はじめに
- すなおこしギガイアスは既に別の論があるが、ドリュウズが使用できなかったS1環境で書かれたこともあり、現環境にはそぐわない部分もあると判断し、フォーク投稿に至った。
- 本論は理想個体であることを前提に書かれている。
- 本論では一般的な略称を使用する。わからない場合は調べることを勧める。万が一調べてもわからなければ、コメントで聞いていただけると嬉しい。
- 本論におけるダメージ計算は「ポケモントレーナー天国」様の「ダメージ計算SM」を使用した。
採用理由
- すなかきドリュウズを軸にしたパーティにおける砂嵐始動役
- 同時に、ドリュウズがより多くのポケモンを突破するためのサポート
差別化
上記の2つの採用理由を満たすポケモンとしては、
- ステルスロックとあくびで起点を作るのが得意なカバルドン
- 600属の高ステータスと豊富な特殊技を持つバンギラス
の2体がいる。この2体とギガイアスの違いは大きく3つある。
- だいばくはつによる自己退場・削り
他のすなおこしポケモンが覚えられずギガイアスが覚えられる技として、だいばくはつが挙げられる。
他のすなおこしポケモンはだいばくはつのみならず自己退場技を一切覚えない。砂嵐のターンを無駄に浪費することがなくドリュウズを無償降臨できるのは、ギガイアスしかできないことである。
また、だいばくはつは威力250の物理技なので、相手のポケモンを削り、瀕死ないしはドリュウズでの処理を容易にすることに役立つ。
例えば、本来ならA特化ドリュウズのZじしんを使っても乱数1発の耐久無振りガブリアスに対して、だいばくはつを入れることでじしん(非Z)込みで確定1発にすることが可能となる。このように、だいばくはつにより倒せない敵を倒せるようになったり、Zワザを節約することが可能になる。
- じゅうりょくにより、地面技の通りをよくする
一般的なドリュウズの技構成はじしん/アイアンヘッド/いわなだれ/つるぎのまいである。この技構成で止まるポケモンとして、エアームドやテッカグヤといった高耐久かつ地面が通らない鋼が挙げられる。
この2匹の処理を楽にする方法として考えられるのがじゅうりょくである。
じゅうりょくにより、本来通らないじしんが通るようになり、ドリュウズのみでの突破が楽になる。
以下に特化ドリュウズから特化エアームドと特化テッカグヤへのダメージ量を記す。素でエアームドのはねやすめの回復量以上のダメージを出し、Zやつるぎのまいで火力を上げれば1発で倒せることがわかる。
A特化ドリュウズのじしん(通常 / Z / つるぎのまい)
- エアームド(物理耐久特化)… 63.9%~76.7% / 115.1%~136% / 126.7%~151.1%
- テッカグヤ(物理耐久特化)… 67.6%〜80.3% / 120.5%〜142.1% / 133.3%〜158.8%
ともに 確定2発 / 確定1発 / 確定1発 となっている。
なお、浮いているポケモンに地面タイプの技が通るようにする方法としてはバンギラスも覚えるうちおとすがあるが、対面でなければ意味がない・交代されても意味がない点がじゅうりょくに劣っているため、差別化になり得ると判断した。
- 格闘技に比較的強い砂始動役
ギガイアスは単岩タイプなので、同じ砂始動役のバンギラスとは違い格闘が2倍に抑えられている。
これにより、バンギラスでは耐えられない霊獣ボルトロスのZきあいだまなどを耐えることが可能となる。
型説明
特性:すなおこし
砂嵐始動役であるため、すなおこしで確定とする。
持ち物:さらさら岩
このギガイアスが環境を整えて退場し、ドリュウズが攻めることを考えると、5ターンのみの砂嵐では心もとない。持ち物はさらさら岩で確定とする。
技:だいばくはつ/ステルスロック/じゅうりょく/選択技
- だいばくはつ(確定技)
詳細は差別化の欄で述べた通り。
