はじめに
初めましての方は初めまして。poke_jinと申します。今回はカバルドンの育成論投稿になります。拙い点も散見されるでしょうが、どうかご容赦願います。
注意事項
- 努力値は、基本的に個体値がすべて31であることを前提に設定していますが一部例外もあります。ケースに応じて調整してください。
- ダメージ計算はポケモントレーナー天国様の計算ツールを使用させて頂いております。
- この育成論ではHPを「H」、攻撃を「A」、防御を「B」、特攻を「C」、特防を「D」、素早さを「S」と表記しております。
- 非公式の用語を使用している場合がございます。
- 不備や質問等ございましたらコメント欄にてお願いします。リアルの都合もあり返信が遅れる場合もございますがご容赦下さい。
カバルドンとは
カバルドンとは第四世代初登場のポケモンで、種族値はH108、A112、B118、C68、D72、S47。レート環境でよく見掛けるポケモンの内の一匹に該当します。
起点作りや起点回避に求められる変化技を一通り習得し、その耐久力の高さからHB特化による物理受けやHD方面に特化する事により高確率で起点作りを遂行する型がレート環境では大勢を占めています。
その中で今回育成論にて紹介するのはHASに努力値を割き、弱点を突く技のダメージ量を1.2倍化する持ち物「たつじんのおび」を採用し、ダメージレースで優位に立つ為積極的に役割破壊・サイクル破壊を狙っていくアタッカーカバルドンです。
「たつじんのおび」と実は相性が良いカバルドンの豊富な攻撃技
従来のアタッカー型カバルドンの持ち物と言えばAを1.5倍化する持ち物「こだわりハチマキ」を想定される場合が多いと思われます。
しかしながら、技が固定される弊害がある為相手の積みポケモン(メガボーマンダメガギャラドス)や受けポケモン(「みがわり」持ちグライオン)に致命的な隙を与えてしまう可能性があります。
技の威力が1.3倍化&撃ち分け可能な「いのちのたま」というアイテムもありますが、技を当てる度に最大HPの1/10ダメージを負うというデメリットがあります。
耐久力の高さが持ち味のカバルドンにとっては自傷ダメージがある持ち物は好ましくありません。
よって、弱点を突く技の威力が1.2倍化&撃ち分け可能&デメリットが無い「たつじんのおび」を採用するに至りました。
弱点を突いた場合、カバルドンの攻撃力はランドロス(霊獣)に匹敵する火力を叩き出します。
弱点を突く事で初めて効果を発揮する持ち物を採用する以上、覚える攻撃技のタイプ範囲が広くないと意味を為しません。そして、起点作り型が多いカバルドンが覚える攻撃技の範囲は、実は広かったりします。
・こおりのキバ:こおりタイプ 威力65
・ほのおのキバ:ほのおタイプ 威力65
・かみなりのキバ:でんきタイプ 威力65
・アイアンテール:はがねタイプ 威力100(アイアンヘッドなら威力80)
・ストーンエッジ:いわタイプ 威力100(いわなだれなら威力75。がんせきふうじなら威力60)
・じしん:じめんタイプ 威力100
・ばかぢから:かくとうタイプ 威力120
シルヴァディのような例外を除き、じめん単タイプで威力65以上のほのお・こおり・でんきタイプの物理攻撃技を覚えられるポケモンはカバルドン以外存在しません。
また、威力100超えの攻撃技も複数習得するので、役割対象に応じて攻撃技をカスタマイズする事が可能です。
コンセプト:こちらのカバルドンを物理受けもしくは起点作り型と想定している相手の意表を突く攻撃力でサイクル破壊・役割破壊等を狙い、ダメージレースで優位に立つ事で後続のポケモンを動かしやすくする。
環境に存在するカバルドンの99%以上が物理受けもしくは起点作り型である為、本来特殊受けとしての役割を受け持つポケモンやじめんタイプの攻撃が弱点となるポケモンが居座るパターンが一定数存在します。
例1.ラッキー
通称「受けループ(受けル)」でよく採用されており、「しんかのきせき」による防御上昇と圧倒的なHPによってカバルドンの攻撃を余裕で捌く。
「どくどく」を撃ってジワジワ削っていく。カバルドンの状態異常技も特性「しぜんかいふく」によって意味を為さない。
99%以上を占める現環境の物理受けor起点作り型では敵わない相手。
例2.ギルガルド(シールド)
Aに努力値を振っていないカバルドンの「じしん」を余裕で耐えながら反撃のZワザ(物理・特殊両方存在する)を叩き込んだり、耐久や素早さに努力値を割き「どくどく」と「キングシールド」・「みがわり」等によってじわじわ削っていく型も見受けられる。
