わにと申します。よろしくお願いします。
以下の内容に必ず目を通してください。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- その他わかる範囲の略称を用います
- ダメージ率はダメージ計算式をもとに計算しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
それでは考察に移ります。
型概要
崩し性能、対面性能を高めたウツロイドです。
サイクルを回しつつ有利対面で身代わりを残し、数値受けをアシッドボム+岩Zで突破することで相手のサイクル崩壊を狙います。
こちらの育成論(育成論サンムーン/1746)とコンセプトが酷似しているものの調整や持ち物が大きく異なるため新規投稿という形を取らせていただきます。
ウツロイドの基本スペック
- 岩+毒の固有タイプと高いHD
独特の耐性と恵まれたHDによって特殊炎、電、草、飛、妖等に対して強く役割を持つことができます。逆に地、鋼には手も足も出ず、有利不利がかなりはっきりしているのでサイクル戦向きのポケモンと言えます。
HDは耐久無振りでも役割遂行が十分可能なほどで、火力の低い耐久ポケモンの前で容易に身代わりを残すことができます。
反面、Bはお豆腐(絹ごし)並みに柔らかいので物理方面への受け出しはできません。
- 高いCSと特性ビーストブースト(以下BB)
耐久数値が高いだけでなくCSにも恵まれ、さらに特性BBにより能力を高めることができるので、サイクルの中で消耗した相手をウツロイドで処理できれば、終盤のスイーパーとしても機能します。
- 回復ソースが乏しい
サイクル戦に適したポケモンであることは間違いないのですが、残念ながらまともな回復ソースが痛み分けと眠るしかないため、長期のサイクル戦には向きません。自己再生覚えそうな見た目してるのに
なんとか先に相手のサイクルを崩壊させる手段が欲しいところです。
- まとめ
以上のことから、受けを意識するよりも攻めを意識したサイクル向きのポケモンであることがわかります。
本論ではこの特徴を生かすために、サイクルに参加しつつ崩しの起点となる構成を考えていきたいと思います。
アシッドボム+岩Zの構成
ウツロイドに崩し性能を持たせるために注目したのがアシッドボムです。
攻撃しつつ相手のDランクを2段階下げることができるため、鋼以外の受けポケモンを大きく崩す手段になり得ます。
自身の崩し性能を上げるだけでなく味方のサポートにもなる点も評価できます。
しかし、アシッドボムのみでは崩しに時間がかかってしまうので、持ち物に岩Zを採用し、与える負荷の増加とサイクルの早期崩壊を狙います。
詳しくは後述しますが、ステロダメージ+アシッドボム+Zパワージェムでカビゴンを突破し得るほどの高い崩し性能を得ることができます。
また、副産物としてミミッキュや耐久振りメガボーマンダを単機で突破することができるようになり、対面性能も大きく向上します。
地味にオニゴーリに対するケアにもなります。
ちなみにウツロイドはアシッドボムを覚えるポケモンの中で最も高いCとアギルダーに次ぐSを有し、相手を突破することがトリガーとなる特性BBを持つことから、この戦術に最も適したポケモンと言えるかもしれません。
今回はこの構成を軸として考察を進めていきます。
採用理由・差別化
- 採用理由
- 特殊炎、電、草、飛、妖受け
- 受けサイクルへの崩し
- 一部積みエースストッパー
- 主な仮想敵
メガリザードンYウルガモスヒートロトムメガライボルトボルトロス(霊獣)カプ・コケコサンダーメガフシギバナポリゴン2ラッキーハピナスオニゴーリ等
こちらの技構成や相手の型によって厳しい相手も含まれますが、これらが重い構築の補完および耐性を生かしたサイクルパーツとしての採用が主になります。
- 差別化
固有タイプと高いHD、激戦区を抜き去るSで他との棲み分けは十分できていると判断したため差別化は省略します。
持ち物
- 岩Z
今回のコンセプトの一つ。
数値受け突破の鍵になるほか、低耐久や岩弱点のポケモンに対する対面性能が大きく向上します。アシッドボムと絡めてウツロイドらしからぬ高火力を叩き込んでやりましょう!