ギガイアスの場合、他のすなおこしポケモンと違いほえるを覚えないため、起点回避としても必須となる。
以下にダメージ計算を載せる。尚、与ダメージ計算は攻撃無振り状態で計算されている。
- ガブリアス(耐久無振り)…69.3%〜81.9%(ドリュウズのじしん(55.7〜65.5%)確定1発圏内)
- メガガルーラ(H252)…57.5%〜67.9%(ドリュウズのじしん(45.7%〜54.2%)確定1発圏内)
- ステルスロック(確定技)
相手のポケモンが場に出た時、そのポケモンのタイプに応じてダメージを与える。
相手のポケモンに対する削りとして有効かつきあいのタスキで止まらなくなるため、確定とする。
- じゅうりょく(準確定技)
詳細は差別化の欄で述べた通り。
上二つと比べるとピンポイントな採用となるため準確定技としてるが、正直この技を抜いてまで入れたい技はギガイアスにない(他に役割に適した変化技がない上、覚える物理技はノーマル・岩・地面・鋼・格闘のみとほとんどドリュウズと被る)ため、外す理由はあまりないだろう。
以下は選択技である。
- ストーンエッジ/ロックブラスト
岩の物理技。ストーンエッジは火力の面で優れており、ロックブラストはタスキやミミッキュ・みがわりに対して有効な技である。
確定欄ではだいばくはつが通らないミミッキュに強いロックブラストにした。
ストーンエッジ
- パルシェン(耐久無振り)…72%〜86.4%(確定2発)
- メガボーマンダ(H4・威嚇込)…46.7%〜56.1%(乱数2発)
ロックブラスト
- ミミッキュ(H4)…18.3%〜21.3%(乱数5発)
- がんせきふうじ
上記の2つの技と同じく、岩の物理技であるが、この技の最大の特徴は素早さを1段階下降させる点である。
ドリュウズとだけ組ませる場合はフェローチェや積み技を使うポケモンくらいしか刺さらないが、他のポケモンのサポートも考慮すると十分採用を考えられる技である。
- メガボーマンダ(H4・威嚇込)…29.2%〜35%(低乱数3発)
- メガギャラドス(H4・威嚇込)…16.3%〜19.8%(乱数6発)
- じしん
ギルガルド(なんとギガイアス、Sに108も降らないと最遅ギルガルドを抜けない。抜かれ調整など不要である)やバシャーモといったドリュウズだと厄介な相手に刺さる。
ただし、バシャーモを砂嵐1ターン分のダメージ込みで確定1発にするにはA132(性格補正ありだと12)降らねばならない。性格補正あり命の珠バシャーモのとびひざげりは物理耐久に特化しても乱数1発なので、安定した対策とは言えない。
- ギルガルド(ブレードフォルム H252)…100.5%〜118.5%(確定1発)
- バシャーモ(耐久無振り)…83.8%〜99.3%(砂嵐のダメージ込みで乱数1発(41.41%))
- ヘビーボンバー
環境に多いミミッキュやカプに対して大きなダメージを与えられる。
特に、カプ・テテフに対しては無振りでも確定1発まで持っていくことが可能である。
- ミミッキュ(H4)…106.8%〜126.7%(確定1発)
- カプ・テテフ(耐久無振り)…102%〜121.3%(確定1発)
- カプ・コケコ(耐久無振り)…46.2%〜54.4%(乱数2発 (砂嵐のダメージ2回込みで確定2発)
- カプ・レヒレ(耐久特化)…22%〜25.9%(乱数4発)
調整
このポケモンの主な仕事は
- ステルスロックによる削り
- だいばくはつによる削り
- じゅうりょくで地面の通りをよくする
の3つである。しかし、Zワザなどで高火力の技が飛ぶSM環境では、素早さが低いギガイアスが3回も動けることはそうそうない。
そのため、高火力の技を食らっても1回は耐え、最低でも1つ行動できるような調整を考えた。
性格:わんぱく
244-20-12-*-228-4
- H…HPが低いギガイアスの耐久を高めつつ、カプ系のしぜんのいかりを考慮し、2n-1の最大値に。