「ブレード状態になったギルガルド(シールド)に下から地震を撃つ」という従来の対策では対処仕切れなくなっており、逆にそういうカバルドン対策を施され返り討ちを喰らう事が多くなっている。
これ等のポケモンに対して、この度の「たつじんのおび」採用カバルドンならどう戦えるか。
例1.ラッキー
「ばかぢから」採用が必須。相手(=受けル)のパーティーからバンギラスやドヒドイデを誘い、逆にエアームドやグライオンの選出を抑制する為にメガゲンガーやゲッコウガ等を自陣に加えておいた方が良い。
対ラッキーにおける試合展開としては、可能な限りカバルドンの攻撃を受け出しする状況を作る事が好ましく、対面でラッキーをぶつけるのは避けるべき。
「じしん」に受け出ししてくるラッキーに「ばかぢから」を叩き込む。ラッキーの上から「ばかぢから」を叩き込むのが理想。
カバルドンよりラッキーの方が素早く先攻で「タマゴうみ」による回復をされても「ばかぢから」と砂ダメージによって7割前後削れる。
次ターンラッキーは回復技を優先せざるを得ない状況になるので、後続と交代してサイクルによる圧力をガンガン仕掛けていく。
(H339-B62「しんかのきせき」採用ラッキーに対して「じしん」+砂ダメージ一回分+「ばかぢから」によって確定で倒す事ができる)
例2.ギルガルド(シールド)
H167-B170ギルガルド(シールド)相手だと18.8%の乱数一発というダメージ計算になる。よって、まず倒す事ができない。運が良ければ倒せるという攻防。
とはいえ、最低でも86%以上のダメージをギルガルド(シールド)に与える事ができるので後続の積みの起点にしたり本来ギルガルド(シールド)に効果の薄い技しか持っていないポケモンでギルガルド(シールド)を倒す事ができるようになる。
「どくどく」や「みがわり」主体のたべのこし採用ギルガルド(シールド)であれば、相手に「みがわり」を撃つ余裕を与えずこちらに有利な試合展開を実現する事も可能。
カバルドン一匹で対処するのでは無く、後続との連携(体力の削れたギルガルド(シールド)を起点にしたり、先制技によって「かげうち」持ちギルガルド(シールド)より早く動いて処理するetc)を考慮しながら立ち回る事を心掛ける。
上記ではラッキーやギルガルド(シールド)を例として挙げましたが、他にも帯カバルドンの攻撃が効くポケモンは多くいます。
・こおりのキバ:グライオン・メガボーマンダ・ガブリアス・ランドロス(霊獣)
・ほのおのキバ:テッカグヤ・ナットレイ・メガハッサム・カミツルギ・フェローチェ
・かみなりのキバ:ギャラドス
・アイアンヘッド:カプ・テテフ・ミミッキュ
・がんせきふうじ:ヒートロトムウルガモス・メガリザードンY
・じしん: メガボスゴドラ・メガハガネール・ドヒドイデ・ギルガルド(シールド)・メガメタグロス・「おにび」持ちメガゲンガー・メガリザードンX
・ばかぢから:カビゴン・ラッキー・メガガルーラ・ホルード・メガミミロップ・メガバンギラス・サザンドラ・ゲッコウガ
上記に挙げたポケモン達を必ず一撃で倒せるとは限りません。テッカグヤに関しては「ほのおのキバ」でも1/3削れるかどうかのダメージ量になる可能性もあります。
大事なのは想定外のダメージを相手に与える事によってダメージレースで優位に立つ事。相手の思考を読み、カバルドンに強いポケモンへ交代する際に効果的な技を選択し相手の戦略を崩す事。この2点に尽きると思います。
○具体例
主に選出する構築は以下の通り。
・「メガミミロップ軸(メガミミロップ・グライオン・カビゴンetc)」
→引き先として出て来るグライオン読みで「こおりのキバ」を撃つ。
・「メガガルーラ軸(メガガルーラ・ゲッコウガ・ミミッキュ)」
→引き先として出て来るゲッコウガ読みで「ばかぢから」を撃つ。メガガルーラが居座っても砂ダメ込みで致命傷を与えられる。
・「ギルガルド(シールド)やメガハッサム・ランドロス(霊獣)がいる構築」
→ギルガルド(シールド)には「じしん」を撃つ。メガハッサムは「はたきおとす」で「たつじんのおび」を喪失させても「ほのおのキバで6,7割削れる。ランドロス(霊獣)は特性いかくによるAダウン込みでも「こおりのキバ」で8,9割削れる。
・「ナットレイやカビゴン等の低速高耐久ポケモンがいる構築」
→「じしん」からの「ほのおのキバ」や「ばかぢから」を叩き込む。相手の体力の削り具合次第で「じしん」を介さず最大ダメージを与えられる攻撃技を選択する事もある。