特性
- ビーストブースト
これしかありません。
ウツロイド自身で相手を突破しにいくので当然発動機会も多くなります。
性格
臆病
仮想敵が100族近辺に集中しているためSに上昇補正をかけます。
BDともに絶妙な耐久をしているのでAに下降補正がかかる臆病で確定です。
調整
- 個体値
HBCDS31、A0を想定
- 努力値
H164/B12/C76/D4/S252
- 実数値
H205/A52/B69/C157/D152/S170
- 主な調整意図
H:身代わりが地球投げ耐え(4n+1)
HB:A156ミミッキュのぽかフレ+影討ち耐え
HD:C232メガリザードンYの晴れ下オーバーヒート2耐え
C:ステロ+アシッドボム+ZパワージェムでH236D142カビゴン突破
S:最速
今回はサイクルに組み込みやすくするため、耐久ベースの配分にしました。
火力は控えめですが、そもそもアシッドボム前提の立ち回りになるため素の火力がそこまで必要ないこと、C200カプ・テテフのPFサイコキネシス2耐え調整のカビゴンをステロダメージ込みで突破できるため十分だと判断し、耐久に厚くしています。
ここまで耐久を確保することで、霊Z以外のミミッキュをアシッドボム+Zパワージェムで対面処理できるようになったり、身代わりがC73ドヒドイデの熱湯をこちらに分のいい乱数(62.5%)で耐える、身代わりが一致イカサマを耐えるなど、様々な恩恵があります。
メガリザードンYの最大火力を2耐えする姿には惚れ惚れしますね!
今回は身代わりのHPを意識してHに多めに割いていますが身代わり不採用の場合も上記HB、HDラインを確保することに意味はあります。
これをベースに各自調整してください。
耐久目安
物理耐久指数:14145
A216メガボーマンダの捨て身タックル:61.9〜73.1% 確2(半減?)
A194メガガルーラの捨て身タックル:46.3〜54.6%+11.2〜13.6% 確2(半減??)
A194メガガルーラの不意打ち:36〜42.9%+8.7〜10.7% 確2
A156ミミッキュのぽかフレ:59〜69.7% 確2(半減???)
A156ミミッキュの影討ち:24.8〜29.7% 乱4
A233カミツルギのリーフブレード:83.4〜98.5% 確2
A116グライオンの地震:185.3〜218.5% 確1
特殊耐久指数:31160
C232メガリザードンYの晴れオーバーヒート:40.9〜48.2% 確2
C191メガフシギバナのギガドレイン:26.3〜31.2% 確4
C205ウルガモスのC+1サイコキネシス:66.8〜79% 確2
C147カプ・コケコのEF下Z10万ボルト:69.7〜82.4% 確2
C172ポリゴン2の冷凍ビーム:19〜22.4% 乱5
C73ドヒドイデの熱湯:21.9〜26.3% 乱4
C101オニゴーリのフリーズドライ:13.6〜16% 乱7
かなり高い特殊耐久を持つ反面、物理耐久はお豆腐そのものです。
ここに記載していないものは各自計算をお願いします。
技構成
- 確定技
アシッドボム
この型のコンセプト。
ダメージ自体には期待できませんが、崩しの要となるため確定です。
H187D154メガフシギバナ:12.2〜14.9% 乱9
H145D95カプ・コケコ:53.7〜63.4% 確2
H236D142カビゴン:11〜13.1% 乱9
H212D110カバルドン:7.5〜9.4% 乱11
H196D100ランドロス(霊獣):9.1〜10.7% 乱9
パワージェム
Zの素となる技であり、役割対象への遂行技であるため確定。
下記ダメージ率はZ時のものになります。
通常時はこの半分、アシッドボム後はこの2倍のダメージが入ると思ってください。
H197D130メガボーマンダ:112.1〜131.9% 確1
H187D154メガフシギバナ:49.1〜58.2% 乱2
H236D142カビゴン:42.3〜50% 乱2
H161D126ミミッキュ:70.1〜82.6% 確2