- H-B…性格補正なしA252命の珠ガブリアス/マンムーのじしん確定2発
- H-D…性格補正ありC252霊獣ボルトロスのZきあいだま確定2発
- A・S…余り(ギガイアスのS25付近にポケモンが全然いないため、A優先)
以下に主な調整先(H244固定)を示すため、各自で調整する場合はその項を参考にするように。なお、上矢印は性格補正込みであること・括弧内の差は性格補正あり/なしの努力値の差を示す。
- B100/↑0(実数値163[165] 差100)
→特化テクニシャンキノガッサ タネマシンガン最大乱数3発耐え(32.4% * 4 = 92)
- B132/↑12(実数値167 差120)
→性格補正なし命の珠ガブリアス/マンムー じしん確定耐え
- B196/↑76(実数値175[176] 差120)
→性格補正なしフェローチェ とびひざげり確定耐え
- B↑140(実数値184 性格補正なしでは不可能)
→特化命の珠ガブリアス/マンムー じしん確定耐え
- D68/↑0(実数値109[110] 差68)
→C特化ギルガルド ラスターカノン確定耐え
- D108/↑28(実数値114 差80)
→性格補正なし命の珠ゲッコウガ くさむすび確定耐え
- D172/↑84(実数値122 差88)
→C特化カプ・テテフ サイコフィールド込Zサイコキネシス確定耐え
- D228/↑140(実数値129 差88)
→C特化霊獣ボルトロス Zきあいだま確定耐え
- D244/↑156(実数値131[132] 差88)
→C特化メガリザードンY ソーラービーム確定耐え(砂嵐補正なし)
- A132/↑12(実数値172 差120)
→無振りバシャーモ じしんで砂嵐込み確定1発
- S4(実数値46)
→無振り同族抜き。ミラーを重く見た調整。
- S↓0(実数値27 最遅)
→トリックルームを重く見た素早さ。無振りコータスにも抜かれるので、先発同士で天候を上書きされない。
なお、性格補正なしメガルカリオのインファイトや性格補正あり命の珠バシャーモ・性格補正なし命の珠フェローチェのとびひざげりは特化しても乱数1発となる。化け物火力は恐ろしいものである。
相性のいい味方
ドリュウズについては語るまでもないので、ここでは除外する。
- メガボーマンダ
所謂バンドリマンダは有名な並びだが、バンギラスではなくギガイアスを使用した並びも十分強い。
ドリュウズとボーマンダの攻めの相性のよさはこの組み合わせでも存分に発揮できる。
- さいみんじゅつを使うポケモン
てぃてぃ氏が執筆した重力ランドロスの論(育成論サンムーン/613)は重力催眠について記されているが、じゅうりょくを使用するギガイアスでも同様の戦術は可能である(ただし、そちらのサポートに特化したポケモンと比較すると当然劣る点はある)。
さいみんじゅつを軸にしたポケモンとしてはエスパーZデンジュモクが存在する。現在は育成論が存在しないが、氏の育成論にて紹介されているのでそちらを参考にすることをお勧めする。
なお、ギガイアス・ドリュウズ・デンジュモクとパーティに入れると地面の一貫性が非常に危険なことになる。じゅうりょくで地に落ちることを考えると、飛行以外の地面の一貫性を切れるポケモンを採用することを推奨する。
最後に
現時点ではバンドリュ・カバドリュが流行っているが、ギガイアスにも十分なポテンシャルがある。この論が適切な砂嵐始動役を選択する手助けになれば幸いである。
誤字・脱字・疑問点があればコメントを利用していただけると嬉しい。
更新履歴
2017/03/25 投稿
2017/03/26 細部の修正(0時頃/1時頃/17時頃) 差別化のじゅうりょくの項加筆(1時頃) ヘビーボンバーについて追加(17時頃)
2017/03/27 細部の修正(16時頃)
2017/03/28 ダメージ計算の修正(23時頃)
常体疲れた