- 全編において常体を用い、また敬称を略す。
最初に
- 多少調べれば分かる程度の略称、用語を用いる。また、性格補正あり252振りを「特化」、性格補正なし252振りを「ぶっぱ」と呼称する。
- ダメ計についてはアプリ「究マネ」を使用した。
最近トレ天の調子が悪い
耐久ベースによる問題解決
以前、筆者はHSベースのレッドカードペロリームペロリームの育成論を投稿した(育成論サンムーン/1472 以後、"前論"と呼ぶ)。前論でのコンセプトは「偵察性能と掻き回し性能に優れた新型のネット撒きペロリーム」。発動条件の緩いレッドカードを利用して軽業を発動することで、相手のポケモンを2体以上見つつねばねばネットによりSを下げ、更に上からの欠伸・がむしゃらによる起点作りまでこなすことができる。前論が投稿された後であるシーズン11・12のペロリームのPGLランキングを見てみるとレッドカード型が使用率ランキング1位となっている。前論が影響を及ぼしたのかどうかは定かではないが、論を書いた人間として何故だか少し嬉しい気持ちになる。
さて、そんな前論のペロリームを投稿後にもいくらか使用していたのだが、使っている中で2つ問題点が分かってきた。
1つは耐久が少し足りないこと。例えば、初手でリザードンリザードンと対面したとしよう。こちらとしてはXが竜舞積んでくる可能性を考慮して欠伸をしたいところ。しかし、仮にY
メガリザードンYだった場合はぶっぱ晴れ大文字で確1を取られてしまうのである。X
メガリザードンXの場合はフレドラを耐えるので流せるが、無償突破される危険性があるというだけで危険である。展開構築における起点要員は良くも悪くもパーティー全体への影響力が大きい。それが何も出来なかったとなると、それだけで苦しい戦いを強いられる。読者諸君の中にも、カバリザを使っていたら初手の草Zドランにボコボコにされたという人はいるであろう。それと同じである。
もう1つは、軽業発動後のSが過剰であること。前論では軽業発動後最速スカーフカミツルギカミツルギ抜き調整を施しているが、考えてみれば軽業発動後に出てくるカミツルギはレッドカードで直接引き当てた場合以外はネットに引っ掛かってSが下がる。そんなに速くしなくてもカミツルギの上は取れたのである。勿論、そのレッドカードで直接引き当てた場合を考えれば調整は決して無駄ではないのだが。加えて、Sが速すぎるが故にネットにかからないポケモン(
ランドロス(霊獣)
ボルトロス(霊獣)等)のスカーフの有無の判断がしにくいという弊害もある。上から殴るためのネットなのに、それを無視して上から殴ってくるポケモンの存在に気付けないというのは痛手である。
これら2つの問題を解決するのが本論の耐久ベースである。耐久に厚くすることで耐えられる技が増えて流せるポケモンが増えるのは当然である。加えて、耐久に割いた=Sを落としたことにより軽業発動後でも浮いているスカーフ持ちに「抜かれる」ことができる。これで抜きエースの弊害となるポケモンを炙り出し、ゲームプランが立てやすくなる。接地しているスカーフ持ちはネットにかかってSが下がるので、その程度ならぱ充分上が取れる。
前論のペロリームに起点要員として更なる安定感を加え、スカーフ持ちの炙り出しという仕事までこなせるようになったのが本論のペロリームである。
性格・努力値
本論は、穏やかH252B20C4D148S84を確定欄に据えている。見ての通りのHDベースである。
HDは先程例に挙げたリザYのぶっぱ大文字確定耐えまで振っている。霊獣ボルトロスのぶっぱZ10万すらも耐え抜ける程の耐久、ランク補正のない等倍特殊技での一発KOは余程のぶっ飛び火力でもない限りないと言ってもいいだろう。素早さは軽業発動後準速スカーフFCロトム抜かれ調整。FCロトム、取り分けウォッシュロトムと
ヒートロトムは厄介な耐性と等倍範囲とボルトチェンジを持っており、スカーフを巻かれると翻弄されることも少なくないポケモンである。こいつらのスカーフの有無が分かるだけでも処理ルートが立てやすいだろう。これでもちゃっかり135族(
メガミミロップ
メガライボルト)は抜いているため、S不足ということもない。余りはBに振ったが、これは前論同様カミツルギのぶっぱスマートホーンを一撃必殺を避ける程度の確率で耐える耐久である。
筆者個人としては、素早さについてはこの数値が最適であると考えている。HBベースの場合もSはそのままでDをBに回し、図太いH252B164C4D4S84とするのがいいだろう。こちらはメガメタグロスのアイヘを75%の確率で耐える程の耐久となっている。
特性・持ち物
特性は軽業、持ち物はレッドカードで確定。どちらも本論のコンセプトである。
技構成
削り・S下降・起点作りの3つを同時にこなすため、がむしゃら(レベル技)・ねばねばネット(USM限定でアブリー系統から遺伝)・欠伸(トゲチック系統から遺伝)は確定。但し、ネットと欠伸に関してはパーティー次第では外す選択肢はなしでもない。
以下、ラスト1枠の候補技を列挙する。尚、確定欄はがむしゃら/ねばねばネット/欠伸/火炎放射としている。
- 火炎放射
フェアリーに出て来やすい鋼への打点。ネットがあまり意味のないハッサム・ナットレイへの打点としても最適。技マシン。
- マジカルシャイン/じゃれつく
タイプ一致技。特殊か物理かでの選択となる。じゃれつくの場合は性格を慎重に、C4をA4に変更する。技マシン/レベル技。