H196D100ランドロス(霊獣):72.4〜85.7% 確2
- 準確定技
身代わり
有利対面で身代わりを残すことでアシッドボムを打ち込む隙を作ることができます。
また状態異常技を回避することもできるので重宝します。
ミミッキュの型判別やオニゴーリの絶対零度対策にも使えるなど、用途が多彩なため準確定です。
- 選択技
電磁波
主にアシッドボムが通らない鋼に対して交代読みで刺す技。
身代わりとの相性も良く、電磁波+アシッドボムで味方の補助ができます。
叩き落とす
呼ぶ鋼、地に一貫しつつ相手の弱体化を狙える技。
ラッキーやポリゴン2に対する処理速度をさらに早めることができます。
ダメージ計算は割愛します。
イカサマ
叩き落とすと同じく鋼、地に一貫し、相手が物理の場合は有効な打点となる技。
H155A216B170メガメタグロス:60〜70.9% 確2
H183A182B115ガブリアス:31.1〜37.1% 乱3
H165A216B110ランドロス(霊獣):43〜50.9% 乱2
草結び
地に対する役割破壊技です。
カバルドンリザードンの並びを意識する場合は優先度が高くなります。
H175D140メガバンギラス(砂下):39.4〜46.8% 確3
H212D110カバルドン:61.3〜72.6% 確2
H207D136スイクン@チョッキ:28.5〜33.8% 乱3
ステルスロック
サイクル下での相手の消耗を加速させる技。
逃げるリザードンやウルガモスなどに圧力をかけることができます。
ミラーコート
電対面で相手のボルトチェンジに対して選択することで、裏の鋼、地に対して高い負荷をかけることができます。サイクルの早期崩壊という本論のコンセプトにはマッチしていますが、用途が限定的で少し使いづらい面もあります。
構築に合わせて適宜選択してください。
立ち回り
基本的には役割に忠実に動かしていきます。
サイクルの中で隙を見て身代わりを展開し、電磁波、アシッドボムなどで自身の対面性能を底上げしつつ味方のサポートをしていきます。
ウツロイドは覚える技の威力が全体的に低く、起点作りのイメージが強いので相手の受けポケモンの安易な居座りを誘いやすいです。そこを強引に崩し、自ら突破するか味方の圏内に押し込んで早々にサイクルを崩壊させることを目指しましょう。
有利不利がかなりはっきりしており相手の交換を誘発しやすいので、積極的に釣り交換を仕掛けていくことも大切です。
相性の良い味方
- サザンドラサザンドラ
相性補完に優れる特殊アタッカー。
電磁波やアシッドボムとの相性が非常に良く、火力、耐性も優秀なので引き先として頼りになります。スカーフ型や眼鏡型がおすすめ。
- メガリザードンYメガリザードンY
鋼に対する圧力という面でこいつの右に出るポケモンはいません。特性日照りにより水弱点を消してくれます。アシッドボム+晴れオーバーヒートですべてを吹き飛ばしましょう。
ヒードランが重くなるので地震や気合玉を採用すると良いです。
- カバルドンカバルドン
所謂カバウツロの並び。
物理方面の受けを担います。また、特性砂起こしによりウツロイドのDを底上げすることが可能です。
- ウォッシュロトムウォッシュロトム
鋼、地双方に高い圧力をかけつつボルトチェンジによる対面操作が可能なポケモン。
サザンドラ同様、スカーフ型や眼鏡型がおすすめです。
ウツロイドが呼ぶ鋼、地に高い圧力をかけることができるポケモンを構築に組み込むことを心がけましょう。
あとがたり
ここまでご覧いただき誠にありがとうございました。
今回はウツロイドの育成論となりましたがいかかだったでしょうか。
あまり採用されることのない持ち物ですが岩の一貫性の高さも相まって腐りにくい持ち物だと思います。
気づけば自身の育成論の中でもウツロイドの育成論は今回で3つ目となりました。
最近は襷を持たせた起点作りが主流のようですが、まだまだ開拓の余地があるポケモンだと思うので、USUM環境も残りわずかですが、いろいろ考察が進むと嬉しいです。
本論が何かのお役に立てれば幸いです。