どうも、一応ダブルもかじっているファイドです。ぶっちゃけ前回の論は持ち物候補なし、調整ほぼなし、ダメ計ちょこっとでこちらとしてもめちゃくちゃ楽チンだったのですが、今回は少し長めの論になりますので悪しからず。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体とする
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをそれぞれHABCDSと表記
- ポケモン名やタイプ、持ち物に一部略称を使用
- ダメ計にはトレーナー天国様のものを使用
- 蛇足の項は読み飛ばし推奨
はじめに
ダブル環境は今まさに大"天候"時代。7世代に入り天候特性が追加、中でもペリッパーが加入した雨構築が猛威を振るっている。メガシンカの仕様変更によるメガラグラージの強化、環境への水タイプの通りの良さなど様々な要因が味方し、逆に炎タイプを主力とする晴れ構築は影を潜めている。(昔からやろ)
ところでそんな不遇天候をたった1匹でトップメタに押し上げるバケモノをご存知だろうか?そう、ヤツメガリザードンYである。高いCから繰り出す日照り熱風で場を制圧するクソトカゲ、ヤツの最大の強みは特性の発動タイミングである。メガシンカ時の特性日照りが発動するのは、ポケモンを繰り出して技選択をし交換が終わった後。つまり、素早さによる天候の取り合いを全て無視して確実に晴れ状態にできるのである。メガリザードンYはこのインチキじみた性能により、構築の軸からギミックパの補完にまで単体で入り込んでくるのである。
要するにダブル環境において対策必須なわけだが、特性ではヤツから天候を奪えない。では、どうすればいいのか。技で書き換えればいいのである。
え?他にも天候メガ枠がいる?晴れよりもっと不遇やんwwwwww
このポケモンの強み
- いたずら心+雨乞いによる確実な天候書き換え
せっかく天候を書き換えるのに相手が行動した後では意味がない。しかしダブルは素早さ関係が目まぐるしく変わる。そこでいたずら心を使えば、サイコフィールド下であろうと先制で雨を降らすことができる。前述のメガリザードンYなら炎技の威力が1.5倍から0.5倍に下がる他、砂嵐を消して岩タイプのDを戻す、霰を消してオーロラベールを防ぐなどの使い方もできる。またSに振る必要がなくなるため耐久、火力を確保しやすい。ただ雨を降らす以上の仕事が可能である。
- 雨とのシナジーの高さ
ボルトロス(化身)はいたずら心持ちの中で唯一の電気タイプである。つまり、雨下で必中となった雷をタイプ一致で撃てるのである。これにより、雨構築に対しても高い打点を持つことができ、実質的に全ての天候を潰すことができる。素でペリッパーを抜いているのも優秀。
また味方の雨エースとの並びを考えた場合ボルトロス(化身)で邪魔な水タイプを吹き飛ばし、電気が通らない地面を横で落とすといった動きができる。特に筆者はメガラグラージに強いルンパッパとの相性が良いと感じた。
総じて、晴れ、砂嵐、霰に対する強力な切り返し手段を持ちながら、雨やその他の構築に対しても圧力をかけることが可能である。
以上の内容よりほとんどのポケモンとは差別化はできているがいくつか対抗馬が存在する。
エルフーン
水に対して草の打点を持つ。しかし最大打点がソラビもしくは草結びであり、ソラビは論外として草結びはメガラグラージくらいしか撃つ相手がいない。またそもそもの種族値の差も歴然である。(ぴったり100違い)
メガジュペッタ
いたずら心持ちの中で火力が最大かつ先制道連れ、トリルなどを持ち雨云々関係なく活躍できる筆者が一番好きなポケモン。4/27現在使用率は192位とゴミみたいな順位だが使ってみるとめちゃくちゃ強い。しかし耐久力、瞬間火力、素早さ、メガ枠の消費などで差別化できる。
ボルトロス(霊獣)
そもそもいたずら心を持ってないのでコンセプトには合わないが、最速ならメガリザードンYの上から雨乞いできる。しかしSに振る関係上必要な数値を確保することができない上、素早さ変動の影響を受けるため雨要員としては力不足である。普通に使った方が強い。
持ち物
- 電気z (推奨)
火力を大幅に上げることができる。ダブルは誰が守るを持っていてもおかしくない環境であり、それを貫通して確実にダメージを入れられるのも強力。元の技が雷なためより高いダメージを期待できる。
- 気合のタスキ
たとえ耐久調整を施しても、不意のz技や手助けなどにより役割破壊が起きかねない。確実に役割対象を倒すという意味で価値はある。
- 回復系木の実
ダブルの全体技はどれも火力が中途半端である。確定数をずらしたりミリ耐えした後の追撃に備えたりするのに有用。
どれも一長一短であるため、調整との兼ね合いやパーティ内の被り等を考慮してほしい。
