はじめに
- 論内で略称や用語を使用します。ご了承ください。
- 論内のポケモンは全て理想個体を想定しています。
- 誤字脱字や疑問点などがあればコメントで教えてください。
- 攻撃的なコメントや挑発的なコメントは控えるようにお願いします。
今回は「ノイコウ」とも呼ばれる耐久型を強く意識したライコウの型を考察します。
採用理由
――役割
- 相手の受けポケモン(後述する役割対象)に強い
- 守る身代わりで猛毒状態の相手の体力を削る。(以下これを「嵌め」と書く)
- 電気タイプの高速アタッカー
- 拘りアタッカーへのPP枯らし
端的に言うと耐久ポケモンの突破と、削りが主な役割となります。また、高速電気アタッカーとして水や飛行に打点を取ることもできます。
――役割対象
クレセリア ポリゴン2 宿身代テッカグヤ スイクン ロトム サンダー ボルトロス カプ・レヒレヤドランなど
――――差別化
同じ構成にできるポケモンは多くいますが、その中でも特に汎用性が高いポケモンと比較していきます。
- カプ・コケコ
〇ライコウのほうが特殊耐久が高い=対特殊でのHP管理がしやすい
〇特性プレッシャーなので拘りアタッカーに対して素早くPP枯らしが行える
●コケコのほうが速い=多くの相手を上から嵌められる
●コケコは5ターンの間エレキフィールドを展開する=最初の5ターンは寝ない&10万ボルトの火力が高い
- ボルトロス
〇ライコウは氷が弱点でない=クレセリアやポリゴン2の氷技を身代わりが耐える
〇プレッシャーによるPP削り
●ボルトロスは特性悪戯心なので、素早さに振らずとも上からまもみがができる。
- 水ロトム・火ロトム
〇ライコウのほうが速い
〇プレッシャー(以下略)
●ロトムのほうが耐性が優秀
- 瞑想身代わりライコウ
〇サイクルを回しながらでも、素早く嵌めを展開できる。
〇毒々は一貫性が高く、交代されても残るため、相手の体力を効率よく削れる
●瞑想ライコウは積みきった後の突破力が高いため、エースとしても運用できる。
――採用理由
これらを纏めると、ライコウの採用理由は
- 電気枠
- 相手の受けポケモンや電気に強い。
- 毒が入れば役割対象外でもS115以下のポケモンを嵌められる
- 相手のPPを素早く枯らすことができる
この4点です。PP削りはあくまでも突破できない相手への最後の手段であって積極的に行う動きではない(詳しくは立ち回りの欄で後述する)ので、+αの要素として捉えてください。
構成
――持ち物
- 食べ残し
ターン終了時に体力を最大HPの1/16回復するアイテム。守る身代わりを続けられるターンを伸ばすために必要です。食べ残しがあるだけでしぶとさが格段に上がります。参考までに体力満タンの状態から交互に守る身代わりを繰り返した場合、持ち物無しなら8ターン、食べ残しを持つと15ターン続きます。オボンや混乱実は回復場面が限定的なため、食べ残しで確定とします。
――特性
- プレッシャー
相手が使った技のPPを2減らす特性です。ライコウは夢特性が現在未解禁なので、プレッシャーで確定です。守る身代わりで相手のPPを枯らすという立ち回りができるようになります。また、プレッシャーは登場時に発動する特性なので、初手でカプ・テテフやランドロスと対面した場合も特性の発動順で相手がスカーフを持っているかを確認することができます。
――技
- 10万ボルト
安定した火力の一致技。毒が入らない眠るスイクンやテッカグヤ、カプ・レヒレに弱点をつくことができます。放電では火力が足りず雷を採用しても確定数は殆ど変わりません。
C無振りライコウの10万ボルト
H252マリルリ 66.6%〜79.2%
H252テッカグヤ 56.8%〜67.6%
無振りメガギャラドス 54.1%〜64.7%
無振りメガゲンガー 54%〜64.4%
無振りメガルカリオ 52.4%〜62.7%
H252カプ・レヒレ 51.9%〜62.1%
H252スイクン 49.2%〜58.9%(98%の乱2)
- 毒々
相手を猛毒状態にする技です。耐久型を突破する為に必須です。猛毒ダメージは1/16→2/16→3/16と増えていき、猛毒状態になった相手は、回復も交代もしない場合は6ターンで体力が無くなります。
- 守る
相手の攻撃を1ターン防ぎます。毒が入った相手への時間稼ぎや食べ残しの回復を稼ぐために使います。
- 身代わり
自分の体力を1/4削って自分の身代わりを作る技です。守る身代わりの時間稼ぎだけでなく、交代読みで使ったり相手の毒々を回避する為に使ったりと色んな場面で光る技です。また、身代わりの耐久も低くなく、無振りテッカグヤの火炎放射やヘビーボンバー、ポリゴン2やクレセリアの冷凍ビームくらいの攻撃ならば身代わりが耐えるので、こちらへの打点がないポケモンには安定して身代わりを残せます。
電気枠+耐久殺しとしての役割を遂行するなら、どれも切れないのでこの4つで確定とします。
――努力値・性格
基本的に臆病HSベースとなります。
- 確定欄の調整
H236:総耐久と回復効率を最大まで上げるために16n+1〜3を満たす最大値(実数値195)
B20:余り
S252:できるだけ相手を上から嵌めるため最速
H236は確定とし、Sを最速メガルカリオ抜き(s236振り)くらいまで落とし、他の場所に振るという選択肢もあります。
