要約
おくびょう最速ウツロイドにデンキZを持たせ、かみなりを覚えさせることで、みずタイプやテッカグヤへの打点を持てるようにする。
- 特攻 180 振り …… HP 252, 特防 4 のニョロトノを超高乱数 1 発で倒せる
- HP 52, 特防 20 振り …… 補正あり珠キングドラの雨だくりゅうを確定で耐える (複数攻撃の場合)
じめんタイプ以外に手広く等倍以上を狙っていくことができ、アタッカーとしては今までより汎用的な役割を担える。
イントロ
アローラダブル環境においては、みずタイプの技のとおりが良いためか、ニョロトノやペリッパーで雨を降らせたのち、すいすいキングドラのだくりゅうで高火力を押し付けるという戦術がそこそこメジャーとなっています。そのような戦術をとれる構築を相手取る場合、こちらは
- 自分の手持ちに天候を変化させられるポケモンを用意しておく
- 相手のあめふらし役のポケモンを可能な限り早く倒す
という戦略をとることが対処法のひとつとして挙げられます。
今回は、上記の 2. を実現するポケモンとして、デンキZかみなりを搭載したウツロイドを採用したところ、対雨パのみならず、対テッカグヤや対ギャラドスなどの局面で地の利を得られ、予想以上に使い勝手が良かったため、所感を育成論としてまとめ、投稿しました。
ダメージ計算のシミュレーションは、トレーナー天国さんのものによります。
具体的なダメージ計算の例などは、追記にて対応いたします。
初投稿です。良しなに。
ウツロイドについて
ウツロイドはもともと、その種族値がしめすとおりに、ややピーキーな性質をもったポケモンでありました。しかして、アローラダブルの環境では、その高い特殊耐久と素早さ、十分な火力、一致技の特異的な範囲から、はやりのフェアリーポケモンに対して強気に出ることができる、環境メタポケモンとしての役割を果たすことが出来ます。
とはいえ、ニョロトノを中心としたオーソドックスなあめふらしパーティや、超汎用ポケモンのテッカグヤやメガギャラドスなど、よく見るポケモンたちに押し切られる場面も多くあり、その対策は急務です。
そこで今回は、ウツロイドにはデンキのZストーンを持ってもらい、スパーキングギガボルト (Zかみなり、威力 185) を習得させることで、上記の難敵に対し有利にふるまえるようになっていただこうという次第であります。とくに、ニョロトノとキングドラの組合せを意識した努力値の調整をとることで、それらに一矢報いることができるような、ウツロイドの新境地を見出せます。
育成
6V のときの数値を記しております。すごいとっくんを使って、必要箇所の個体値を 31 まであげておくのがベターでしょう。
- 性格; おくびょう
- すばやさ努力値; 252
素早さ実数値は 170 となります。とりあえず最速。めざパ氷がなくとも、ガブリアスに先んじて行動できるのはなんだかんだで便利に感じます。
- とくこう努力値; 180
特攻実数値は 170 となります。すばやさと同値ですが、ビーストブーストが発動すると特攻が上がる仕様です。この数値により、デンキZかみなりで、HP 252, 特防 4 のニョロトノを超高乱数で 1 発で倒せます。
素早さと特攻に振った分の余りで、耐久を強化します。
- HP 努力値; 52
- とくぼう努力値; 20
- ぼうぎょ努力値; 4
HP 実数値 191, 特防実数値 154, 防御実数値 68 となります。 HP をとりあえず 16n-1 の値とし、さらに余った分をできるだけ特防に振ります。
この振り方をしたウツロイドは、ダブル用としてみると、ラッキーなことに雨下キングドラの補正あり全振り珠だくりゅう (複数攻撃で威力が 67.5 になる) がギリギリ確定 2 発となります。ただし、残念ながらねっとうは基本耐えません (乱数 81 % で 1 発KO)。アイテム無しならば、ハイドロポンプ以外はだいたい耐えます。雨無しならばハイドロポンプも高乱数で耐えるようになります (25 %)。
こんな様子なので、特殊面は等倍以下ならば大抵の攻撃を 1 発はらくらく耐えてくれるでしょう。
持ち物
コンセプト上、デンキZで確定です。説明不要。
わざ
コンセプト上、かみなりは確定です。
- かみなり
