みすずと申します。2回目の投稿になります。
Zオウム返しをするムクホーク、通称オウムクホークです。
- 一般的な略称や表現を用います。
- ダメージ計算はトレーナー天国さんのものを使用しています。
- お互いに6Vを前提としています。
- 不要という声が多ければ削除します。
第7世代におけるムクホーク
第6世代では別に弱いわけではなかったが、飛行技ではアローやメガマンダ、ノーマル技ではメガガル、威嚇蜻蛉では霊獣ランドと優秀なポケモンが存在したため、それらを差し置いてわざわざムクホークを使う理由が薄く、所詮中堅ポケモンであった。
ゆえに7世代へと世代が移りアローやメガガルが弱体化したのは、ムクホークにとっての追い風。強力な高速電気が登場したものの、前世代よりかは採用意義を見いだしやすくなった。
他方では7世代の新要素としてZ技が登場したが、この中の1つ、後述するZオウム返しによって、アローマンダとの明確な差別化点を手に入れた。したがって本論ではZオウム返しの有用性に触れながら、それと相性の良いポケモンとしてムクホークを考察していく。
Zオウム返しについて
- 効果 : 相手が最後に使った技で、相手を攻撃する。 ただし、技の対象が「自分」や「場」の場合などは失敗する。
- Z技追加効果:『こうげき』ランクが2段階上がる。
Aが2段階以上アップするZ変化技はこれと「はねる」だけなので、Z追加効果の質でみれば優秀な変化技。これにはさらに、Zオウム返しで返した技は全てZ技になることが確認されている。要するに、相手が地震を使った後にこちらがオウム返しを使えば、Aを2ランクアップさせた上に『ライジングランドオーバー』を放てる。
この技の真価は、積みと対面処理を同時に行えるという点。
Aを上げながら攻撃できる、という点がメガガルのグロパンと類似しているが、あちらよりも威力とAがランクアップするタイミングが優れている。ビーストブースト等にも同様のことが言える。加えて、起点作りをそれほど必要としないことも大きな利点だろう。
逆にメガガルのグロパンと比べて劣っている点は、相手の行動に縛られてしまうという点である。相手が攻撃技を使わなければ対面処理はできない。また、オウム返しは使用ターンに相手が交代すると失敗するし、相手の積み技 (対象が「自分」の技) やステロ (対象が「場」の技) にも反応しない。ただし、どの「失敗」も失敗するのはオウム返しのみで、Aは漏れなくランクアップする。
その他Zオウム返しを使う上で押さえておきたい重要な特徴が以下の3つ。
・金縛り、アンコール、挑発は無視できる。また、どれも対象が「相手」なので失敗しない。
・相手のZ技に対するオウム返しは失敗する。
・相手の変化技に対して使用した場合、その変化技のZ追加効果は付与されない。(Zオウム返し催眠術!→ZオウムのAアップに加えてZ催眠のSアップ!とはならない。)
オウム返し自体の細かい仕様については調べれば出てくるので省略します。
ムクホークの強み
- Zオウム返しにおける強み
このZオウム返しをする上で大事なのが、素早さ(:オウム返しの打ち出し)・攻撃力(:Zオウム返しで返す技の威力・積んだ後の技の威力)・耐久力(:自分より速い相手への機能)の3つだろう。
この3つに絞って見た場合、ムクホークの注目すべき点は高いA種族値と、特性威嚇による物理耐久の高さである。
まず攻撃力だが、ムクホークのA種族値は120と中々の高水準。飛行タイプの中では霊獣ランドロス、ギャラドス、カイリューなどムクホークを越すポケモンが複数いるが、「技」という観点も加味して見れば、まともな飛行技を覚えないそれらをゆうに越す。つまりムクホークは、トップクラスの火力で飛行技を繰り出せるポケモンと言える。
さらにZオウム返しを使えるポケモンまで狭めて見れば、A種族値はドンカラスに次いでバシャーモ・ドデカバシと並ぶ堂々の2位。火力面ではもう何も言うことは無いだろう。