- B36振り:身代わりが無振りテッカグヤのヘビーボンバーを確定耐え
- C12振り:10万ボルトでH252スイクン確定2発
- D36振り:身代わりが無振りスイクンの熱湯を確定耐え
この辺りを目安に調整していくと良いでしょう。
また、確定数がギリギリになりがちなので王冠の使用を推奨します。
ダメージ計算
――物理
- A252ガブリアスの地震 107.6%〜127.1%
- A252バシャーモの珠飛び膝蹴り 86.1%〜102%(12.5%の乱1)
- 無振りテッカグヤのヘビーボンバー(120) 21.5%〜25.6%(ライコウの身代わりが31.3%の乱数1発)
- A特化ランドロスの悪あがき 20%〜23.5%
――特殊
- C特化カプ・テテフのフィールドサイコキネシス 63.5%〜75.3%
- C252カプ・コケコのマジカルシャイン 28.2%〜33.8%
以下のダメージ計算はライコウの身代わりへのダメージを載せる
- 無振りポリゴン2のトライアタック 95.8%〜114.5%(87.5%の乱1)
- 無振りクレセリアのサイコキネシス 83.3%〜100%(6.3%の乱1)
- 無振りポリゴン2の冷凍ビーム 72.9%〜87.5%
- 無振りテッカグヤの火炎放射 72.9%〜87.5%
立ち回り
守る身代わりライコウは立ち回りが単純そうに見えますが、考えなければいけないことは意外と多いです。
長くなるので、立ち回りが分かっている方は読み飛ばしてください。
――役割対象との対面
ポリゴン2やテッカグヤなどとの対面で一番大切なのは、ライコウが定数ダメージを受けないことです。ライコウに猛毒や宿り木が入ると嵌めが成立しなくなるので、基本的には身代わりから入ります。もしこのターンに相手が交代してきたとしても、こちらは身代わりが残るので身代わりを盾に相手に毒を入れられます。相手が交代してこなかった場合は毒を入れて守る身代わりを交互に繰り返します。(相手がテッカグヤやカプ・レヒレのような毒が入らない相手なら10万ボルト連打)
――守ると身代わり
相手を嵌める上で意識するべきことの優先順位は大体こんな感じです。
- 交代が安定する場面では無理に嵌めようとせずに交代する。
- ライコウが定数ダメージを受けない
- 守る身代わりでターンを稼ぐ
- 体力に余裕があれば守るを使うターンに交代読みで身代わりを残す
- 10万ボルトで相手を削る
とにかくHP管理が大切なポケモンなので、不利対面を作られても一度守るを挟んでから交代するなどの工夫が必要です。
参考までに守る→身代わり→守る……が続くターンは下の表のとおりです
食べ残しの回復量…12
身代わりの体力……48
195≧HP>180 15ターン
180≧HP>156 13ターン
156≧HP>132 11ターン
132≧HP>108 9ターン
108≧HP>84 7ターン
84≧HP>60 5ターン
60≧HP>36 3ターン
36≧HP>0 1ターン
――高速アタッカーとしての動き
嵌めることができない相手でも、耐久が低い相手であれば普通に10万ボルトで打ち勝つことができます。Cには振っていませんが、元のC種族値が高いのでC252ランターンと同程度の火力が出ます。レヒレ、眠るスイクン、テッカグヤのような毒が通らない相手に弱点を付けるのも大きいです。
――PP削り
ライコウの身代わりが残っていて、相手がスカーフを持ってそうなポケモンに交代してきた場合、こちらの後続で受けられないならば相手のPPが切れるまで守る身代わりを繰り返さなければなりません。ガブリアスやランドロスの地震、カプ・テテフのサイコキネシスなどはPPが10(最大でも16)なので、プレッシャー込みで比較的現実的な速度で相手のPPを枯らすことができます。この時、こちらは後攻で守る身代わりを繰り返すことになりますが、後攻守身代の利点として相手が交代してきてもこちらの身代わりが残せるというものがあります。しかし、あくまでも最後の手段なので、こちらに安定した引き先がいるならば交代が無難でしょう。
――苦手な相手
- 毒も10万ボルトも入らない相手
ドリュウズ、フシギバナ、ナットレイなど...
これらの相手には何もできないので、選出を控えるかこれらの相手を倒すまでライコウを隠しておくなど、工夫して立ち回らなければなりません。
- 守る身代わりが成立しない相手
身代わり貫通技持ち、挑発持ちなど...
これらの相手は嵌めることができませんが、後出しされたタイミングで毒を入れることはできるので、後続で対策しておけば比較的対処は楽です。
相性のよい味方
- バシャーモ
ライコウで相手を削り、バシャーモで一貫を取りにいくという動きができます。また、守るを無理なく技構成に入れられるので毒々との相性が良いです。
- ランドロス
ライコウの弱点である地面に後出しし、サイクルを回すことができます。ランドロスの誘う物理受けにライコウが強く、ライコウの比較的弱い物理方面を威嚇で補うことができます。
さいごに
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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