でんきタイプ、威力 110 、命中率 70 % (雨で必中)。デンキZ を発動することで、威力 185 の必中でんき技と化します。一発かぎりとはいえ、みずタイプに対する大きなダメージ元となります。いわタイプやはがねタイプにまともなダメージを与えられる点でも便利で、とくにテッカグヤには効果抜群です (HP 252 振りだけなら高乱数 1)。ひらいしんアローラガラガラが交代で出てくることはまずないため、機会とあらば遠慮なくぶっぱなしましょう。ギャラドス ⇒ メガギャラドス に一貫するのも気持ちが良いです。
のこりの 3 枠は、みなさんのパーティに併せて採用してください。
- まもる
言わずもがなダブルバトルの基本わざ。メガメタグロスやバレパンハッサム、スカーフ持ちカプ・テテフなどによる縛りを解除するのに使います。トリックルームや天候のターン稼ぎ、ねこだましをスカす用途にも。
- パワージェム
いわタイプ、威力 80 、命中率 100 %。
ほのお、こおり、むしタイプのポケモンに対する有効打になる技です。ウィンディやアローラガラガラにまとまったダメージを与えられるのは重要。ビーストブースト発動後はこの技を中心に威風堂々と立ち回ってゆけます (逆に、ブースト無しでは少々火力不足なことには注意)。ひこうタイプには、デンキZかみなりのほうが良く効きます。
- ヘドロばくだん (or ヘドロウェーブ)
どくタイプ、威力 90、命中率 100 %。
くさやフェアリーのポケモン、特にカプたちやアローラキュウコンに撃ちます。そこそこの威力の持つタイプ一致技ですが、それでも火力不足な印象なうえ、半減される対面となってしまうことも多くあり、慎重な運用が必要です。
筆者はヘドロばくだんで運用中ですが、ヘドロウェーブならば全体技となり、攻撃のついでにミミッキュのばけのかわをはがしたり、わざと味方を倒してビーストブーストを発動させたりといった動きが可能となるため面白そう。
- めざめるパワー氷
こおりタイプ、威力 60、命中率 100 %。
一致技を両方半減してくる、じめんタイプにまともに通る技となります。特にガブリアス (とボーマンダ) に対して有用ですが、強化アイテムなしでは大抵の場合これらは一撃で倒せないというのが口惜しいところ。抜群めざパ = 等倍パワージェムなため、ドラゴンタイプねらいで採用する道理はないでしょう。
(バンク解禁後の対ナットレイを見越して、ほのおタイプを厳選しておいた
ほうがよかった気もします。ランドロスはどうせスカーフだし)
- くさむすび
くさタイプ、相手の体重が高いほど威力があがる、命中率 100 %。こちらもじめんタイプに対する技で、ガブリアスを他で対処できるならば大抵の場合めざパ氷よりも良い結果をもたらすでしょう。じめんタイプのみならず、いわタイプにも通りが良いのがうれしいところ。トリトドンやバンバドロ、ギガイアスなどに対して撃てます。
(バンク解禁後であれば、ラグラージや夢マンムーへの有効打ともなるでしょう)
- ミラーコート
エスパータイプ、相手からの特殊わざで受けたダメージを倍にして跳ね返す。キングドラのだくりゅうを読むことができれば、これで瞬殺できます。とはいえ、技スペースがキツイところがあります。
実戦での動きの指針
- ニョロトノを見たら思考停止デンキZかみなり
怨敵ニョロトノと対面できたら、最優先でニョロトノに致命傷を与えます。たとえば、相手の手持ちにニョロトノとキングドラが見えた場合、ねこだましをつかえるポケモンとともに先発でくりだし、ねこだましでキングドラを抑え、そのスキにニョロトノを攻撃します。
- テッカグヤやギャラドスも、スキあらばデンキZかみなり
瞬殺とはいかないまでも、大ダメージを与えることができ、ほかのポケモンの先制技などで縛れる状況にまでもっていくことができます。
- 相手のカプ・テテフはスカーフだと思う
先発でカプ・テテフと対面した場合は、スカーフ持ちを想定して動きます。つまりは、まもるでサイコキネシスをかわし、横のポケモンでたたきます。
このほかの状況は、特殊耐久の高さを活かして行動回数を増やすように立ち回り、アドリブで相手の弱点をついていきましょう。うまくビーストブーストを発動できたらば、持ち前の素早さと併せて存在感を強く示すことが出来るでしょう。
筆者がウツロイドとよく組ませているポケモンとその所感
- ガオガエン_HAベースのとつげきチョッキ持ち