次に耐久面について。Aを2ランク上げて相手の技を打ち返すということは、打ち返す技が物理技である方が火力を出せる。(というか、ムクホークの場合特殊技はZ化してもステロ2回くらいの火力しか出ない。)そのためZオウム返しを使用するのは、物理相手との対面下が望ましい。このような経路から物理耐久の高さが求められてくるのだが、ムクホークの特性の1つ「威嚇」は、それと正にマッチしたものだ。下のダメ計を見ていただければ分かると思うが、これによりほとんどの物理攻撃を一発以上耐えることが可能になる。
「物理相手にしか積めない」みたいな書き方をしたが、平均程度の特殊耐久はしっかり持っているので、特殊相手でも勿論積める。しかし、Zクリスタルまで消費したリターンが「剣舞+ステロ2回くらいの削り」では、少し損をした気分になる。これは単に気持ち的な問題であり (むしろやらない方が勿体無い) 、相手次第では普通に使えるものではあるが、一応。
- 対面構築における強み
以上まででプッシュされるべきなのは、単体性能の高さだろう。物理相手を自身で弱体化させられる特性と、高威力の技を繰り出せる積み技がそれである。
その他にも、範囲が広く反動こそ受けるが威力の高い2ウェポンや、激戦区と争えるだけのSなどの条件が、手持ちのそれぞれが相手を1体以上倒すことを目標とする対面構築に求められる役割と合う。
採用理由
以上の項からこのムクホークの役割を纏める。
★コンセプト★
- 物理対面から1:1以上の交換
Zオウム返しによって対面処理と積みを同時に行い、相手の後続に2倍の威力になった技で負担をかける。Sが足りないためエースにはなりにくいが、仮に相手3体のSがムクホーク未満だった場合は十分全抜きを狙えるくらいのポテンシャルはある。
- 高火力物理飛行
陽気ムクホークのA2アップしたブレバは特化メガマンダの捨て身を越える。また、マッシブーンやグソクムシャ等の虫、カプ・ブルル等の草に圧力をかけつつ、それなりに範囲の広い技で攻撃できる。ヒコウZはオウム返しだけでなくメインウェポンのブレバにも使えるため、Zオウム返しのそれとは異なる安定した瞬間火力にも優れる。
(火力指数参考程度にどうぞ。)
・陽気ムクホのZブレバ 49020
・意地メガマンダの捨て身 50544
・陽気プレートアローの剣舞ブレバ 57456
・陽気ムクホのZオウム後ブレバ 61920
- 威嚇込みの対物理性能
繰り返しになるためくどくなるが、威嚇で相手のAを引き下げることによって安定してZオウム返しを放てる。物理技に対して使えばAを2アップさせてから物理Z技を撃ち出せるので、攻撃面でも対物理性能が高い。
★採用理由★
対面性能と単体性能の高い高火力飛行物理アタッカー
差別化
やはり差別化対象になるのはメガボーマンダ。
ムクホークと同じ飛行タイプ、メガ前に同じ特性を持つ。種族値はメガ前のSがムクホークと同じで他はムクホークより上。つまり種族値はムクホークの完全上位互換である。また、火力指数を表したときに気づいたかもしれないが、ムクホのZブレイブバードよりもメガマンダの捨て身タックルの方が火力が高い。これを連発することができ、竜舞等の積み技でさらにAを上げられるとくれば、環境でムクホークが使われない理由に頷ける。
ムクホークの優位点としては、
- Zオウム返しを使うことができる
- 高火力格闘技を持つ。これによって例えば、H振りカグヤに対してヘビボをZオウム返し+インファで落とせる
- 4倍弱点が無い (不意のめざ氷で落とされない)
- メガ枠を消費しない
等が挙げられる。Zオウム返しを全面的に出していきたいところだが、全ての相手に機能する技ではなく、謂わば明確だが不完全な差別化要素なので、他の技との兼ね合いは結構重要。
逆にメガボーマンダの優位点としては、
- 全数値が上
- ドラゴンや地面の高火力技を持つ
- 抜き性能の高い積み技を覚える
- Z枠を消費しない
等。
調整
性格補正有りを↑で表します。
性格 : 陽気
努力値 : H4 / A252 / S252
実数値 : 161-172-90-63-80-167
★H-B(威嚇込み)★
