第6時代からちょくちょく育成論を書いているイブと申します。今作でも育成論投稿は続けていく予定なのでよろしくお願い致します。
はじめに
この育成論では、互いに理想個体であることを前提としています。
また、広く使われている程度の用語や省略表記を使用しています。
この育成論はサンムーンのポケモンバンク解禁前に完成させたものです。バンク解禁後に書き足している部分も多少はありますが、基本的に論内の仮想は現在の環境から大きく逸脱していることを念頭においてください。一応、考え方自体の大きな変化はないはずなので論はこのまま残しておきます。
採用理由
バトン構築におけるバトン役として、後続の抜きエースの性能を最大限引き上げたい
バトン構築とは
バトン役・抜きエースの2枚を主軸にしたパーティーを示し、抜きエースによる3タテを後続が「バトンタッチ」により補助する構築。この構築の長所として、バトンの成功=勝利という流れが組みやすいということが挙がる。仮にバトンの成功=勝利とならない場合、つまりバトンしても止まる相手がいる場合はその範囲全般に刺さりやすい裏選出を選ぶというように、選出自体が決めやすいため、選出負けしにくいというのもバトン構築の特徴の一つ。選出場面からサイクルの中で誰の一貫を通せるかを考える必要のある他の構築に比べると扱いやすいと言えるかもしれない。
反面、バトンというギミック自体が吠えるや挑発1つで通せなくなるくらいに不安定であるのにバトンの失敗=敗北となりやすいという短所とも隣り合わせとなっている。また、選出が決めやすいとはいえ、抜きエースが刺さっていない場合はバトン役の単独選出がしにくいため、選出幅が狭くなるというデメリットともなる。
バトン役としてのイーブイ
- バトンの質
イーブイ専用のZ技「ナインエボルブースト(全能力2段階上昇のZ技)」をバトンすることとなる。バトンの質としては申し分ない、というよりもこれ以上ない最高のバトンと言える。他のバトン役の加速バトン馬車のバトンはせいぜいA2↑S2↑、A↑B↑S2↑程度であり、イーブイのバトンの質がかなり高いということは納得していただけるだろう。
- バトンの通しやすさ
どれだけ質の高いバトンも通せなければ意味が無い。積む時とバトンをする時、最低2回の行動を確保する必要がある。ここで問題となってくる点は言うまでもないだろう。
イーブイの種族値 55-55-50-45-65-55
行動回数の確保には明らかに耐久もSも足りないのである。とはいえ、Sも上昇するZ技さえ積めばSに関する問題は解決し、先制でバトン発動に繋ぐことは出来るため、ノルマの達成のために用意すべき行動回数は先制技を考慮しない場合は1回。
ただ、進化前の種族値なのに襷も輝石も持てないZ技イーブイがその1度の行動をどのように確保するのか。
本論ではその点を言及し進めていく。
積み方考察
大まかに積み技を積む方法は2通り挙げられる。
- 仮想敵を絞る
一般的な積み方がこれ。一方的優位を取れる相手との対面を作り、攻撃を受けながらあるいは流し際に積むことで、相手の後続との有利不利も逆転させて全抜きを狙う積み方。
ただしこれは積むポケモン自体に優秀な数値・耐性等の要素が備わっていることが前提となる。イーブイは霊耐性以外は持っておらず、あくまでも技による耐久上昇で数値不足をごまかしているにすぎないため、仮想敵を絞って単体で積むことは相手の火力・Sの不足に依存することとなる。
しかしバトンの失敗=敗北に直結するバトン構築において、Z技の登場で瞬間火力のインフレが起こっている環境の中、相手の火力不足に依存するのは厳しい。実質S種族値55で抜ける範囲のみで安定した起点を望むこととなり、当然これも難しい。
構築の軸とするにはあまりにも不安定が過ぎるため、この積み方はイーブイには向いていない。
- 補助役を入れる
両壁、欠伸等、後続が補助をして積めない範囲を狭めた上で強引に積むやり方。欠伸はカプ・コケコの蔓延る現環境において確実性が明らかに欠けているため、補助役として両壁を利用した積み方について焦点を当てて考察していく。