・「ドヒドイデやラッキーがいる構築(受けル含む)」
→ドヒドイデには「じしん」を撃つ。ラッキーには「じしん」から「ばかぢから」と繋ぐ。
・「メガメタグロスやサザンドラがいる構築」
→引き先として出て来るサザンドラ読みで「ばかぢから」を撃つ。
・「上から仕掛けて来る「おにび」採用CSメガゲンガーやフェローチェがいる構築」
→やけど状態でもCSメガゲンガーを「じしん」で9割以上削れるので砂ダメ込みでメガゲンガーはほぼ倒せる。フェローチェは「れいとうビーム」を耐えて「ほのおのキバ」で倒す。
・「メガクチートがいる構築」
→「じしん」で倒す為にメガシンカ前の特性いかくを喰らわないよう立ち回る必要がある。また、メガクチートと一緒にいる事が多いポリゴン2は他のポケモンで対処しなければならない。
グライオンやサンダー等も交代読みの「こおりのキバ」や「はねやすめ」読みの「じしん」で倒したり致命傷に近いダメージを負わせていました。
「はねやすめ」や「みがわり」持ちのメガボーマンダは倒せませんが、後続にミミッキュ等のポケモンを控えさせて詰めていきます。
カバルドンは得意・不得意がはっきり分かれている為、強烈に呼ぶポケモンを運用側であるこちらは『読みやすい』です。
その為相手の行動を予想しやすく交代読み行動が的中しやすいです。この『読み』は実勢の対戦で培っていきましょう。
持ち物
たつじんのおびを採用します。相手の弱点を突く技の威力が1.2倍になる効果を持つ持ち物です。
特性・性格・努力値
- 特性
特性はすなおこし。1/16の定数ダメージを与える事でダメージレースで優位に立ったりきあいのタスキを潰す狙いもあります。
- 性格
性格はAに補正を掛け、尚且つ耐久力や素早さに下降補正を掛けないいじっぱりで確定。
- 努力値
207(188)-180(252)-140(12)-×-94(12)-73(44)
括弧内の数値は努力値、括弧の左に記載されている数値がLv.50時点の実数値です。
まずは耐久面から見ていきます。
○被ダメージ(物理)
- カミツルギ:A233 リーフブレード 168〜200(81.1%〜96.6%)
- ギャラドス:A177 たきのぼり 116〜138(56%〜66.6%)
- ミミッキュ:A156 ぽかぼかフレンドタイム 120〜142(57.9%〜68.5%)
- ランドロス(霊獣):A216 じしん 87〜103(42%〜49.7%)
- メガバシャーモ:A233 とびひざげり 123〜145(59.4%〜70.%)
- メガボーマンダ(特性スカイスキン)及びメガリザードンX(特性かたいツメ)
⇒メガボーマンダ:A216 すてみタックル 126〜148(60.8%〜71.4%)
⇒メガリザードンX:A200 フレアドライブ 上記と同じ
○被ダメージ(特殊)
Hに多くの努力値を割き、BとDにも最低限努力値を回した事でカミツルギの「リーフブレード」やゲッコウガのタイプ一致威力90効果抜群技を耐えられる数値を確保しています。
反面BDに努力値を割かず、HPを回復する木の実や回復技も持っていないので従来の耐久型のように相手の攻撃を二耐えする事が難しくなっています。
次は速度面。
S実数値73。S下降補正ギルガルド(シールド)抜き調整。
S実数値に関しては、S下降補正ギルガルド(シールド)の実数値抜き72を抜く調整としています。理由はSに下降補正を掛けているギルガルド(シールド)の上から「じしん」を撃つ為です。
副産物として無振り50族(ラッキー・メガクチートetc)を抜けるので、上から攻撃技を叩き込む事が可能となります。
時々S下降補正を掛けた両刀型ポリゴン2がいますのでBに努力値を割いていなければ受け出しの「じしん」から「ばかぢから」によって突破する事ができます。
「H140-A252-S116(実数値201-180-82)」調整にすればカミツルギの「リーフブレード」、ゲッコウガのタイプ一致威力90効果抜群技を最高乱数以外で耐えつつS4振り60族(ポリゴン2・エンペルト・ギルガルド(シールド))を抜けます。
この調整なら55族のハピナスもカバルドンで見られる可能性があるので、調整先の有力候補の一つとしてご参照下さい。
最後に攻撃面。
・こおりのキバ
- H177-B151グライオン:144〜173(81.3%〜97.7%)
- H171-B150メガボーマンダ:144〜173(84.2%〜101.1%)