<蛇足>
- 持ち物の違いについて
基本的には電気zがオススメなのだが、他の候補を挙げたのには理由がある。
まずzはパーティ内での競合が起こりやすい。特に、横に並びやすい雨エースのうちメガラグラージ以外はzが持ち物候補筆頭である。2z構築も普通に存在する現環境だが、横に並んでしまっては対処のしようがない。そこで注目したのが他の2つである。
まずタスキについて、役割上1回行動できれば十分ではあるのだが雨対面でキングドラやルンパッパなどにzで倒されるのは癪である。なら確実に1発耐え、横の雨要員を倒せれば数的有利を狙えるだろう。ただし雨エースの攻撃は火力upアイテムがない限り耐えられる上、自身の瞬間火力を捨てることになる。
続いて回復木の実について、詳しくは以下の調整欄やダメ計に記載するが基本的に耐久がギリギリである。ダブルは敵が4体もいるため、集中攻撃や全体攻撃で数的不利をとるのは極力避けたい。そこで混乱実かオボンで誤魔化してしまおうというコンセプトである。しかし何度も言うように不意のzで木の実発動前に落とされる恐れが常に付随する。
ちなみに筆者は木の実で使用したことはないのだが欲しくなる場面は何度かあった。
使用感としては電気z>タスキ=木の実といったところ。
技構成
- 確定技
雨乞い、雷
仮想敵カプ・レヒレメガリザードンYルンパッパペリッパーミロカロスetc
コンセプトより
雷はz化する事で威力175の必中技となるため雨が降っていなくても打点を持てる。避雷針に注意。
- 準確定技
挑発
仮想敵トリル・追い風要因、耐久ポケ etc
トリル、追い風、守るを封じたりとかなり有用な技。ほぼ確定だがパーティに1枚あれば十分なのでこの位置。
守る
こちらも切る理由がほぼないが、攻撃の要でもないため落ちてしまっても構わないという場合もあり得る。選択技との入れ替えは基本ここ。
- 選択技
サブウェポン筆頭。雨構築の取り巻きや電気が通らない相手に有効。命中不安だが格闘zを持たせるほど撃つ機会はなかった。
エレキネット
アニポケで我らがピカ様が覚えたらしい。ダメージは期待できないが相手2体のSを下げるため影響力はかなり高い。
草結び
仮想敵メガラグラージ
完全にピンポイント。環境にいる地面タイプにはほぼ通らない。ペリッパーメガラグラージの並びに単体で対応できるようになるが片方を隣に任せてしまう方が良い。
充電
Dを上げて相手のzをケアしつつ次のターンの火力を2倍にするというおしゃれプレイができる。ネタではなく普通に強い。ただわざわざ枠を割くかと言われると微妙なところ。
電磁波
ケボルトの代名詞。ただ使い所はイマイチ。
火力不足
調整
- 案1(確定欄はこちら)
控えめ
努力値 H244/B92/C116/D20/S36
実数値 H185/A-/B102/C176/D103/S136
H 総合耐久意識で奇数最大
B 特化 メガメタグロスの冷パンを最高乱数切り耐え
C ルンパッパを電気zで最低乱数切り1発
D ゲッコウガの冷B確定耐え
S 最速メガバンギラス抜き
電気z、オボン推奨
雨下メガラグラージの滝登り、ついでにメガメタグロスの冷パン耐えまで耐久を伸ばす事で、物理特殊どちらも不一致弱点程度なら耐えられるようになり、2回目以降の雨乞いを撃ちやすくなる。また雨エースの中で使用率がトップのルンパッパを落とせるだけの火力を確保することで雨構築に強くなれる。
メガバンギラスは天候要員だけでなく普通に龍舞して殴ってくるくそやろうみたいな型も存在する。いたずら心無効なため、こいつ自体を落とせずとも抜いておくに越したことはない。
ちなみに綺麗にB<Dなのはたまたま。
案2
穏やか
努力値 H244/D244/S20
実数値 H185/A-/B90/C145/D144/S134
D 特化メガネカプ・テテフのサイキネ、雨下特化メガネペリッパーのドロポン最高乱数切り耐え
S 準速メガギャラドス抜き
電気z、混乱実推奨
zによる役割破壊の可能性をを極限まで抑えた調整。しかしメガラグラージの滝登りが中乱数になるなど物理方面での不安が生じる。ちなみにサイキネとドロポン、火力指数的には300ほど差があるのだがたまたま乱数の幅が被った。ポケモンって不思議。
<蛇足>
その1
調整案3
CSぶっぱ ほぼタスキ前提
めんどくさいから全部耐えてしまおうという型。だがここまでくるとレボルトでいい。いたずら心雨乞いと火力を両立しているため一応記載。
その2
案1のカスタマイズについて
色々と書いてあるがあくまで目安であり、ここからDやSに厚くするのも手である。ここではCからSに回した場合の調整ラインを記しておく。
S52
準速カプ・レヒレジャラランガ抜き
S60
準速FCロトム抜き
S68
最速75族抜き
S84
最速ヒードラン抜き
S100
最速メガカメックス抜き