壁バトン構築
バトン構築の派生系として「壁構築」とギミックを合成した「壁バトン構築」なるものは元々存在する。壁貼りがバトン役の積みを補助し、バトン役が抜きエースにバトンして全抜きする構築。選出3枠が固定されるものの、積みの成功率を高めたいバトン構築と積みの成功率を高める壁構築は良くも悪くも噛み合っている。壁により耐久は実質2倍となり単純にバトン自体が通しやすく、通した後も抜きエースが落とされにくくなる反面、敵を落とすことを完全に抜きエースに一存するため、壁orバトン阻害、エースが突破される等でギミックが失敗した時のカバーがほぼ不可能となる。イーブイの耐久不足を補うことで行動の保証を、加えてバトン先の被弾を抑えることが出来る。
調整ライン
あくまでも確定欄の調整は一例に過ぎない。環境、パーティー、あるいはルールなどにも合わせて自由にカスタマイズしてほしい。
- H
繰り返すようだが、バトン失敗はすなわち敗北。物理/特殊両方に対して積む必要があるため、総合耐久を意識して大きく振らない理由はない。
H228
キュウコンと組む場合などに、天候ダメを意識したH調整で最低ライン。
H244
総合耐久意識で、特別な状況を想定しない汎用的な値。格闘技に対する1発の被弾のみを想定した総合耐久が最大。
H252
総合耐久最大。高火力等倍技や先制技を意識した振り方。
- B
H244振りを固定し、2発以上の被弾を想定した記述の2発目は注意書きがない限りブースト込みでの想定。
B36
壁下で特化ガブの逆鱗2耐え
意地スカーフガブを意識。ここまで振らない理由は薄いため、ここは最低ライン。
B68
壁下で特化ウインディのインファイト+神速確定耐え。
- C
C4
耐久振りにして余った際に。
C84
エボルブ後アシパでH252D4ドヒドイテ確定1発
後出しからくろいきりでバトンを阻害させないため、受けループ相手に強くなる。
- D
D60
壁下でメガリザードンYのオバヒ確定耐え
- S
S132
S2↑時最速130族抜き抜き
激戦区である130族を抜ける132振りが最低ライン。
S148
S4振り80族抜き
S2↑時最速135族抜き
確定技
- とっておき+バトンタッチ
イーブイZを持たせるとナインエボルブーストを発動可能。
この型の全てであり説明不要。
選択技
- みがわり
イーブイに低打点しか持たない相手との撃ち合いでのバトン際の急所被弾の可能性を抑える立ち回りの他、バトン阻害となるクリアスモッグの回避やバトン先のイーブイを起点とした後攻毒みがによる突破を防ぐ。
- アシストパワー
バトンを選択したターンにバトン先が一回の被弾を許す関係上、一回の行動で数手分のアドバンテージを取られる催眠型、後続の技構成次第でエースと1:1交換されてしまうバトン際の道連れ等、手数の豊富さが厄介なメガゲンガーをナインエボルブースト後に上から確定1発で倒せる。格闘相手に撃つことも出来る火力ではあるが、不意のチョッキ・襷、死に出しで出てくる後続の先制技・吠えるなどを考えると無理にイーブイが目の前の相手を落としにかかるのはリスクでしかないため、ゲンガー以外にはむしろ撃たない方がいい。
H252メガゲンガー 114.9%〜135.3%
- でんこうせっか
万が一抜きエースが襷持ちを仕留め損ない返り討ちにされた場合に最後の打点となる。
特性
危険予知/適応力の選択だが、ぶっちゃけどっちでも良い。危険予知で格闘技を予知したところでバトン無しで抜きエースに引くわけにもいかず、こちらからは何も対応出来ない。そして適応力で多少電光石火の威力を上げたところで火力はご察し。
とか書いてたけど嘘です。
トレース対策の危険予知一択。
被ダメ
トレーナー天国様のツールを使用し、全て壁前提で計算しています。B2段階上昇時のダメージは記載してある数値の約半分となります。
- 物理
特化ガブリアスの逆鱗 52.7%〜62.7%