A252命の珠フェローチェの跳び膝蹴り 割合: 83.2%〜99.3% 回数: 確定2発
A252メガルカリオのインファイト 割合: 81.9%〜96.8% 回数: 確定2発
A252↑メガハッサムのバレットパンチ 割合: 35.4%〜41.6% 回数: 確定3発
無振りテッカグヤのヘビーボンバー 割合: 37.2%〜44.7% 回数: 確定3発
A252↑命の珠ミミッキュのじゃれつく 割合: 46.5%〜56.5% 回数: 乱数2発 (84%)
A252↑力持ちマリルリのじゃれつく 割合: 52.5%〜62.5% 回数: 確定2発
A252↑力持ちマリルリのアクアジェット 割合: 23.1%〜28.1% 回数: 乱数4発
A252メガギャラドスの滝登り 割合: 42.8%〜50.9% 回数: 乱数2発 (3.1%)
A252ガブリアスの逆鱗 割合: 56.8%〜67.5% 回数: 確定2発
A252↑メガボーマンダの捨て身タックル 割合: 80.7%〜95.6% 回数: 確定2発
★H-D★
C252↑ギルガルドのラスターカノン 割合: 78.2%〜91.9% 回数: 確定2発
C252メガゲンガーのヘドロ爆弾 割合: 87.5%〜103.1% 回数: 乱数1発 (18.8%)
C252↑サザンドラの悪の波動 割合: 67.7%〜80.7% 回数: 確定2発
無振りフェローチェの冷凍ビーム 割合: 83.2%〜98.1% 回数: 確定2発
C252メガルカリオのラスターカノン 割合: 90.6%〜106.8% 回数: 乱数1発 (37.5%)
C252カプ・テテフのサイコF下サイコキネシス 割合: 108%〜127.3% 回数: 確定1発
性格はオウム返しの際できるだけ上を取りたいので陽気確定。
個体値について、特殊技を返す場合もあるかもしれないので6Vを用意できるならそれに越したことは無いが、C種族値が50と乏しすぎる上に性格で下降補正をかけているため、Cの個体値がVだろうが逆Vだろうが正直あまり気にならない。
耐久調整を施すことも考えられたが、耐久に努力値を割いて耐えられるようになる攻撃と、ASを削るデメリットを合わせみた結果、素直にAS特化させるのが無難だと感じた。例えば重要となる物理攻撃は、ダメ計のとおりH4振りでも威嚇が入れば一致等倍高火力も1発は耐えてくれる。逆に特殊攻撃は、耐えたところで起点にできる相手は少ない。A方面でも火力が十分足りているわけではないので、あまり削りたくない。Sに至っては、100族であるムクホークが最速を逃すデメリットが大きすぎる。
因みに、H個体値29にして16n-1にしたところで見れる範囲は広がらないどころか仮想敵からの確定数がずれかねるので論外。
技構成
★確定技★
- ブレイブバード
タイプ一致メインウェポン。高火力かつクリスタル適用技。相手の交代が読めておりZオウム返しを撃ちづらいときに、Zブレバが安定打となる。
(ランク補正無し)
HB特化マッシブーン 割合: 106.5%〜125.2% 回数: 確定1発
H252オニシズクモ 割合: 120%〜141.7% 回数: 確定1発
H252カプ・ブルル 割合: 98.3%〜116.3% 回数: 乱数1発 (87.5%)
(ランク補正無しZブレイブバード)
H252メガゲンガー 割合: 110.1%〜129.9% 回数: 確定1発
H252アシレーヌ 割合: 104.2%〜123.5% 回数: 確定1発
H244Aベトベトン 割合: 92.4%〜108.5% 回数: 乱数1発 (50%)
(ランク+2)
無振りガブリアス 割合: 110.3%〜130% 回数: 確定1発
H4ミミッキュ 割合: 178.4%〜210.7% 回数: (特性非考慮) 確定1発
H252カプ・テテフ 割合: 138.9%〜163.2% 回数: 確定1発
- インファイト
ブレバの通らない岩・鋼に抜群を取れる。範囲的にも威力的にも確定でいいだろう。
(ランク補正無し)
H4ポリゴンZ 割合: 106.8%〜126.7% 回数: 確定1発
