はじめに
初めましての方は初めまして。poke_jinと申します。今回はメガゲンガーの育成論投稿になります。拙い点も散見されるでしょうが、どうかご容赦願います。
注意事項
- 努力値は、基本的に個体値がすべて31であることを前提に設定していますが一部例外もあります。ケースに応じて調整してください。
- ダメージ計算はポケモントレーナー天国様の計算ツールを使用させて頂いております。
- この育成論ではHPを「H」、攻撃を「A」、防御を「B」、特攻を「C」、特防を「D」、素早さを「S」と表記しております。
- 非公式の用語を使用している場合がございます。
- 不備や質問等ございましたらコメント欄にてお願いします。リアルの都合もあり返信が遅れる場合もございますがご容赦下さい。
メガゲンガーとは
メガゲンガーとはゲンガーがメガシンカした姿です。種族値はH60、A65、B80、C170、D95、S130。C並びにS種族値は全ポケモンの中でもトップクラス。
特殊アタッカー性能は勿論の事、変化技も豊富で一見では型が読み辛く、相手の交代を許さない特性かげふみも強力です。
フェアリータイプのポケモンが環境を席巻している中で、通りの良いゴースト技とフェアリーの弱点を突けるタイプ一致のどく技を撃てるメガゲンガーの需要は一定数存在します。
コンセプト:耐久力を上昇させた上で最速仕様にし、S130族の素早さからタイプ一致技で圧力を掛けつつ「ほろびのうた」等の絡め手も交える
今回のメガゲンガーは上記3点を念頭に調整を考えました。A156ミミッキュのAランク二段階上昇「かげうち」を耐えられる数値を基準に置き、他のポケモン(物理型)からの被ダメージも考慮し、現在のB実数値に設定しました。
その上でHに努力値を割く事で可能な限り特殊耐久指数も底上げし、S実数値200の素早さからタイプ一致技で圧力を掛けつつ「ほろびのうた」等の絡め手も交えていく。それが今回のHBSメガゲンガーです。
持ち物
ゲンガナイトを採用します。メガゲンガーがメガシンカする時に必須となるアイテムです。
特性・性格・努力値
- 特性
特性はかげふみ。特定のポケモンや持ち物・技以外で交代を許さない強烈なサイクルカット性能を誇る特性です。
- 性格
性格はおくびょうで確定。130族の強みを活かす為の最速仕様です。
- 努力値
149(108)-×-119(148)-190-115-200(252)
括弧内の数値は努力値、括弧の左に記載されている数値がLv.50時点の実数値です。
まずは耐久面から見ていきます。
○被ダメージ(物理)
⇒A233 フレアドライブ 133〜157(89.2%〜105.3%)
⇒A200 フレアドライブ 148〜175(99.3%〜117.4%)
- メガボーマンダ(特性スカイスキン):A197 すてみタックル 135〜159(90.6%〜106.7%)
⇒A216 すてみタックル 148〜175(99.3%〜117.4%)
⇒A一段階上昇 スマートホーン 117〜138(78.5%〜92.6%)
- フェローチェ(「いのちのたま」採用):A189 ドリルライナー 125〜148(83.8%〜99.3%)
- メガミミロップ(特性きもったま):A188 ねこだまし 36〜43(24.1%〜28.8%)+おんがえし 91〜108(61%〜72.4%)
- メガクチート(特性ちからもち):A172 はたきおとす 142〜168(95.3%〜112.7%)
- メガバンギラス:A237 おいうち 92〜110(61.7%〜73.8%)
- ベトベトン(アローラ):A272 おいうち 66〜80(44.2%〜53.6%)
- メガラグラージ (天候は『ポワルン(雨水)』状態):A222 たきのぼり 127〜150(85.2%〜100.6%)
- テッカグヤ:A121 ヘビーボンバー(威力120) 69〜82(46.3%〜55%)
○被ダメージ(特殊)
- ゲッコウガ:C155 あくのはどう 122〜146(81.8%〜97.9%)