S140
準速ミミッキュ抜き
その3
どちらの調整も乱数にかなり甘えているのをツッコまれそうなので先に言い訳しておく。
まず案1は全体的に数値不足がネックであったためC、Bをケチったのだが、残りをDに回すとちょうど確定耐えになる相手を見つけたのでそれを採用した。
案2に関してはHDに振り切ってもどうせカプ・テテフのサイキネが確定耐えにならないためSに回した。
ぶっちゃけ筆者自身「最高乱数切り」調整が好きなためよしとしているが気になるのであれば動かしてもらって構わない。
運用にあたっての注意点
これまでさんざん強みを語ってきたが、このポケモンには構築の軸になる程のパワーはない。アタッカーとしても雨始動としても構築の補完として採用することで真価を発揮する。というのも、いくら天候が奪えるといっても雨乞いをしたターンは特性すいすいは発動しない。つまり特性雨降らしと比べ、有効ターンが1ターン少ないのである。
よって別のポケモンで暴れた後の掃除役、もしくは裏のエースの起点作りが最適であろう。
また、天候メタといってもボルトロス(化身)とルンパッパが構築にいれば普通に雨展開を読まれる。読まれたからといって天候が取れなくなるわけではないがこちらが一方的に制圧できるわけでもないことを念頭においておく必要がある。
相性の良い味方、構築
ここまでの内容を踏まえて、
- メガリザードンYやその他炎タイプが重い
- 天候パに対して切り返す手段が欲しい
といった構築に補完として採用できる。
単体では、
猫騙しでサポートもでき雨エースとしてシナジーが高いルンパッパ
物理打点かつ地震が撃ちやすいメガラグラージ
などをオススメする。
また限界雨構築においてニョロトノの代わりに採用することで地面無効の電気打点を作ることもできる。
<蛇足>
限界雨構築とは
構築に
・雨始動要員×2
・雨エース×3
・雨ミラー、トリル対策
を組み込み、高火力の水技のみで相手を押し切るというポケモンの常識を覆した脳筋構築。筆者の曖昧な記憶の中でもシーズン5最終1位を始め目覚ましい結果を残している。
この構築はペリッパーニョロトノメガラグラージルンパッパキングドラナットレイでほぼ固定なのだが、実はペリッパーの性能が高すぎてニョロトノの選出機会はかなり少ない。そこで電気打点に入れ換えることで邪魔な水タイプを突破してしまおうという算段である。
運用方法
- 相手が晴れ、砂嵐、霰入りだった場合
基本的に初手に出し雨を降らす。
雨エースと並べた場合1ターン目はすいすい補正が入らないため、守る、猫騙し等で誤魔化すか、火力補正はかかる為タスキで耐えて殴りにいくプレイングが必要。
逆に後出しで天候を変えられても技選択の時点でそのターンの素早さが確定するため相手の上から動ける。そして次のターンにまた雨乞いすれば良い。
- 相手が雨入りだった場合
こちらにルンパッパがいる場合、メガラグラージはほぼ出てこない。なんなら雨選出をされないことも多かった。雨構築はミラー警戒や単純なシナジーを意識して電気の通りが悪い場合もある。そのため雨以外の取り巻きとの相性をみて選出するかを考える必要がある。
- その他ギミック系の場合
水の火力増強、炎技の軽減、挑発、電気打点等が必要なら選出。
ほとんどの攻撃を1発は耐えるが後出しは安定しない。また下のダメ計でもわかるように微妙に火力が足りない。天候を貼るのが最大の役割なため、こいつで相手を抜いていくことは厳しい。
ダメージ計算
それぞれダメージの目安として分かりやすいもののみを記載する。これ以外は適宜推測、計算して頂きたい。
性格補正込み252振りを"特化"と表記
- 与ダメ
雷
カプ・レヒレH252 82.4〜98.3%、確2
ガオガエンH252 49.7〜58.7%、超高乱2
ミロカロスH4 88.8〜105.2%、低乱1
マリルリH252 105.3〜125.6%、確1
雷z
カプ・テテフ無振り 93.7〜111.7%、中乱1
ルンパッパ無振り 98.7〜116.7%、超高乱1
メガメタグロス無振り 91.6〜108.3%、中乱1
カミツルギH20D140振り育成論サンムーン/356
96.3〜113.8%、高乱1
テッカグヤHD特化 106.8〜127.4%、確1
被ダメ
メガメタグロス特化冷パン 85.4〜100.5、超低乱1
メガラグラージ特化雨滝登り 80〜94.5%、確2
ランドロス(霊獣)特化雪崩 48.6〜57.2%、高乱2
カプ・テテフ特化フィールドサイキネ 80〜94.5%、確2
ゲッコウガ変幻冷B 82.1〜98.3%、確2
最後に
いかがだっただろうか。ちなみに筆者はBWのとき、ボルトロス(化身)捕獲の黒い眼差し要員として別ROMからわざわざ連れてきたクロバットが一瞬で殺されて発狂しそうになった。今となってはいい思い出である。