B252↑輝石ラッキー 割合: 51.6%〜60.9% 回数: 確定2発
H252ジバコイル 割合: 65.5%〜77.9% 回数: 確定2発
(ランク+2)
H244テッカグヤ 割合: 62%〜73.3% 回数: 確定2発
H4デンジュモク 割合: 106.9%〜126.4% 回数: 確定1発
H4メガガルーラ 割合: 143.6%〜169% 回数: 確定1発
- オウム返し
コンセプト兼差別化要素なので確定。概要は上記のとおり。余談だが、筆者の運用中、耐久型と対面したときに毒毒を返せたことがあり、想像以上の汎用性の高さを感じた。
(ランク+2・Z化済み)
H244マルスケカイリューに逆鱗 割合: 108.6%〜127.9% 回数: 確定1発
H244テッカグヤにヘビーボンバー 割合: 41.3%〜48.7% 回数: 確定3発
H4フェローチェに跳び膝蹴り 割合: 149.6%〜176.1% 回数: 確定1発
H252マリルリにじゃれつく 割合: 109.1%〜128.5% 回数: 確定1発
[威嚇込み]H4メガボーマンダに捨て身タックル 割合: 107.6%〜126.9% 回数: 確定1発
★選択技★
- 蜻蛉帰り
不利対面の回避として重宝する。積む対象がはっきりしているこの型の場合、優先度は高い。
- 電光石火
タイプ一致で唯一の先制技。襷潰しとして有用であったり、Zオウム返し後にムクホークより速い相手が出てきても、上げたAを最後まで活かしきれる。
- 捨て身タックル
第2のメインウェポンだが、ブレバと同威力で半減タイプも被っているため、仮想敵が電気だけになる。その電気さえ、ムクホより素早いポケモンが多いために交代読みでしか使えなかったり、インファイトで間に合っていたりする。ゆえに優先度は低め。
(ランク+2)
無振りカプ・コケコ 割合: 151.7%〜180% 回数: 確定1発
H244デンジュモク 割合: 134.9%〜159.2% 回数: 確定1発
H244ランターン 割合: 128.5%〜151.9% 回数: 確定1発
- 守る
Zオウム返し使用時、相手がムクホークより遅い場合に役立つ技。死に出しであったり味方の蜻蛉等でサポートするならそれでいいのだが、そうじゃない場合は一度相手の攻撃を受ける必要があるので、そのときに守るを挟むことで無償にできる。予め相手が何を撃ってくるかが分かれば、オウム返しで返すか他の技の方が良いかの判断もつく。
- 身代わり
採用理由は守るとほぼ同じ。HPを削るが変化技に強くなれる。どうでもいいが偶然にもH実数値が4n+1。
運用
- 繰り出し
・先発 or 死に出し
・ゴースト or 地面技への受け出し
基本的な繰り出し方は以上の2つ。先発以外ではノータイムでZオウム返しを打ち出せる。
特に使いやすいのが後者で、Aガラガラや剣舞で化けの皮を使わせたミミッキュを起点にできる。
- 対面
先発で物理相手との対面が実現したものとする。
このとき、相手がムクホークより速ければZオウム返し or Zブレイブバード。後の行動を考えるとあまりお奨めできないが、様子見の守るも視野に入る。
相手がムクホークより遅い場合は守る or Zブレイブバード。守るは決して安定打として使うのではなく、「相手に攻撃させる」という明確な意識を持って扱うべき。さもないと相手に無償で交代や積み技を許すだけでなく、それをオウム返しすることもできない事態になりかねる。
相性の良い味方
対面構築に組み込むとしているので、相性補完よりは範囲補完の方が重視される。
- ガブリアス
どんな構築でも取り合えず入れておけば活躍できる有能主人公。ムクホークの苦手な電気やギルガルドに打点を持つ。
- ミミッキュ
一致技の範囲の広さが光る。ムクホークが処理しきれなかったポケモンに対して、特性や影撃ちが効果的に使用できる。
- メガゲンガー
コケコの処理や、影踏み+滅びの歌による耐久型の強引突破等。汎用性の高いメガ枠。
厨ポケとその強み並べ立ててるだけになった
以上です。