⇒Zハイドロカノン(「まもる」でダメージ量1/4) 38〜45(25.5%〜30.2%)+ねっとう 61〜73(40.9%〜48.9%)+みずしゅりけん 12〜15(8%〜10%)二発目までは確定耐え。乱数によっては「みずしゅりけん」三発目まで耐えられる。
- カプ・コケコ (エレキフィールドによるでんきタイプの攻撃技威力1.5倍補正): C147 10まんボルト 97〜115(65.1%〜77.1%)
- ウルガモス;C187 ほのおのまい 75〜88(50.3%〜59%。「ちょうのまい」を積まれるターンに後続からメガゲンガーを繰り出し、仮に「ステルスロック」の被ダメージ込みでも「ほのおのまい」を確定で耐えて「ほろびのうた」を撃つ事ができる)
- ギルガルド(シールド):C170 シャドーボール 134〜162(89.9%〜108.7%)
- メガラティアス:C166 サイコショック 128〜152(85.9%〜102%)
- カプ・レヒレ;C161 Zハイドロポンプ 145〜172(97.3%〜115.4%)
H149-B119による物理耐久指数は17731。一般的なHSメガゲンガー(H167-B100)の物理耐久指数は16700。
H149-B119による仮想的からの具体的な被ダメージは上記にある通り。一方、H167-B100においては、例えばA233メガバシャーモの「フレアドライブ」が159〜187(95.2%〜111.9%。68.8%の乱数一発)、A182メガリザードンXのかたいツメ補正有り「フレアドライブ」が160〜189(95.8%〜113.1%。75%の乱数一発。A200の場合は確定一発)となってきます。
HS メガゲンガーでは不利な乱数に持ち込まれる攻防において、こちらに有利な勝負に持ち込めるのがHBSメガゲンガーの強みです。
H149-B119とするよりH147-B121ないしH145-B123にした方がより物理耐久指数は上がりますが、ダメージ計算の都合上A182メガリザードンXのかたいツメ補正有り「フレアドライブ」の乱数がH147-B121(43.8%の乱数一発)>H149-B119=H145-B123(37.5%の乱数一発)という図式になります。
ダメージ幅がH149-B119=H145-B123なのであれば、H実数値を伸ばす事により特殊耐久指数を引き上げてメガゲンガーが生き残る確率を上昇させます。
物理耐久指数を高めている副産物として、ダメージ計算を相手のB実数値で計算する「サイコショック」に対しても強くなります。
例えばC162メガラティアスの「サイコショック」を確定で耐える事ができ、C165まで実数値を伸ばしていても最大乱数以外耐え切る指数となっています。
H149-D115による特殊耐久指数は17135。この数値は、C155ゲッコウガの「あくのはどう」を確定で耐えられる数値です。
H167-D116(特殊耐久指数19372)のHSメガゲンガーと比べるとHBSメガゲンガーは明らかに特殊耐久指数が下がりますが、それでもH振りにより無振り調整(特殊耐久指数15660)に比べると特殊耐久は底上げされています。
また、「まもる」採用により不意のZワザによるダメージを軽減できる可能性もあります。例えば、カプ・レヒレの「Zハイドロポンプ」を喰らうと高乱数で倒されてしまいますが、「まもる」を挟めば1/4のダメージ量になった「Zハイドロポンプ」+「ハイドロポンプ」を喰らっても確定耐え(最高ダメ146)できます。よって、「ヘドロばくだん」二発でカプ・レヒレを倒せるのでそこまで不利じゃありません。
また、メガゲンガーの弱点を突く特殊高火力アタッカーの攻撃は大抵耐えられないので運用上然程問題視しません。
ポリゴン2の特性ダウンロード対策はできていませんが、Cに努力値を振っていない且つ「シャドーボール」を採用していなければメガゲンガーはポリゴン2の攻撃を二回は耐えられるので「ほろびのうた」と「まもる」で最低でも相討ちに持ち込めます。
加えて、「シャドーボール」採用ポリゴン2は「トリックルーム」からメガクチートに繋ぐ通称「ポリクチ」に多く見受けられる事もあり、相性的に「ポリクチ」相手にメガゲンガーは選出しない可能性が高いと考えている為、筆者としては問題視していません。
