わにと申します。よろしくお願いします。
以下の内容に必ず目を通してください。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- その他、容易に理解できる範囲の略称を用います(ステルスロック→ステロ等)
- ダメージ計算は計算式に当てはめて算出しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 無断リンク等問題がある場合はコメントもしくはTwitterにてお知らせください。
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
それでは考察に移ります。
型概要
ステルスロック、岩石封じ、挑発等による味方の展開補助を主軸にした襷ジャラランガの亜種。
基本的な動かし方は従来のAS襷型と変わりませんが耐久に厚くすることにより、メタグロスやゲッコウガ、ゲンガー対面での2回以上の行動を目指した型となります。
すでに襷ジャラランガの育成論(育成論サンムーン/1343)は投稿されているため今回はフォーク論として投稿します。
コンセプト
従来のAS襷型の場合、弱点技+先制技やS下降技+αという動きに対して行動回数を一度しか稼ぐことができませんでした。これら動きは採用率の高いジャラランガZ型に対しても一貫する動きであるため非常に厄介です。
そこで耐久に努力値を回し、2耐えする範囲を拡大することでステルスロック+αの役割を確実に遂行することを目指しました。
副産物ですが、打点のない特殊炎、水、電気、草タイプに対する受け出し性能が向上するため、後発でもある程度運用しやすくなります。
採用理由・差別化
- 採用理由
- キノガッサ、ゲッコウガ対面で2回以上の行動保障があるステロ要員
- 妖タイプに対する選出誘導
- 炎、鋼タイプの積みエースを軸とした構築の起点作成
主な仮想敵は、メガリザードンYウルガモスメガフシギバナキノガッサモロバレルジャローダゲッコウガウォッシュロトムヒートロトムボルトロス(霊獣)メガゲンガーメガメタグロスあたりですが、型の性質上、不特定多数との対面を想定しているため、これらに特別限定するものではありません。
- 差別化
ナットレイ&ユレイドル
キノガッサ、ゲッコウガに対し一方的不利を取らないステロ要員ですが、炎耐性や素早さ、選出誘導力などで差別化は容易です。
その他のステロ要員(カバルドン、ガブリアス、霊獣ランドロスなど)とはキノガッサ、ゲッコウガ対面での行動回数で明確に差別化できます。
持ち物
- 気合の襷
不特定多数との初手対面を想定する上で最強の持ち物。
不利対面での強引な行動保障を得るためにもこの持ち物で確定です。
特性
- 防塵(or防弾)
霰や砂で襷が潰れず、キノコの胞子をはじめとした粉技に対する耐性を持てる防塵推奨です。ゲンガーやギルガルドを意識する場合は防弾も一考の価値あり。
性格
陽気
出来る限り行動保障を得るためSに上昇補正をかけ、使わないCに下降補正がかかる陽気推奨です。
調整案
【HDSベース】
努力値
H132/A4/B4/D116/S252
- 実数値
H167/A131/B146/C-/D140/S150
- 調整意図
H:8n−1
HB:A197メガメタグロスの冷凍パンチ+バレットパンチ耐え
HD:C155変幻ゲッコウガの冷凍ビーム+水手裏剣5発耐え
S:最速デンジュモク抜き、準速ミミッキュ抜き抜き
いただいたコメントを元に調整を再考察しました。(小野芋子さんご提案ありがとうございます!)
メガメタグロス対面を意識したHを確保した上で、最大の仮想敵であるゲッコウガの攻撃を耐えるようD方面を調整。これによりウルガモス等に対する最低限の受け出し性能を得ることができます。
ミミッキュ対面での行動回数確保のためにSは最速。岩石封じ込みで最速フェローチェを抜くことができます。
最後に端数をABに振り完成です。
フォーク元のような攻撃性能はありませんが、コンセプト通り多くの対面で2回以上の行動が可能になります。
確定欄はこちらの配分ですが、以下にDSベースの原案も残しておきます。
【DSベース】
- 努力値
H68/A12/B4/D172/S252
- 実数値
H159/A132/B146/C-/D147/S150
- 調整意図
H:16n−1
HB:A194メガガルーラの猫騙し+恩返し超高乱数耐え程度
HD:同上(D>B)
S:同上
がむしゃらダメージやダウンロードポリゴン2/Zを意識する場合、メタグロス対面=カウンター(後述)という動きを一貫させる場合はこちらの配分も十分実用性があります。
ここから各自調整してください。
耐久振りによる利点(被ダメ)
- C155ゲッコウガ(変幻)の冷凍ビーム+水手裏剣耐え
68.2〜80.2%+2.9〜3.5%(一発当たり)
- C211メガリザードンYの晴れ大文字2耐え
41.9〜49.7% 確3
- C205ウルガモスの炎の舞+目覚めるパワー氷(C+1)耐え
19.7〜23.3%+61〜71.8%
- C216ボルトロス(霊獣)の目覚めるパワー氷超高乱数2耐え