- H183-B116ガブリアス:187〜221(確定一発)
- H165-B110ランドロス(霊獣):192〜230(確定一発)
・ほのおのキバ
- H204-B170テッカグヤ:65〜77(31.8%〜37.7%)
- H181-B201ナットレイ:106〜130(58.5%〜71.8%)
- H177-B160メガハッサム:134〜163(75.7%〜92%)
- H135-B151カミツルギ:144〜173(確定一発)
- H147-B57フェローチェ:187〜221(確定一発)
・かみなりのキバ
- H175-B99ギャラドス:216〜259(確定一発。特性いかくによりAが一段階下がると144〜173(82.2%〜98.8%))
・アイアンヘッド
・がんせきふうじ
- H125-B127ヒートロトム:79〜94(63.2%〜75.2%。「ストーンエッジ」なら確定一発)
- H171-B105ウルガモス:187〜226(確定一発)
- H153-B99メガリザードンY:202〜240(確定一発)
・じしん
- H177-B250メガボスゴドラ(特性フィルター):76〜88(42.9%〜49.7%)
- H181-B250メガハガネール:101〜118(55.8%〜65.1%)
- H157-B224ドヒドイデ:110〜132(70%〜84%)
- H167-B170ギルガルド(シールド):144〜173(86.2%〜103.5%)
- H135-B100「おにび」持ちメガゲンガー:122〜145(90.3%〜107.4%)
- H155-B170メガメタグロス:144〜173(92.9%〜111.6%)
- H153-B132メガリザードンX:187〜223(確定一発)
・ばかぢから
Aへの努力値は252振り。確定欄の技構成は「こおりのキバ」/「ほのおのキバ」/「じしん」/「ばかぢから」の4つにしていますが、仮想敵に応じて「かみなりのキバ」や「がんせきふうじ」等と入れ替えても良いと思います。
筆者としては最近環境でよく見掛ける高耐久のノーマルタイプ(ラッキー・カビゴンetc)に奇襲を仕掛ける為に「ばかぢから」は必須だと考えています。
仮に変化技を採用する場合は、起点回避の為に「あくび」・「どくどく」・「ふきとばし」辺りが候補になるかと思われます。
苦手な相手
⇒このポケモン達にはまず勝てません。対面した場合は後続と交代するか削りを入れる事に専念しましょう。
⇒上記と同じ。
本論のカバルドンは耐久を削っている為に、どんなパーティーにも選出できる型ではありません。
こちらのパーティーと相手のパーティーを見比べ、刺さりが良い・悪いを見極め選出するかしないかを決定する事に注力して下さい。
コンビを組みやすいポケモン
- カバルドンが苦手とする高速特殊アタッカーに強いポケモンベトベトン(アローラ)メガゲンガーetc
カバルドンが苦手とするみずタイプやくさタイプの特殊アタッカーに対してベトベトン(アローラ)は相当強く出られると思います。「どくどく」等の搦め手もベトベトン(アローラ)には効きません。
メガゲンガーは高いCとSを活かしてカバルドンが苦手とするアタッカーを上から叩いたり耐久ポケモンを「ほろびのうた」で強引に倒すルートが取れるのが強みです。
他にもナットレイやカビゴン等とも相性が良いと思いますが、低速で固まってしまうので上から叩かれる機会が増えるのは考慮する必要があります。
- カバルドンが削ったポケモンを起点にできる積みポケモン
カバルドンが削った相手を積みの起点にするポケモンとも相性が良いです。相手のポケモンを倒した時に一番高い実数値のランクが一段階上がる特性ビーストブーストを持つUB達も候補に入るでしょう。
ミミッキュ等の積みポケモンの働きを阻害するポケモンを事前に削っていれば尚動きやすくなると思います。
おわりに
実際にこのカバルドンを育成しレートで数百試合運用してきましたが、カビゴンやナットレイといった低速高耐久勢に相当強く出る事ができ、本来勝てない受けループのラッキーにもパーティー構築とプレイングで勝利する可能性も獲得でき、何より奇襲性能が高いのが本論のカバルドンのウリです。
この度の育成論を読んで下さった方々の中で「自分もこういうカバルドンを育ててみようかな」と思って下さる方がいればとても嬉しく思います。
では、この辺りで筆を置かせて頂きます。最後までお付き合い頂きありがとうございました。