次は速度面。
S実数値200。最速130族。
S実数値に関しては迷う事無く最速を選択します。理由は相手のメガゲンガーやカプ・コケコと同速勝負に持ち込む為です。
両者共に普通のCSアタッカーであればこちらが先攻を勝ち取れば一撃で倒せます。「ほろびのうた」搭載のメガゲンガーの技構成は、一般的にシャドーボール/ほろびのうた/まもる/みがわりorちょうはつorかなしばりorみちづれorミラータイプ等のワンウェポン型が多いです。
しかし、今回のHBSメガゲンガーは「シャドーボール」と「ヘドロばくだん」を採用するツーウェポン型となっています。
フェアリーへの打点は現環境において重要な要素です。これを不採用にしてしまうのは構築の幅を狭めるという意味で非常に辛いものがあります。
更に、環境に存在するデンキZ型カプ・コケコを一撃で倒せる可能性を無くす「S実数値200を下回る調整」+「どく技不採用」を今回筆者は敬遠しました。
仮に攻撃技を減らし変化技をもう一つ採用するのであれば、「ヘドロばくだん」を外し「おにび」もしくは「みちづれ」採用になるでしょうか。
「おにび」は高めた物理耐久指数を活かせますし、「みちづれ」は「ほろびのうた」と組み合わせて強制的に1:1交換を狙っていく効果的な戦術となります。
他の候補先として素早さをゲッコウガ抜き調整に抑えつつHとBに努力値を振り分けて更に耐久指数を高めた「H156-B156-S196(実数値155-120-192)」調整もあります。
確定欄に記載しているHBSメガゲンガーの調整より物理耐久指数及び特殊耐久指数が更に上になります(例:メガハッサム(特性テクニシャン):A222 バレットパンチ 63〜75(40.6%〜48.3%。カプ・レヒレ;C161 Zハイドロポンプ 145〜172(93.5%〜110.9%))。
但し、メガゲンガーやカプ・コケコに抜かれてしまうので裏にこの2匹に強いポケモン(ガブリアス・ランドロス(霊獣)etc)を控えさせておきましょう。
最後に攻撃面。
・シャドーボール
- H135-D115メガゲンガー:152〜180(確定一発)
- H131-D125ミミッキュ:138〜164(確定一発)
- H135-D51カミツルギ:169〜199(確定一発)
- H201-D100メガヤドラン:170〜204(84.5%〜101.4%)
- H155-D130メガメタグロス:134〜158(86.4%〜101.9%)
・ヘドロばくだん
Cに努力値を割いていない為弱点を突かない限り相手を一撃で倒せる事は余り無く、耐久調整を施されているポケモン相手では弱点を突いても倒せない場合も普通にあります。
そこで「シャドーボール」や「ヘドロばくだん」の追加効果が大事になってきます。前者は二割の確率で「D一段階低下」、後者は三割の確率で「どく状態にする」追加効果を持っています。
いずれもアタッカー型に比べると火力が下がるHBSメガゲンガーの火力を補強する追加効果であり、特に後者の「どく状態にする」追加効果は「まもる」との相性も抜群です。
130族の強みを活かして上からドンドン追加効果の試行回数を稼いでいく戦法も有りだと思います。
「シャドーボール」や「ヘドロばくだん」両採用している副産物として初手で特性げきりゅうゲッコウガと対面した場合、「きあいのタスキ」所持か「ミズZ」所持かを「まもる」で判断するのですが、「まもる」=「攻撃技がシャドーボールのみのほろびメガゲンガー」と判断される事があり、特性げきりゅうを発動させない為に「シャドーボール」で削った後「ヘドロばくだん」で倒しに掛かるターンに相手のゲッコウガが「みずしゅりけん」を撃ってこない事が一定数存在します(この行動パターンは「きあいのタスキ」所持ゲッコウガに見られます)。
また、「ヘドロばくだん」を採用している事から相手がこちらのメガゲンガーを「ほろびのうた」不採用タイプだと判断してくれる事が大いにあります。