42.5〜50.2% 乱2
- C127ジャローダのリーフストーム+目覚めるパワー氷(C+2)耐え
19.7〜23.3%+49.7〜58.6%
- C222メガゲンガーの凍える風2耐え
40.7〜47.9% 確3
- A197メガメタグロスの冷凍パンチ+バレットパンチ耐え
59.8〜70.6%+23.9〜28.7%
- A177メガガルーラの猫騙し+捨て身タックル耐え
猫:16.7〜20.3.+4.1〜4.7%(最大25%)
捨て身:50.2〜59.2%+12.5〜14.3%(最大73.5%)
などなど
特にゲッコウガやメガゲンガー、メガメタグロス対面での2回以上の行動が確保され、メガリザードンYやウルガモスへの受け出しが可能になることが大きな利点です。凍える風+ヘドロウェーブorマジカルシャイン持ちゲンガーは滅びてください
技構成
- 確定技
ステルスロック
型のコンセプト上確定。
気合の襷や頑丈の無力化、味方のダメージ補助として非常に強力な技です。
岩石封じ
S操作に加え、対面した相手の気合の襷、頑丈、化けの皮を潰すための技。
また、メガリザードンYやウルガモスへの遂行技になるため確定。
H185B113メガリザードンY:58.3〜69.1% 確2
H135B100メガゲンガー:22.2〜26.6% 乱4
H147B87ゲッコウガ(氷):46.2〜55.7% 乱2
- 推奨技
がむしゃら
Aに努力値を割かないこの型において重要な崩し技。
気合の襷や岩石封じとも相性が良く、霊タイプ以外に一貫する大幅な削りが可能です。
挑発
自分の展開を通しつつ相手の展開を阻止する動きができ、起点回避、起点づくり双方に役立ちます。
- 選択技
吠える
ステルスロックのダメージ蓄積や対面操作を重視する場合に。
気合の襷を盾に無理やり相手を流すことができるので積みエースのストッパーとしても機能します。
カウンター
物理ATの強引な処理が可能です。特にメガメタグロス対面で役立ち、思念の頭突き→バレットパンチという処理ルートを許しません。確定欄の配分は冷凍パンチ+バレットパンチまでしか耐えられませんが、この技を採用することでより幅広く対応することができます。
カウンターで一体処理→後続にがむしゃらという流れも強力。
地震
岩石封じと合わせて無振りメガゲンガーを高確率で処理できるため候補入り。
型がバレると霊を後出しされることが多いので、持っていると心強い技です。
H135B100メガゲンガー:74〜87.4% 確2
H167B170ギルガルド(シールド):34.7〜41.9% 確3
H147B87ゲッコウガ(氷):38.7〜46.2% 確3
怖い顔
Sを2段階下げることができるため、リザードンのニトロチャージ展開などを許しません。また、交代を誘発することができるため、ステルスロックとも相性が良いです。
この他の技に関しては使う場面が限られるため、本論においては候補外とします。
立ち回り
基本は初手に出し、ステルスロックを展開していきます。
状況次第で岩石封じ、挑発、がむしゃらを駆使し、こちらに有利な場を整えましょう。
優秀な耐性と耐久を生かしてある程度サイクルに参加することもでき、吠えるやカウンターを搭載すればストッパーとして機能させることもできます。
構築に組み込む際は、選出画面で起点作り型と読まれないよう、もう一体ステルスロック始動役を組み込んでおくと機能しやすいです。
相性の良い味方
- パルシェンパルシェン
ジャラランガ最大の敵であるミミッキュやボーマンダを起点にできるポケモン。
オススメはバリアー型(育成論サンムーン/1604)(露骨な宣伝)。
ギルガルドが重くなるので裏には後述のウルガモスなどを据えると良いでしょう。
- ウルガモスウルガモス
妖、鋼タイプ全般に強いためとても相性が良いポケモンです。ミミッキュやカプ・レヒレの攻撃を耐えるためにHDSベースの混乱実持ち(育成論サンムーン/1445)がオススメです。
- テッカグヤテッカグヤ
こちらも妖タイプ全般に有利なポケモン。ボーマンダに隙を見せない点も高評価。
ステルスロックとの相性が良いボディパージ型(育成論サンムーン/1012)がオススメです。
- カバルドンカバルドン
もう一枚の起点作成要員。カバルドンがキノガッサ、ゲッコウガを初手に呼び込むため、このジャラランガがとても輝きます。(育成論サンムーン/719)
この他、炎、鋼タイプの積みエースと軒並相性が良く、それらを軸とした積み展開の構築に採用しやすいので色々研究してみてください。
あとがたり
ここまでご覧いただき誠にありがとうございました。
今回はTwitter上で考察のきっかけをいただいたDS襷ジャラランガの育成論となりましたが、いかがだったでしょうか。S11ではジャラランガZ+ステロのハイブリッドな型が結果を残していましたが、安定したステロ展開ができる襷型もまだまだ開拓の余地があると思います。
従来のステロ役(カバルドン、ナットレイ等)の穴を埋めることができる上、挑発や身代わりを躊躇させやすいなど、ステロ要員としてかなりスペックの高いポケモンだと思うので、ぜひ使ってみてください。