- マジックコート
相手の挑発を跳ね返す。カバルドン等の起点要員との対面で打ってステロ等を逆用できるとうまあじ。教え技。
運用
基本的に先発で出し、相手PTや裏にいると思われるポケモンに応じて動きを変えていく。…と書くと投げやりかよと思われそうだが、実際そんなものである。
これは経験測だが、初手ではネットを使うことが多いように感じる。もし初手で欠伸を使う場合、相手の攻撃が先の場合は後続に欠伸が入ることになる。当然、次のターンにこちらがネットを打っている間に相手は交代するのだが、そのターンにはまだ相手のSが下がらない。Sの下がっていない相手と自分のエースが対面する危険性が高まるのだ。こちらの欠伸が先に出て相手が攻撃してきた場合は言わずもがな、相手が勝手に引っ込むので1ターン無駄になってしまう。ねばねばネットの相手PT全体への半永続的なS下降は他の要素での代えが効きづらいこともある。初手で迷ったらネットを選択すれば損することはないだろう。
軽業発動後は高くなったSを活かし、上からの欠伸やがむしゃらで相手を存分に引っ掻き回していく。相手への削りを優先すべきか、はたまた眠らせることを優先すべきかは双方のPTと相談しながら、である。
相性の良い味方
- メガメタグロス
メガメタグロス
上の取れる範囲の広がった運勝ち製造兵器、と聞いただけでも恐ろしさを分かって貰える読者諸君は多いだろう。筆者も近頃ネット展開の構築(ペロリーム採用ではないが)でメガメタグロスを採用しているが、かなりの活躍を見せてくれる。個人的にはグロウパンチを搭載した型が今熱い。
- 霊獣ボルトロス
ボルトロス(霊獣)
浮いているポケモンの中でも最強クラスであるマンダに強いエースとして。悪巧み搭載電気Z(或いは格闘Z)型ならFCロトムや受けループに対しても止まりにくい。Sをネットに任せられるので耐久にガッツリ振れるのも良い。
- パンプジン普通サイズ
パンプジン(普通)
ちょっとマイナーだが面白そうなので紹介。最速70族抜き調整を施すことでS1↓130族も抜けるようになり、上からの宿り木+身代わり(+鬼火)でかなり広い範囲を嵌めることができる。浮いているポケモンたちの中でも厄介な霊獣ランドロス・ミトム・ギャラドス(飛行Z除く)や特性でネットを無視してくるメタグロス、ペロリームの天敵であるレヒレに強いのも評価点。バンジの実なんか持たせると面白いかもしれない。
ダメ計
確定欄の数値で計算している。
- 与ダメ
・火炎放射
→H4カミツルギカミツルギ
210.3%〜248.8% 確定1発
→Hぶっぱメガハッサムメガハッサム
67.7%〜81.3% 確定2発
→Hぶっぱナットレイナットレイ
59.6%〜70.7% 確定2発
→H244テッカグヤテッカグヤ
29.5%〜35.4% 乱数3発(16%)
→H4ミミッキュミミッキュ
22.1%〜26.7% 乱数4発
・マジカルシャイン
→無振りゲッコウガ(抜群)ゲッコウガ
73.4%〜87% 確定2発
→無振りガブリアスガブリアス
50.2%〜60.1% 確定2発
・じゃれつく(慎重A4で計算)
→無振りゲッコウガ(抜群)ゲッコウガ
78.9%〜95.2% 確定2発
- 披ダメ
メガメタグロスのぶっぱアイアンヘッドメガメタグロス
112.1%〜133.3% 確定1発
カミツルギのぶっぱスマートホーンカミツルギ
88.8%〜105.8% 乱数1発(31.3%)
メガボーマンダの特化スキン捨て身タックルメガボーマンダ
84.6%〜100.5% 乱数1発(6.3%)
ミミッキュの特化ぽかぼかフレンドタイムミミッキュ
80.9%〜95.7% 確定2発
テッカグヤの無振りヘビーボンバー(威力120)テッカグヤ
80.4%〜95.2% 確定2発
メガガルーラの特化捨て身タックルメガガルーラ
63.4%〜75.1%+15.8%〜19% 確定2発
霊獣ランドロスのぶっぱ地震ランドロス(霊獣)
53.9%〜64% 確定2発
メガゲンガーのぶっぱヘドロばくだんメガゲンガー
96.3%〜114.3% 乱数1発(75.0%)
メガリザードンYのぶっぱ晴れ大文字メガリザードンY
83.1%〜98.4% 確定2発
霊獣ボルトロスのぶっぱZ10万ボルトボルトロス(霊獣)
82.5%〜97.4% 確定2発
カプ・テテフの特化フィールドサイコキネシスカプ・テテフ
65.1%〜76.7% 確定2発
ギルガルドの特化シャドーボールギルガルド(ブレード)
42.9%〜50.8% 乱数2発(2.7%)
編集後記
今回は以前投稿した論の改良版という形でのセルフフォーク論となった。いかがだっただろうか。
こういう論は本来、前論に追記したり改良版ということで前論を削除して再投稿するというのが一番なのかもしれない。だが、筆者個人として一度投稿した育成論を消すのはあまり気が進まなく、かといって追記で留めるにしては役割が1つ追加されていたり運用での経験測の記述があったりと少し情報量が多いということで、フォーク論として投稿するという形式を取った。あとなんか育成論をきっちり1本書きたい気分だったのもある前論からよりパワーアップしたペロリームを是非とも使ってみて貰いたい。
お付き合い頂きありがとうございました。
おまけ
スマブラで対戦相手にしずえさんを使われてしまうと勝てる気がしないのだが、筆者はどうしたらいいのだろうか。