確数を意識したかどうか。
具体的には、臆病HBでは1舞炎舞+火傷*6 / 2舞炎舞+火傷*3でやっとミミッキュが確1という問題を抱えていた。試しに、HBウルガとAS霊Zミミの対面からのシミュを最善で組んでみると、剣舞(ミ)→鬼火(ウ)→剣舞(ミ)→炎舞(ウ)→剣舞orZシャドクロ(ミ)→蝶舞or羽休め(ウ) となるのだが、A6↑火傷Zシャドクロで確1を取られてしまうのに、火傷ダメが3回しか入っていないのである。2t目の炎舞でC上昇を引けなければ負け。ミミ対策としているにも関わらず。
そもそも、ミミウルガ対面で3連剣舞→Zシャドクロと押され突破されることが稀だというのも同意できるが、無視しがたいという考えを否定するにも至らないのでC補正でこれを解決したのがこの調整。4t目に打つ放射までに火傷*3と皮剥ぎをしっかり成功させている。期待値で勝る炎舞ではなく放射を採用している理由はここ。
Cラインを上げた副産物として、H159-D172ガルドが1舞放射で高乱だったり、鬼羽で粘るターン数の減少(急所による負け筋が減少)したりといった点も挙げられる。
CSがほぼ確定し、残りの努力値で良さげな耐久ラインを模索したところ、上記の調整に落ち着く。
- 回復技について
この調整に限ってはギガドレを回復技として採用が候補に上がる。最大の利点は対レヒレ。
後出しからのレヒレに対して、蝶舞→蝶舞→ギガドレと押すことでカプZ/水Z/眼鏡/半回復の実/etc... 全てに対応できる。つまり、HBウルガでは崩し返される挑発レヒレに強い。
また、ミミに対しての後出しこそ怪しくなるものの、死に出しから見てくるような襷ミミに対しては、1舞ギガドレで影うち圏外に逃げつつ確2を取れる。
他にも、火傷入れた後のギャラに有効な削りとして働くといったメリットもあるが、鬼羽でもそこそこ削れるのでおまけに近い。あまりにも挑発レヒレが無視し難いのであれば、ギガドレを採用してみてほしい。
相性の良いポケモン
「適当に採用して強いポケモンではなく、明確に選出を組んでこそ輝くポケモンです。」と言った手前、書かない訳にはいかない気がした。
- メガガルーラ
6thの遺産。元々このウルガは6th終盤で考案されたもの。
「メガガルミラーの時、相手の想定択が 猫/ドレP/霊タイプ引き/ゴツメッター引き の4つだから、それら全部にアッキウルガ投げが強い。」というのが大まかな軸。
そこから鋼の増加やミミッキュの登場に伴い、1Wを炎技にシフトしたことで7thに適応した型。元祖相棒枠。
- カプ・テテフ
テテフの鬼門であるミミッキュ、特に襷ミミッキュに対してアッキウルガが絶対的な強さを誇るので、テテフを通す動きを取りやすい。
他にも、カグヤ/ガルド/メガルカ/etc...等の自慢のテテフ対策を嘲笑える。強い。
- メガボーマンダ
初手でウルガが有利を取れるポケモンを置く→死に出しウルガで荒らす→マンダで締めるという黄金ムーヴ、ウルガマンダ。相手の選出がマンダ意識に偏れば、ウルガで抜き切れることもザラ。
マンダミラーでも、ウルガに対してのマンダ後投げに対して、ウルガがマンダに無抵抗にならずに済むので、「先にマンダで舞いたい、でもマンダ受けにウルガ投げると相手のマンダ投げが辛い...」というジレンマを解消できる。
ダメ計
数値はH191-Axx-B115-C155-D125-S136。
2つ目の構成のダメ計は許してください割愛。
概算として、火力は1.13倍、HB耐久は0.89倍、HD耐久は0.94倍程を目安として欲しい。
【与ダメ】
- 炎の舞
H203-D122[244-4] テッカグヤ
→ C1↑: 170~204(83.7%~100.5%) 低乱1(6.3%)
H203-D133[244-92] テッカグヤ(チョッキ)
→C1↑: 108~128(53.2%~63.1%) 確2
H159-D172[188-12] ギルガルド
→ C1↑: 122~146(76.7%~91.8%) 確2
H181-D183[252-252+] ナットレイ
→ 156~184(86.2%~101.7%) 乱1(6.3%)
H159-D101[36-4] 霊獣ボルトロス
→ C1↑: 103~123(64.8%~77.4%) 確2
H159-D123[188-68] メガゲンガー
→ C1↑: 85~102(53.5%~64.2%) 確2
H175-D135[236-0] カプ・テテフ
→ C1↑: 78~93(44.6%~53.1%) 乱2(27.0%)
H131-D125[4-0] ミミッキュ
→ C1↑: 84~100(64.1%~76.3%) 確2
【被ダメ】
- 物理
A182[252] ガブリアス
→ エッジ(B1↑/火傷) : 80~96(41.9%~50.3%) 低乱2(0.4%)
A197[252] 霊獣ランドロス
→ 岩封(火傷) 78~94(40.8%~49.2%) 確3
A156[252+] ミミッキュ
→ Zシャドクロ(A2↑/火傷) 107~126(56.0%~66.0%) 確2
A197[252] メガメタグロス(硬爪)
→ 思念 103~120(53.9%~62.8%) 確2
→ 思念(B1↑) 67~81(35.1%~42.4%) 確3
A197[252] メガルカリオ(適応力)
→インファイト(A2↑) 154~182(80.6%~95.3%) 確2
A168[252+] テッカグヤ
→ 岩雪崩(火傷) 84~100(43.9%~52.3%) 乱2(16.0%)
A197[252] メガギャラドス
→ 滝登り(A4↑/B1↑/火傷) 154~183(80.6%~95.8%) 確2
- 特殊
C182[252] カプ・テテフ
→ ショック(眼鏡/PF) 165~195(86.3%~102.0%) 低乱1(12.5%)
C150[252] カプ・レヒレ
→ ドロポンZ(D2↑) 126~150(66.0%~78.5%) 確2
C197[252] 霊獣ボルトロス
→ Z10万 156~184(81.7%~96.3%) 確2
あとがき
ここまでご覧頂き、誠にありがとうございます。
お時間を割いていただき恐縮です。
この論がどなたかの参考になれていれば幸いです。
更新履歴
x5/x6 11:59 文章をちょこっと加筆。