HSメガゲンガー程Hを伸ばしていない事もあり、特殊技の被ダメージ量から相手がこちらを普通のCSメガゲンガーと誤って断定する判断材料も重なっています。
H実数値や技一つでこういう駆け引きが発生するのもメガゲンガーの優れた点だと思うので、覚えておいて損は無い戦術だと思います。
そして、HBSメガゲンガーの肝となる「ほろびのうた」。起点回避用として、また数的有利を得た際に相手に3ターンの猶予しか与えない確定瀕死状態に追い込む強制技です。
主にメガゲンガーの前で「りゅうのまい」や「ちょうのまい」といった積み技を行使するポケモン(メガボーマンダ・メガギャラドス・ウルガモスetc)と対面した場合即「ほろびのうた」を撃ちます。
成功確率は下がりますが、二回連続で「まもる」を成功させれば特性かげふみの仕様も相俟って相手を確実に倒す事ができるのも強い点です。
仮に「ほろびのうた」行使後、「まもる」を挟んでメガゲンガーが相手の攻撃によって倒されたとしても瀕死に陥るまで残り一ターンしか無い相手のポケモンを前に、後続から繰り出したポケモンは、相手が交代するor居座って瀕死になるそのターンに積み技を行使する…このように「ほろびのうた」の仕様を活かした擬似的な起点作りを実行する事ができるのも優れた点です。
積み構築・バトン構築・受けル構築等々に強く出られる「ほろびのうた」を持つメガゲンガーは、たった一匹で様々な構築に対する回答に成り得る可能性を秘めています。
苦手な相手
- メガゲンガーの攻撃技の効果が薄いあくタイプメガバンギラスベトベトン(アローラ)キリキザンetc
⇒このポケモン達に対面からではまず勝てません。交代しようにも「おいうち」を仕掛けて来るタイプも多いです。
しかし、対面では無く交代によって登場してくるのならその際に「ほろびのうた」を撃ち、「まもる」の成功回数によっては1:1交換までには持っていける可能性があります。
メガバンギラスやベトベトン(アローラ)が放つ威力40状態の「おいうち」ではメガゲンガーを落とせない事を覚えておいて下さい。
⇒このポケモン達にも対面からでは勝てません。メガゲンガーの弱点はエスパー・ゴースト・あく・じめんタイプの四つ。
この内あくタイプ以外は全て無効化されるタイプが存在しますので、「まもる」による様子見で相手が「こだわりスカーフ」を所持している気配を感じた場合は、後続の無効化タイプのポケモンへ交代する等工夫しましょう。
役割対象
今回の育成論におけるメガゲンガーの主な役割対象は、
・ゴーストタイプやどくタイプの攻撃を弱点とするポケモン
・積み構築・バトン構築・受けル構築
・メガゲンガーを二撃で倒せないポケモン全般
この辺りになります。
コンビを組みやすいポケモン
数的有利を取れば「ほろびのうた」で勝利にグッと近づける事もあり、対面からガンガン攻撃を仕掛けていく対面構築と相性が良いです。
ゲッコウガやミミッキュはその代表格と言えるでしょう。Zワザや「きあいのタスキ」等による行動保証を活かして相手より一歩早くポケモンを倒していけば、HBSメガゲンガーの強みを最大限活かせるようになります。
メガゲンガーが苦手な「こだわりスカーフ」採用のカプ・テテフやマンムー等のアタッカーを数値受けないし相性で受け切るポケモンとは「ほろびのうた」との兼ね合いも相俟ってすごく相性が良いです。
メガゲンガーが苦手なゴーストタイプの攻撃技を無効化し、様々な攻撃を受け切る耐久力を持つポリゴン2を筆頭に耐久調整を施したナットレイやランドロス(霊獣)等と組み合わせる事でよりメガゲンガーが活躍できる環境を整える事ができるでしょう。
おわりに
本論のHBSメガゲンガー、筆者もよく使っているのですが高レート帯でも存分にその実力を発揮してくれています。
ミミッキュを環境で多く見掛ける以上、メガゲンガーもそれに合わせた耐久調整を施した方が活躍の幅が広がると考えています。
この度の育成論を読んで下さった方々の中で「自分もこういうメガゲンガーを育ててみようかな」と思って下さる方がいればとても嬉しく思います。
では、この辺りで筆を置かせて頂きます。最後までお付き合い頂きありがとうございました。