アローラダブル環境においてはとくに優秀なあくタイプ枠。ねこだましを覚え、フレアドライブで高火力を出せるのが利点です。エスパー無効、フェアリー等倍なため、とつげきチョッキを持たせることでカプ・テテフを前にして有利に動くことが出来ます。また、素早さ種族値がヤレユータンと同じ 60 で、最遅調整をほどこすことでスイッチトリパ気味の相手に対しても立ち回ることが出来るようになります。努力値を少し防御に回すことで、メガメタグロスの補正無しアームハンマーを確定で耐えることが出来るようになるのも嬉しいポイント。ただし、じめん技、とくに地震にはつとに注意しなければなりません。
余談ですが、ガオガエンの夢特性は、ダブルの最強特性のひとつ、いかく。これが解禁されれば、いかく・ねこだまし・後攻とんぼがえりのみっつの要素を兼ね備えることができる、唯一かつ強力なポケモンと化します。
- テッカグヤ
もはや説明不要クラスの要塞ポケモンです。ヘビーボンバーでいわやフェアリーのポケモンに圧力をかけたり、ワイドガードでだくりゅうやふんかを防いだりと、攻めに守りに大活躍。ウツロイドの弱点である、じめんタイプの技をスカすことが出来ます。また、テッカグヤの弱点のうち、ほのおやでんきはウツロイドが受けとめます。しかし、みず技が一貫してしまうので、その対策はまた考えておかねばなりません。
- アローラキュウコン
遺伝技のフリーズドライと特性ゆきふらしとで、雨パに対してイヤがらせ。ウツロイドにめざパ氷を採用しない場合の補完として優秀な働きをしてくれます。あられのダメージで様々の確定数が若干動くこともポイント。ただし、こおり技で弱点を付けない場合は火力が不足しがちです。はがねの弱点がウツロイドとかぶってしまうことも問題で、とくにメタグロスのバレットパンチにはことさらの注意が必要です。
まとめ
アローラダブル環境において、ウツロイドの果たす対フェアリーの役割は無視できないものです。しかして、一致技の微妙なわざ範囲から、ウツロイドの攻撃を汎用ポケモンで受け流すことはたやすいことでした。ところが、デンキZかみなりによる高威力のでんき技を習得させることで、それらの汎用ポケモンに対する火力を持たせることができ、有利に立ち回ることが出来る相手の種類がぐっと増えます。とくに、ニョロトノ、テッカグヤ、ギャラドスに対する火力を持つことの意味は果てしなく大きいでしょう。皆さんもどうぞ、アローラダブル環境においては、このデンキZウツロイドでメジャーどころを殲滅していきましょう。
追記; ダメージ計算スペース
95% 以上削れば、あられなどのダメージでそのまま倒せる
- ビーストブースト無しで中高乱数1発にできる範囲
☆デンキZかみなり
・H252D4ニョロトノ (99.4%〜117.7%)
・H252テッカグヤ (96%〜113.7%)
・H252グソクムシャ (117.5%〜138.4%)
・H252群れヨワシ (100%〜118.4%)
☆ヘドロばくだん
・無振りカプ・コケコ (125.5%〜148.9%)
・無振りカプ・テテフ (92.4%〜111.7%)
・無振りアローラキュウコン (98.6%〜117.5%)
・H252ドレディア (102.8%〜122%)
・
☆パワージェム
・無振りウィンディ (92.1%〜110.3%)
・H252D4アローラガラガラ (91%〜108.9%)
・H252D4コータス (94.9%〜112.9%)
・
- ビーストブースト 1 回で中高乱数1発にできる範囲
☆デンキZかみなり
・H252D4メガギャラドス (116.8%〜137.6%(ブースト無し; 78.2%〜92%))
・無振りミミッキュ (109.2%〜129.2%)
・無振りメガボーマンダ (94.7%〜111.7%)
・
☆ヘドロばくだん
・H252D4カプ・テテフ (108.4%〜128.8%)
・無振りアローラライチュウ (91.8%〜108.8%)
・
☆パワージェム
・H252D252アローラガラガラ (94.6%〜112.5%)
・
- ビーストブースト 1 回では中高乱数1発にできない範囲
☆デンキZかみなり
・H252D4ヤレユータン (69%〜81.2%)
・H252D4きせきポリゴン2 (53.1%〜63%)
・H252D4シールドギルガルド (62.2%〜73.6%)
・
☆ヘドロばくだん
・
☆パワージェム
・