特化ウインディのインファイト 63.3%〜74.5%
特化ウインディの神速 21.1%〜24.8%
EF鉢巻A252カプ・コケコのワイルドボルト 74.5%〜87.5%
特化キテルグマの馬鹿力 103.1%〜121.7%
A252メガルカリオのインファイト 140.3%〜165.2%
- 特殊
C252メガゲンガーのきあいだま 67%〜79.5%
C252ゲンガーのきあいだま 55.2%〜65.2%(2ターン目D2↑込み2耐え)
特化サザンドラのきあいだま 59%〜69.5%
特化カプ・テテフのサイコキネシス 50.3%〜59.6%
- ダメ計を踏まえて
壁を貼るだけで等倍〜不一致弱点程度では落ちなくなり、バトン成功に繋げられることがお分かりいただけるだろう。
相性の良い味方
あくまでもここは単体考察の場であるため、調整など、イーブイ育成論の範囲を超えた紹介はせず、大まかな紹介のみに留めておきます。
- 壁貼り
★クレッフィ★
悪戯心両壁貼りに加え、電磁波によるSサポートも出来る。バトンが失敗するパターンとしてイーブイよりも速い格闘との対面が考えられるが、イーブイより速い格闘に対面から麻痺を入れることでバトンの成功範囲の拡大に繋がる。欠点として、悪戯心の弱体も合わせると両壁を残したままイーブイに繋げる立ち回りが難しい点にある。
★アローラキュウコン★
霰を降らせ相手の襷を潰せる上で両壁を同時に貼れるオーロラベールを貼ることが出来る。格闘にも有利で、最悪アンコールor凍える風で強引にイーブイの起点にすることも可能。イーブイのバトン軸として使うのであればムンフォ・ベールは確定技として、イーブイが出せない場合の裏選出としても選出できるよう、最低限の汎用性を保てる吹雪も入れておきたい。ただ欠点として、霰によりイーブイ・抜きエースの実質耐久が落ちる点にある。
★ジャローダ★
両壁+蛇睨みが使え、リフストワンウエポンでも最低限の汎用性があるため裏選出にも組み込みやすい。
- 抜きエース
★エーフィ★
マジックミラーによりバトン際の吠える反射、全能力が上昇するイーブイのバトンと相性が良いアシストパワーで全抜きが容易。BDバトンと壁も合わせれば不安な耐久もむしろ過剰なほどになる。ブイズパが組める。唯一の欠点として、悪タイプへの打点の確保が微妙な点。不一致マジカルシャイン頼りとなるためDの高いバンギなどには出しにくい。
★カプ・テテフ★
元々備え持っている圧倒的火力に加え、エーフィに足りない対悪タイプ性能も持っている。先制技無効の特性はイーブイの石化とのアンチシナジーを考えても、上から高火力で殴れるバトン構築においてはむしろこちらへのメリットといえる。
★ワルビアル★〜わにさんのコメントより〜
新技"つけあがる"(悪タイプの物理版アシパ)を覚えたため、バトン先として候補に上がる。一貫性が高く、等倍火力で押していけるだけの火力を持てる上に、範囲が上二匹と被らないため両方入れておいて刺さっている方を選出するといった使い方も可能。つけあがる以外は裏選出としても使えるよう、汎用性を重視した技構成を推奨。
★ゴロンダ★〜しろねさん、ぴかにきさんのコメントより〜
利点はワルビアルと大体同じだが、妖4倍の耐性のせいでバトン後に落とされる可能性は高く、イーブイ並のS種族値であるため少しSに振る必要があり、裏選出としての汎用性は落とすことになる。ゴロンダ独自の利点として、型破りであるということ。バトンエースを阻害してくるであろう頑丈・化けの皮等を特性による阻害を受けず突破出来る。
★メガガルーラ★〜サウザンドさんのコメントより〜
前世代のバトン先筆頭で、襷貫通が出来る点をふまえると詰ませ性能がかなり高い。広い技範囲とバトンパ以外でも通用する汎用性を持ち、裏選出としての性能も充分に持ち合わせている。親子愛が弱体化しても未だ現役のモンペ。
最後に
ここまでご覧いただきありがとうございます。
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